虹裏img歴史資料館

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20/01/26(日)23:38:07 ・・・... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1580049487097.jpg 20/01/26(日)23:38:07 No.658122922

・・・・・ ホップ君に置いて行かれた私たちは、怪我一つ無いのにまるで満身創痍と言った体で、ナックルシティの入口へとたどり着いた。 本来ならもっと早く着いていたはずだけれど、見通しの悪い霧と、なによりも私たちの心がその歩みを遅らせて、結局昼にエンジンシティを出たというのに着いたときには夜になっていた。 バッジを確認するリーグスタッフは私たちの様子を見てだいぶ驚いていたようだが、怪我は無いという事だけはわかってもらい、私たちはようやくナックルシティに入る事が出来た。 結局、その日の私たちはそれ以上行動する気力が起きず、エンジンシティと同じくジムチャレンジャー用に開放されているホテルに泊まり体を休めた。

1 20/01/26(日)23:38:31 No.658123080

・・・・・ ナックルシティ滞在一日目。 私は一人街を歩く。 蒸気揺蕩うエンジンシティとはまた違う、荘厳な城と城下町といったナックルシティは、歩いているだけで歴史に触れるような感動があったのかもしれない。 でも、私にはそんな余裕は無くて、ただただ街の入口あたりをうろうろしていた。 そんな私に、偶然通りがかったローズさんが声をかけてきた。 なんでも仕事の関係でナックルシティによく来るらしい。そんな時、一人黄昏てる私を見つけたというわけだ。 ローズさんは私にあれこれ尋ねてきたけど、私はあいまいな回答しか出来なかったと思う。 それでも、彼がいないという事で多分何かしら察してくれたのだろう。 ローズさんは気晴らしに、と私をナックルスタジアムへと連れて行き、ガラルのエネルギー事業について説明をしてくれた。 自前のタブレットで楽しそうに講釈をするローズさんはまるで子供のようで、だけどとてもガラルの事を大事に思っているのだと思った。 その後、宝物庫に行くことを勧められ、私はそれに頷いた。 ただ彼を待つには、私の心はあまりにも波立っていて、なんでも良いから気を紛らわしたかったから。

2 20/01/26(日)23:39:36 No.658123442

・・・・・ 宝物庫に向かっている途中、ダンデさんに出会った。なんでも、ローズさんと会う予定があったらしい。 ダンデさんは私が一人でいる事を疑問に思ったのか、『ホップはどうしたんだ?それにユウリは?』と尋ねてきた。 私は……何も、言えなかった。 その様子を見てダンデさんは『ホップのやつ、負けたのか?』と言ってきた。 どうして?と尋ねようとしたけど、ダンデさんはもう私の表情を答えとしたのか、 『その様子だと、アイツ落ち込んでどっか行ったってところか』と、納得したように腕を組む。 そして、『負けて落ち込め!そこから立ち上がれ!なぜ負けたか考えろ!』と力強く言い放った。 流石兄弟だね。そう思ってしまう程度にはダンデさんと、ホップ君との絆を感じた。 その眩さに、思わず唇を噛みしめてしまうぐらい、ダンデさんはホップ君の事を理解していた。 『だから、ホップを信じてやってくれ』 ダンデさんはそう言って去っていった。……ローズ委員長が待っているであろうスタジアムの方向とは真逆へと。

3 20/01/26(日)23:39:49 No.658123510

・・・・・ 宝物庫の前で、ナックルスタジアムのジムリーダであるキバナさんと出会った。 ダンデさんのライバルって事で有名らしいけど、本物と会うのは初めてで随分と気さくなお兄さんといった印象を持った。 私はまだ、彼に挑むにはバッジが足りない。だけどきっとこの人と勝負して見せる。だから、 『私たちは絶対にあなたの元までたどり着きます!』そう言って、少しだけ胸が痛くなった。

4 20/01/26(日)23:40:18 No.658123695

・・・・・ 宝物庫の中で、ソニアさんに出会った。 ソニアさんはガラルの歴史を伝えるタペストリーによほど感動したのか、私にあれこれとその凄さを語ってくれた。 そして、私にも色々聞いてきたけど……私は歴史とかにそんな感慨を覚えるタチではないからあんまり役に立つことは言えなかったと思う。 お嬢様だったらスボミーインで見た銅像の時のように色々と知見を交えた意見を言えたのだろうけど。 一通り言いたいことを言って満足したのか、ソニアさんはお嬢様とホップ君はどうしたのか聞いてきた。 私は、あいまいに笑う事しか出来なかった。

5 20/01/26(日)23:42:09 No.658124277

・・・・・ ナックルシティ滞在二日目。 何もなかった。 彼も、来なかった。 私は一人、待っていた。 通りがかりの随分と派手な格好をしたおばあさんが、こう尋ねてきた。 『あのコを待つのは優しさかい?執着かい?』 私が答える前におばあさんは去っていった。

6 20/01/26(日)23:42:31 No.658124385

・・・・・ ナックルシティ滞在三日目。 私は街の外にいた。 龍の頭を模した入口を背に、じっとたたずんでいた。 時刻は明け方ってところだろうか。 まだ早いというのにどうしてか目が覚めてしまい、そのまま二度寝する気にもなれずワイルドエリアで風にでもあたろうかと出て来てしまった。 ワイルドエリアに出たのは来た時以来で、あの時一面を覆っていた霧はすっかり晴れて、早朝の日差しが草原を照らしている。 涼やかな風に身を委ねていると、遠くに人影が見えた。 その影はどうにも足取り覚束なくて、だから、私から近づいて行った。 目の前に立つ私を見て、彼は一瞬目を伏せる。 だけど、やがてゆっくり顔を上げ、私をみつめる。

7 20/01/26(日)23:42:41 No.658124430

「ユウリ」 まだ三日しか経ってないのに本当に久しぶりにその声を聞いた気がした。 その動揺を出さないように、いつもよりも、ずっとずっと芝居がかった声をだす。 「……なんだいホップ君?」 彼は、ホップ君は、私から目をそらさずにだけど、わずかに揺らぐ瞳で、どこか縋るような表情で。 「オレと、勝負してくれ」 「うん、わかったよ」 断る理由は無かった。

8 20/01/26(日)23:43:15 No.658124591

前回までの su3601297.txt

9 20/01/26(日)23:43:57 No.658124818

空気がおもいよ…

10 20/01/26(日)23:50:48 No.658126928

ここで手を抜かれたら今度こそホップの心が折れそうだし勝っても炎ウリ的に後味最悪だし空気が…

11 20/01/26(日)23:57:53 No.658129232

あれこれポプラさんきてない?

12 20/01/26(日)23:58:11 No.658129326

ここまでの3日間でホップくんの気持ちに気づけてたら…って思ったけど >勝っても炎ウリ的に後味最悪だし空気が… だからこれ逃げ道ないな?

13 20/01/27(月)00:01:00 No.658130340

バアさんは神出鬼没だからな…

14 20/01/27(月)00:02:39 No.658130893

ま まぁジムチャレンジなんて脱落珍しくないし……

15 20/01/27(月)00:03:18 No.658131113

お嬢の行方は次回か

16 20/01/27(月)00:04:40 No.658131584

ビート君にアイアンクロー食らわせてるかもしれない

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