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    19/08/03(土)20:49:24 No.611742573

    あらすじ 帆高は陽菜さんにプロポーズした 「ほー、へー、ふーーーーん」 凪がにやけながら私を見てくる。まるで珍獣でも見るようなその視線は私が帆高の部屋から帰ってきてから絶えることなく、何か言いたくて、あるいは何かを聞きたくてしょうがないという態度を隠そうともしない。 「な、何よ?」 つい耐えかねて聞いてこちらから聞いてしまえば待ってましたと言わんばかりに嵐のように質問が飛んでくる。 「いやーまさか帆高にそんな甲斐性が有るとは思わなかったからさ。それで?どんな流れだったの?場所は帆高の部屋?指輪は帆高がはめてくれたの?これからは向こうに住むの?それとも帆高がこの家に来る?というかどうせだったら泊まってくれば良かったのに」 よほど聞きたかったのだろう。聞き取れないぐらいの勢いで次から次へとされる質問はその全てが私が帆高に告白されたと確信していた。

    1 19/08/03(土)20:50:24 No.611742966

    「か、甲斐性って!いきなり何言い出すのよ!?」 恥ずかしくなって否定するかのように聞き返せば、呆れたと言わんばかりの目をされた。 「いやそんなに嬉しそうにしながら帰ってくれば何となく察しはつくって。おまけに左手の薬指に指輪はめてるし。それで分かんないわけないじゃん。」 そんなに分かりやすかっただろうか?確かに信じられないぐらいに嬉しかったし、気がつけば告白の後に再び渡された指輪を撫でていたかもしれない。でもそれだけじゃ… 「いや、丸わかりだから。姉ちゃんだからって訳じゃなくてそんな顔して左手薬指の指輪を撫でている人が居たら十中八九告白されて喜んでるんだってわかるから。それこそ姉ちゃんとすれ違った人みんな「告白されて喜んでるんだろうなぁ」って思ってたんじゃないの?」 恥ずかしい。恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい!!! 帰り道で感じた生暖かい視線は気のせいでは無かったのか。思い返せば電車で隣に立っていたサラリーマンの微笑ましい物を見るような目をしていた気がするし、バスで隣に座ったあの老婦人は確かに目を細めてこちらを見ていた。

    2 19/08/03(土)20:50:40 No.611743051

    いや、それよりもクラスメイトに見られてはいまいか。もし見られていたなら明日からどんな顔して学校に通えば良いのか。友達もそんなに居ないのだから杞憂な気もするがそれにしても恥ずかしい。 「いやー帆高がなー。てっきり俺が尻を蹴飛ばさなきゃ告白なんて出来ないと思ってたけど…それで?何て告白されたの?」 「その…結婚してくれって」 何を正直に答えているのか。 頭がロクに働かない中、迂闊にも口を滑らせてしまう。 「は?…え?何?プロポーズ!?付き合ってくれとかじゃなくて!?」 「…うん。まだ学生だけど出来る限り働くからって…私の人生を支えさせてくれって…」 今思い出しても悶えそうになる。空の上まで迎えにきてくれた時にも劣らないほどの驚き。青空よりも私が良いと言ってくれた時と同じくらいの喜び。自分のために祈ってと言われた時にすら勝る程の愛おしさ。三年前のあの日と変わらず真っ直ぐであの日よりも大人びた瞳が、あの日と変わらず真剣であの日よりも落ち着いた声が、あの日と同じように将来を誓ってくれた。

    3 19/08/03(土)20:51:00 No.611743169

    嬉しくて、嬉しくて嬉しくて涙が止まらなかった。 泣き続ける私に帆高がくれた指輪は天から落としたと…無くしたと思っていたあの時の指輪だった。指輪が私の居場所を教えてくれたのだと、だからまたこの指輪を受け取って欲しいと、そう言ってくれる帆高に抱きついて大声を上げて泣いた。 泣いて、笑って、この人とならどんな困難も乗り越えていけると、心からそう思った。

    4 19/08/03(土)20:51:19 No.611743257

    「あっきれた。それで?結婚はやっぱり卒業と同時?」 「えっとね、明日二人で須賀さんの所に挨拶をしに行こうって事になって…それで許してもらえればそのまま結婚するつもり」 妙な話だが…結婚する前に須賀さんの許しを貰おう、そういう話になった。それは私たちの親代りというか帆高の親代りというか…いや帆高の両親は生きているのだからそれは違う気もするのけれど、ただこの人には話を通して結婚の許しを貰いたいと、帆高も私もそう思ったのだ。きっと最初は反対されるだろう、だけど2人で必死に説得しよう。

    5 19/08/03(土)20:52:14 No.611743539

    「つまり許可さえもらえれば学生結婚するってこと?」 「そういう事になるのかな…凪は反対?」 「そういうわけじゃ無いけど…。俺はさ、姉ちゃんに青春ってやつを味わって欲しかったんだよ。だから何というか…なんて言ったら良いんだろうな…」 そんな事を考えていてくれたのか。私のことを思ってくれている事は知っていたが正面から言われると何とも気恥ずかしい。何て返したら良いのだろう、言葉に詰まってしまう。それでも何か言わなくてはと必死に考えていた凪への言葉は次の一言で全て吹き飛んでしまった。 「まぁでもよく考えれば高校生で学生結婚して通い妻っていうのもなかなかに青春してるか!」

    6 19/08/03(土)20:52:30 No.611743618

    いきなり何を言うのか。確かにその通りなのだけど、事実なのだけど。こうして改めて人から口に出して言われると尋常ではなく恥ずかしい。さっきまでの真面目な空気はどこに行ってしまったのか。そう思った途端にまた真面目な空気をまとって話しかけてきた。 「なぁ姉ちゃん…」 そうしてくれたこの言葉は…きっと忘れる事は無いだろう。帆高の言葉を除けば人生で一番重い言葉、嬉しい言葉。たった1人の弟がくれた帆高の言葉にも劣らない大切な大切な言葉。だからきっとその通りになる。 「幸せになれよ」 「…うん。幸せになるよ」

    7 19/08/03(土)20:53:27 No.611743951

    続き物だけどまぁ帆高が陽菜さんにプロポーズした事だけ分かってれば問題なし 蛇足かと思ったけど書きたい欲が治らなかった

    8 19/08/03(土)20:58:03 No.611745598

    わたしはいいと思う

    9 19/08/03(土)20:58:54 No.611745912

    そうそうこういうのでいいんだよこういうので

    10 19/08/03(土)21:01:40 No.611746988

    BGM:祝祭

    11 19/08/03(土)21:02:11 No.611747198

    つづききてる… >思い返せば電車で隣に立っていたサラリーマンの微笑ましい物を見るような目をしていた気がするし、バスで隣に座ったあの老婦人は確かに目を細めてこちらを見ていた。 わかるわかるよ…

    12 19/08/03(土)21:02:58 No.611747527

    hdkはまあホントにそういうやつだよね感ある

    13 19/08/03(土)21:03:35 No.611747771

    そりゃ左手の薬指に指輪嵌めてたらプロポーズに決まってるじゃん センパイもまだまだ子供だなぁ

    14 19/08/03(土)21:05:39 No.611748559

    >そりゃ左手の薬指に指輪嵌めてたらプロポーズに決まってるじゃん >センパイもまだまだ子供だなぁ そりゃそうだ推敲が足りなかったわ

    15 19/08/03(土)21:41:09 No.611763601

    続き来てたの見逃すところだった 初とは思えないいい作品だ