20/02/14(金)22:05:37 「ハッ... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1581685537999.jpg 20/02/14(金)22:05:37 No.663156212
「ハッピーバレンタインビートくん」「どうも…」「はいバレンタインチョコ」「ありがとうございます…」 アラベスクジムの控え室、リーダーのビートくんの机にどんどんチョコが積まれていく。 しかしビートくんの表情は複雑だ、少なくとも嬉しそうには見えない。 まあチョコをくれるアラベスクのトレーナーたちの殆どがビートくんにとっては親と子くらい… いや下手したら孫くらいの歳の差があるのでときめきを感じないのも無理はない。
1 20/02/14(金)22:06:06 No.663156365
「モテモテじゃんジムリーダー」「うるさいですよ」夢ちゃんがビートくんをからかう。 「まあリーダーとして認められてると思って前向きに捉えるんだね」ポプラさんが小さな包みをチョコの山に添えながら言う。 「はあ…まあ悪い事だとは思いませんが」 「ホワイトデーにはちゃんと何か配るものを用意するんだよ。数も多いし高価なものじゃなくていいだろう」 「わかりました…」ビートくんがだるそうに頭を抱えた。 「まあまあリーダー、所属トレーナーとしてこの若くて夢かわな私からもあげるから。元気出しなさいって」 「今のところあなたが今日一番めんどくさいですね」「は?ムカつく」2人ともときめきのとの字も感じられない顔をしている…
2 20/02/14(金)22:06:29 No.663156490
「まあいいや…私は本命を届けに行くので午後はいません」夢ちゃんはポプラさんに休暇届を出して言う。 待って、本命って誰?お姉ちゃん知らないわ。ハロンタウンの?工房で働いてる人?えっえっ初耳、どんな人? 「いやそのお姉ちゃん、詳しい話は…また今度ね!」思わず夢ちゃんに詰め寄ってしまったが流された。 「じゃあ行ってきます…あ、そうだお姉ちゃん」 夢ちゃんがこちらに来てそっと耳打ちする。 「ちゃんと渡しなよ。準備したんでしょ?」 「う、うん…」 縮こまる私を見て夢ちゃんはにひひと悪そうに笑った。 「しっかりね、お姉ちゃん!じゃあ、行ってきます!」 無責任に煽って夢ちゃんは出て行ってしまった。 いつの間にかポプラさんも他のトレーナーさんたちもおらず、部屋は私とビートくんの二人きり。
3 20/02/14(金)22:06:58 No.663156649
「…………」 気まずい沈黙が部屋に満ちた。…鞄の中を確認、作ってきたチョコの包みはちゃんとある。 ちらとビートくんの方に目をやると目が合った。彼は慌てて目を逸らしわざとらしく咳払いをする。 ええい、時間をかけるほど無駄に緊張する。さっと渡せばいいのよ私。 「ビートくん」「はい」返事が早い。 「えっとね、私もその、チョコ…用意したから。一応ね?みんな渡すみたいだからね?」 そそくさと机に向かい包みを置く。 「そう、ですか」ビートくんは正面を見たまま動かずに答える。
4 20/02/14(金)22:07:19 No.663156758
「まあ季節の挨拶みたいなものですからね、僕もジムリーダーとして客人にぞんざいな対応をする訳にもいきませんし? 用意してきたと言うのならまあ受け取ってあげるくらいはやぶさかではありませんよ」 目を合わせずにつらつらと慇懃な言葉を吐きながら包みを手もとに寄せるビートくん。……とりあえず渡す事は出来た。 「………」 再び部屋に沈黙が訪れる。何か言わなきゃいけない気がするけど言葉が出てこない。向こうもそんな感じだ。 「…まあ、お礼は考えておきますよ。一応ね」「あ、うん…」 会話が続かない。 「…………やっぱ待ってビートくん!今のなし!やりなおし!」「は!?」 「とりあえず、じゃなくてちゃんと受け取ってください」 正面からビートくんの目を見て、府に落ちてないことを主張する。 ビートくんは目線を右に逸らしつつ少し考えて、少し意地悪な目で私を見つめ返す。
5 20/02/14(金)22:07:47 No.663156915
「だったらあなたも、一応用意したなんて言い方はナシです。ちゃんとしたものでなきゃちゃんと受け取りません」 「………ビートくんの事を想って作りました。君に喜んでほしくて真剣に用意したので受け取ってください」 目を逸らさずにぐっと一歩踏み寄り一気に言い切った。 ビートくんの意地悪な目が少し見開かれ顔が赤くなる。…私も言ってから恥ずかしくなってうつむいてしまう。 「…ありがとう」観念したようにビートくんは頭を下げた。勝った…! 「勝ち負けの話じゃあないでしょう、どれだけバトル脳なんですかあなたは」 赤い顔のままビートくんがぼやいている。私もたぶん真っ赤なんだろうけどへへへと笑っておいた。 「まあ、その……嬉しいですよ。他の誰でもない、あなたから貰えた事が」 「………」思わぬ追い討ちを受けて固まってしまった。 「午後はジムも閉めるし予定もありません。あなたが暇ならこの後一緒に過ごしたいのですが」 ビート君が私の右手を手にとり問いかける。「暇…です。」私は目を合わせられないまま左手をそこに重ねて答えた。
6 20/02/14(金)22:08:27 No.663157109
おわりです ぼくのせいいっぱいのビトユウです 時系列はなんかこうシナリオ終了後だとおもいます
7 20/02/14(金)22:09:48 No.663157530
可愛いお姉ちゃん成分を摂取し過ぎて口の中がなんか甘いよ ありがとう...
8 20/02/14(金)22:11:17 No.663157980
甘い……
9 20/02/14(金)22:11:34 No.663158065
夢鋼と繋がった…!?
10 20/02/14(金)22:12:00 No.663158201
やっぱりお姉ちゃんはビトユウルートだったか…
11 20/02/14(金)22:15:49 No.663159401
二人してまっすぐにひねくれてるな…
12 20/02/14(金)22:18:54 No.663160353
抱け―っ! 抱け―っ!
13 20/02/14(金)22:22:42 No.663161478
午後からずっと二人きりなんだ…
14 20/02/14(金)22:23:19 No.663161668
おめでとう!