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私の店... のスレッド詳細

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19/08/27(火)23:02:25 No.618221130

私の店は広くない。 古い電車の一車両を買い上げて改造された店内は妙に細長く、安っぽい銀色に縁取られたテーブルや椅子はいかにも無機質だ。 洒落たバンドが弾き語る訳でもない店の中では、遠くから聞こえてくるカジノの狂騒が唯一のBGMだった。 出す酒は三流も三流、額の鍵穴から注がれるストロングゼロに萎びたレモンを一切れ乗せただけ。 料理だって褒められたものではない。何の工夫もないスクランブルエッグや焼きベーコン、豆のトマト煮が精々だ。 もちろん来る客だってそのあたりの事情は重々承知しているから、テーブルに備え付けの安い調味料で思い思いの味を付ける。 一口一口をことさら喜ぶでもなく、嘆くでもなく。ただ淡々とスプーンを口へと運んでいく。 客のそういう様をカウンターの向こうから眺めるのが、私はなぜだか好きだった。

1 19/08/27(火)23:05:01 No.618221927

「しかしお前さんはなんでまた、ラスベガスにこんな店を出したんだい」 狭い流しでグラスを磨いていると、ふとそんな声が聞こえてくる。 顔を上げてみれば、老獪な狩人の試すような笑顔がそこにあった。彼は一人きりで呑んでいた。 笑顔こそいつも通りだったが、彼の身なりは華々しくはなかった。薄い懐にも余裕があるようには感じられない。 つまり、負けてきたのだろう。そう判断した私は、手書きのレシートを差し出す行為の中に問いへの解を込めた。 「……ああ。よくわかったよ、お嬢さん。ありがとな」 私の手を離れたレシートは狩人の手に渡らないまま、ひらひらと宙を舞う。 彼はこちらに背を向け立ち上がり、遠くの喧騒に向けて歩き出す。ごつごつした肌の奥に光る目にはすっかり元気が戻っていた。 『――お会計、未来の200QP。いつか勝てたら、支払いに。そうでなくとも、どうぞまた来てくださいな』 ここは栄華極めるラスベガスにただ一つの、敗者の止まり木。 負けたあなたに相応しい安い酒と不味い料理を拵えて、今夜も程々にお待ちしております。

2 19/08/27(火)23:06:35 No.618222394

アビーBar久しぶりに見た

3 19/08/27(火)23:06:50 No.618222468

さりげなく頭から酒を出すな

4 19/08/27(火)23:07:07 No.618222543

久々に見たなアビーのBAR…

5 19/08/27(火)23:10:35 No.618223670

テルさん負けたのか……

6 19/08/27(火)23:11:04 No.618223846

待ってこれ恒例なの!?

7 19/08/27(火)23:12:10 No.618224227

アビーがストゼロ飲み始めた頃からあった気がする…

8 19/08/27(火)23:14:06 No.618224791

おばちゃんがストゼロを流し込まれてないだと…

9 19/08/27(火)23:17:22 No.618225782

お前さん大負けしたんだろう? 顔を見りゃわかる そう言うときはBar『敗者の止まり木』亭に行くと良い そこで程々に酔っぱらったら、また明日カジノに足を向けるのさ

10 19/08/27(火)23:28:41 No.618229027

テルさんは外した後の一矢こそ真骨頂だから明日は勝つさ

11 19/08/27(火)23:32:06 No.618229984

間違いなくちゃんと払いに来るだろうな…

12 19/08/27(火)23:32:50 No.618230186

意地でも入らないパイセン

13 19/08/27(火)23:42:44 No.618232807

こういう雰囲気好き

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