虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

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21/03/28(日)23:09:00 先日の... のスレッド詳細

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21/03/28(日)23:09:00 No.787760586

先日の「」嬢様ダイススレでのホワイトデー編をレブル中心で怪文書を書かせていただきました あまりに長くなったので前後編の後編です このスレ自体はダイススレではありません 思いっきり三次創作ですのでご了承下さい あらすじ ホワイトデーの図鑑所有者たち 男たちはお返しをしようとするが大抵はその日に送るにはちょっと…だったりグリーン先輩野郎に拉致られたりで…

1 21/03/28(日)23:09:24 No.787760752

「あと、ブレスレットとかネックレスは束縛したいって意味らしいわ。鎖からの連想ね」 「へぇ…」 「まあ、そもそもレッドが誰かを束縛したいって想像できないんだけど」 「そうだなぁ。みんなにはできるだけ好きなようにやらせたいかな」

2 21/03/28(日)23:09:41 No.787760848

《ありがとうそーちゃん!こんなに高い部品いっぱいくれてお金大丈夫だった!?》 「結構稼げてるから大丈夫だよ」 ガラルのマグノリア号内。 誕生日プレゼントとして渡された高品質のPCパーツを手に、しーちゃんこと盾シルドミリアは上機嫌だった。 そーちゃんこと剣創人はそれを見て頑張った甲斐があったと内心安堵した。 「あとこれ。ホワイトデーのお返しだけど」 《あっ!そうだったね!あたしの誕生日ってホワイトデーだった!》 小包を渡すとしーちゃんは開封する。 《ネックレス?そーちゃんが作ったの?》 「うん。人間用のもたまにはと思って」 《ほえー》 しーちゃんはしげしげとネックレスを眺める。 その反応にこちらは気に入ってくれたのだろうかとそーちゃんは少し不安になる。

3 21/03/28(日)23:09:59 No.787760964

《そーちゃんって、あたしを束縛したいの!?》 「…え!?」 突然の発言に、そーちゃんはしーちゃんに負けないほどの大きな声を出してしまった。 「え…?どういうことなの?」 《ホワイトデーに贈るネックレスってね!あなたを束縛したいって意味なんだって!》 「…知らなかった」 珍しく目を見開いてそーちゃんは愕然とした。 《そーちゃんって意外とそういう願望あるのね!》 「いや、違うよ!誤解だから!」 この誤解が解ける頃には、もう日が暮れていた。

4 21/03/28(日)23:10:19 No.787761087

「逆に悪い意味の贈り物だけど、ハンカチってダメらしいわ。 涙を拭くものを渡すってことは相手を失恋させることなんだって」 「そういうのもあるのか…」 「定番と言われてるマシュマロも、 口の中に入れたらすぐ溶けるから自分たちの関係はその程度ってことになるの。 だからあなたのことが嫌いって意味になるんだって」 「もうここまでいくとこじつけなような…」 「レッドはこれ贈らないようにね?」 「わかった…」

5 21/03/28(日)23:10:34 No.787761180

「……ごめん、サファイア。 そんな意味だってボク知らなくて…」 ホウエンのミシロタウンのルビーの自宅。 サファイア、オダマキ博士、そしてセンリの前でルビーは謝罪した。 ホワイトデーのお返しにハンカチを渡した途端、サファイアが号泣してしまった。 そのせいで急遽父親2人が集まって事情を話し合った結果、 ハンカチが別れたい時に渡すものだと知ってルビーは愕然とした。 「ルビーは、意味とか知らんちゃろうとは、あたしも思うとった…。 ばってん、もし意味わかった上でハンカチにしたらって思うと、怖くなって…。 ほんなこつ別れたかって思うとったら、どうしようって思うと涙がとまらんで…」 まだ流れる涙を拭いながらサファイアが言う。

6 21/03/28(日)23:10:52 No.787761285

幼い頃に守ったつもりが怖がらせたこと。 隕石落下の時に真実を伝えなかったせいで話せなくしてしまったこと。 それらと同じ過ちを今、してしまいそうになっていた。 「…ボクがサファイアと別れるなんて、ありえないよ」 サファイアの手を取り、目を見て言う。 ハンカチではなく、あえて手で彼女の涙を拭う。 「あの時、最後の瞬間までキミと一緒にいたいって言ったこと。 それは絶対嘘じゃないしこれからも変わらない。信じてくれ」 「……ほんなこつ?あたしんこと、もう置いて行かん?」 「…うん。約束する」

7 21/03/28(日)23:11:08 No.787761382

一瞬、躊躇したがルビーは頷く。 サファイアを守りきれなかったらという考えが頭をよぎったが、 そんなことより目の前のサファイアの涙を止めたい。 ずっとそばにいないとダメだという思いがルビーの首を縦に振らせた。 「…なら、許しちゃる」 「うん、ありがとう」 涙でぐしゃぐしゃになった顔で、それでも笑うサファイアにルビーも笑って応える。 センリとオダマキは、それを見てため息をついた。 「一時はどうなるかと思った…」 「すまんな。うちの息子が」 「博士も、ごめんなさい」 「いやいや。サファイアが許すなら私からは何も言うことはないよ」 先程までの陰鬱な空気が消えていく。

8 21/03/28(日)23:11:24 No.787761478

よかった、とルビーも安堵した。 今度からもう少し調べてから贈り物を選ぼう。 ルビーはそう誓った。 「ルビー!!」 と、自分の名を呼ぶ大きな声が聞こえた。 何事かと全員がその方角を向くと、 ドアを壊しかねないほど勢いよく開いて、ミクリが入ってきた。 「師匠?」 「…キミに質問がある。ミクリやファンの子たちになにをプレゼントした?」 「なにって、マシュマロですけど…」 そういうと、サファイア達がそろってあちゃーと言いたげに顔を伏せた。 「え!?もしかしてマシュマロもダメなんですか!?」 「…あんたんことが好かん、って意味になるったい」

9 21/03/28(日)23:11:46 No.787761608

「ボ、ボク、そんなつもりじゃ…」 「それはわかっている。 キミのことだから悪気がないのはわかる。 だけど…」 ミクリがこちらをキッと睨む。 「キミの師匠として、ミクリの叔父として、 コンテストに関わるものとして、キミを叱らせてもらう」 「え…、博士!父さん!…サファイア!助けて!」 ルビーの悲痛の叫びをサファイアたちは耳を塞いでやり過ごした。 「…たまにはお前は叱られた方がいい」 センリの言葉にサファイアも博士も頷いた。 今度から完璧に調べてから贈り物を選ぼう。 ルビーはそう誓った。

10 21/03/28(日)23:12:00 No.787761691

「で、グミも嫌いって意味になるんだって」 「え、なんで?」 「グミってキャラクターものが多いでしょ。 それを噛み砕くことからあなたのことはぐちゃぐちゃににしたいくらい憎いってことらしいわ。 レッドもグミ贈ったらダメよ?」 「…グミとマシュマロ、ハンカチはまずいんだな。覚えておく」

11 21/03/28(日)23:12:20 No.787761807

「ごめんワイちゃん!グミってそういう意味って知らなくて!」 「そこまで気にしないでいいわよ。キミは意味知らないだろうなってすぐわかったから」 「そうなのか?」 「意味知ってたならそういうもの誰かに贈るような人じゃない。 アタシの知ってるエックスはそういう人よ」 「…うん。ありがとう」 「じゃ、そっちの方頑張ってね」 トキワジムの廊下。 エックスはワイにグミを贈ったことについて通話で弁解して、大きく息を吐いた。 「…よかった。許してくれて」 部屋に戻るとブラックやサン、エメラルドに迎えられた。 「おう。カノジョに弁解できたか?」 「カ・ノ・ジョ・じゃ・な・い」 「ハイハイ。そういうことにしておくよ」 抗議したがエメラルドに軽く流された。

12 21/03/28(日)23:12:38 No.787761901

「…エメラルドさんって見かけの割に大人ですね」 「まあ日常的にバカップルの面倒見てるからね。イヤでも大人になるよ」 「後輩に迷惑かけるグリーンさんに見習わせたいくらいです」 「もうちょっとオブラートに包んでやれって。グリーン先輩だってしたくてしたわけじゃないんだから」 こうやって受け入れるところが大人だ。 背は低いのに器が大きい。 そうエックスは思った。

13 21/03/28(日)23:12:56 No.787762019

「…とりあえずチョコにしておくよ」 「それならガトーショコラなんてどう?女子受けするわ」 そうするかと彼が頷き、ようやくチョイスが終わってレッドとブルーは苦笑した。 「ありがとな、ブルー」 「助けになったのならいいわ。 そのかわり来年のお返し期待してるわよ?」 「わかった。頑張るよ」 そう言ってレッドはブルーの自宅から去った。

14 21/03/28(日)23:13:12 No.787762098

1人自室に残ったブルーはため息をついた。 「…飴、返さなきゃよかったかな」 レッドに返却したものの、今更ながら後悔の言葉が漏れる。 飴を一度渡されてからはこうだ。 自分でも驚くくらいレッドに執着してしまう。 レッドに特別扱いされたいと思ってしまう。 「…アタシって、好きなのかな。あいつのこと」 来年までには答えが出るかな、とブルーは思った。

15 21/03/28(日)23:13:30 No.787762194

「大変だったようだな…」 「グリーンこそ…」 2週間後のトキワジム。 レッドとグリーンは机に突っ伏していた。 「グリーンに贈られたチョコって、結局どれくらいの時間で片付いたんだ?」 「…10日ほどだな。付き合わせたエメラルドたちにはさすがに悪かったから金を渡したり焼肉を奢ったりした」 直後、グリーンの腹の虫が鳴った。 「もしかして、金欠か?」 「…ああ。ホワイトデーのお返しもあったからな。食費まで削れてきた」 「…今度の給料日まで、金貸すよ」 「…助かる」

16 21/03/28(日)23:13:47 No.787762288

普段なら施しは受けないと断るはずのグリーンが、 あっさりとこう言うということはよっぽど弱ってるのか。 レッドはそう判断した。 「お前の方はどうなった?」 「ブルーに選ぶの手伝ってもらったおかげでどうにかなったよ。 ちゃんと飴は全部回収して代わりにガトーショコラにした」 「そうか…」 起き上がって茶を飲んで喉を潤して一息つく。 「今回はブルーにほんと助けられたなぁ。 やっぱり頼りになるよ。 真っ先に会いに行ってよかった」 「…真っ先に、か」

17 21/03/28(日)23:14:03 No.787762378

「?どうした?」 グリーンも起き上がって茶を飲むと、 「なぜ、最初にブルーに会おうとした?」 「え?よくわからなかったけど、すぐにブルーに会いに行こうって思っちゃって」 あれ?と自分で発言してからレッドは疑問に思った。 「なんでオレ、ブルーに1番に会いに行ったんだろ?」 「…さあな」 結局、そこでは結論は出なかった。

18 21/03/28(日)23:14:20 No.787762487

「社長~!ようやく帰れた~!」 「お疲れ様!まずはゆっくり休んで…」 と、ブラックがホワイトに抱きついた。 「…ブラックくん?」 「…悪い社長。こうしてた方が落ち着く」 「…うん。わかった」 ホワイトも彼を抱きしめ返す。 少しでも彼の負担が和らげばいいと思いながら。

19 21/03/28(日)23:16:35 No.787763200

「たでーまお客さんー…」 「お帰りなさい。バイトどうだった? 「いやもう割に合わなかったってもんじゃねぇよ…。毎日毎日チョコばっかりでよー。 未だに口ん中が甘ったるいぜ…」 「…ちょっとお薬作るわね」 「無料?」 「当然です」 そう応えると、サンは息を吐いた。 「どうしたの?」 「いんや。向こうでタダより怖いもんはねぇって思ったけど、やっぱお客さんのは安心できるわ…」 「な、なによそれ」 「だっていっつもタダでしてくれんじゃん。 今更何かするわけねーから安心してたかれるなって」 「たかるとか言わないの!」 照れ隠しにムーンはそこいらの砂をサンに投げた。

20 21/03/28(日)23:16:50 No.787763272

そして翌年のホワイトデー。 「師匠!お子さんが産まれたんですって!?」 「ああ。一月の二十四日にね」 赤子を抱いたミクリにルビーは頭を下げた。 「すみません。挨拶が遅れて」 「構わないさ。こういうのはタイミングより気持ちが大事だからね」 そう言われて苦笑する。 と、ルビーは師匠の発言を思い出す。 子供は一月の二十四日に産まれた。 着床から出産まで10月10日かかると聞く。 つまり、逆算すると去年のホワイトデーに。 「ルビー?」 「…いえ。なんでもないです」 下衆の勘繰りはよそう。 ルビーはそう思ってそれ以上考えないことにした。

21 21/03/28(日)23:17:04 No.787763345

「で?今年のホワイトデーのお返しは決まった?」 「…ああ」 ブルーの自室。 訪ねてきたレッドは真剣な表情をしていた。 よほど、プレゼントに悩んだのだろう。 「じゃ、見せてくれる?」 「…ああ」 レッドは懐から小箱を取り出す。 そしてブルーの前で開けた。 中に入っていたのは、 「…指輪?」 こくり、とレッドが頷く。 「これの意味って…」 「将来にわたってずっとそばにしてほしいってこと、だろ?」 今度はブルーがこくり、と頷く。

22 21/03/28(日)23:17:28 No.787763502

「色々考えてさ。ホワイトデーのお返しの意味とか。 オレがブルーをどう思ってるのか。 そうしたら、もうこれしかないって」 レッドに手を取られる。 「去年、オレが誰よりも先にブルーに会いに行ったのは、ブルーが好きだからだって。 誰よりも誤解を解きたいし頼りにしたい女なんだなって。 あれからずっと考えて、この前のバレンタインでようやく答えが出た」 そう言うレッドに手の平の上に小箱を乗せられる。 「受け取って、くれるか?」 レッドの言葉にブルーは首を縦に振った。 そうするのが精一杯だった。

23 21/03/28(日)23:17:45 No.787763601

本当に指輪の意味わかってるの?とか。 あの時の飴の意味が本当になったわね、とか。 頭に浮かぶが口に出ない。 頭に血が上ってそれどころじゃない。 レッドの気持ちが嬉しくて。 指輪を手放したくなくて。 この幸せをいつまでも味わいたくて。 そんな気持ちがブルーの身体を自由を奪っていた。 と、レッドが小箱から指輪を取ってブルーの左手の薬指につけた。 大きすぎず小さすぎず、指輪はピッタリとブルーな指にフィットした。 「…よかった。目測だけどサイズ合ってて」 ほっと安堵するレッド。 その安心しきった顔に、こちらまでリラックスする。 今まで身体を縛っていた緊張が解れていく。

24 21/03/28(日)23:18:04 No.787763694

ブルーは、そんな彼にもたれかかった。 「…ありがとう、レッド。 アタシも、レッドが好き」 「…おう」 少し顔を赤くしてレッドが応える。 背に手を回し、抱きしめ合う。 身も心も、一つになるかのように。 「これからもオレを助けたり、助けさせてくれるか?」 「もちろんよ!ダーリン!」 そう応えると、ブルーは唇を重ねた。 自分の熱が、レッドにも伝わるようにと思いながら。

25 21/03/28(日)23:18:17 No.787763772

以上です 閲覧ありがとうございました

26 21/03/28(日)23:19:07 No.787764066

お疲れ様です レブルで最後絞めるの単純に構成上手くてビックリしました

27 21/03/28(日)23:20:33 No.787764544

ルビーは本当にさぁ…

28 21/03/28(日)23:21:12 No.787764758

>ルビーは本当にさぁ… 他人の気持ち想像すると吐きそうになる男だからね

29 21/03/28(日)23:22:27 No.787765207

今回のはグリーンが多少やらかしたくらいだしこれ渋投稿しても問題ないかなと判断してます 前編の比べると後編は少なめでペース配分しくったかなと思わなくもないです ちなみに13829字でした オールスターでほぼ全員そこそこ書こうとしたら長くなっちゃう!

30 21/03/28(日)23:23:59 No.787765761

ムーンとグリーンのタダの差いいなって思いました

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