19/03/24(日)22:10:06 ガルパ... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1553433006717.jpg 19/03/24(日)22:10:06 No.578707328
ガルパンSS エリ梅
1 19/03/24(日)22:10:18 No.578707389
胃がむかつく、肌が荒れる、爪をしきりと噛む。頭が重い。 夜中に目が覚める、お通じが悪い、ハンバーグが美味しくない。 シャツが変な汗でにじむ、足ががくつく、目が回る。肩が凝る。 ──隊長になってからというもの、いままで感じたこともないような身体の変調が、あちこちにでるようになった。 当然そんな事を表に出すわけにはいけない。 ボクササイズで身体をいじめればぐっすり眠れるはずだ。胃の調子が悪いのは胃薬を増やせばいい。サプリメントも飲もう。肌荒れにはマルチビタミンが効くらしい。 黒森峰を優勝に導くためにはもっと練度を上げる必要がある。個々人が戦略を理解し、的確かつ柔軟に作戦を実行できるように訓練で能力を高めて行かねばならない。 そのためには、私はもっと頑張る必要がある。私自身が更に高みに登らなければ、皆をまとめ上げることも難しいだろう。 戦略を磨き上げるために、もっと勉強をせねば、戦史や過去の試合から学ばねば──。
2 19/03/24(日)22:10:31 No.578707465
「隊長、ヘリを出して下さい」 小梅にそう言われて、私は夜の格納庫に向かった。 「こんな時間に何よ」 「元隊長からの秘密指示を受けています」 「……人払いが必要って事かしら」 Fa223ドラッヘに小梅を乗せ、ヘリを上空高く飛ばす。 「それで、どこへ行けばいいの」 「陸地へ──」
3 19/03/24(日)22:10:53 No.578707596
数ヶ月ぶりの陸地。 まさか、小梅と2人きりで来ることになるなんて思ってもいなかった。 木々が風に揺れ、鳥がときおり鳴く寂しい森の中。 「で、話って何──」 いきなり、小梅に抱きすくめられた。 華奢な身体が精一杯大きく伸びをして、私を包み込む。 「ちょっと、小梅!」 「エリカさん、無理をしています」 小梅が私の耳元でささやく。 「してないわよ、離して!」 「元隊長から隊長職を受け継いでから、ずっとここまで頑張ってきました。なにもかも背負い込んで、なにもかも受け止めて」 「だから!?」 小梅のささやきが続く。離せ、と力を込めるが、彼女の腕は意外に力強く、容易には振り解けない。 「これ以上頑張って、壊れる前に……私に、吐き出して下さい、全てを」
4 19/03/24(日)22:11:14 No.578707730
「……」 「エリカさんの傍にいる私だけが、その秘密を受け止めますから。お願いです」 「あんたに背負い込ませる苦労なんてないわよ! 離して!」 「嫌です、離しません」 とく、とくと小梅の心臓の鼓動が私の肌に伝わってくる。体温の暖かみがじんわりと広がってくる。 だんだんと、視界がぼやけてきて、あついものが、こみ上げてきた。 「なによ、離してよ、離せ、離しなさいよぉ」 「ダメです、エリカさんが壊れてしまう前に、わたしは」 小梅が私の頬に頬を寄せ、固く抱き締めたまま髪をなでつける。 「離せ、離してって、う、ううっ……」 ぽろぽろと涙が零れるのを、止める事ができない。 「そうです、いやなものを全部吐き出してしまいましょう。わたしが──すべて、受け止めます」 「う、うぇぇ」
5 19/03/24(日)22:11:29 No.578707822
しゃくりあげる私の頬を、小梅は涙で濡れることも厭わず優しくなでつけていく。 髪をさわさわと撫でる手の感触が心地いい。 「わ、私はあんたなんかに慰められたくないんだからぁ……」 「強がりですよ、隊長」 「小梅の、ばか……」 えぐ、えぐと溢れる涙をこらえながら、小梅の背中をぽか、ぽかと叩く。 私が泣き止むまでの間、小梅はずっと、私を抱き締め続けてくれた。
6 19/03/24(日)22:11:46 No.578707914
「はい、タオル。これで顔を拭いて下さい」 「ありがと、小梅。……どっちみち帰りも私が操縦しないとね」 「あら? わたしもこの前免許取りましたよ? 操縦しましょうか?」 私は、小梅が用意してくれた濡れタオルで顔を拭きながら、お言葉に甘えようかどうか考えていた。 泣いて気分がすっきりして、なんだか頭が軽くなった。 ヘリの操縦は神経を使うので……お願いできるのならしてみたい。 「じゃあ、おねがいしてもいいかしら」 「ええ、エリカさんは乗員席でゆっくり泣いてて下さい」 「小梅っ!」
7 19/03/24(日)22:12:42 No.578708164
小梅が操縦席に座り、私は乗員席に座る。 「じゃぁ、お願いするわね」 「はい。えーと、ローターは……っと」 「ちょっと待って、小梅、どの機種で免許取ったの?」 「えーと、えーと、あ、そうだ。Fl282です」 「Fl282って、たしか──ちょっと小梅! 代わりなさい、代わって、お願いだから!!」 単座のFl282でどうやって免許を取るのだ! 私はジェットコースターのように暴れ回るドラッヘの中で、どうにか黒森峰学園艦に無事に着艦するよう泣きながら祈っていた。
8 19/03/24(日)22:12:56 No.578708239
「ほら、やっぱり泣いてる」 「泣いてないわよぉ! それより前見て前!!」 おしまい
9 19/03/24(日)22:15:10 No.578708875
赤星は気張るやつを支えるのがよく似合う…
10 19/03/24(日)22:16:33 No.578709258
きたのか!
11 19/03/24(日)22:20:30 No.578710412
いっぱいいっぱいなやつ…
12 19/03/24(日)22:21:47 No.578710766
やつの吐き出したものを全部受け止めちゃうんだ…
13 19/03/24(日)22:26:14 No.578712016
>「これ以上頑張って、壊れる前に……私に、吐き出して下さい、全てを」 さあ体を楽にして、頭をからっぽにして、肩の力を抜いて…さあ貴女は何でも打ち明けたくなる、黒森峰の戦術の秘密をすべて話たくな~る、さあ話すべ、話して早ぐ楽になるべさエリカさん
14 19/03/24(日)22:30:43 No.578713195
フレットナーFl282とはまたマニアックな
15 19/03/24(日)22:32:57 No.578713867
同志レッドスター来たな…
16 19/03/24(日)22:45:37 No.578717616
エリカは見ていると何だか放っておけないというか支えてあげたい…と思わせる魅力があるんです、 みほにはいつも少しキツく当たったりすることが多くて最初は仲が悪いのかな?と思って正直苦手なキャラで…エリカが嫌いだったんです(苦笑) でもそれは彼女なりのコミュニケーションの一つの方法であって、みほが黒森峰にいた頃もこんな感じの凸凹コンビ的なやり取りが多かったんじゃないかと想像しますね みほはあの通りちょっと不器用な面もあるんですけどエリカもまた違うタイプの不器用で…みほは大洗へ来てそれを受け止めてくれる仲間が出来た訳ですけど残ったエリカは自分の思いを溜め込んでしまうんじゃないかと、でもその少しだけ鬱屈したものを解き放ったときエリカと赤星さんの黒森峰はこれまで以上に強い、新たな黒森峰に化けると思うんです、そう考えとワクワクしますね、大洗もみほも負けていられないな…と まあ大洗も今回は凸凹コンビなんですけど(笑)
17 19/03/24(日)22:47:32 No.578718205
渕神様 ステイ
18 19/03/24(日)22:47:55 No.578718335
あの主役声優…逸見のことになると…
19 19/03/24(日)22:49:40 No.578718849
最近すっかりやつの後方女房面が板についてきた
20 19/03/24(日)22:56:55 No.578721204
>単座のFl282でどうやって免許を取るのだ! 教官席無いもんね
21 19/03/24(日)23:02:07 No.578722776
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d8/Flettner_282_airborne.jpg 教官席どころか操縦士席が剥き出しなのか…怖いな
22 19/03/24(日)23:04:44 No.578723553
赤星なら平気な顔してトリープフリューゲルやコメートや櫻花を乗りこなすような変なベクトルの強キャライメージがある
23 19/03/24(日)23:05:49 No.578723859
赤星はハンナ・ライチュか何かか?
24 19/03/24(日)23:07:50 No.578724480
一度赤星をJu87Gカノーネンフォーゲルに乗せてみたい 多分何度落ちても帰って来る