21/04/05(月)01:02:39 梨花×沙... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1617552159641.jpg 21/04/05(月)01:02:39 No.789927336
梨花×沙都子×オバシロ 強火妄想幻覚 ──それは、鳥かごの格子細工に隠然と象られた、 気づいてはならない、第四のルールだった── 契約により完全なる『繰り返す者』となったわたくしが、 梨花が経験した百年のかけらのすべてを眺め終わった後。 わたくしと雛見沢を捨てることなどぜったいに許さないと決め、 気分屋で頑固な裏切り者の梨花をやりこめる方策を練っていた時のこと。
1 21/04/05(月)01:02:54 No.789927419
昭和五十八年六月の雛見沢における惨劇のルールXYZと、 全ての因子を理解したわたくしは、当然の結論に辿り着いた。 この力と知識があれば、だいすきなにーにーを救うことができる。 いや、そればかりか、梨花のご両親すらも救えるのではないか……。 梨花のご両親が健在であれば、古手神社を放棄するハードルは高いものになる。 環境が大きく変われば、いくら頑固者の梨花でも少しは話を聞くかもしれない。 うまく言いくるめてふたりでオヤシロさまの巫女として暮らすのも楽しそうだ。 梨花の隣にはずぅーっとわたくしがいっしょにいて、 にーにーもいっしょ。ねーねーもいっしょ。みーんないっしょ。 それは自分がいくら望んでも得られなかった、人並みの幸せだった。
2 21/04/05(月)01:03:57 No.789927764
昭和五十五年六月二十二日。二年目の綿流しの日。 あの女が死んだ日のかけらを拾い集め、矯めつ眇めつ観察した。 発症したわたくしが母と義父を突き落とすこともあれば、 母と義父に殺されそうになって崖下へ突き飛ばすこともある。 車内で眠るうちに柵が壊れ、両親が転落することもあれば、 抱き着こうとしたわたくしが誤って突き飛ばしてしまうこともあった。 どのかけらも結果的には両親の死で終わることだけは確実だった。 兄の発症を防ぐには両親の生存が最もスマートな方法なのだ。 わたくしに向かって「生まれて来なければよかった」と宣った淫売と、 この顔も覚えていない男を親と呼んで慕うのは演技であっても不快だが……。 いずれ折を見て始末すれば済むこと。大切なのは目的であって手段ではない。 わたくしは「にーにー救出!梨花とずっといっしょですきすきちゅっちゅ作戦」を実行に移した。
3 21/04/05(月)01:04:11 No.789927819
既に多くのかけらを観測して知っていたことだが、 鷹野の古手夫妻殺害は北条夫妻の死を利用し、なぞらえて行われることで……。 つまり、わたくしの両親が健在でさえあれば梨花のご両親が生存する可能性はぐんと上昇する。 そうして生存した古手夫妻の反対で、梨花という女王感染者の被験体を失った入江機関の研究は頓挫。 兵器転用のための成果が得られなかった鷹野は失脚。入江機関は無期凍結、山狗も解体された。 昭和五八年六月を待たずして、ルールYそのものが消失してしまったのだ。 ──それは、計画外のことだった。 梨花を閉じ込めておくはずの鳥かごが壊れてしまった。 H173も存在しない。これでは惨劇を起こすこともできない。 呆然としているあいだに、わたくしが両親を生かしたことで起きたちいさな波紋は、 まるで蝶の羽ばたきが嵐を起こすように雛見沢という鳥かご全体に波及していった……。
4 21/04/05(月)01:04:48 No.789927993
兄が健在であれば結果的に圭一さんの疑心暗鬼が防がれ、稀に発症したとしても悪化することはない。 そして、詩音さんがわたくしの兄のことで悩み、やがて発症することもこの世界ではありえないのだ。 わたくしを助けるために圭一さん、レナさん、詩音さんが叔父を殺し発症することもなく……。 雛見沢で暮らす叔父が、興宮の間宮リナと結託してレナさんの父を脅迫する事件も発生せず、 レナさんの発症による分校テロ事件も発生しない。これによりルールXが消失。
5 21/04/05(月)01:05:13 No.789928089
兄と圭一さんは転校初日から意気投合。兄弟の誓いによりWにーにーコンビを結成。 詩音さんも含め総勢七名となった部活メンバーは、これまでのどの世界よりも強く結束。 雛見沢のみならず興宮でも伝説に残る名勝負を繰り広げ、鹿骨市最強の名を欲しいままにした。 ダム戦争と北条家の村八分を知った圭一さんが仲間と協力して町会と御三家に直談判を行い、解決する。 公由古手園崎の連名でオヤシロ様の祟りと村八分の終結を綿流しの祭りの場で宣言し、最後のルールZも消失。 お祭りの縁日で行われた七凶爆闘は熾烈を極めた。どの屋台のどの種目でも最後まで勝敗がつかなかった。 Wにーにーの交互射撃で落とした大きなぬいぐるみをプレゼントされて嬉しくていっぱい泣いてしまった。 そして昭和五十八年六月を過ぎ、夏になっても誰ひとり発症せず、惨劇は起こらなかった。
6 21/04/05(月)01:05:28 No.789928175
やがて死ぬことが決まっている両親に対し突き放すような態度を取っていた梨花だったが、 昭和五十六年六月を過ぎても生きている両親に戸惑い、ひとしきり泣いた後は母親にひどく甘えるようになる。 入江が辞職してからは毎日執拗にわたくしの心境や体調を心配していた。迷惑だったけどとても嬉しかった。 梨花の中にあった遠慮のような感情が消えた。べたべたとわたくしに甘え、会えば頻繁に抱っこをせがむ。 以前の梨花はわたくしの病気のこと、兄の所在、両親の死の真相についてずっと嘘をついていた。 どこかでその負い目を感じてわたくしから距離を取っていたのかもしれない。 祈るような悲壮な表情をしていた梨花は、惨劇が起きないことを知ると縁側で眠る猫のように弛緩した。 甘えん坊で寂しがり屋で、誰にでも抱き着き、大好きな母親の後をとことことついて回る……。 それはどのかけらでも見たことのない、二面性のない梨花の姿だった。 わたくしを切り捨てた冷酷な梨花とはまるで別人で……言い様のない、強い不快感を感じる……。 中学二年の夏を過ぎても、梨花は聖ルチーア学園への進学の意思を示すことはついになかった。
7 21/04/05(月)01:06:23 No.789928381
機関が解体され東京の圧力を失ったためか、秋にはダムの再開発計画が持ち上がっていた。 ダム戦争に必要なルールZもなく、抗しきれなかった雛見沢全戸の水没が決定してしまった。 かつての村人の団結を恐れてか、代表の園崎家と国の交渉は信じられないほど有利な条件で終結する。 迷信深い老人たちも梨花のお父さまの「オヤシロさまが遷宮をお認めになった」との託宣に納得した。 村民や仲間たちが互いを信頼し強く連帯したことが逆に、新しい環境への不安を奪ってしまったのだ。 分校魂は永久に不滅だと笑いあう仲間たちを、わたくしはどこか冷めた目で傍観していた。
8 21/04/05(月)01:06:45 No.789928468
分校生徒のほとんどは興宮市内に用意された住宅に転居し、興宮の学校に通う。 古手家も興宮のはずれに遷宮される古手神社に引っ越す予定だと聞かされた。 多額の補償を得た両親は、かつて村八分を受けた雛見沢を嫌い、 遠い土地へ転居することを決めた。わたくしの反対は聞き入れられなかった。 両親を殺してでも大好きな梨花と一緒に残るつもりでいたのに、 またわたくしのせいで兄が困り悲しむことが怖くてどうしても実行できなかった。 にーにーとねーねーが仲睦まじく寄り添っている姿を見て心が満たされ、同時にざわめいた。
9 21/04/05(月)01:06:59 No.789928525
大切な仲間はみんな誰も彼も楽しそうに笑っていた。 見たことがないほどに、それは美しく完璧に紡がれた理想のかけらだった。 世界が眩しくあるほどに焦燥感が込み上げ、自分の輪郭が分からなくなっていく……。 わたくしには仲間がみんな幸せなこの世界を否定する権利などない。 両親と共に雛見沢を離れ、梨花と離れ、自分自身の人生を生きればいいだけだ。 長期休みに遊びに来たり、高校を出たら興宮で一人暮らしをしたっていい。 でも、わたくしには我慢ができない。もっともっと、欲しいものがある。 梨花の駆け回る足音……「沙都子」と呼ぶ優しい声……そばにいる温もり……。 梨花とふたりきりで暮らしたかった。梨花を独占したかった。この世界は何かが違う。 わたくしはいくらでもやり直せる。気に入らないものは全部捨ててしまえばいい。 澱のようによどんだ穢らわしい欲望がふつふつとおなかのなかで煮えていた。
10 21/04/05(月)01:07:12 No.789928576
そうして、気が付いてしまった。それは伏せられていた第四のルール、W。 梨花が囚われている、この鳥かごを閉じておくための唯一の鍵。 それは『北条沙都子』自分自身であったのだと。 はじめは、親殺しの罪なのだと思った。 でも違った。 わたくしのわがままで聞き分けのない人格が発症を誘引し、両親の死を必ず引き起こすからだ。 その死が、まるでドミノ倒しのように他人を巻き込みながら昭和五十八年の惨劇へと向かっていく。 そして錠前が砕かれた今、わたくしは自ら梨花を惨劇の鳥かごに閉じ込めようとしている……。
11 21/04/05(月)01:07:24 No.789928626
わたくしがはじめからこの世に生まれてくることさえなければ、 梨花は繰り返す者として百年間も苦しみ足掻き続けることなどなかった。 そこにあったのは梨花と梨花の大切な人たちが誰も悲しむことのない、 仲間が誰も傷つかず、幸せでいられる世界。繰り返す必要のない世界だ。 償わなければならない罪があるのは、わたくしだけだった。 優しさや幸せを欲しがってばかりで、うるさくて迷惑でみんなの邪魔者、北条沙都子。 好かれる価値も、何かを欲しがる資格もない、にーにーや梨花に捨てられて当然の自分だけ。 ──わたくしは、生まれて来てはいけなかった。
12 21/04/05(月)01:07:35 No.789928672
離れ離れになることを嫌がり涙ぐむ梨花を麻酔で眠らせて、 ぎゅーっと抱き締めながら、やさしくやさしく殺してあげた。 わたくしが諦めきれなかったから。あなたのことがずっと大好きだから。 深く眠ったまま抜け殻になってしまった梨花の体温が冷めていくのを感じながら、 自分が今いったいなにを失くしてしまったのかわからず、恐ろしくて泣いた。 泣きながら自分の喉を何度も何度も何度も何度も、梨花を殺したその刃で突いた。
13 21/04/05(月)01:07:48 No.789928718
生まれて来てごめんなさいでした。欲しがってばかりでごめんなさいでした。 優しくしてほしくてごめんなさいでした。しあわせになりたくてごめんなさいでした。 りかをすきになってごめんなさいでした。りかといっしょにいたくてごめんなさいでした。 ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。 ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい……。
14 21/04/05(月)01:08:01 No.789928779
「これ、人の子よ。やっと戻ってきたかと思えばいったい何をしておるのだ?しっかりせぬか」 気が付くと誰かにしがみつきながらもがいていた。息ができない。心が砕けて消えてしまいそう。 「まだ観劇は始まったばかり。まだ対価には程遠い……我はそなたを手放しはせぬぞ?」 熱い血がしたたる幻覚に襲われ、喉の傷があった辺りを押さえながらわたくしは声をあげて泣いた。 自分より大きな柔らかく暖かな身体に抱き締められ、背中を撫でられているうちに少しずつ落ち着いてきた。 「しょうのない人の子じゃなぁ、そなたは。いったいなにゆえに泣いておるのやら……」 そう言って彼女はやさしい指でわたくしの涙を拭い、頭を撫でてくれた。 「ぐす……泣いてなどいませんわ……あなたの勘違いではございませんでして?」 「ふふふ、あはははっ……そなたは、これが涙ではないと申すのか?たわけたことを」 おかしそうに笑う彼女に抱かれながら、 こんなふうに慰められるのは何度目だろうと思った。
15 21/04/05(月)01:08:13 No.789928840
予想もしなかった新しい動機で発症した詩音さんに監禁された世界で、 数十時間の拷問を受けて苦しみ抜いてから死んでここへ戻ったことがあった。 長椅子でくつろぐ彼女に泣きながら飛び掛かり、拒まれないのをいいことに、 たっぷり丸一週間ほど抱き着いてなでなでしてもらい甘えてしまった。 かけらを眺める彼女のお膝の上に乗って、他愛もないことを話したり、肩に頬ずりして甘えた。 手をぎゅっと握って宙を流れていく無数のかけらを見ていたら、笑いかけてくれたこともある。 自殺した世界から戻って来たら、抱き着いてお話するのがくせになってしまった。 ふわふわでやさしくてあたたかくていい匂いがして、 わたくしをけして憐れんだり、否定したり、蔑んだりしない。 たくさんの力をくれて、わたくしが何をしても笑顔で褒めてくれる。 それは何もかもはじめての経験だった。肌の温もりは甘い毒薬のように心を蝕んだ。
16 21/04/05(月)01:08:25 No.789928894
──あれから、数多のかけらで何度も自殺を繰り返し準備を整えた。 もう一度、絶対に解けない惨劇に引きずり込むことで梨花の心を折り、 梨花を梨花ではない恐ろしいものに変えた、あのおぞましい学園への進学を防ぐ。 いや、それでは不十分だ。雛見沢から絶対に出さない。出る気力を折る。 不可逆な記憶の累積など少々のイレギュラーはあったが、 事前に完璧な準備を行うわたくしには問題にもならない。 ルールXYZはあの世界と同様すべて消失してしまったけれど、 L5誘発薬のH173さえあれば、祟りなど自在に操ることができる。 二度と、絶対に、わたくしを捨てることは許さない……。
17 21/04/05(月)01:08:37 No.789928945
入江機関でケースの暗号を破り、すべての準備を終えて戻ったとき、 わたくしがエウアと名付けた彼女は椅子に座ったまま眠っていた。 「もう、エウアさんったら……」 どこか無機質でありながら妖艶な人外の美しさを持つ無垢な寝顔を見つめながら、 なぜ彼女が自分にたくさんのものをくれるのか、甘やかしてくれるのか理解し始めていた。
18 21/04/05(月)01:08:54 No.789929004
気づけばわたくしは彼女の肩に手を掛け、 「ちゅ、んちゅ……」 キスをしていた。 後頭部をぐるりと囲む半円を避けて、頬に片手を添え、 色の薄い唇を小鳥のようにやさしくついばんだ。 「はむ、ちゅ、ちゅう……」 唇をやさしく舐め上げ、舌を割り入れようとしたそのとき。 「これは、驚いた……」 エウアが蛇のようなすみれ色の瞳を真ん丸に見開き、驚愕の表情を浮かべていた。 貼り付いたような薄い笑みや楽し気に笑っている表情とは違う、新しい表情だった。 取り澄ました仮面を引きはがしてやったのだと思うと、くすぐったくて暖かな気持ちになる。
19 21/04/05(月)01:08:59 No.789929018
すげぇ長い怪文書だ
20 21/04/05(月)01:09:04 No.789929031
「てっきり、そなたが我に求めておるのは母親か姉のような関係か何かであるとばかり……」 「いけませんでした?あなたがあまりにも間抜けな顔で眠りこけていらっしゃったものですから」 「いや、構わぬ。人の子よ、そなたには驚かされてばかりであるなぁ。飽いたと思う暇もない」 うふふふ、あーはっははは……と笑うエウアは、 ふいにすべての感情が抜け落ちたような冷たい笑顔になった。 「それで、猫のことはもうよいのか?このあいだはずいぶんと楽しそうな夢を見ておったようであるが」 「いいえ、少しあなたをからかってあげただけですのよ。おかしな勘違いをなさらないでくださいまし」 「ほぉう……この我の口を吸っておいて、からかっただけと申すか。そなたはほんに面白いのぅ」 底のない闇のような表情は消え、また皮肉げな笑顔が戻る。 だがそれは、こちらを見透かし探るような目つきだった。
21 21/04/05(月)01:09:18 No.789929081
「……わたくしが再び梨花を惨劇の輪廻に閉ざしてみせますわ。そして、梨花に分からせるんですの。 雛見沢を捨てようという気持ちがある限り、今度の惨劇は永遠に終わらないということを」 「ふふ、うふふっ、鷹野が神になる願望を捨てた矢先に、そなたが神になろうと言い出すのだから。実に見飽きぬぞ」 笑いながら彼女は錫杖をこちらに向けた。 「さて、それでそなたはオヤシロさまとしてどのように祟りを操るのか?」 「既に方法は用意してありますのよ?H173を使わせていただきますわ」 先ほどの入江機関でのかけらを指で押し、エウアの手元に向けて宙をすべらせる。 かけらの中を透かし見た彼女は、満足したような笑顔を見せた。
22 21/04/05(月)01:09:30 No.789929125
「これで惨劇を起こすも起こさぬも、誰に起こすのかさえも、そなたの想いのままであるなぁ」 純粋な好奇心に輝いた目で、彼女がこちらをちらりと見た。 「だが、それを使うことに良心の呵責はないのか?」 「別にありませんわ。だって、わたくしと梨花が一緒に暮らす未来では、惨劇など起こりませんもの」 わたくしが言い切ると、エウアは心底楽しそうに笑った。 「それ以前のかけらの出来事なんて、なかったも同然でしょう?わたくしが最後に選んだかけらが、 唯一の世界になるんですの。その過程はすべて、ゆめやまぼろしと同じですわ」 なにかを壊してはいけないのは元に戻すことができないからだもの。 すぐに代わりのものが用意できるなら、別に壊したって叱られるようなことじゃない。 「ふふふ、そなたはつくづく、繰り返す者としての適性があるな」
23 21/04/05(月)01:09:42 No.789929169
彼女がわたくしに向ける優しさはきっと、無償の愛情なんて暖かなものではない。 おそらく草や木が自分の目的を満たすために、 色とりどりの花を咲かせ実を結び蜜をしたたらせるようなもの。 「何度も言いましたわよね、エウアさん。わたくし、勝つと決めたら絶対に勝つんですのよ」 ……わたくしはうまくあなたの本能をあやつって、 たっぷりとあなたに可愛がっていただくつもりなんですの。 にーにーにも、梨花にも捨てられて、わたくし自身でわたくしを捨てて。 そろそろわたくしにも、自分というものがいったい何なのか……分かってきていましてよ? わたくしのなかにはもうなぁんにもないんですわ。クリーム抜きのシュークリーム。 梨花を好きだという、このたいせつな気持ち以外には、もう何ひとつ残っていませんのよ。 このうえやっと見つけたエウアさんにまで捨てられてしまうなんて、ぜったいにごめんですわ。
24 21/04/05(月)01:09:53 No.789929203
「梨花と一緒に雛見沢で暮らす、その未来をわたくしがゴールとする以上、それこそが約束された絶対の未来」 誰からも好かれない、何の価値もないわたくしが、 憐れまれずに人並みに愛していただくためには、劇が必要なんですのよ? エウアさんのうすっぺらい笑顔が崩れて、わたくしに釘付けになるような、 血と狂気と臓物にまみれた世にも悲しい喜劇が。 お代はあなたのやさしいだっことちゅっちゅ。 気まぐれな猫さんも絶対に逃がしませんわよ。 わたくしの『鳥篭』で千年かけて思い知らせてあげますわ。 「待っていてくださいませ、梨花♥だぁいすきな梨花♥二人の幸せな世界は、すぐそこですわぁ♥」 梨花にも、エウアにも、もう誰にも捨てられてあげるものですか。 わたくしが擦り切れて、なんにもなくなってしまうまで踊ってさしあげましてよ。
25 21/04/05(月)01:11:33 No.789929559
いじょうです えうさとがないので書きました
26 21/04/05(月)01:12:59 No.789929855
筆力がおたかい…
27 21/04/05(月)01:15:29 No.789930322
随分と引きこまれてしまった 破滅の匂いしかしないけどエウさといいよね
28 21/04/05(月)01:15:44 No.789930374
夜遅くにすごいのが来たな
29 21/04/05(月)01:19:30 No.789931150
このゲスレズ高校生幼女!!
30 21/04/05(月)01:20:36 No.789931371
読ませるなあ…
31 21/04/05(月)01:21:44 No.789931617
人ならざる者に堕ちたので同じ存在に甘えるのいいよね…
32 <a href="mailto:篭殺し編">21/04/05(月)01:30:28</a> [篭殺し編] No.789933390
>随分と引きこまれてしまった >破滅の匂いしかしないけどエウさといいよね お耽美で超いい… タイトル付け忘れた
33 21/04/05(月)01:30:29 No.789933392
可愛い話ではあるけど読み終わって鬱々としてしまった…
34 21/04/05(月)01:33:38 No.789933975
えうさと増えろ!
35 21/04/05(月)01:39:44 No.789935135
超絶理想のカケラで雛見沢がダムに沈むって意外と卒のEDになりそうにも見える展開
36 21/04/05(月)01:42:09 No.789935577
実際郷壊し編の同窓会の未来の雛見沢ってそのうちダムに沈みそうだもんね
37 21/04/05(月)01:43:06 No.789935745
>実際郷壊し編の同窓会の未来の雛見沢ってそのうちダムに沈みそうだもんね 症候群がなくなればもう村を残す理由が無いからな
38 21/04/05(月)01:46:01 No.789936272
さらっと拷問狂に戻ってる詩音…
39 21/04/05(月)01:52:43 No.789937583
>症候群がなくなればもう村を残す理由が無いからな ダム戦争とか実は関係なくて政府中枢に力持ってるABC理事会にとって不要になったら沈むだけだからな
40 21/04/05(月)01:53:29 No.789937707
唐突に極大の情念を文章量で叩きつけられて俺は……ビックリした
41 21/04/05(月)02:00:16 No.789938866
実際詩音って悟史の記憶引き継いだだけで本当に発症しないの? 本人も魅音の話なくても何で爆発してもおかしくないって言ってるし・・・
42 21/04/05(月)02:15:20 No.789941202
大石だけが救われない世界
43 21/04/05(月)02:21:44 No.789942079
沙都子判賽殺し編かと思ったらすごいところに着地した…
44 21/04/05(月)02:23:08 No.789942284
欲しがり沙都子♥
45 21/04/05(月)02:27:55 No.789942930
>欲しがり沙都子♥ 嘘つき梨花♥
46 21/04/05(月)02:55:57 No.789946127
たしかに沙都子の両親が亡くならなかったら祟りという名の惨劇は起こらないんだよな…