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19/07/31(水)23:56:49 私を抱... のスレッド詳細

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19/07/31(水)23:56:49 No.611071507

私を抱きかかえて、彼は浴室を出た。 私を落とさないように、確と横抱きにしてくれている。そんな彼の姿は、健気で仕方なくて--- ---つい、悪戯をしたくなる。 彼の肩に右手を回して、胸に顔を埋める。 先程までずっと責めていた胸の先端に、舌を絡ませた。 私を抱える腕がびくりと震えるのがわかって、肩にやった手に力を入れてしがみつく。 「あははっ…♥ 少し口寂しくなったから、ちょっと舐めてるだけでーす…♥ だから、ちゃんと閨に行くまで、耐えてくださいね…」 もう片方の手で触れた彼のものは、もう痛いくらいに硬くなっていた。 ちゅっ、ちゅっ、という水音が、廊下に響き渡る。何の遠慮もなく、私は彼を味わった。 唇で吸って、舌でねぶって、歯を立てて--- その度に左手の中にある彼のものが、びくりと跳ね上がるのを感じながら。 けれど彼は足を止めずに、寝室まで来たのだった。

1 19/07/31(水)23:58:00 No.611071807

布団に降ろされるときに、彼の首に手を回して、私の身体に密着させる。彼の身体の重みがかかるのを感じながら、口づけを交わした。 「んっ、ちゅっ…ぷはぁっ… 今度は、そなたの番ですよ…♥」 そう言うと、彼の手を私の胸に導いた。 「あっ、あっ、ああんっ…♥」 左の胸が彼の手で形を変えてゆくとともに、右の胸のいただきが彼の唇に捉えられた。私がした時とは違う、どこまでも優しく、心地よい愛撫。 でも、足りない。もっともっと、愛してほしい。 「もっと…♥」

2 19/07/31(水)23:58:15 No.611071876

数刻の間の後に、胸の先端に痺れるような強く甘い刺激が走る。彼が胸の蕾に舌を絡ませたとわかるより早く、私は甘い嬌声をあげていた。 「きもち、いい…んんっ…!」 もう片方の胸も、揉みしだかれると同時に人差し指が先端を擦り上げるのがわかる。 きっと数刻も持たない。すぐに達してしまうだろう。 彼を胸に押し当てるようにかき抱いて、私の中の官能が昂ってゆくのを感じる。 「ああっ…!はぁっ、はぁっ…♥」 絶頂の波が押し寄せて、身体が強張る。身体が火傷しそうなほど熱を持って、今にも気絶してしまいそうだ。 けれど私の手は、さっきからずっと脚の間で熱を帯びていた、彼の剛直に伸びていた。 「しましょう…?ね…?」

3 19/07/31(水)23:58:59 No.611072053

「ふーっ、ふーっ、んっ…♥」 彼に覆い被さって、彼の温もりを感じる。一糸まとわぬ肌と肌を合わせて、彼を抱きしめる。 でも、まだ足りない。唇を強く合わせて、貪るように舌を絡ませた。 「ちゅっ…んっ、あんっ…♥」 窒息してしまいそうになるほど、長く激しい愛撫。けれど、私の中にある彼のものは、硬さと熱を増して「気持ちいい」と言っている。 ああ、うれしい。きもちいい。そうやって、彼のものをきゅっと締め上げて、腰を少しだけ動かした。 唇を貪る音と、繋がった所から聞こえる音の、二つの水音が閨に響く。 彼のものをしゃぶるように襞を絡ませると、もっと大きく膨らんで、胎をぐっと押し上げる。 その感触で、また感じてしまう。 ぱんっ、ぱんっ、といういやらしい音は、止まないどころかますます勢いを増していった。

4 19/07/31(水)23:59:39 No.611072212

「まだ…もっと、もっと…♥」 抽挿が、俄に速まる。奥をとんとんと小突かれる度に、小さな絶頂の波が押し寄せた。 彼の吐息が荒くなる。お互いに、もう限界だ。 「ああっ、だして、だして…♥ 私に、あなたをください…♥」 どくっ、どくっ、と、彼の熱い熱い迸りが、胎を浸してゆく。 「----♥」 声も立てられずに、激しい絶頂の波に揺られる。 こんなにも、気持ちよくて仕方ない。こんなにも、いとおしくて--- 「んっ、ちゅうっ…♥」 彼が、唇を重ねてくれた。 物語の中でも、誰かが幸せそうに語る話でも、何一つわからなかった。 でも、今ならわかる気がする。 彼がほしくなるこの気持ちが、そばにいてほしいというこの気持ちが、きっと愛なんだ--- 痛いくらいに、彼の手を握る。それでも、彼は手を離そうとしなかった。

5 19/08/01(木)00:00:01 No.611072296

彼の首に巻かれた、隷属の証に触れた。 私のものにするためにかつて施した、心の扼。でも、今はもういらない。 彼にはもう、私しか見えない。私がもう、彼しか見えないのと同じように。 交わした口づけの数だけ、愛を深めていった。 重ねた夜の数だけ、心が欠けていった。 私も、彼も。 私の汚れた手を、彼は迷わず取ってくれた。 私の欠けた心を、彼はそっと埋めてくれた。 そうでなければ、きっともう生きていられなかった。 二人で一緒に歩んだ道を、二人で一緒に堕ちてゆく。 でもきっと、そこには愛がある。 なら、いい。彼と一緒なら、どこまでだって堕ちてゆこう---

6 19/08/01(木)00:00:22 No.611072396

眠っている彼女に布団をかけて、そっと床を立つ。 外の吹雪は何故か止んで、綺麗な満月が、雪原を撫でるように照らしていた。 雪を見ると、あの時を思い出す。 月を見ると、あの時を思い出す。 俺が大切な人を壊してしまった、あの日を。 初めて会ったとき、綺麗な人だな、と思った。 サーヴァントたちと付き合ってきて、それなりに長い。だから、美男美女の類いは少しは見慣れているはずだった。 でも、彼女の纏う空気は、普通の人とどこか違っていて。 でも、不思議と恐怖や不安は感じなかった。

7 19/08/01(木)00:00:44 No.611072486

一緒に旅をして、事件を解決して、彼女のことをたくさん知った。 お酒が好きなこと。遠乗りが好きなこと。虎と言ってはいるが、むしろ何となく猫っぽいこと。現代のウォシュレットに吃驚するような、かわいらしい一面があること。そして--- ---ずっと、「ココロ」を感じられなかったこと。 自分の振る舞いを、理解できない、と言った彼女の叫びは、俺の耳にこびりついて離れなかった。 きっとそのときから、彼女に惹かれていたのだろう。再び現れた彼女が、俺の使命のために戻ってきてくれたときに覚えた感情は、頼もしさだけではなかったのだから。

8 19/08/01(木)00:01:04 No.611072596

ある日、彼女と二人で任務に出掛ける機会があった。修正した特異点に、僅かな揺らぎがあるという報告を受けて、その観測と消去を行うことになったのだ。 事前の調査では目立った脅威は認められず、事実戦闘と揺らぎの修正自体は、何の問題もなく完了した。けれどそのとき、敵の一体が今まで見たことのないアイテムを落としていった。 それは鏡のような見た目だった。縁の部分は錆びてぼろぼろだったが、映る部分は何故か、不気味なほど綺麗に輝いていた。 ふらり、ふらりと、吸い込まれるように手を伸ばす--- 「危ない!」 瞬間、突き飛ばされるのがわかった。俺を押し退けて、彼女が鏡の前に立っていた。 辺りを眩い光が包み込む。思わず目を閉じて、数刻の後--- そこにはその鏡と、意識を失った彼女がいた。 満月と一面の雪だけが、俺たちを静かに見ていた。

9 19/08/01(木)00:01:25 No.611072678

解析によると、あの鏡は閻魔大王が持つという浄玻璃の鏡の模造品で、使用者の精神を映し、それを使用者自身に体験させるというものであるという。 元は修行僧が己を見つめるために作ったものらしいのだが、洗脳や拷問に悪用するものもいたのだという。 聞きたくない事実が、次々と耳に飛び込んでくる。 半日経ったが、彼女は未だに目覚めないこと。 そしてこの鏡に囚われたものは最悪の場合、精神が崩壊して二度と目覚めないこと。 気が遠くなりそうだった。けれどこんなことは、これから起こる絶望の始まりに過ぎなかった。

10 19/08/01(木)00:02:16 No.611072924

「景虎、さん…」 医務室のベッドに横たわる彼女の名前を力なく呼ぶことしか、俺にはできなかった。 自分に特別な才能が無いことも、どうしようもないくらい無力だということもわかっている。 でも、悔しくて仕方ない。俺にもっと力があれば、こんなことにはならなかったのに--- 目が覚めると、医務室の明かりは消えていた。 どうやら夜になってしまったらしい。誰かが気を利かせてくれたのか、ソファーの上には毛布がかかっていた。 そうだ、彼女はどうなったのだ。毛布を跳ね除けて、彼女のベッドに急ぐ。 目覚めた彼女は、上体だけを起こして、外をじっと眺めていた。 「よかった…!目が、覚めたんだね…!」 彼女に駆け寄る。手を握って、ここにいると確かめる。

11 19/08/01(木)00:02:52 No.611073079

「はい、ここにおります。 目が、覚めました、私」 彼女の様子に違和感を覚えた、その次の瞬間、 彼女に、抱きしめられていた。 「夢の中で、見たんです。わかったんです。 私が、どんな『モノ』なのか」 血の気が引いてゆくのが、はっきりとわかった。そうか、彼女は--- 「いままで、ずっとわからなかったんです。私は、何がおかしいんだろうって。 皆が私を人ではないと言うけど、いったい何が足りないんだろうって。 でも、わかっちゃいました。あなたたちにとって、私はあんなものだったのですね---」 彼女の声音は、今までに聞いたことのないような、悲嘆に満ちたものだった。 「私、やっとわかりました。父上が私を嫌った理由が。兄上が私を恐れた理由が。 私は、あんな化け物だったのですね--- あははっ、あははははははは」

12 19/08/01(木)00:03:24 No.611073213

「ごめん、景虎さん……!ごめんね……!!」 もう、耐えられなかった。涙が、止まらなかった。 こんなことを言ったって、彼女の傷を癒すことなんてできないのに。 俺の、せいだ。俺が、彼女を--- 「いいんです。もう、いいんです。 あなたと出会って、人とは何か、わかったような気がしました。 そして、今、やっとわかったのです。 私は絶対に、人にはなれないと。 でも、マスターは私のような力を持っていないぶん、私にない心を持っているんですよね? だから、わかりました。あなたがいるなら、心を持てなくたってきっと、私は兄上や他の皆のように、「ふつう」でいられますよね?あなたは、私の足りないものを、ずっと持っていてくれるんですよね?」 彼女の背に、手を回す。 「俺がずっと、君のそばにいる。 何があっても絶対、君を離さない。 だから、もう、大丈夫だよ…!」

13 19/08/01(木)00:03:39 No.611073259

その日から、俺は彼女のものになった。 彼女が望むことなら、何でもすると決めた。彼女とまぐわうことも、効かないとわかっている毒を啜ることも、彼女だけの世界で、二人きりで暮らすことも。 でも、辛かった。何度も、心が折れそうになった。 俺のために、俺のせいで、壊れてゆく彼女を見ているとき、何度いっそ死んでしまいたいと思ったかわからない。 でも、絶対に死ねないと思って、傷だらけの心を奮い立たせてきた。 だって、俺は--- お虎さんのことが、好きだから。

14 19/08/01(木)00:04:15 No.611073413

ふと後ろに気配を感じると、ふわりと抱きしめられていた。 「お虎さん…どうしたの?」 「起きたら布団にいなかったので、心配になったのです。 でも、よかった。 ここにいて、くれるのですね---」 手を握り返して、彼女と向かい合う。 そうして、ぎゅっと抱きあった。 あの日と同じように。二人の温度が、ひとつになるまで。 「ここに、いるよ。 俺は絶対に、お虎さんのそばにいる」

15 19/08/01(木)00:04:29 No.611073475

俺のことなんてどうなってもいい。 彼女のそばにいてあげたい。 俺の全てを使って、彼女の痛みを少しでも代わりに背負ってあげられるのなら、一向に構わない。 だから、お願いします、神様。 どうかあのひとを、たすけてあげてください---

16 19/08/01(木)00:05:55 No.611073798

昨日の続き 長くなりすぎたので続きはこのスレが落ちる直前に立てます

17 19/08/01(木)00:09:51 No.611074812

書きたいことは伝わったけどお虎さんは分からなかった自分を悔いたり謝ったりはしないと思うよ

18 19/08/01(木)00:13:09 No.611075617

仮に「この」彼女が真っ当な人間の感情や心を理解出来たとしても それは今回限りよね…世界が道具として使う分には大差無いから

19 19/08/01(木)00:22:42 No.611077939

つまりよぉ 前書いてた皆から孤立するように仕向けたとかいうのはお虎さんの主観でしかなくマスターは最初から一緒に沈んでいく気だったって事?

20 19/08/01(木)00:25:19 No.611078589

>>マスターは最初から一緒に沈んでいく気だったって事? 自分から望んでたかはともかく求められたらなんでもするって覚悟してたってことでは

21 19/08/01(木)00:41:54 No.611082287

これぐだもぐだで危なくない…?

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