虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

1 19/11/12(火)21:05:40 No.638170859

ｰｰｰｰｰｰｰｰ 「マツモト=サン、これを」 少し前。駅のホームでタチ・ヒロシから小さな包みを手渡された。 「これは？」「あなた方を救出した時に回収しました。…話には聞いています。あなた方の大切な武器なのでしょう」 包みを解く。デンショウとベッカク。柄は無惨にも折れていたが、刃は二つとも無事だ。コーシロは胸をなで下ろした。 「ありがたい…」 「それと。貴方がいたところに見慣れないカタナの欠片も落ちていたのですが…マツモト=サンの武器ですかな？それもついでに入れておきました。指を切らないように気をつけて」 「私はカタナは使わないのですが…」 包みを探ってみてそれを見つけ、彼は気づいた。 そのカタナの欠片はヒートタイドの持つ、彼の父の命を奪った…まさにそのカタナのものであった。

2 19/11/12(火)21:06:09 No.638171003

ｰｰｰｰｰｰｰｰ （ヒートタイド…あれで終わりだとは思えぬ） 仇のカタナの欠片。彼は嫌悪感を拭えなかったが…ヒートタイドの力を探る上でかの得物の情報を持つ事はけして無駄ではない筈。コーシロはそう思い、その欠片を受け取っていた。 「それで…キョートに着いたらどうする」コーシロは言う。 「私達兄妹が家を追い出された後、キョートにいた頃にお世話になっていたところがあります…そこへ行ってみましょう」 「そうか…苦労をかけてすまないな」 コーシロは溜まった疲労を吐き出すように、大きく溜め息をつこうとしたが…その時！ KABUKRAAAAAASH!!!車内前方から破壊音が響く！ 「何だ！？列車強盗団か！？」 彼も…コーシロも列車強盗団とは戦った事があった。だが車内にまで乗り込んで来るとは前代未聞。よほどの手練れか？ その答えはすぐに明らかになった。 「アバ…アバッ」血まみれの乗務員が車両を仕切るショウジ戸を開けて現れ…倒れ込む！ 「お客様の中にぃ！マツモト・コーシロはいらっしゃいませんか…いたら返事してくだち！」 それを踏みつけながら大声で叫ぶ者あり…ぴるすニンジャだ！

3 19/11/12(火)21:06:25 No.638171095

ｰｰｰｰｰｰｰｰ 「どういうことだ…なぜここが？」 コーシロは入ってきたニンジャと向かい合う。ソメゴロとタカコは後方車両に向かわせた。他の乗客を守るためだ。 「あいつの…パノプティコンの監視網は役立ったんですけお」目の前のニンジャはニヤリと笑う。 「ネオサイタマ監視網！完成こそしていなかったが、お前等の動きを追う位には十分なんですけお！」 （パノプティコン）コーシロはその名前を思い出す。タカコの倒したシックスピルスだ。とんだ置き土産を残してくれたものだ。 「ドーモ、カブキニスト=サン…ピラティスです！貴様が我らがNOVレスに楯突いてくれたことはとうの昔に把握済み！今ここで血塗れの死体に変わるがいい！」 「ドーモ、ピラティス=サン…それはこちらの台詞だ！イヨーッ！」「ケオーッ！」

4 19/11/12(火)21:06:49 No.638171220

ｰｰｰｰｰｰｰｰ 「ケオグワーッ！？」 後方車両へ向かったソメゴロとタカコだったが…彼らはそこでまさに今天井部分から侵入せんとするぴるすニンジャを発見。ソメゴロは車外へ飛び出し、先んじて攻撃を仕掛けた。 「ドーモ、ソメゴロです！」 アイサツももはや偽名の必要性もない。しばらくネオサイタマには戻れないのだから。「イヨーッ！」アイサツ・アンブッシュ！銃弾が相手に向かって飛ぶ！ 「ケオーッ！」相手ニンジャはそれを飛んで回避！ 「ドーモ、ソメゴロ=サン…パラグライドです！怪しげなニンジャネームだと思ったが…ニンジャではないのか！モータルの分際で俺様に楯突くとは片腹痛いんですけお！」パラグライドは独特のサイバネ翼で新幹線に併走するようにその上を浮遊！「鳥めいて飛ぶ俺様に貴様の攻撃は当たるまいて！ケオーッケオッケオッ！」 「そうでしょうか？…イヨーッ！」 ソメゴロはロボットスーツの飛行機能を作動させる！飛行と言うよりは大ジャンプに近い動きで…パラグライドに向かっていく！

5 19/11/12(火)21:07:17 No.638171381

ｰｰｰｰｰｰｰｰ 「イヨーッ！」「ケオーッ！」「イヨーッ！」「ケオーッ！」「イヨーッ！」「ケオーッ！」 互いに打ち合い、着地する。新幹線の車内。カラテを行うには余りにも狭すぎる。そうでなくても相手のカラテの何らかの作用か、カブキニストは自分のカラテが効いていないのを実感していた。 「どうだ、俺のピラティス=カラテは」ピラティスが笑う。彼は独特な呼吸を繰り返す。カブキ呼吸のそれではないが作用は似ている。回復力がブーストされているのだろう。 「イヨイヨイヨーッ！」カブキニストは連撃を繰り出す！「ケオケオケオーッ！」連続で受ける！ピラティスの身体がしなり、衝撃を受け止め、カブキニストを跳ね返す！ 「フゥーッ…」ピラティスは呼吸する。回復力が高まり傷が修復される！「見るがいい、俺のラテラル呼吸を！…フゥーッ！…このままではジリー・プアーだぞ！ケオッケオッ！」「ヌウーッ！」カブキニストはピラティスを睨み…ふと思い出す。

6 19/11/12(火)21:07:32 No.638171454

「イヨーッ！」カブキニストはピラティスに突進！「甘い！ケオーッ！」ピラティスはそれを受けんとするが…カブキニストはピラティスを無視して通過！「なにぃっ！？」 彼はそのまま横の座席を蹴り上げると…包みが飛び上がる。そしてそこから…折れた二本のナギナタが落ちる！ 「イヨーッ！」彼はそれを受け止め…カマキリめいて二本のナギナタを構える！そのまま飛びかかる！ コウライヤ！ナギナタが折れていなければ狭い車内で取り回すには不適であっただろう、なんたるサイオー・ホース！ 「ケオーッ！」ピラティスはカラテでそれを迎撃しようとするが… 「イヨーッ！」コウライヤ！彼のナギナタはガードをすり抜け…デンショウがピラティスの肺に突き刺さる！呼吸機能を奪う！「ケオグワーッ！」 もう片方の肺をベッカクが破壊！「イヨーッ！」「ケオグワーッ！」 カブキニストはそのままナギナタを抜くと…ピラティスの首を撥ねる！ 「サヨナラ！」ピラティスは爆発四散！

7 19/11/12(火)21:07:56 No.638171581

ｰｰｰｰｰｰｰｰ 「イヨーッ！」ソメゴロはパラグライドに飛びつくと出鱈目に飛ぶ！ 「ケオーッ！いかにお前が武装しようとも非ニンジャの筋力ではこの俺様を殺すことはできんぞ！」パラグライドはがむしゃらに蹴りを繰り出す！ソメゴロは何とか衝撃を逃がそうとする！ 「わかってますよ、そんなこと！イヨーッ！」 ソメゴロは飛びついたまま電撃を放つ！「ケオグワーッ！痛ぇな畜生！」パラグライドはソメゴロをもう一度蹴ろうとするが…ソメゴロは自ら落下して回避！だが新幹線は通過していき地面が迫る！ 「イヨーッ！」ソメゴロはフックロープ発射！新幹線の後部に命中し、彼はそのまま引っ張られる形で空を滑空するように平行移動！「小癪な！」そのまま飛行機能を展開し加速！フックロープを外しパラグライドに再度しがみつく！ 「何が狙いだ小僧！」 （早く…早くしてくれタカコ） （ハッキングを…早く！）

8 19/11/12(火)21:08:17 No.638171709

ｰｰｰｰｰｰｰｰ 「ケオーッ！小癪な！」 無人の筈の運転席には小柄なニンジャが一人。彼の名はプロンプト。彼はこの新幹線をハッキングし、衝突事故に見せかけてコーシロ一家を丸ごと始末する手筈であった。だが出来ていない。邪魔が入ったのだ…無論それはタカコによるものだった。 後方車両。乗務員連絡用の簡易ネットワークを通じて、タカコはこの新幹線をハッキングしようとしていた。 「なかなかかかるわね…」 タカコも薄々予測はしていたが、ハッキング担当のニンジャも一味にいたようだ。タイピング速度はそれほどでもないが、何しろ時間がない。今にも兄が死にそうなのだ！ 彼女はラ・マン茶栄養ドリンクを一気飲みする。意識が冴え渡り、周りの乗客の喧騒も聞こえなくなる。 目を閉じ、開く。タイピング速度を重点！重点！重点！…

9 19/11/12(火)21:08:39 No.638171849

ｰｰｰｰｰｰｰｰ 「イヨーッ！」「ケオーッ！」 パラグライドとソメゴロは空中できりもみ回転しながら揉み合う！ 「は…早く、早く死んでくだち！ケオーッ！」 「タカコ！早く…！」凹みだらけのスーツを着た傷だらけのソメゴロは最早無我夢中で叫ぶ。「このままではもう…耐えきれない！」 パワリオワー！不意にソメゴロに知らせが入る。タカコからだ！ 「よし！…これで良い。よくやってくれました！イヨーッ！」 ソメゴロはスーツの飛行機能を最大出力にする！ 「ケオーッ！一体何のつもりだ！」 「こうなりゃヤケだ！捨て身のヒサツ・ワザを使わせてもらう！」 パラグライドはソメゴロを追いかけ、高く飛び上がる！ 「ヤバレカバレかソメゴロ=サン！やはりモータルの意地など虫ケラの威嚇同然！死んでくだちーっ！」

10 19/11/12(火)21:08:51 No.638171901

「それはこちらの台詞です！イヨーッ！」 ソメゴロは急降下し、パラグライドは急上昇する！ 上下方向に両者は交錯し…そして。 「イヨーッ！」 ソメゴロは突如方向を変える！パラグライドは標的を失い、空中に飛び上がる！ 「な、何を…」 パラグライドは呆気にとられてソメゴロを見ようとした。だがそれまでだった。 BLAM！ 突如新幹線上部、列車強盗団迎撃用の火器が火を噴いた。パラグライドは一瞬、炎に包まれ…次の瞬間、跡形もなくなっていた。 「タカコ…よくやってくれました」 ソメゴロはふらふらと新幹線の屋根に降り立ち、気を失った。

11 19/11/12(火)21:09:01 No.638171950

ｰｰｰｰｰｰｰｰ 「というわけで。こっちのニンジャは片づいたわ…ありがとう、父さん」 「うむ」 運転席。カブキニストの目の前には、首を切断されたプロンプトの死体があった。 彼はアンブッシュを仕掛け…プロンプトは気づかないうちに死んだ。ハッキングに集中していたからだろうか、カブキニストにとってはどうでもよいことだった。 そろそろキョートへ着く。恐らくはケビーシ・ガードが待機しているだろう。 「そっちは大丈夫？」不意に後ろからタカコの声がした。気絶したソメゴロを引きずっている。 「ああ…それよりソメゴロの心配をしてやれ」 敵は強くなっている。ニンジャを殺す旅に休息はないのだ。 彼は果てのないレールを走る列車に、自らの境遇を重ねた。 （※カブキスレイヤーはフィクションです。実在の人物、団体などとは一切関係がありません）

12 19/11/12(火)21:10:45 No.638172548

久々に見た

13 19/11/12(火)21:13:06 No.638173439

サヨナラ言えたのがカブキニスト＝サン相手にしたやつだけというのがショッギョムッジョな…

14 19/11/12(火)21:15:41 No.638174362

毎度思うけどパ行縛りネーミングが粋だな

15 19/11/12(火)21:17:06 [kabuki] No.638174854

◆梨◆ カブキ名鑑#034【パラグライド】 ◆園◆ ネオサイタマ―キョート間の新幹線でカブキニスト一行を襲撃したぴるすニンジャ。NOVレス所属。独特の形状を持つサイバネ翼による飛行、及びそれを活かしたカラテを得意とするが、飛行能力そのものはそれほどではない。

16 19/11/12(火)21:17:28 No.638174985

◆梨◆ カブキ名鑑#035【ピラティス】 ◆園◆ パラグライド、プロンプトと共にカブキニスト一行を襲撃したぴるすニンジャ。独特の呼吸法が特徴のピラティス・カラテを振るい、高い持久戦能力を持つ。その呼吸は回復力をブーストする力があるようだ。

17 19/11/12(火)21:17:46 [kabuki] No.638175075

◆梨◆ カブキ名鑑#036【プロンプト】 ◆園◆ 新幹線のハッキングを担当していたニンジャ。 ハッキング能力はそれなりだったようだが、カラテには乏しい。三人の中では一番の若手故か、戦闘の経験が浅かった。

18 19/11/12(火)21:24:19 No.638177296

>久々に見た ２ヶ月ぶりくらいかな…

19 19/11/12(火)21:25:54 No.638177827

本編でもヨロシンカンセンやってるからタイムリーといえばタイムリーではある

20 19/11/12(火)21:27:20 No.638178293

2部スタートと見てよいの？

21 19/11/12(火)21:28:16 No.638178610

>2部スタートと見てよいの？ 二部始まってるよ多分

22 19/11/12(火)21:30:59 No.638179505

>二部始まってるよ多分 けお…

23 19/11/12(火)21:37:58 No.638181840

カブキスレイヤー久々だな…

24 19/11/12(火)21:46:15 No.638184709

2代目さんかな？ 久しぶりにリアルタイムで見れてシアワセです！ キーワード検索できるログサイトが潰れて全部連載を追えなくていっぱい悲しい

25 19/11/12(火)21:47:45 [kabuki] No.638185205

>2代目さんかな？ >久しぶりにリアルタイムで見れてシアワセです！ >キーワード検索できるログサイトが潰れて全部連載を追えなくていっぱい悲しい 読んで頂けてありがたい… 年末にまとめを配布する予定です あと「」ッチーのほうでほぼすべて「カブキスレイヤー」タグで纏められていた気がします

26 19/11/12(火)21:51:06 No.638186270

アイエエエ…「」ッチーに纏められてるんですね！ 勝手にログが無いと勘違いしてました…ケジメします 初代さんのログもあるのかな？確認してきます カブキスレイヤーのスク書きの皆さんカラダニキオツケテネ！

27 19/11/12(火)21:55:00 No.638187387

初代さんはnoteでカブキスレイヤープラスを更新してて駄目だった

28 19/11/12(火)21:58:33 No.638188435

>コウライヤ！ ここで駄目だった