20/01/23(木)01:23:24 いつも... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1579710204830.png 20/01/23(木)01:23:24 No.657054874
いつもの su3591809.txt その他 su3591811.zip ホップくんの視点がもう少し欲しいなと思ったので本日はそういうやつ
1 20/01/23(木)01:23:45 No.657054940
会ったばかりの頃、教えるってことがまだ良く分かっていなかったオレはただ持ってる知識を披露するのが楽しくて、ユウリを随分困らせてたんだと思う。 だけどユウリはいつもニコニコ笑って話を聞いて、オレを凄いって褒めてくれた。 ずっと年下の立場ばっかりで過ごしてきたから、その言葉は、なんていうか毒みたいな感じでガツンと効いた。 妹が出来たみたいな感覚だった。
2 20/01/23(木)01:24:01 No.657054992
だけど一年もすると、ユウリはオレの話に質問をしたり時には意見を言ってくるようになった。(これは後日知ったことだけど、こっそり勉強とかしてたらしい) さすがに妹みたいな感じとは違ってきたんだけど、それが残念だとは思わなかった。 アニキとソニアがずーっと話したりバトルしたりだったのがオレにもよく分かるようになったからだ。ユウリとはあの二人みたいな友達同士になれたらいいなってちょっと思ってたから、その頃してたこととか思い出して、次は何しようかなって考えながら毎日過ごした。 勉強も遊びも誰かと一緒にするとサイコーに楽しい。話のネタが欲しくて研究所での読書もはかどるようになった。
3 20/01/23(木)01:24:20 No.657055082
そんなオレ達も旅に出る時が来た。 アニキからポケモンをもらって、ソニアの家で推薦を受けて、オレとユウリは旅に出た。 二人でいいライバルになれってアニキは言った。確かに、ジムチャレンジに二人で挑むってそういうことだ。ずっと一緒にいたって、この旅の最後には絶対勝ち負けを決めなきゃならない。 ……まあ、二人とも負ける可能性だってあるけどさ。 だからずっと一緒にいるんじゃなくて競争をするんだって決めた。 最初はちょっと寂しかったけど、会えば一緒に動くこともあるし、待ち合わせだってする。そういえばジムの挑戦順は決まってるから、会うタイミングって結構多いはずなんだよな。 じゃあ「別行動中に特訓して驚かせてやろう!」って思って、それっていつもとそんなに変わらないじゃん、って気付いたら、次にユウリと会うのが楽しみになっていった。
4 20/01/23(木)01:24:42 No.657055142
オレの旅はとても順調だった。 カブさんに勝ってスタジアムを出たところでユウリと会った。 (あれ?) 鉱山とか、エンジンシティに着いたのが夜だったとか、疲れてたとか、色々あって気にしてなかったけど……ユウリが雰囲気違う。なんだろう。 「ユウリ、いつもと違うよな?」 「わかる!?あのね、えっと……ジムチャレンジってほら、中継されるじゃん。だから、メイク初めてみました!」 じゃじゃーん、と胸を張る。リップとかまつげがどうとか言ってたけど、よくわからない魔法の言葉の羅列はオレを全部素通りしていった。 「……メイク?」 「うん!ヘアサロンでやってもらったんだけど、大人になったぞー!って感じ!わたしレベルアップした!」 「レベルアップはよくわからないけど、なんか……大人っぽいのはわかるぞ!」 「ほんと!?えへへー」 正直全然わかってない。ユウリは喜んでるし多分これでいいんだろうけど。 ただ、メイクしたユウリを見てるとなんだか落ち着かない気分だった。 街外れでジムチャレンジの中継を見ていてもソワソワするような気持ちは消えない。画面の中にいるのはユウリなのに、なんだか知らない女の子みたいに見えた。
5 20/01/23(木)01:25:40 No.657055328
でも、そこからしばらく、楽しい記憶は減る。 ワイルドエリアであのビートって奴に絡まれて、負けて……アニキを馬鹿にされたのが我慢できなくて、それをきっかけにオレは色々な事を考えることになった。 オレがジムチャレンジをする理由だとか、強くなりたいとか、どうしたら強くいられるのか、とか。 そうこうしているうち、後ろを歩いていたはずのユウリがオレよりもずっと先にチャレンジをクリアするようになっていて、それも焦りの一つになった。 答えが見つからないのが怖い。このままジムチャレンジが突破できなかったらどうするんだ? そういう気持ちすら浮かんだ。
6 20/01/23(木)01:25:59 No.657055395
悩んで、悩んで、何度も自分がよく分からなくなった。 そういう時は誰かに相談する代わりに、ユウリとバトルした。 バトルの最中や後には不思議と考えが整理されて、自分の出来ることとか、したいことを再確認していけたからだ。 オレの勝手な申し込みだし、結構やなタイミングで話を持ちかけたこともあったんだけど……ユウリはいつも、嫌な顔ひとつせず「受けて立つよ」って言ってくれた。 全力の勝負を繰り返して、オレ自身がどうしたいか見えてくる。それは不思議で、でもとても楽しかった。 ライバルってきっとこういうものなんだ、っていう実感があった。
7 20/01/23(木)01:26:21 No.657055449
キルクスからの移動中、ソニアから送られてきた画像データをこっそり眺めようとして……直視できなくてやめた。一瞬見ただけでも顔が熱い。なんだこれ。 悩みは一段落した。あとは追い付くために、とにかく全力でやるしかない。 (それにしても、本当は泣いてた、か……) 言われてみれば、悩んでる間にユウリから何か言ってくることって、一度もなかった。 ただでさえ遅れを取ってるのが気になってたから、下手に何か言われたり聞かれたりしてたら……喧嘩になったかもしれない。 それをユウリも分かっていて、気遣ってくれてたのかもしれない。 あの頃、バトルの後は毎回ちょっとした世間話をして、最後は笑ってまたね!って手を振ってくれた。 そうしてくれてる間にも、ユウリは泣いたりしてたんだろうか。 ぐるぐる悩んでるところをずっと見せないようにしてたオレが言えることじゃないけど、隠されるのって案外嫌な気分だ。 泣かせてた自分も嫌だし、ずっとニコニコしてるユウリを見て励まされるだけだった自分も嫌だ。 オレだってユウリを励ませるようになりたい。
8 20/01/23(木)01:26:39 No.657055514
───そう思って、不安そうなユウリに大丈夫だぞって言ったのに!オレも一緒にいるって言いたかったはずなのに……。 伸びた髪が大人っぽくて、メイクもしてて、別人みたいだった。だけどいつも通りキラキラしたあの目が、オレの近くにあって。 前みたいに近くにいられないって思った。心臓はドキドキするし顔は熱いしで走り出すしかなかった。アニキとの約束があって本当によかった。 ユウリ、気付いちゃったかな。気付かれてないといいんだけどな。
9 <a href="mailto:s">20/01/23(木)01:28:44</a> [s] No.657055960
というわけでホプユウ部分だけ抽出して書きました 光がつよい
10 20/01/23(木)01:30:03 No.657056237
これは惚れてますね
11 20/01/23(木)02:00:24 No.657061504
いつもありがたい…
12 <a href="mailto:s">20/01/23(木)02:04:48</a> [s] No.657062126
出すタイミングもないし特に怪文書に関わらない54文字置いとく su3591889.png su3591892.png
13 20/01/23(木)02:11:18 No.657062889
美しい...
14 20/01/23(木)02:41:52 No.657065656
うんうんホプユウはこうでないとね!