ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
21/03/21(日)22:47:11 No.785639911
キングヘイローとの最初の三年間を終え、ドリームシリーズへの参加準備をしていたある日。 「あら、もう今年もそんな時期なのね」 新人ウマ娘たちの選抜レースを行っているところに出会した。 "次は、芝1600m…出場選手は…" 「ねえ、ちょっとだけ見ていきましょうよ。庶民に目を配るのもキングの務めだわ」 こう言い出すと彼女は止まらない。しかたなく付き合うことにしたのだった。
1 21/03/21(日)22:51:16 No.785641625
「あら、あの子…」 そう言って彼女は口を噤んだ。どうした、と声を上げかけたが、レース場に目をやると理由はすぐに分かった。 「ハァ……ハァ……」 末脚の鋭いキレ。何より最後まで走り切る必死の表情。目の前のウマ娘の走りは、どこか3年前のキングヘイローを思わせた。
2 21/03/21(日)22:55:32 No.785643425
「ピクシーナイト、今一着でゴールイン!」 トレーナー陣「……………………」 ベテラントレーナー「……素晴らしい走りだ……彼女なら重賞、いやGⅠの勝利も固い……」 一人の有名トレーナーのその一言をきっかけに、多くのトレーナーが彼女に駆け寄った。 トレーナー「ぜひ僕と一緒にマイルの王者を目指さないか!?」「いや、私と!」 「どうやら彼女、トレセン入学前は例の新進気鋭のスクールにいたらしいぞ」 「あの短距離・マイル路線で何人も将来有望な新人を輩出している!?」
3 21/03/21(日)22:59:46 No.785645167
ピクシーナイト「あの……でも私は……」 どうやら彼女は気が弱いらしく、突然大人数に囲まれて困っているようだ。助け舟を出すべきか迷っていると…… ???「バクシンバクシーン!」
4 21/03/21(日)23:03:11 No.785646643
サクラバクシンオー「どうも!みなさんの模範、学級委員長のサクラバクシンオーと申します!」 ピクシーナイト「え、あの、はい」 サクラバクシンオー「あなた!素晴らしいバクシン力ですね!私と一緒にジャパンカップ、有馬記念……いえ、あなたは新人ですから皐月賞からですかね!クラシックロードをバクシンしましょう!!!」
5 21/03/21(日)23:04:02 No.785646994
トレーナー「おいおい、彼女はどう見てもマイル向きだろう」「っていうかバクシンオー自身短距離路線じゃ……」 突然乱入してきたウマ娘によって、更に状況は混沌としてしまった。今度こそ助けに入ろうかと立ち上がりかけたが、 「あなたはここで待ってなさい」 キングヘイローに制されてしまった。
6 21/03/21(日)23:04:37 No.785647259
キングヘイロー「オーホッホッホ!私の名前はキングヘイロー!一流の、いえ超一流のウマ娘ですわ!」 キングヘイローが立ち上がり叫ぶ。その声に、トレーナーもサクラバクシンオーも、思わず目を向けた。 「そこのあなた。なかなか素晴らしい脚をお持ちのようね。まずは褒めておくわ」 ピクシーナイト「あ、ありがとうございます……?」 「でもそれだけじゃダメね。キングに必要なのは、自らの道は自ら切り開くという強い意志よ」 「あなたは、どうしたいの?」
7 21/03/21(日)23:05:12 No.785647487
ピクシーナイト「えっ……」 「クラシック路線を行くのか、マイルの王者を目指すのか。あなたは、どうしたいの?」 ピクシーナイト「わ、私は……ええっと…………」 「…………呆れた。そんな答えも出せないようじゃ、デビューなんて100年早いわ。よく考えておきなさい」 「後悔、しないようにね」
8 21/03/21(日)23:05:41 No.785647744
キングヘイローの突然の演説に毒気を抜かれたのか、ピクシーナイトに集まっていたトレーナーたちの熱が引いていく。 トレーナー「そういえば、まだ選抜レースの途中だったな……」 バクシントレーナー「あ!サクラバクシンオー!こんなところにいたのか!?トレーニングはどうした!?」 サクラバクシンオー「ちょわ!?そういえば私、トレーニングの途中でした!申し訳ありませんがここで失礼します!それでは!」 サクラバクシンオーも帰っていき、選抜レースの続きが始まった……
9 21/03/21(日)23:06:10 No.785647970
「あれでよかったのか?」 キングヘイロー「え?……ああ、さっきのアレね。あれでいいのかって?」 彼女の走りは、どう見てもクラシックディスタンスには向かない。不向きな距離を走る苦労は、キングヘイローが一番知っているはずだ。 「……いいのよ。自分で決めたことなら、ね。少なくとも私は後悔してないわ」 「……それともあなたは後悔しているのかしら?」 そう言って彼女はこちらを見て、悪戯っぽく笑った。もちろん、後悔していない。そう言うと 「だったら大丈夫。どんな選択だろうと、支えてくれる人がいれば。彼女はちゃんと走れるわ」 そう言ってピクシーナイトを見つめる彼女の目は優しかった。
10 21/03/21(日)23:14:11 No.785651278
母父キングの波がきてるな…
11 21/03/21(日)23:25:45 No.785656102
キングは良い女だなー
12 21/03/21(日)23:29:31 No.785657449
昨年メイクデビューのサクラバクシンオーの曾孫でキングヘイローの孫 今年早速マイルのGⅢを制したピクシーナイトちゃんを応援よろしくお願いします
13 21/03/21(日)23:46:46 No.785663498
バカね「」オッカ… キングヘイロー先輩はですわって言ったこと無いわよ…