19/11/24(日)00:48:02 「わぁ... のスレッド詳細
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19/11/24(日)00:48:02 No.641087409
「わぁ~!とっても綺麗でありんすなぁ~!」 「どれどれ。うわたっけ…それはダメだからな。ノン!」 ゆうぎりがガラス越しに見た指輪。俺も見てみたが、これはない。センス的にな。値段がアレとかではないぞ。 「あいぃ?確かに綺麗でありんすが、これは別段欲しいわけではありんせんよ」 まるで幼い子供のような反応を見せておいて、呆気無く離れてみせる。 『誕生日を祝って、外へ連れ出しておくんなんし』 なんて言うものだから、あれが欲しいこれが気になる等の我儘を覚悟してはいたのだが。 そんな俺の気を知ってか知らずか。軽く気をやるそぶりを見せるだけで、ハッキリ欲しいとは言わない。 「あっ!鳩!鳩でありんすよ幸太郎はん!わっち餌あげたい!」 立ち寄った公園で、鳩の群れに出くわした。 ゆうぎりは謎のテンションで裾を引っ張り、俺を上目遣いで見つめるものだから、俺も溜め息が出てしまう。 「…適当にそこら辺で食パン買ってくるから待っとれい」 目を爛々と輝かせるこの少女は、一体何がしたくて俺を連れまわすのか。 謎に唸りながら近場のコンビニで食パンを買い、公園に戻った。
1 19/11/24(日)00:48:12 No.641087461
「…わー…ピカピカで綺麗でありんすー…」 戻った先で見たのは、巨大な金色の存在とゆうぎり。 「…?あなたは、そこにいますか…?わっちはここにおりんすよ?」 何かの対話を為すゆうぎりを見て、俺は背を向け駆け出す。 辿り着いたのは、一見何の変哲も無い公衆電話。 しかし、用意されているスリットにカードを通せば、隣の自販機の地面がせりあがり、扉が現れる。 それを通り、通路を走り抜けて辿り着いた先にあるのは真紅。 対フェストゥム用兵器。『ティターン・モデル』 それがこの真紅の機体を呼称するもの。 乗り込んで、操縦桿であるニーベルングの指環に指を通す。 瞬間、真紅は魂を得る。 人の魂を動力に。機体はその身に魂を宿す。 搭乗可能時間は最長15分。決して長くは無いタイムリミット。 水を纏い、唐津湾から飛び出した。 ゆうぎりが居なくならないようにするため。俺は、戦う。
2 19/11/24(日)00:48:39 No.641087603
そうしてなんやかんやあった後、なんとか撃退に成功した。 ゆうぎりが居るはずの公園へ、疲労が抜けぬ体で歩く。 「あいぃ?あんさん、随分と奇怪な仮面を着けておりんすな」 そこに居たのは、仮面舞踏会なんてモノに出る人が着けるのか?…なんて思うような仮面を着けた男。 俺の視線がその男と合い、反射的に開いた口。叫んだのは同時だった。 「「アプリポワゼ!!!」」 世界が変わる。いいや、止まる。 ゼロ時間と呼ばれる異空間に移動したのだ。 そして現れるは、俺のサイバディ。 白と金と赤のカラーリングによって彩られた、貴公子。 その胸部。青い光に包まれた場所に俺は居る。 「颯爽登場!!佐賀美少年!!!」 服装が変わりゆく。まるで王子のような正装。これがスタードライバーとして…佐賀美少年としての正装。 「タウ…バーン!」 自らのサイバディの名を叫び、俺は目の前に立ちはだかるサイバディに挑みかかった。
3 19/11/24(日)00:49:11 No.641087746
そして色々あった。本当に、色々。撃破に成功した。 今度こそ公園に向かう。食パンどこにやったっけ…もしかしてゼロ時間に置いてきたか…? 「おぉー…わっちの色みたいな赤いキラキラが綺麗でありんすなぁ~…」 目にしたのは、赤い粒子を撒く機体と、目を輝かせるゆうぎり。 機体は無造作に…まるで当然のように武器であるサーベルを取り出し、ゆうぎりへ目掛け振り下ろす。 まずい。これは、間に合わない。 ゆうぎりに赤の奔流が落ちる直前、燈色が機体を蹴り飛ばした。 『何やってんだおせぇぞ!脳量子波でわかるだろうが!』 そうだ。佐賀に居るガンダムマイスターは、一人ではない。 燈色の機体…味方が戦っている間に、近くの森に隠してある機体へ駆け出した。 森の中。そこに迷彩柄の布に包まれ、眠るように潜んでいた俺の機体。 『ガンダムエクシア』 実体剣とビーム兵器を兼ね備えた、切り札。 「佐賀を襲う歪み…この俺が断ち切るッ!!」 俺が…俺たちが、ガンダムだ。再認識と共に、紛争根絶のための力を振るうのだった。
4 19/11/24(日)00:49:23 No.641087807
そうしてあーだこーだあり、戦闘に勝利して燈色のアイツとお別れした。 周囲はもうクレーターだらけで、かつてあった公園は見る影も無い。 ゆうぎりは…何処に…?また面倒事に巻き込まれてないだろうな… 探し歩く。そうして、見つけた。 「…あんさん…血の匂いが、しんすな」 ゆうぎりと居たのは、ハンチング帽を被った初老の男。 背中しか見えないが、俺はヤツを知っている。故に先手を取る。 黒い幽霊…通称IBMを生み出し、ヤツへ…佐藤へ向かわせる。 凄まじい速度で、鋭利なツメが佐藤の首へ迫る。 …刎ねる寸前、俺のIBMの腕が吹き飛んだ。 もう一体のIBM…佐藤のがやったのか。 俺の額を冷や汗が一つ垂れると同時に。佐藤は俺へ振り向いた。 気味の悪い糸目だ。俺はあの目が好きじゃない。 俺のIBMにゆうぎりを抱えさせ、俺の元へ。 誰かを庇いながらだと苦戦を強いられるだろうな…そう思いながら、策のために周囲を見渡すのだった。
5 19/11/24(日)00:50:21 No.641088080
それがこうしてあーなって。なんとか佐藤を撒く事に成功した。 しかし…戦闘の最中にゆうぎりとはぐれてしまった。アイツ勝手に何処か行くのやめんか。ほんとに。 探しに走っていると、何処かから聞こえてくる喧騒。 …何か嫌な予感がする。向かってみよう。 「あーーーー。わっち、首だけになっちゃったよーーーーー」 向かった先には、棒に刺されたゆうぎりの首。 その棒を持って狂気を見せる民衆に、俺の言葉が届く事は無いだろう。 ゾンビィバレとしては、最悪の結末だ。 ………だが、まだやれる事はある。 館へ走る。ただ、ひた走る。 日向ぼっこ中のたえとロメロを飛び越え、玄関を抜け、廊下をのんびり歩くさくらを弾き飛ばしながら走る。 目的地は、台所。 故障中の張り紙をしてある電子レンジ…いや、電子レンジ(仮)を操作。 「飛べよぉおおおおおおおおおおおお!!!」 そうして過去に己を飛ばす。彼女を救うために時を欺く。迷いは、無い。
6 19/11/24(日)00:50:33 No.641088144
えんやこらなんやこらあった後。ゆうぎりは無事救われたのだった。 「わー!見て見て幸太郎はん!すごい食いつきでありんすよ!」 公園で鳩に食パンを投げるゆうぎりは、俺の苦労など知りはしない。 ベンチに座り込んで項垂れる俺なんぞ気にも留めず。ひたすら鳩と戯れている。 …それにしても、疲れた。何かこう…様々な立場を渡り歩いたかのような疲労が…辛い… 「………幸太郎はん?」 間近から聞こえたゆうぎりの声。顔を上げれば、すぐ目の前に居た。 「なんじゃい…もう一枚欲しいんかい…」 「欲しいものが、決まりんした」 …完全に忘れていた。これから更に、厄介な物を強請られるのか。 隣に座るゆうぎり。俺の肩に頭を預けて。 「今日は好き放題してしまったでありんすが。結局ただ一言、わっちを繋ぎ止める一言が欲しいんでありんす」 …最後の我儘に、思わず空を仰いだ。 「………側に居ろ、ゆうぎり」 「あい♪」
7 19/11/24(日)00:51:20 [sage] No.641088411
誕生日記念の怪文書でありんす 怪文書でありんすわっち
8 19/11/24(日)00:55:32 No.641089714
えぇ…盛りすぎ…
9 19/11/24(日)01:03:48 No.641091738
綺麗なもんだなぁ!伝説の花魁ってのは!
10 19/11/24(日)01:03:50 No.641091745
何が佐賀だ馬鹿馬鹿しい
11 19/11/24(日)01:03:50 No.641091747
CV宮野真守盛りいっちょ上がり!
12 19/11/24(日)01:07:04 No.641092506
ユウギリィーナ! いや、ザ・ゾンビ(蘇りし者)!
13 19/11/24(日)01:12:23 [???(CV大塚芳忠)] No.641093829
>ゆうぎりと居たのは、ハンチング帽を被った初老の男。 ゆうぎりに手ェ出すんじゃねえぞ
14 19/11/24(日)01:18:52 No.641095289
盛りまくっとるけど良い話だ
15 19/11/24(日)01:19:59 No.641095515
姐さんめっちゃマイペース…
16 19/11/24(日)01:32:51 No.641098400
>「あーーーー。わっち、首だけになっちゃったよーーーーー」 もう少し心を込めて言わんかい!
17 19/11/24(日)01:35:49 No.641099046
ラスボスクラスの相手しかいない…
18 19/11/24(日)01:38:10 No.641099500
よか…
19 19/11/24(日)01:38:26 No.641099557
中の人ネタ!
20 19/11/24(日)01:40:31 No.641099971
佐賀って何なん…?