虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

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    19/09/27(金)22:11:33 No.626071231

    「一行さん、もう着くから…」 ひいひい言いながら二人で石段を昇る。真っ暗な夜だというのにその日はひどく暑かった。 色々あって、というかありすぎて前の花火大会はお流れになってしまったので改めて別日に花火を見に行こうと約束した。 しかしどうも先日の一件で人混みが苦手になってしまったらしく人があまり来ない山頂の神社から花火を見るのはどうだろうと僕が提案したのだった。

    1 19/09/27(金)22:13:39 No.626072073

    「こんなに歩くならまだ人混みの方がマシだったかもしれません…」 後ろでぼそりと呟く彼女をなだめすかして励ましてようやく僕らは頂上へたどり着いた。 その瞬間、真っ暗な空に大輪の華が咲いた。 夜空に煌めく色とりどりの花束たち。その姿はまるでー 「"天の光はすべて星"ですね…」 「…はい?」 彼女の言葉の意図が掴めず迂闊にも聞き返してしまった。

    2 19/09/27(金)22:14:49 No.626072536

    あなたが貸してくれたんじゃないですかと不機嫌そうにむくれるのでどうしたものかと手をぶらぶらさせていたら偶然にも彼女の手を握ってしまった。 「え、えっと…その…」 しどろもどろになる僕。 「花火、見られてよかったです」 うつむく彼女の表情は僕から見えなかった。 返事の代わりにぎゅっと手を握り閉めると同じように返してくれた。 これから先もずっとこうして ふたりで花火を見られたらどんなに幸せだろうか また空にひとつ、大輪の華が咲いた

    3 19/09/27(金)22:16:18 No.626073105

    「カタガキさん、あと少しです」 まだ足元のおぼつかない彼の肩を支えながら一緒に階段を昇る。無茶をさせて申し訳ない気持ちでいっぱいだけどこの光景は病室の窓からじゃなくて研究棟の最上階から見てもらいたかったから。

    4 19/09/27(金)22:18:00 No.626073721

    「ほら、見てください」 千年に一度、地球の近くを流星群が通りすぎていく今日。 空を見上げると尾を引いた光の姿を確認できる、でもそれは地球から見た場合の話。真っ暗な宇宙空間にぽつんと浮かぶ"それ"に無数の流星が降り注ぐ姿はまるでー 「花火みたいだ…」 彼がぽつりと呟く。

    5 19/09/27(金)22:18:27 No.626073880

    あの日、果たせなかった約束 叶うことのなかった願い 時間はかかってしまったけれど 払った代償も大きかったけれど 「…そうですね」 彼の手をぎゅっと握る。 これから先もずっとこうして あなたとふたりでー

    6 19/09/27(金)22:19:13 No.626074182

    観に行ったら書きたくなったので いつもの怪文書の人じゃなくてすみません

    7 19/09/27(金)22:20:17 No.626074620

    >観に行ったら書きたくなったので >いつもの怪文書の人じゃなくてすみません 書き手はどれだけ増えてもいいんだ 2つの世界のイチャイチャいい…

    8 19/09/27(金)22:21:04 No.626074901

    二人分とはまた贅沢な

    9 19/09/27(金)22:21:42 No.626075149

    私はいいと思う いい…

    10 19/09/27(金)22:22:38 No.626075515

    幸せになれ!

    11 19/09/27(金)23:08:44 No.626091633

    よいものをみた