虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

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    21/06/06(日)23:20:44 No.810591250

    トレーナーさんが合コンに行く。友達からそんな話を聞いた テイオーにお願いしてテイオーのトレーナーさんを通じて確認した所、どうやら事実らしい そもそも直接聞けば教えてくれるだろうに、人伝に事実を探っているのが我ながら面倒くさいものである その場では「まぁトレーナーさんも大人ですし?そういうこともやりますよねー、お盛んですなー」なんて余裕ぶってたけど、アタシの心中は穏やかじゃない 本当は合コンなんて行って欲しくない もしアタシがちょっと小狡く引き止めたら、優しいトレーナーさんはきっと行くのを止めてくれるだろう そう、トレーナーさんにとって、大事なアタシが引き留めれば―― そんな風に考えては自分の卑しさが嫌になって自己嫌悪の繰り返し そもそもそんなことを言う権利はただの担当バであるアタシには無いわけで おかげでここ数日は練習に身が入らず調子はボロボロ それを見てトレーナーさんは怒るのではなく、気遣って心配するので余計に辛い まさか「あなたが合コンに行くのが嫌で気がそぞろなんです」などと言える訳もなく、誤魔化すので精一杯 はぁ…今からこれじゃ、もし当日になったらどうなってしまうのか

    1 21/06/06(日)23:20:58 No.810591340

    そして迎えたXデー。アタシは何をしているかと言うと―― 「いや…本当に何やってるんだろうね、アタシは…」 商店街を抜けた先にある居酒屋の前で一人ごちる そう、居ても立ってもいられず会場の前まで来てしまったのだ かと言って店の中に乗り込むなんて真似も出来るわけはなく、ただ突っ立っているだけ 呆れるほどに中途半端であり、我ながら本当に情けない 「くしゅ…!…半袖はちょっとまずかったかな…」 秋に差し掛かったこの季節、夜は少し肌寒い。アタシは両腕をさすりながら軽く身震いする そうしていると、陽気な笑い声が居酒屋の中から聞こえてくる 育った環境的にそういう雰囲気は好きだけど今は別 トレーナーさんも中で女の人と楽しく飲んでるのかな…なんて思うと空しくなってきた 「…帰ろ…」 打ちのめされた気持ちでそう呟く。勝手に来たくせに勝手に傷付いて…なんてバカなんだろう そう思った時、居酒屋の扉が開いて六人の男女が出てきた。一人はベロベロに酔っていて肩を担がれている。ん?あの人って…? 「え…?!トレーナーさん…?」

    2 21/06/06(日)23:21:12 No.810591444

    担がれていた酔っ払いはトレーナーさんだった。顔は真っ赤でぐでんぐでん、珍しい姿だ つい口に出たアタシの声が聞こえたのか、トレーナーさんたちのグループの目がアタシの方へ向いた そしてアタシの姿を見るなり、女の人たちが声を上げた 「あれ、ナイスネイチャじゃない?!」 「うそー!ナイスネイチャ?!本物?!」 「トレーナー君が呼んでくれたの?!」 あっという間に三人の女性に取り囲まれる 「レースもライブも、いつも見てるわよ!」 「やっぱり近くで見るとカワイイー!」 「応援!応援してます!」 「ええっと…アリガトウゴザイマス…?」 酔っているのもあるのだろうけど、高いテンションで矢継ぎ早に言葉を繰り出される 普段なら酔っ払いの相手なんてなんてことないけど、最低の精神状態から今の状況になるのは混乱するしかない 戸惑いながらも受け答えをしていると、トレーナーさんを担いでいない方の男の人が来て説明してくれた

    3 21/06/06(日)23:21:29 No.810591550

    なんでも女性方はこの男性の友人で、ありがたくもアタシのファンなのだそうだ そしてこの男性が「自分の友人はナイスネイチャのトレーナーだ」、と口を滑らしてしまったのが今回の発端 友人さんはトレーナーさんを介してアタシに会えないかと頼まれてしまい、トレーナーさんに相談をした トレーナーさんは「そういうのは悪い前例になるから」「ネイチャに負担がかかるから」と直接女性たちに断った しかしどうしてもと食い下がる三人に、トレーナーさんがアタシの話をする場を開くということで何とか治めたのだとか どうやら合コンと言うよりファンの集いのようなものだったみたい そうして一通り話をしていたのだけど、トレーナーさんが思ったよりもお酒に弱くて泥酔してしまった為にお開きになったそうだ と言うことはアタシがここにいるのって、トレーナーさんの好意を無為にしちゃってるんじゃ… また自己嫌悪に陥りそうになったところで友人さんの妙に温かい視線に気付く。いや、皆そんな感じでこっちを見てる…?

    4 21/06/06(日)23:22:06 No.810591813

    「それにしても、ネイチャちゃんは本当にアイツに愛されてるんだな~」 不器用なアイツがなぁ…なんて感慨深げにそんなことを言う友人さん 女の人たちもうんうんと頷いて、羨ましいだとか自分も彼氏にそのくらい大事にされたいとか口々に言っている トレーナーさん…この人たちに一体何を話したの?! 思わずトレーナーさんの方を向くと、ちょうどトレーナーさんと目が合った 「あ…?ネイチャ…?何でここに…?」 「ちょっとちょっとトレーナーさん、この人たちに一体どんな話を…わぷっ!」 もう一人の友人さんに担がれてたトレーナーさんはその場を離れてフラフラとこっちに寄ってきたかと思うと、そのままアタシに寄り掛かってきた お酒の匂いに混じるトレーナーさんの匂いに、人前であることを忘れて思わず赤面する

    5 21/06/06(日)23:22:25 No.810591963

    「ラメらろ~こんら時間に外にいらら~ほあ、帰るぞ~」 呂律が回らない口調でそんなことを言いながらアタシの手を引いて歩こうとするトレーナーさん。あの、向かう方向が全然違うんですけど… さらに千鳥足で転びそうになるものだから、慌ててトレーナーさんを支える 「ネイチャ…?何でここに…?」 話題がループしている。こりゃダメだ、早く寝かせてあげよう 「はいはい、ネイチャさんですよー。さぁトレーナーさん、もう帰りましょうねー」 肩を担ぎ直し、その場にいた人たちにお礼と別れを告げてトレーナー寮へ向かう 酔っ払いの世話は慣れたものである でもさっきの人たち、良い別れ方ではないはずなのに物凄い微笑ましい感じで見送ってくれたような…? ――後日、あの視線はなんだったのだろうと客観的に状況を考え直した結果、まるで夫を迎えに来た妻じゃないかと気づいてベッドの上を転げまわったのは別の話である

    6 21/06/06(日)23:22:41 No.810592077

    トレーナーさんを担いで商店街を歩く トレーナーさんの酔いは増々回り、既にアタシを誰だか認識していない 更にはさっきの飲み会の時まで記憶が戻っているのか、アタシの自慢を物凄く語ってくる やれネイチャは努力家だとか、本人は認めてないけどキラキラしていて本当に魅力的だとか… 耳元でそんな風に褒められ続けるものだから、顔から火が出そうだ 少し前まで肌寒かったはずなのに、今は顔の火照りとトレーナーさんの体温で暑くて堪らない ダメだ、こんな調子でトレーナー寮まで語られ続けたらおかしくなってしまう、どこかで一度休まなければ キョロキョロと周りを見回し、まだ明かりの点いている店を見繕う こんな時間に迷惑なのはわかっているが背に腹は代えられない アタシはすぐそばにある店、ブティック・シェリーの門戸を叩いた

    7 21/06/06(日)23:22:53 No.810592183

    「こんな時間に二人で押しかけちゃってゴメンね、キミエさん」 「あら~、いいんだよネイちゃん。気にしないで頂戴」 「トレーナーさんにはネイちゃんが世話になってるんだし、このくらいお安い御用さ」 快く迎え入れてくれたキミエさんの好意に甘え、出されたお茶を啜る トレーナーさんは隣の客間に寝かせてきた 「でもねぇ、ネイちゃんと言うものがありながら合コンで浮気とは、トレーナーさんも悪い男だねぇ」 「ネイちゃん、彼氏の手綱はしっかりと握っておかなきゃダメだよ!」 「や、だから彼氏じゃないってば…」 どうにも商店街の人たちはアタシとトレーナーさんをカップル扱いしたがる トレーナーさんに迷惑じゃないかと時々ヒヤヒヤするけど、正直満更でもない 笑って受け流しているトレーナーさんは、アタシとカップル扱いされてどういう気持ちなのかな… そうやって少し話をしてたらいい時間だ。門限に間に合わなくなる前に帰らなければ 「キミエさん、タクシー呼んでいい?トレーナーさん送らなくっちゃ」 「何だい帰るのかい?もう二人で泊まって行けばいいじゃないの、お布団出しちゃったから」 「え?」

    8 21/06/06(日)23:23:07 No.810592286

    「それじゃね、ネイちゃん。おやすみ」 「ちょっと!キミエさん?!」 あれよあれよとアニマル柄の寝間着を渡されてトレーナーさんが寝ている客間に押し込まれる 外泊許可は何故かキミエさんが電話して取っていた。キミエさん、一体何者…? 「えええ…」 布団でぐっすりと眠るトレーナーさん。その隣にピッタリともう一組の布団がくっついている 無理、絶対無理。トレーナーさんの隣でなんて寝られるはずがない でもトレーナーさんを置いて帰るわけにもいかない。泥酔しているので万が一寝ゲロで窒息なんてしたら大変だ 「しゃーない、覚悟を決めますか」 服を脱いで寝間着に着替える。うう、寝てるとはいえトレーナーさんの傍で着替えるとかドキドキする… 布団に入る前にトレーナーさんの寝顔を覗く。そのあどけない顔を見ている内に段々アタシの顔が近づく ダメだ、落ち着けナイスネイチャ。酔って寝ている所を襲うなんて最低だ。でも… 「世話してあげたんだし、このくらいはいいよね」 そう言い訳して、トレーナーさんに口付けた。飲んだことはないけど、お酒の味がした気がした お休みなさい、トレーナーさん

    9 21/06/06(日)23:24:20 No.810592806

    終わり 前に合コンに行こうとする怪文書みて思いついた 同じネタであと二人くらいはやれるといいな

    10 21/06/06(日)23:28:36 No.810594678

    >前に合コンに行こうとする怪文書みて思いついた 計画が立ち消えになったのとかあったな…

    11 21/06/06(日)23:28:39 No.810594696

    抱け!抱けー!

    12 21/06/06(日)23:29:04 No.810594896

    こういうのでいいんだよこういうので……

    13 21/06/06(日)23:30:22 No.810595467

    ネイチャとテイオーってレース抜きにすると普通に仲良いよね 恋愛面でウマ娘同士が助け合うのは良いと思う それはそうとしてはよ抱け

    14 21/06/06(日)23:31:40 No.810596038

    ネイチャテイオーマヤノあたりは情報交換してそう そこにマヤノ経由でカレンチャンが加わるともうヤバい

    15 21/06/06(日)23:31:46 No.810596085

    ファンの間でも2人の仲は知られてるのか… じゃあ尚更早く抱けー!抱けー!

    16 21/06/06(日)23:31:57 No.810596170

    好き!

    17 21/06/06(日)23:33:10 No.810596688

    ネイチャはこういうズルい事する姿が似合いすぎる…

    18 21/06/06(日)23:40:44 No.810599756

    トレーナーさんをお姫様抱っこしてて欲しい

    19 21/06/06(日)23:45:42 No.810601647

    合コンネタはカレンチャンでお願いします…

    20 21/06/06(日)23:49:37 No.810603215

    これだけマークされてると仮に本当に出会い目的の合コンだったとしてもそれとなく周りから阻止されそう…

    21 21/06/06(日)23:52:38 No.810604415

    ネイチャとテイオーは血縁近いからな…