虹裏img歴史資料館

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20/05/19(火)00:17:34 キッチ... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1589815054287.png 20/05/19(火)00:17:34 No.690713717

キッチン。沈黙。響き渡る包丁の音。男2人。ジオルド様と僕キース。 どうしてこうなってしまったんだろう。 事の始まりは―――― 「へえジオルド様も料理が出来るんですか!」 「ええまあ、一通りは」 夏休みのよくある一日。 朝からジオルド様がカタリナ義姉さんを訪ねてきていたので不埒な行いに出ないように同席していた。 確か魔力の訓練方法だったと思う。昔義姉さんが魔力を上げるために畑仕事を始めたくだりを話していたはず。 「火の魔力の訓練の中に料理もあるんですよ。火の魔力持ちは料理の腕前が実力を示すとも言われているぐらいです」 「ジオルド様は何でもできるのですね!本当にすごいわ」 「よかったら今度屋敷に来ませんかカタリナ?君に手料理を振る…」

1 20/05/19(火)00:18:07 No.690713941

雲行きが怪しくなってきたので咳ばらいをしてこちらに義姉さんの関心をこちらに惹きつける。 全くこの男ときたら油断も隙も無い。 「そういえば、キースも料理が得意なのよね」 「自慢するような物じゃないよ義姉さん。素人の手料理みたいなものだよ」 「…」 ジオルド様が恨めしそうにこちらを睨んでくるが気にしない。 義姉さんの畑から採れる野菜は最初は家族で食べきれる量だったが、義姉さんの農作技術が上がることで生産量が増加し、クラエス家の食物消費量をオーバーしてきていた。 使用人に配ったりもしたが近いうちに余り出すことは火を見るよりも明らかだったので、メイド長に教えてもらって保存食を作り始めた。 メイド長は保存食以外にも色々と教えてくれて今ではたまに屋敷の皆に料理を出すこともある。 初めの内はまずいまずいと貶されてたけど最近は美味しい言ってもらえるぐらいには腕が上がった。

2 20/05/19(火)00:18:46 No.690714220

「謙遜しちゃダメよキース。ジオルド様キースの料理は本当に美味しいんですよ」 「…へえ。キース。君は、義弟の立場を利用して、カタリナに、手料理を」 「ハハハ、羨ましいですか?付け加えるとですよ、義姉さん手作りの野菜を使って、ですね。この意味が分か」 「そうだわ!良いことを思いつきました!せっかくだから3人で料理をしたら楽しいんじゃないかしら!?」 義姉さんが突然立ち上がりながら言った。義姉さんと何かをするのは楽しいけど、 「義姉さん流石にそれはジオルド様に迷惑だよ。一応お客さんなんですから」 「僕は構いませんよ。将来の婚約者に料理の腕前を見てもらうのも悪くないですね」 この王子、やけに乗り気だな。いや、今はそれよりも、 「じゃあ早速キッチンに行きましょう!今日のお昼は私たちで作ることに決定ね!」 「ええ、そうしましょう。僕たちの最初の共同作業というわけですね」 「あーっとちょっと待った義姉さん!」

3 20/05/19(火)00:19:31 No.690714519

急いで義姉さんにストップをかけないといけない。 「義姉さんはそれならテーブルを準備してくれないかな!?そう、3人で入るとちょっと狭いかもって」 「え?3人くらいなら全然入れるでしょう?」 「じゃあ今日は男の手料理ってことでジオルド様と作らせてくれないかな!?」 「キース?君は何を言って」 「なるほど男の手料理…そういうことがしたいお年頃なのね!分かったわ!じゃあ私はテーブルにお皿を並べてくるわ!」 義姉さんは笑顔を浮かべて部屋から駆け出していった。 「キース?君は一体何をしているのかな?」 「…ジオルド様は知らないんですよ。義姉さんがキッチンに入った時のことを」 最初保存食作りには義姉さんも参加していた。 でも皿を持ち上げれば皿を割る、消毒するためにガラス瓶を火にくべる、包丁を握るたびに指をケガするといったことが続いたのでメイド長から頼むからカタリナ義姉さんをキッチンに入れないでくれと懇願されて今は僕一人で作っている。

4 20/05/19(火)00:20:30 No.690714921

最初保存食作りには義姉さんも参加していた。 でも皿を持ち上げれば皿を割る、消毒するためにガラス瓶を火にくべる、包丁を握るたびに指をケガするといったことが続いたのでメイド長から頼むからカタリナ義姉さんをキッチンに入れないでくれと懇願されて今は僕一人で作っている。 「…というわけでですね。義姉さんをキッチンに入れるわけにはいかないんです」 「なるほどそういうことだったんですね」 「ご理解いただけて幸いです」 「でもキース。君は重要なことに気づいていませんよ」 「重要なこと?」 ジオルド様は重々しく頷いてから、 「このままだと、僕と君の2人で料理することになるということです」 「………あ」

5 20/05/19(火)00:21:23 No.690715302

こうして僕とジオルド様は無言で義姉さんが作った夏野菜がたっぷり入ったミネストローネを作った。 「美味しい!これ美味しいわ!!!キースとジオルド様はいいお嫁さんになれるわね!」 「カタリナ!!!あんたって子は!!!!!」 まあ…笑顔の義姉さんが見れたからよしとするか。 お母様の怒声をBGMにしながら平和な午後のひと時は過ぎて行った。 夏休み日常イベント『初めての共同作業』

6 20/05/19(火)00:21:54 No.690715523

ジオキーきてますわ…

7 20/05/19(火)00:24:38 No.690716663

もうこの二人でくっつけばいいんじゃないかな?

8 20/05/19(火)00:29:31 No.690718647

>もうこの二人でくっつけばいいんじゃないかな? そうですわx3

9 20/05/19(火)00:42:34 No.690724265

イベント名が未来を暗示しすぎている…

10 20/05/19(火)00:57:47 No.690730248

ボートは二人で乗るしカカシは二人で作るしデキてるね…

11 20/05/19(火)01:03:04 No.690732152

いい怪文書だった

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