21/03/28(日)22:07:42 先日の... のスレッド詳細
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21/03/28(日)22:07:42 No.787737472
先日の「」嬢様ダイススレでのホワイトデー編をレブル中心で怪文書を書かせていただきました あまりに長くなったので前後編の前編です このスレ自体はダイススレではありません 思いっきり三次創作ですのでご了承下さい あらすじ ホワイトデーの図鑑所有者たち 男たちはお返しをしようとするが大抵はその日に送るにはちょっと…だったりグリーン先輩野郎に拉致られたりで…
1 21/03/28(日)22:08:01 No.787737592
ホワイトデー当日。 「え…?ホワイトデーのお返しに飴ってダメなのか…?」 クリスへのお返しの為にジョウトを訪れたレッドは愕然とした。 お返しとして飴を渡そうとしたら、 ゴールドとクリスが苦虫を噛み潰したような顔になっていた。 「ダメっていうか…」 「ホワイトデーの飴って、お前のことが好きなんだーって意味らしいんスよ…」 手にしていた飴の入った袋を取り落としそうになる。 「オ、オレそんなつもりじゃ…」 「まあ、そうだとは思ってたんスけど…」 「わかってても、意味知ってたらちょっと…」
2 21/03/28(日)22:08:19 No.787737699
2人の反応を見て、レッドの顔が青ざめる。 こんな感想を送られるのが予想外というとのもあるが、飴にそういう意味があるなら他に思い至ることがあった。 「先輩?」 「あの、もしかして他の人にも飴を…?」 後輩たちの疑問にレッドはこくりと頷く。 「ブルーにイエローに、その他にも何人か…」 「それって、ひょっとしてマズいことになってるんじゃ…」 「意味知ってる人らが鵜呑みにしてるかもしれないですね…」 「…ごめん!出直してくるよ!」 差し出していた飴をしまい、レッドはその場から走り去った。
3 21/03/28(日)22:08:37 No.787737813
「…ってわけなんだ!ごめん!」 「…まあそうだろうと思ってたわ」 ブルーの自室。 突然訪ねてきたレッドに事情を説明され、ブルーはため息をついた。 「ブルーは意味知ってたんだな…」 「まあね。だからレッドから飴もらった時は少しだけまさかって思っちゃったわ」 その時のことを思い出す。 レッドのことだから意味は知らないだろうけど、 もし知っていたらどうしようと勘繰ってしまい悶々としていた。 「やっぱり他のみんなも知ってるのかな…」
4 21/03/28(日)22:08:57 No.787737941
みんな、という言葉にブルーは引っかかりを感じた。 自分以外にも飴を渡していたんだと。 心のどこかで自分にだけ飴を渡していて欲しかった、という気持ちがあったのだと気づいた。 「可能性はあるわね」 だから、つい意地の悪い返しをしてしまった。 「やっぱりか…」 案の定、レッドは顔を伏せて落ち込んでしまった。 さすがに悪いと思い、ブルーはレッドの腕にそっと手を触れさせた。 「そこまで落ち込まなくてもいいわ。 レッドがちゃんと謝ったらみんな許してくれるわよ」 「…そうかな?」
5 21/03/28(日)22:09:15 No.787738060
「多分ね。ダメだったらアタシも手伝うから」 「…いいのか?」 「レッドがそんなに困ってたらね。助けてあげたくなっちゃうわ」 そう言ってブルーが苦笑するとレッドの表情が和らいだ。 「で、お返しなににするの?」 「…なににしよう?」 「考えてなかったのね…」 肩を落としてブルーが呆れた。 「飴のこと知ってどうにかしなきゃって慌てててそこまで考えてなかったよ…。 無我夢中で気がついたらブルーの家に来てた」 「…最初にアタシのところに来たんだ」 「?まあ、そうだな」 「…そう」
6 21/03/28(日)22:09:39 No.787738194
真っ先にレッドが自分のところに来てくれた。 そのことにブルーは自分が特別扱いされた気になり、先程の件の溜飲が下がった。 「じゃ、アタシが一緒に選んであげるわ。 また選定ミスしてトラブルになったらレッドもみんなもかわいそうだしね」 「助かるよ…」
7 21/03/28(日)22:10:00 No.787738336
「まず定番のお返しチョコだけど特に意味はないらしいわ」 「そうなのか?」 「送る方と受け取る方の解釈次第ってことね。 清い交際でいようとか、単に感謝の気持ちとか」 「あー、オレ去年まではなにも考えずにお返しをチョコにしてたけどそういう意味だったのかー…」 たははと苦笑しながら頭をかくレッドにブルーも苦笑する。 「ある意味無難ね。これは候補にしててもいいんじゃない?」 「うん。考えておくよ」
8 21/03/28(日)22:10:17 No.787738452
「…え?なんですかコレ?」 「バレンタインのお返しだが?」 「え?ええー!?」 イッシュのヒオウギシティ。 ファイツは突然の出来事に混乱していた。 以前、バレンタインの日に街を歩いているとラクツを偶然見かけたため、 世話になった感謝というつもりでたまたま持ち合わせていたチョコを渡した。 だがどこか機械的な気がする彼からお返しがくるとはその時は思ってなかった。 今でもそうだ。 だから突然のラクツの訪問にもお返しのチョコにも、 そのチョコがそこそこ高級そうなものであることにも戸惑っていた。 「迷惑だっただろうか?」 「あ、いえ!そんなことないです! びっくりしたけど嬉しいです!!」 慌ててファイツはチョコを受け取った。
9 21/03/28(日)22:10:37 No.787738597
驚きこそしたが彼のお返しに感謝もしたのも事実だ。 「それでこのチョコって、何か意味ってあるんですか?」 「特にない」 キッパリとラクツが答えた。 「単に慣習にのっとった程度だな。 ファイツくんからチョコレートを贈られた返礼、という意味はあるが」 「そうですよね…」 がっくりとファイツは肩を落とした。 一応ファイツもホワイトデーのお返しの品の意味の知識はある。 多分ラクツも知ってるのだろう。 だから特に意味がない無難なチョコを選んだ。 ラクツくん、いや警視さんはそういう人だ。
10 21/03/28(日)22:11:00 No.787738769
「それではぼくはこれで。 これから任務もあるから」 「あ、そうなんですね。忙しいのにわざわざすみません」 「問題ない。こちらのスケジュール管理は完璧だ。だから」 と、ラクツは笑顔を浮かべ、 「気にしなくて大丈夫だよ。ファイツちゃん」 そう言うと元の仏頂面に戻って、それではとだけ告げて立ち去ってしまった。 「…」 一瞬。 ほんの少しの間だけラクツくんに会えた。 二度と会えないと思っていたラクツくんに。 その場に残されたファイツはこれが1番の贈り物ではと思った。
11 21/03/28(日)22:11:17 No.787738863
「チョコっていえばバレンタインの時はえらい目にあったよ…」 「アタシ変なの贈った?」 「いや、オレがもらったやつじゃなくてさ。 グリーンが大量にチョコ贈られたんだ。 全部食べきれないからオレもゴールドもシルバーも駆り出されて最終的にエメラルドまで呼んでようやく片付いたんだ」 「あー…」 ブルーはその光景を思い浮かべた。 トキワジムの一室で無言で大量のチョコを食べるレッドやグリーンたち。 誰も悪意などないはずなのに起こった事態にレッドたちへの同情心が湧く。 「災難だったわね…」 「まあ、今となっては別に大丈夫だよ。 さすがに来年まではもうこんなことにならないだろうし」
12 21/03/28(日)22:11:40 No.787739000
「…ねえグリーン先輩」 「…なんだ?」 「前のバレンタインの時にチョコは当分懲り懲りだってオレたち言ったよね?」 「ああ」 「ホワイトデーって男が女にお返しする日だよね?」 「ああ」 「だったらなんでホワイトデーなのにまた馬鹿みたいな量のチョコが届いたんだよ!」 「オレにもわからん…」 カントーのトキワジムの一室でグリーンとエメラルドが頭を抱えていた。 目の前には大量のチョコ。 300もあるらしくエメラルドはすでに来たことを後悔していた。
13 21/03/28(日)22:11:57 No.787739106
「それになんでオレだけ呼んだんだよ! レッド先輩やゴールド先輩とかの方が付き合い長いし、 オレそこまで付き合いないだろ! オレたちからしたら隕石騒動の時に来たレッド先輩とブルー先輩がかろうじて縁あるくらいだよ!」 「いけそうな奴から片っ端から連絡してるだけだ。 それに今、レッドのプレゼントの選定ミスでトラブルがあって自分たちもレッドも忙しいとゴールドから連絡が来た」 「…それってレッド先輩がやらかしたのいいことに程よく逃げられてない?」 「…レッドもシルバーもそういう奴ではない。 ゴールドもあれで義理固いから言い訳して逃げるような奴ではないだろう」 「まあそうかもね…」
14 21/03/28(日)22:12:12 No.787739195
「無難でいうなら次はクッキーね。 意味は友情らしいわ」 「なんでだ? 「サクサク感が恋人のようなしっとりした関係じゃないからそう言われるようになったんだって」 「へー…。じゃあこれも候補にするかな」
15 21/03/28(日)22:12:33 No.787739333
「それではわたしたちの友情に乾杯しましょう!」 「紅茶だけどな…」 シンオウのベルリッツ邸の一室。 ダイヤとパール、そしてプラチナはテーブルにクッキーを広げてお茶会を開いていた。 「ダイヤモンドもパールもありがとうございます。 わざわざクッキーを焼いてくれて」 「気にしなくていいよ~」 「ホワイトデーのお返しだからな。 これくらいお安い御用だって」 「大体オイラが作ってパールは手伝いみたいなもんだったけどね~」 「まぁ、あははー。って言うなよ!」 日常でも漫才のような2人のやりとり。 それをプラチナは微笑ましく思う。
16 21/03/28(日)22:12:47 No.787739417
「そういえばホワイトデーに贈るクッキーは友情を意味するらしいですが、 2人とも知ってましたか?」 「まあ一応は」 「せっかくだから何か意味のある贈り物にしようって2人で調べたんだよ~」 友情、という単語にプラチナは思考を巡らせる。 確かに自分たちの関係は仲間であり友達だと思う。 だがいつまでそうしていられるだろうか。 自分もパールもダイヤモンドも、いつか好きな人ができるかもしれない。 もしかしたら自分たちの間でそういう感情が芽生えるかもしれない。 そうした場合、どうなるか。 自分たちは三人でいられるだろうか。
17 21/03/28(日)22:13:02 No.787739518
「お嬢様?」 「どうしたお嬢さん?」 「あ、いえ。なんでもないです。 それよりクッキーを食べましょう。とっても美味しそうです!」 うん、と2人が頷く。 未来はどうなるかわからない。 でも今は3人の友達でいられることを楽しもう。 プラチナはそう思った。
18 21/03/28(日)22:13:33 No.787739715
「でも付き合ってる相手に贈ったらマズいわねー」 「自分たちは恋人じゃなくて友達ですって言ってるようなものだってことか?」 「ええ。みんながそういうことしてないことを祈るわ」 「お返しがクッキーって…。 それってわたしとは友達でいたいってことなの…?」 「いや違う!ちげーんだよクリス!単に今更改めて好きって意味なの贈るのが恥ずくてクッキーにしちまっただけだから!」 すでに付き合って何か月か経ったから別にいいかという軽い気持ちでクッキーにしたらこうなるとは。 ゴールドは後悔しつつも必死にクリスを宥める羽目になった。
19 21/03/28(日)22:13:51 No.787739829
「恋愛についての意味だと飴が好きって意味ね。2人で甘い時間を過ごしたいってことなんだって」 「それはもうわかってるよ…」 オホホと笑いつつブルーは続ける。 「次に香水ね。これは自分の色に染め上げたい、つまりエッチなことしたいって意味」 「そ、そうなのか」 レッドは赤面しつつも、机の上にある香水瓶に気づいたようで、 「それ、ひょっとしてホワイトデーの?」 「うん。シルバーからね」 「あー…」 途端にレッドの顔が引き攣る。 「純粋な目で贈られてきたし確実に意味わかってないわねあれは…」 「ま、まあ、シルバーも悪気はなかっただろうし」 「だから言い出せなかったのよ…」
20 21/03/28(日)22:14:07 No.787739952
「すまない…。そういう意味だと知らなくて…」 ジョウトのゴールドの自宅。 シルバーがお返しとして持ってきた香水の意味を知って愕然としていた。 「まあ、シル公は知らねーと思ってたし別にいいけどよ…」 「そうはいかない。お前たちが交際しているというのに…」 「いやそこは言わなくてもいいっての!」 ゴールドとクリスが顔を赤くして照れる。 「ブルー姉さんにも香水を贈ってしまった…。どうすれば…」 「あーうん。普通に謝りゃ許してくれるんじゃねーかな?」 「そうしよう…」 ふらついた足取りでシルバーが去っていく。 あとにはゴールドとクリスの2人だけが残された。
21 21/03/28(日)22:14:27 No.787740084
「…あのよークリス」 「…なに?」 「オレも、シル公や先輩のこと言えないくらいやらかしちまって」 「…うん」 「肯定すんのかよ」 「だってそうじゃない」 まあ否定できねえやと苦笑するとクリスも笑った。 「だからよ。プレゼントの選び直し、手伝ってくんねーか?」 「…うん!」
22 21/03/28(日)22:14:46 No.787740203
一方トキワジム。 宅配便の応対で退室していたグリーンが箱を抱えて戻ってきた。 「…エメラルド。残念な報告がある」 「…一応聞いておくけど、なに?」 グリーンの覇気のない顔から大体想像はついたが確認のために、 この予感が外れてくれと思いながらエメラルドは耳を傾ける。 「…追加のチョコ100回だ」 「ふざけんなよぉ!」 「…すまない」 「いやグリーン先輩だって辛いのはわかるけどさ…。 せめて人増やしてくれよ…」 「…そうするか」
23 21/03/28(日)22:15:05 No.787740304
「…うん。わかってる。大丈夫だからね。それじゃ」 通話を切ると一時的に退室していたレッドが戻って来た。 「…シルバーからだったわ。ものすごく謝ってきてた」 「シルバーからしてもびっくりだろうな。 何気ないつもりのプレゼントがそんな意味だなんてさ」 「やらかしたレッドが言うと説得力あるわね」 バツの悪そうに頭をかくレッドにごめんねと謝り、 「まあ、シルバーが贈ったのがアタシとクリスだけでよかったわ。 交流薄い人が受け取ると真に受けたかもしれないしね」 「そうならなくてよかったな…」
24 21/03/28(日)22:15:44 No.787740606
「あれ?ムーンさん香水なんてつけてました?」 「これ?運び屋さんがくれたのよ。 ホワイトデーのお返しにって」 アローラのリリィタウン。 きのみ探しに出掛けていたムーンはリーリエに声をかけられていた。 「運び屋さんったら、高いからこれにした!って言ってたけど案外オシャレな贈り物よね」 「…サンさんは?」 「カントーよ。チョコ無料でいっぱい食べれてその上給料も出るバイトらしいわ」 「そうですか…」 そう言うと、リーリエが顔を赤くしていた。 なぜだろう。普通に話しているだけのはずなのに。
25 21/03/28(日)22:16:04 No.787740724
「どうしたの?顔真っ赤だけど」 「…あの。ホワイトデーに贈る香水ってどういう意味か知ってますか?」 「いいえ。なにか意味があるの?」 「ええと…」 困惑しながらも、リーリエはロトムに何か囁く。 するとロトムの画面に何か表示された。 ムーンはそれを読んでみる。 「ホワイトデーに贈る香水は、エッチなことしたいってこと…。ってええ!?」 「む、ムーンさん!声が大きいです!」 思わず大声を出してしまった。 慌てて周りを見渡すが運よく自分たち以外に誰もいなくて安堵した。 「まさかサンさん、意味がわかって…」 「いえ、それはないわ。あの人興味あること以外はとことんドライで知らねで済ませるから」 「まあ、そうですよね…」
26 21/03/28(日)22:16:21 No.787740827
そうは言いつつもムーンの心は困惑でいっぱいだった。 そんな意味があったなんて。 運び屋さんは意味もわからずに贈ったとは思うけど、もし、もし本当は知っていたとしたら。 自分は彼の求めに応えてしまうのだろうか。 頭の中につい身体を求め合う自分とサンの姿が思い浮かべてしまう。 慌てて頭を振ってその妄想を振り払う。 「ど、どうしたんですか?」 「いえ、気にしないで」 はやく帰ってこないだろうか。 真意を聞かせてくれないだろうか。 ムーンは遠く離れたところにいるサンに思いを馳せた。
27 21/03/28(日)22:16:39 No.787740938
「…はぁ」 カントーのトキワジムの一室。 サンはため息をつきつつここに来たことを後悔していた。 うまいバイトだと思って来てみたが、 食っても食ってもチョコが減らない。 次から次へとチョコが追加されていく。 口の中が甘ったるい。 初対面の図鑑所有者の先輩2人と共に処理してるはずが机の上のチョコはいつまでたっても山積みのままに見えた。 「…あと何個あるんだよぅ」 「えーと、あと150かな」 「…すまん。また100追加だ」 「うへー…」 「…まだ人手が足りないようだ。オレは他の地方から図鑑所有者を集めて来る」
28 21/03/28(日)22:17:01 No.787741081
もうエンに燃やしてもらおうかという考えが頭をよぎる。 が、これも仕事だからと自分を心の中で宥める。 一度引き受けたからにはやり遂げるのが自分のやり方だ。 だけど辛いことは辛い。 そのうちニキビや虫歯でもできるのではないだろうか。 帰ったらお客さんにそういうのに効く薬を作ってもらおう。 手料理も作ってもらおう。 きっとこのチョコ地獄よりは数倍マシだとサンは思った。
29 21/03/28(日)22:18:12 No.787741561
「あ、マカロンとかいいんじゃないかな? なんとなく高そうだし贈られたら喜ぶかな」 「それがマカロンってあなたが特別な存在だって意味らしいのよ。 高級なイメージからそうなったんだって」 「へえ。じゃあマカロンで告白ってこともあるのかな」 「でも、相手によっては贈られたら引くかもしれないから結局は相手次第かしら」 「…とりあえずこれは候補からは外すよ」 「そうした方がいいわ。余計にレッドが誤解されちゃうから」
30 21/03/28(日)22:18:27 No.787741653
「ブラックくん、これって…」 「ああ。ホワイトデーのお返しに」 イッシュのヒウンシティ。 ホテルの一室でホワイトはブラックに差し出された紙袋を受け取って中を確認した。 「マカロン…!これって…」 「社長は意味知ってるのか?」 「ええ。特別な相手って意味だって」 仮にも芸能界に携わるものだ。 そういう事柄の知識はあるし記事の写真撮影のために所属ポケモンが出演したこともある。 「ブラックくんは調べたの?」 「ああ。ムシャに頭の中食ってもらってさんざん悩んで結局三時間くらいかけてようやくこれだって決めたんだ」 「だからムシャが気分悪そうなのね…」 自分のために必死に考えてくれたブラックに感謝を、 ベッドに横たわりグッタリしているムシャにもホワイトは感謝と同情をする。
31 21/03/28(日)22:18:43 No.787741764
「ありがとう、ブラックくん。 ムシャもよく頑張ったわね」 へへ、とブラックは照れ臭そうに鼻をこする。 ムシャも心なしか表示が柔らかくなったように見えた。 「このマカロンっていくらくらいしたの?」 「え?オレが作ったんだけど」 「え!?」 彼の手元を見ると、絆創膏が貼ってあった。 おそらく慣れない調理でついたものだろう。 自分のためにそこまでしてくれたとは。 ホワイトの中で感謝よりも彼への慕情が膨れ上がっていく。 「ブラックくん」 「ん?」 距離をつめて唇を重ねる。 軽く触れ合うだけのキスに留めて、顔を離す。
32 21/03/28(日)22:18:59 No.787741867
「本当にありがとう。アタシも、ブラックくんが特別だと思ってるわ」 「…ああ」 今度はブラックから接吻される。 ホワイトから。ブラックから。ホワイトから。ブラックから。 繰り返していくたびにキスが激しくなっていく。 お互いしか見えない。 頭の中が特別な人でいっぱいになっていく。 次は舌を入れようと顔を近づける。 と、そこで部屋に着信音が鳴り響いた。 静かだった部屋に満ちるけたたましい音に、 ホワイトとブラックはびくりと身を震わせる。
33 21/03/28(日)22:19:17 No.787741993
「あ、オレにかかってる!」 ブラックが応対してる間に、慌てて乱れかけていた髪型や衣服を整える。 「はい!えっと…、はい!そうです!あ、ちょっと上のものと相談しますので少々お待ちください!」 ブラックはこちらを向き、 「なんの話?」 「カントーのトキワジムリーダーで図鑑所有者のグリーンって人から至急の用事があるって。是非ともオレの力を借りたいって言ってて…」
34 21/03/28(日)22:19:33 No.787742080
「ブラックくんはどうしたいの?」 「…向こうがわざわざ連絡してきたんだし助けになりたいって思う。 向こうのジムリーダーに顔を売っておきたいってのもある。 けど、せっかくのホワイトデーがってちょっと思っちまって…」 夢と恋愛。 二つの間で揺れ動いてブラックが苦悩に顔を歪める。 「…行って」 「社長?」 戸惑うブラックの胸に手を触れさせる。 「この続きはいつでもできるわ。 でもその人を助けられるのは今しかないんでしょ? だったら、全部終わったら続きをしましょう」
35 21/03/28(日)22:19:50 No.787742181
「…いいのか?」 「大丈夫よ。待つのには慣れてるから」 本当は寂しい。だけど彼の夢を応援したくて。 自分のためにしてくれたブラックに自分もなにかしてあげたくて。 そう思いホワイトは微笑んでみせた。 「…わかった!行ってくる!」 ブラックも自分の気持ちをわかってくれたようで笑顔で応えた。 通話を再開した彼を見つめる。 次に会うまでの間、目に焼きついた彼の姿を忘れないでいよう。 夢を追い求める、自分の特別な人を。
36 21/03/28(日)22:20:06 No.787742269
「…って感じだったのによぉ! 来てみたらチョコの処理かよ!!」 「…すまん。そんな事情があったとは知らなくて」 「災難だったな兄ちゃん…」 「後輩って辛いよな…」 「…あの、グリーンさんに呼ばれて来たんですけど」 「来たかエックス。すまんがまたチョコ食うの手伝ってくれ。 あとまた100個チョコが追加された」 「ふざけんなぁぁぁぁぁっ!!」 「落ち着けブラック!」 「気持ちはわかっけどよ!すっげぇわかるけど!抑えようぜ!!」 「…最低ですねグリーンさん」 「…もう、なんとでも言ってくれ」
37 21/03/28(日)22:20:29 No.787742419
一旦は以上です 閲覧ありがとうございました
38 21/03/28(日)22:20:55 No.787742590
グリーンパートで毎度笑ってしまう
39 21/03/28(日)22:21:03 No.787742641
お疲れさま グリーンの下りひどいね
40 21/03/28(日)22:21:44 No.787742899
>「…向こうがわざわざ連絡してきたんだし助けになりたいって思う。 >向こうのジムリーダーに顔を売っておきたいってのもある。 >けど、せっかくのホワイトデーがってちょっと思っちまって…」 >夢と恋愛。 >二つの間で揺れ動いてブラックが苦悩に顔を歪める。 >「…行って」 この下りの時点でもうお腹痛い…
41 21/03/28(日)22:22:26 No.787743163
いつに増して長いな…
42 21/03/28(日)22:22:54 No.787743338
今回は「」嬢様の愚弄がなかったので 「」ラチナではなく原作のプラチナとして出演させました 現在ラスト付近までは書きましたのでこのスレ落ちたら後編投下します
43 21/03/28(日)22:23:07 No.787743408
前編だけでこれ!?
44 21/03/28(日)22:27:39 No.787745202
プラチナと「」嬢様 どうしてこうも違うのか
45 21/03/28(日)22:30:07 No.787746168
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
46 21/03/28(日)22:32:02 No.787746915
>1616938207024.png ムーンは医学に携わっているから知っているよな性行為…
47 21/03/28(日)22:32:57 No.787747281
>1616938207024.png ありがとうございます! 妄想運ムンの誰だお前ら感!
48 21/03/28(日)22:38:29 No.787749416
>「ふざけんなぁぁぁぁぁっ!!」 >「落ち着けブラック!」 >「気持ちはわかっけどよ!すっげぇわかるけど!抑えようぜ!!」 こんなにブラックが取り乱したの初めて見る
49 21/03/28(日)22:42:38 No.787750854
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
50 21/03/28(日)22:46:23 No.787752298
>1616938958795.png ありがとうございます! 社長とのアローラ邪魔されてブラックは大変だなぁ(他人事)
51 21/03/28(日)22:46:32 No.787752355
また会えたファイツちゃんと送り出す社長の部分が特に良いな…
52 21/03/28(日)23:01:03 No.787757675
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
53 21/03/28(日)23:02:32 No.787758253
>1616940063835.png 「」嬢様見慣れてるから凄く不自然に見える
54 21/03/28(日)23:02:36 No.787758276
>No.787757675 ありがとうございます! いいですねこの3人の仲良しっぷり!
55 21/03/28(日)23:04:35 No.787759009
>1616940063835.png べーもいるのが良い…