虹裏img歴史資料館

1 20/08/26(水)22:45:24 No.721800858

なにをご希望？ ① 酒、それと肴を。 ② 腹が減った。がっつりと。 ③ ちょいと小腹が空いたので夜食を。 ④ なにか甘いものはないかな？ dice1d4=2 (2)

2 20/08/26(水)22:46:23 No.721801284

俺の名前はマッターホルン、我が主、シルバーアッシュ様の盾にして カランド貿易会社所属、現在はロドスへ派遣社員という形で業務提携を行っております。 主な業務としては戦闘では前線を支える重装ポジション、基地内においては 貿易所でカランド貿易との提携業務に関しての事務作業で、 ごくたまに他の重装オペレーターへの訓練支援となっています。 ああ、それともう一つ、プライベートとも言えるかもしれませんが……… 俺の特技である料理の手ほどきを他のオペレーターにしています。 希望者は複数いますが、その中でもグムさんは一番精力的にそれを受けています。 昼間は俺やウンさんが使っている最下層の調理スペースを使って時たま小さな食堂を開くほどだとか。 さて、今日はそんなグムさんの食堂へ、ちょっとした用事があって向かっています。

3 20/08/26(水)22:52:21 No.721804032

俺はアーツの適性をほぼまったく持っていません。 それ故に、戦闘においては鍛え上げた己の筋骨とイェラグの極寒の地で鍛えられた精神。 そして無骨そのものとも言える巨大な盾、それだけが俺の持てる武器なのです。 それ故に、トレーニングを欠かさず行うだけではなく日々の生活から節制に節制を重ねて その体と信念が鈍ることないように常に鍛え上げておく必要があるのです。 もちろんかえって動きにくいほどの肥大化した筋肉が必要ないため、極端な食事制限は 必要ありませんが、それでも脂質、糖質のバランスをよく考えた食生活が必須です。 しかし―――しかしです。仮にも俺は末席とは言え料理人。 脂の美味さ、炭水化物の力強さは人一倍知っています。 それらを完全に拒否するのが真の健康と言えるわけもない………だからこそ、 数週間に一度のこの日、この儀式が輝くのです。「チートデイ」と呼ばれる日が。

4 20/08/26(水)22:53:19 No.721804421

いらっしゃい！マッターホルンさん！ 待ってたよ！何食べる？ ①　一日煮込んだそれがほしい…。 ②　ここはちょっと贅沢なものがほしい…。 ③　ええい、カロリーだ、カロリーがほしい。 dice1d3=1 (1)

5 20/08/26(水)22:55:41 No.721805379

グムさんには今日の日付をしっかりと伝えてあります。 ロドス最下層の休憩室、そして深夜の間だけは「グム食堂」とも呼ばれるその一角。 グムさんが待ち構えているカウンターには「ご予約席」というプレートが置いてあります。 俺は迷わずそこに腰を下ろすと、既に室内に たっぷりと充満しているデミグラスソースの匂いを胸いっぱいに吸い込みます。 「準備は万全のようですね……。 　では、さっそく、大盛りで」 「はーい！すぐに盛るから待っててね！」

6 20/08/26(水)22:56:24 No.721805664

ラッピー君の次はマッターホルンか

7 20/08/26(水)23:01:04 No.721807467

グムさんは実に手際よくフライパンにバターを浮かせると あらかじめ用意していたであろう水分を飛ばした白米を泳がせます。 はじめてロドスに来た時に比べて実に無駄のないその動作。 はっきりと上達を感じることに教えた側としてもかすかに満足感を覚えてしまいます。 「随分とお上手になりましたね。」 「えへへ、最近やっと二つの料理が同時に作れるようになったんだよ！」 確かに本職のシェフには届かない所作ですが、それでもいまや立派な料理上手。 だからこそ、数週間に一回のワガママを委ねるにはちょうどいいのです。 料理ができるからと言って、常に自分で作れば満足できるかと言われれば 答えはノーです。誰かに、こうして、言ったものを作ってもらえる。 当たり前のことだとは思いますが―――意外とそれは、とても贅沢なことなのです。

8 20/08/26(水)23:02:22 No.721808002

そうして、白米がうっすらと黄を帯びたところで、ようやく、 鍋でぐつぐつと小さな気泡を膨らませていたデミグラスソースをそれにたっぷりとかければ―――完成。 「できたよ！おまたせー！」 「ありがとうございます―――それでは、いただきます。」

9 20/08/26(水)23:05:15 No.721809226

＜チートデイだよ！ワガママハッシュドビーフ！＞ ・ハッシュドビーフ 夕方くらいからじっくりとことことと煮込み続けた一品です。 俺の希望により、牛バラ肉をたっぷりといれた上で山盛りのバターライスにかけていただきます。 隠し味には微かな酸味………これは刻んだピクルスがちょっぴり入っているようです。 赤ワインの渋みとコクが牛肉の旨味を後押ししてくれます。 ・牛乳 よく冷えた瓶牛乳。 大好物です。今日は低脂肪乳ではありません。

10 20/08/26(水)23:06:47 No.721809919

今日はマッターホルンか

11 20/08/26(水)23:08:04 No.721810430

「これは………素晴らしいですね。」 「うん！数週間に一回の大盛りの日なんでしょ！だから、がっつり！」 にっこりと笑うグムさんが差し出してきたハッシュドビーフ。 それはもう贅沢なくらいにどっさりと、本当にどっさりと牛バラ肉が入っています。 ソースよりも肉のほうが多いくらいなボリュームの下、 てらてらと光を反射させるのはしっかりと炒められたバターライス。 脂質、糖質の量を気にすることなどクソくらえとのカロリーモンスター。 本来ならば食べるにしてもこの量の半分くらいにするものを……… 今日はこのまま、一皿いただくこととなります。

12 20/08/26(水)23:13:41 No.721812824

丁寧に紙ナプキンで包まれたスプーンを手に、その装いを剥ぐと まずは一口。もうスプーンですくった段階でずしりとした存在感を放つそれをそのまま口へ。 ―――うまい。牛肉の旨味がしっかりと溶け込んだデミグラスソース。 濃厚ですが後を引くその味の奥にはワインの渋みとコクがあり、 薄く切られているはずなのにその量で圧倒的な歯ごたえを与えてくれる牛バラ肉によく合います。 一般家庭で作れるようにとウスターソース、ケチャップを使ったれレシピをグムさんには伝えましたが そこにはなかった、微かな酸味………これは、ピクルス？ 「この隠し味は………夏場にはいいですね」 「うん！昔のレシピにはこれをいれるってあったんだ！」 なるほど、確かに―――この夏場、そしてハードなトレーニングの後、 大いに汗をかいて体が塩分を、酸味を求めているところに、この爽やかな酸味は実によく合います。

13 20/08/26(水)23:16:49 No.721814116

ダイスの目がいい感じに噛み合ったね ガッツリ系のメシ似合うわマッターホルン

14 20/08/26(水)23:18:40 No.721814850

しっかりと基本を守りながらも、そうして工夫をするグムさん。 この分ならば、いずれ自分の指導なども必要なく立派な料理人になれるかもしれません。 そのまま、食欲に押されるままに匙を進め、気づけばもう大きな皿に 乗ったハッシュドビーフは綺麗さっぱり消えており―――― 「おかわりを」 「はーい！他のも作れるからね！」 「もちろん、それも後でいただきましょう」 今日はチートデイ。何を食べても許される日。 グムさんもそれを予め聞いて用意していたのでしょう。 覗き込めば、普段に比べて本当にたくさんの食材が並んでいます。

15 20/08/26(水)23:21:56 No.721816143

牛が牛肉と牛乳を…これは共食い…

16 20/08/26(水)23:22:56 No.721816525

―――気づけば、壮絶な量を食べた気がします。 流石にズボンのベルトが少々苦しい。 しかし、これだけ食べれば明日からの節制もまた向き合えるというもの。 「ご馳走様………少し食べすぎました」 「お粗末様でした！また、大食いの日には来てね！ 　そのときには、もっともっといろいろ用意しておくからね！」 笑顔でこちらに手を振ってお見送りの姿勢をするグム。 ―――本当に、本当に、初めてロドスで料理を作った日より成長しましたね。 俺は、声に出さず、彼女の努力を心から褒め称えながら、 ゆっくりと、お腹がいっぱい過ぎて苦しくて、本当にゆっくりと食堂を後にしました。

17 20/08/26(水)23:23:47 No.721816865

お粗末様でした。 上で指摘あったけど本当にガッツリでよかった…… 正直マッターホルンが甘いもの食べるの想像できなくて当たらないでくれと願いながらダイスしてました。 次回は日曜日予定、おそらくはロドス一般職員編です。

18 20/08/26(水)23:24:32 No.721817139

濃厚な深夜のメシテロ過ぎる おなかがすいちゃう…

19 20/08/26(水)23:27:08 No.721818039

毎度毎度お腹が減る 俺も何か食べるか…