虹裏img歴史資料館

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20/08/29(土)02:07:32 これは... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1598634452249.jpg 20/08/29(土)02:07:32 No.722461977

これは、私とマサル君がタクシーに乗るようになる前の話。 彼と初めて出会ったのは、私がワイルドエリアに到着してすぐの頃だった。 無限に続いているとさえ思える大地に、深く広がっている蒼穹。とりあえず進んでみようと、おっかなびっくり私が一歩を踏み出そうとした時。 「うわあああぁー!?」 悲鳴を上げながら、一人の少年がこちらに向かって駆けてくるのが見えた。 その後ろには、唸り声を鳴らして猛スピードで迫るイワークの姿が。 追い着かれる! と思った瞬間、彼の放り投げたピッピ人形に目掛けてイワークが方向転換する。間一髪、逃げられたみたい。 「だ、大丈夫……?」 膝に手をつき、肩で呼吸する少年に思わず私は声を掛けていた。 赤いポロシャツにニット帽、私に負けず劣らずの大きな鞄。年齢は私と同じ位かな? 「あ、ありがとう。試しに野生のイワークに挑戦してみたら全然歯が立たなくてさ。いやあ、危なかったぁ」 先程のイワークとは大分距離が離れたけど、それでもまだここからはっきりとその姿を視認できる。 今まで私が見てきたポケモン達とは異なる、圧倒的な存在感。改めてここが「ワイルド」エリアだと思い知らされる。

1 20/08/29(土)02:08:04 No.722462066

「もしかして、君もワイルドエリアに初めて来たの?」 少年の問い掛けに私は素直に頷く。聞けば、彼もここに来たばかりの駆け出しのトレーナーらしい。 似たような境遇の子が私以外にもいる。それを知っただけで、胸の心細さが幾らか楽になるのを私は感じた。 ここでお互いに簡単な自己紹介をする。私はユウリ、少年の名前はマサル君。奇しくも彼も私と同じエンジンシティが目的地らしい。 そうなれば、一人よりも二人の方がずっと心強い。私はマサル君と、目的地まで行動を共にする事になった。 と言っても、どちらもワイルドエリアは初体験。道中では様々なトラブルが私達を待っていた。 慣れないマップに苦労しつつエンジンシティに向かっていた筈が、崖や袋小路に行き当たったり。 イワークよりも更に強そうなポケモンにしつこく追い回され、パニック状態で逃げ惑ったり。 突然の大雨に襲われて、大きな木陰の下で二人並んで雨宿りしたり。 そんな具合だから、陽が沈む前にエンジンシティに辿り着くなんて到底不可能で。 その夜、私達は野生ポケモンの少なそうな原っぱを見つけてキャンプをする事になった。 そしてここで、最大の難関に私達は直面する。

2 20/08/29(土)02:08:34 No.722462152

キャンプセットを使えばテントの設置は簡単。問題は料理だった。 今までご飯はお母さんに作るか、ポケモンセンターのカフェで摂る位。料理経験なんて皆無。 物は試しと意気込んで調理したカレーは、見事に毒気を放つドガース級に成り果てていた。 隣のマサル君のキャンプを覗き込む。そこには同じく毒々しい見た目のカレーの前で項垂れる少年の姿があった。 絶望的な料理センスに揃って落ち込む私達。諦めようかと私が思った時、彼が一つの提案をした。 僕達二人で協力してカレーを作ってみよう、と。確かに二人の僅かな食料を合わせれば、もう一回だけ作れそうだ。 でも、今度こそ失敗したらどうしよう。そう不安がる私を、二人なら何とかなる! と空元気で励ますマサル君。 私が焚き火を扇ぎ、マサル君が鍋をかき混ぜる。美味しくなあれと心の底から願いながら。 器によそったカレーを前に、二人で手を合わせていただきます。その結果は……。 「「美味しい!」」 思わず顔を見合わせて感嘆した。一人で作ったカレーと比べれば、見違えるような味だった。 マホミル級・からくちカレー。初めて彼と作ったカレーの味は、色褪せない記憶として残る事となる。

3 20/08/29(土)02:09:03 No.722462229

翌朝眼が覚めると、空は雲一つない快晴。昨日までの不安や恐れも、綺麗さっぱり霧散していた。 昨日はまるで蜃気楼の如くだったエンジンシティも、落ち着いて進めばあっという間だった。 「やったー! 着いたー!」 二人でエンジンシティに続く階段を見上げ、万歳する。それは同時に彼との旅の終わりを意味していた。 たかが一日間。でもその中で、どれだけマサル君の存在に励まされ、そして救われたのだろう。 もしかしたら二度と会えないかも知れない。でも、だからと言って彼を引き留める事はしたくなかった。 「ありがとう、この先の冒険も頑張ってね!」 「うん、じゃあね!」 最後は笑顔で手を振ってお別れ。階段を駆け上がる彼の背中を眺めながら、私はふと一つの疑問を浮かべていた。 「もしかしてマサル君も、ジムチャレンジに挑戦するのかな……?」 この時の私には、未来に待ち受ける二つの出来事なんて想像もできなかった。 一つはもう会えないと思っていたマサル君に、数日後ばったりワイルドエリアで再会する事。 もう一つは、ジムチャレンジに挑戦するか彼に尋ねなかった事。 それが後になって決定的な事態に至る事を、私はまだ、知らない。

4 20/08/29(土)02:10:34 No.722462487

前回 ss356760.txt またマルマインがだいばくはつしたので書きました 初めての共同作業いいよね……

5 20/08/29(土)02:24:58 No.722464796

ンズズ…

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