21/04/05(月)00:16:43 あの日... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1617549403967.png 21/04/05(月)00:16:43 No.789912389
あの日以来、私は指揮官から離れることに抵抗があった 彼の近くで、彼を眺めつつ、彼の為に仕事をする。 それが私にとって日課だった、幸せでもあった。 そうするようにしてから二日目、指揮官にこう聞かれた。 「どうしてずっと傍にいるんだい?」 無愛想な方である彼にしては、極力優しく問われた言に対して 私は自然とこう答えていた。 「私が貴方の人形だからです」 そんな事は前からそうなのだが、今はその事実が私の中で KSGである事や隊長である事などと同じ程、或いはそれ以上に 大きな比重を持って存在していた。 そんな答えに対して指揮官は少し顔を赤くして 「成程な、ならば仕方のないことだろう」 そう肯定してくれて、私はここ最近感じてきた喜びをまた一つ メモリーに焼き付けたのだった。
1 21/04/05(月)00:16:56 No.789912458
朝日を確認して、彼の目立たぬ場所にキスマークを残す 隊員からの連絡を確認して支度を終える、そうした頃には指揮官が目覚めて 私は彼の手を取って軽く抱き合い、キスを交して挨拶する 「おはようございます」 「おはよう」 脳髄がシロップ漬けになるほどの甘ったるい朝を過ごした後 キッチリと制服に身を包んだ彼は一転してシロップを珈琲に詰め替るように 軍人らしい重みある表情を纏って部屋を出て、私もそれに追従する。 前は時折指揮官を待ち構える人形もいたが、私の同行の甲斐あって無くなった 当たり前の話だが、直談判などは許されず先ず私を挟むのがここの規律だ 故にこの静かな廊下に響く私と彼の足音は正常な朝を示す一つだった。
2 21/04/05(月)00:17:07 No.789912522
執務室の扉を開けて、真ん中に位置する彼の定位置に座るのを確認したら グリフィンが下す指令や伝令の積み重なる書類を抱えて運び 彼の元に置いてからやっと私の定位置に落ち着く。 演習や整備といった私がこの場を離れる用事まではこの執務室には 二人分の作業の音と息遣いだけが存在する。 時折指揮官向けの申請や報告を行う人形が来る事もあるが 決して無駄な用事でも無く、あくまで仕事なのでそれを気にする事は無い 無論意味もなく残ったりするような事は良しとしないが。 そうして昼時に時計の針が回る頃には一通りノルマを終えて 指揮官も執務室以外での作業が求められるのもあって 扉の開く音と共に二人分の足音が再び廊下に響く。
3 21/04/05(月)00:18:22 No.789912977
あくまでも仕事として出歩く指揮官に対して、暇を弄ぶ人形や 何やら考えている人形が寄り付く場合、勿論私が対応する。 指揮官には指揮官の仕事があり、それを円滑に進める為にその傍に私は立つ 故に望まれるなら演習において評価も行うし、手を貸すこともする 色恋が起因でも、切り替えてるうちはあくまでも"彼の人形"としての仕事を行うつもりだ。 そのおかげで私の調子は良いし、仕事の効率も向上しているのであの申請をした意味は大きいのだろう。 MDRの言葉だと侮っていたのはいずれ謝るべきかもしれない。
4 21/04/05(月)00:18:41 No.789913098
そうして出歩く仕事も終えた指揮官は、部屋に戻って鍵を掛ける 軍服を脱いで風呂に入り、他愛もない話をしながら背中を流しあい 疼くならば抱き合い、そうでないなら軽いキスを最後に眠りにつく。 これが私が選んだ誓約の形だ、昔は考えもしなかったけれど 彼の対等な立場として身につける指輪に見合った関係性だと私は思う。 何かキッカケがあれば、更に変わっていくのかもしれないけれど そうなったとしても根幹にあるドキドキは変わらないだろう。 「指揮官」 「どうかしたか?」 「愛しています」 顔を向き合ってるわけでは無いが、そこには微笑みがあるだろう そう思いつつ目を閉じたのだった。
5 21/04/05(月)00:18:58 No.789913213
KSGとイチャコラしたい人生だった…
6 21/04/05(月)00:19:16 No.789913329
あいつ
7 21/04/05(月)00:25:41 No.789915646
真面目な子から飛び出るシンプルな愛は健康に良い