19/03/30(土)19:52:41 「あの…... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1553943161713.jpg 19/03/30(土)19:52:41 No.580049503
「あの…ほんとに大丈夫ですか？わたし、付いていきましょうか？」 わたしの肩を借りて、すっかり呆けているミミちゃんをルルアちゃんは心配してくれている。 「平気平気、いつものことだから。ありがとうね」 今日みたいなお祭りの日なんかに、つい飲みすぎて泥酔したミミちゃんを、家まで連れて帰る。わたしの役目だ。 「なんか、ミミさんのこんな姿って新鮮です。ミミさんっていつもキリっとして、カッコいいイメージでしたから」 「あははは…キリっと、ね……ミミちゃん、カッコつけたがりだけど、結構抜けてるから」 ルルアちゃんにひらひらと手を振って、わたしたちは夜のアラホロ亭を後にした。
1 19/03/30(土)19:52:52 No.580049551
「あれ？トトリ…どこいくの？」 「家に帰るの。もう眠いでしょ？」 「んー、すこ、し」 夜も深くなって、アーランド王国祭の賑わいは落ち着きを見せてきた。まばらな明かりに照らされた人々の表情はとても楽しげだ。 「トトリ、わるいわね。いっつも面倒かけて」 「ふふ、いいんだよ。ミミちゃんにはずっとお世話になってるんだから、これくらいなんでもないよ」 「世話なんて。私だってトトリからなにもかも貰いっぱなしで、すこしでも返したいって、おもってる、のに」
2 19/03/30(土)19:53:30 No.580049692
ミミちゃんはいつも、酔い過ぎるとこんな風に素直になってわたしに甘えてくる。素面のミミちゃんならとても言えないようなことを真っ直ぐ言ってしまうから、嬉しいような、恥ずかしいような、素面の時に言ってほしいような。 「わたし、ミミちゃんからたくさん愛を貰ってるのに。これ以上貰ったらおかしくなっちゃうなあ」 ミミちゃんばかりお酒の勢いを使うのはずるいから、わたしも恥ずかしいことを言ってやろう。どうせミミちゃんは忘れちゃうだろうから。 「うぅ、トトリぃ…」 「ちょっと、歩きにくいよ」 眼を蕩けさせてべたべたとわたしに寄りかかってくるミミちゃん。 酔っ払った人の世話は苦手なんだけど、ミミちゃんが相手なら、そこまで嫌じゃなかった。
3 19/03/30(土)19:54:05 No.580049836
「もう、服くらい着替えないと」 「少し横になるだけだから…」 寝室に着くなり、ベッドに倒れ込むミミちゃん。普段と立場が逆になったみたいで、なんだかおかしいな。 「はい、ばんざーい」 「んん…」 ふにゃふにゃなミミちゃんの体を起こし、服に手をかける。服を脱がせるたびに露わになる彼女の肌は、熱を持ってほんのりと朱に染まり、ぞっとするほど美しい。その肌から発せられる酒と女の混ざった匂いは、わたしの鼻の奥を痺れさせた。 ミミちゃんを下着だけにすると、わたしも服を脱いで一緒に横になる。
4 19/03/30(土)19:54:17 No.580049890
「トトリ」 ミミちゃんは手と手を、足と足を、身体と身体を絡めてきたから、わたしもそれに応えて体を擦り合わせた。 「トトリ」 「どうしたの？」 「愛してる」 不意に耳元で囁かれたあまりにもシンプルな言葉は、わたしの心臓へあまりにも真っ直ぐに届いた。 「み、ミミちゃん？」 とく、とく、高鳴るわたしの心音とは逆に、ミミちゃんのそれはとても落ち着いている。 ああもう、顔の火照りはお酒のせいばかりじゃない気がする。 いつまでも収まらない鼓動を数えて固まっていると、次第に耳元から寝息が聞こえてきた。
5 19/03/30(土)19:54:27 No.580049935
なんだか取り残されたような気分だ。文句のひとつも言ってやりたくて、恨みがましくミミちゃんを見る。 「……ずるい」 その寝顔があんまり幸せそうだったから、そんな気も失せてしまった。 「おやすみ、ミミちゃん」
6 19/03/30(土)19:54:41 No.580049996
「あんたって次の日まで酔いを残さないわよね。というか、そこまで酔っぱらってるとこ、見たことない気がするわ」 二日酔いで憔悴しきったミミちゃんが、ふとそんなことを口にした。 「だって、わたしまで潰れたら、ミミちゃんを介抱できる人がいないじゃない？」 「う…私って、そんなに酒癖悪いのかしら…」 「えーっと、酒癖が悪いというか…ううん、気にしないで。わたしも楽しんでるから」 「楽しんでる？」 よく分からないといった様子のミミちゃん。 お酒臭いしやたらと絡んできて鬱陶しいときもあるけれど、この役目を他の誰かに渡すつもりは微塵も無かった。これは、わたしだけの特権だから。
7 19/03/30(土)19:55:15 No.580050149
「あんまり迷惑かけるようなら、お酒も控えるようにしないとね」 「え、駄目だよ。全然迷惑とかじゃないってば。いや、飲みすぎるのは確かによくないけど、たまにはっちゃけるくらい、いいんじゃないかな、うん」 「……なに慌ててるの？」 「あはははは……」 甘えたなミミちゃんが見られなくなるのは困る、なんて正直には言えないよ。 自分の泥酔したときの様子をミミちゃんが知ったら、恥ずかしくてきっと耐えられないだろう。お酒を一滴たりとも飲まなくなることは目に見えている。 ミミちゃんには悪いけど、彼女の酒癖のことはこれからもずっと内緒にしておこう。 いっつも素直じゃないミミちゃんが悪いんだから。 脆いわたしの良心はあっさり敗北して、そんな言い訳だけを吐き捨てていた。
8 19/03/30(土)19:55:32 No.580050215
おわり
9 19/03/30(土)19:56:25 No.580050440
トトミミいいよね…
10 19/03/30(土)19:57:09 No.580050629
いい…
11 19/03/30(土)19:58:30 No.580050963
さすが一作目から支え合ってきた二人組だ…
12 19/03/30(土)19:59:27 No.580051198
二作目だよ！
13 19/03/30(土)19:59:45 No.580051276
最高
14 19/03/30(土)20:01:02 No.580051630
むっ！
15 19/03/30(土)20:05:06 No.580052694
ピュアトリュフいらんな…
16 19/03/30(土)20:09:43 No.580053929
セックスしろよ！！！！！！
17 19/03/30(土)20:13:55 No.580055064
トトリちゃんはミミちゃんのプライドよりもかわいいミミちゃんを取る女だからな…
18 19/03/30(土)20:38:09 No.580061403
これがトトリのアトリエSAGAか...