ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
20/01/26(日)01:36:01 No.657839811
いつもの 今日の分の前にもう一話入ってます su3598937.txt その他 su3598940.zip 前回お出しししたやつ su3598943.txt
1 20/01/26(日)01:36:36 No.657840005
「ソニアさん、昔からお姉さんみたいだったんだね」 「本当にうるさいんだ。かーちゃんだってもう少し説教少ないぞ」 「えー意外！わたし全然叱られたことないよ！？」 「ズルい！贔屓だ！」 シュートシティへの電車に揺られながら、わたし達はソニアさんの事を話していた。昔の話もホップから聞くとコイバナじゃない話がどんどん出てきて面白い。そしてホップから見ても二人は仲が良くてお似合いに見えてたっぽい。今の二人はホップにどう見えてるのかな、って興味はあるけど……。 でもそろそろ、真面目な話もしておきたいなって思った。 「そのソニアさんに言われたんだ。『勝ち進んで欲しい』って。トーナメント、二人で決勝戦できたらいいね。抽選うまくいきますように！」 「だな！……でも、どこで当たっても勝った方はなにがなんでも勝ち進んでアニキに挑戦する、負けたら勝った方の応援な！」 「わたし、負けないからね？」 「いーや、勝つのはオレだぞ！」 一瞬本気みたいに睨み合って、まだ勝負じゃないのになって笑う。こんな風にホップとだらだら喋るの、そういえば久し振りなんだって気が付いた。久々なせいか、いつも以上に楽しい。
2 20/01/26(日)01:36:56 No.657840149
「……そうだ。そういえばさ、ユウリって、チャンピオンを目指すのか？流れで旅に出たから全然そういう話、してなかったなって」 「うーん。最初は全然そういうの、考えてなかったな。でも旅してるうちにね、バトルも、ポケモンと一緒にいるのも大好き！って思ったんだ。でもね……好きなだけじゃないんだ。バトルで負けたくない。勝つために考えることが楽しい。もっと出来ることがあるし、たくさん試してみたい！そのためにはもっともっと色んな人とバトルしていかなくちゃ……というわけで、その第一歩としてダンデさんに勝つ！」 「最初にガラル最強目指すのか！それカッコいいな！」 ……あれ、ホップも同じ感じだと思ってたんだけど、違う？ 「じゃあホップは？」 「……オレはさ、最初、アニキみたいになりたいって思った。そのためにやってきたつもり」 「うん、そこは知ってる。ずっと見てたから」 「ありがとな。……でもビートに負けて、色々試して分かったんだ。アニキに追い付きたいんじゃなくて、追い越したい。で、バトルの腕も知識も持った、もっともっといいトレーナーになりたいって思う！ユウリが最強ならオレは最高ってとこだな！」
3 20/01/26(日)01:37:25 No.657840306
なるほど。ずっと知識を増やしてたホップらしいかも。それに、知ってることが多いってなんか凄そう。 「最強と最高かぁ。じゃあわたし達、目標を叶えるには強い相手とどんどん戦わなくちゃいけないね」 「ああ！まずはトーナメントを勝ち抜いて、アニキへの挑戦権をゲットだ！」 「うん！」 セミファイナル、わたしとホップはどこかで必ず対戦するし、勝った方がきっとファイナルトーナメントに駒を進める。トーナメントまで上がってくるだろうマリィには申し訳ないけど、これはもうわたしの中でほとんど決定事項になっている。 ───だからきちんと話しておこう。
4 20/01/26(日)01:37:44 No.657840412
そう思って、持っていたスマホを置いた。 「……ねえ、ホップ」 「どうした？」 「えっと、ホップのおかげでわたし、ものすごい旅ができてる。ずっとお礼を言いたかったの。一緒に遊んで、色々教えてくれて、ありがとう」 「どうしたんだ、いきなり」 「いきなりじゃないよ？旅に出てからずーっと言いたかったんだから。ホップがいなかったら、こんなに楽しい世界があるなんて、きっと一生知らないままだった！本当にありがとう！」 「そんなに褒められても困るぞ」 「困ることないよ、ホップはすごいんだから！わたし、ホップに会って多分人生変わった！そのくらいすごい！」 「ユウリ」 「……これからどういう結果になっても、引っ越したてのわたしと友達になってくれて、色々教えてくれたホップへの尊敬は絶対に変わらないから。ホップにはこれからもずっと、ずーっと、バトルしたり、キャンプしたり、……その、わたしと仲良しでいてくれたら嬉しい！……トーナメントはほんとの真剣勝負になるから、その前に言っておきたかった！わたしからは以上！です！！」 最後にちょっとだけ逃げた。これからの戦いを考えると、好きだとは言いづらかった。
5 20/01/26(日)01:38:04 No.657840516
恐る恐る目の前の様子を窺う。 ホップは少し考えて、同じようにスマホを置いた。 「……じゃあオレも。……オレだってユウリが友達になってくれて、一緒にポケモンの話ができて本当に嬉しかった。悩んだ時も、いつも通りのユウリを見てると、また次も頑張ろうって励まされたし、ユウリとのバトルで教わったこともある。だから……うん、オレも仲良しなままがいいな！どんな結果でも、ずっとだ！」 「……あ！じゃあこれからはお互いに教え合おう！そしたら分かること2倍になるよ！強くなるのも速い！」 「いいなそれ！さすがユウリ！」 「えへへー。天才の発想！」 お互いちょっとだけ照れ臭い感じになって、二人でなんとなく笑ってるっていう変な空気になった。 変な空気なのに、ずっとこの時間が続いて欲しい気もした。 だけど車内に放送が流れて、流れる景色がが少しずつ都会の街並みに変わり始める。 もうすぐシュートシティ。 チャレンジャーの旅は、あと少しで終わる。
6 20/01/26(日)01:40:19 [s] No.657841226
2日休んでしまったので2話分出したけど明日も休むかもしれない 古戦場が悪い
7 20/01/26(日)01:51:53 No.657844613
このユウリとホップは本当に光だな…
8 20/01/26(日)01:55:14 No.657845435
なんかここまで健全な2人を見るのレアすぎるような気がしてくる いつも楽しく読んでます
9 20/01/26(日)02:01:15 [s] No.657846850
深い闇の横にある光が強いのっていいよね ダンソニはもう少しで前面に出せるターンが来るのでそこまではこの調子で本当に申し訳ない いかんせんそういうのはダンデがチャンピオンじゃなくなってからがいいなって…思ってて…
10 20/01/26(日)02:05:54 No.657847810
まぁ王道だよね…
11 20/01/26(日)02:07:59 [s] No.657848229
あとtxtに入ってる方に関してちょっと補足 個人的見解なんだけど呼び捨てが親密さの表れになるかどうかは状況やそれまでの関係によると思っている 剣盾で言えばソニア→ダンデの呼び捨てはどちらかといえばよそ行きの距離を取った呼び方だと感じてる部分 なので今後呼び捨てがデフォになる予定はない ゲーム中のソニアは公私の別や対話相手との距離感に応じて呼称を使い分ける傾向があるのでちょっと気にしてみるといいよ ※個人の感想です