ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
19/02/20(水)00:16:39 No.570759798
「も~え~ろぉ~、修羅花ぁー!鼓動亡き世界でぇぇー!」 亡者達も床に着いた夜分、やっと洋館に帰り着いた巽は一番風呂に浸かっていた。一人ならば気にすることもない、鼻歌も歌い放題である。 「ヴァウ」 しかし、そんなゴキゲン空間を破るように聞き慣れた唸り声が浴室に響いた。 振り返ると、ゾンビィ0号、山田たえがガラス戸の向こうに立っている。 どうやら言い付け通り、ちゃんと石鹸を取ってきてくれたらしい。 「おう、すまんのう。たえ」 「ァ」 「で、それはいいとしてお前はなんで素っ裸なんじゃい」 今回はおつかいが成功したかと思ったのだが、たえはなんと何も身に纏っていなかった。普段の様子からはまるで窺えないが、まさにどやんすな身体を恥ずかしげもなく見せ付けている。 まあ彼女に尋ねた所で何か答えが帰ってくるはずもないが、自我のないゾンビィに話かけるのはもはや習慣になっているのだから仕方ない。 だがそんな物思いにふける彼の予想を裏切るように、『彼女』はニヤリとほくそ笑んだ。
1 19/02/20(水)00:20:58 No.570761137
「そりゃあ勿論、お風呂に入るために決まってるじゃない」 「お前、まさか」 「わっしょい!」 たえが止める間もなく突っ込んで来たかと思うと、ドボンという湯船に入る水音が浴室に響き、それと同時にお湯が顔を覆った。何とか息をして目の前を拭うと、『彼女』は憎らしいほどに得意げな表情を浮かべている。 「……先輩」 「乾くん。私って、こう見えても大和撫子じゃない?だからこうしてたまにはお風呂に入りたいの」 「その後、誰が貴方の包帯とか色々な後始末をすると思ってるんですか?」 「モチ、そんなの乾くんに決まってるじゃない」 目の前の『たえ』は『山田たえ』ではなく、『先輩』だった。語ると長くなるので省略するが、一言で言うと腐れ縁だ。 数ヶ月に一度、こうして自我を取り戻したかと思うと、その度に予想外の行動に出るのは何ら生前と変わりない。 そして、先程から狭いバスタブでたえの身体はぴったりと身動きが取れないほど自分にくっついている。
2 19/02/20(水)00:22:22 No.570761582
「あのさー……こう言ったらなんだけど、少しは意識とかしないわけ?」 「先輩に何回ゲロかけられたと思ってるんですか」 「えー、ひっどーい!!泣くわよ!?」 そんなことを言いながらも『先輩』はバレバレな泣き真似をしてみせた。 もちろん思うところがなくはないが、裸はそれこそゾンビィの時に腐るほど見ているし、今では何より無我である『山田たえ』に対する罪悪感が強い。 「……上がったら呼んで下さいよ」 「はーい」 『先輩』の身体を押し退けて何とか湯船から這い上がる。そして洗面所で一人、地獄より深い溜め息をつく『乾』であった。
3 19/02/20(水)00:25:41 No.570762594
心臓に悪いな先輩!
4 19/02/20(水)00:30:29 No.570764128
なんとも言えない距離感よか…
5 19/02/20(水)00:30:58 No.570764291
誰も目覚めてなかった頃の幸太郎の癒しになってそう
6 19/02/20(水)00:31:18 No.570764400
たえちゃんと幸太郎さん仲よかね
7 19/02/20(水)00:31:38 No.570764503
こんな幸たえもよか…
8 19/02/20(水)00:37:18 No.570766214
たえ先輩!
9 19/02/20(水)00:42:21 No.570767781
男女の裸の付き合いで特に意識してない関係ってなんか良いでありんすな
10 19/02/20(水)00:48:20 No.570769720
先輩…
11 19/02/20(水)00:49:37 No.570770086
先輩久しぶりに見た
12 19/02/20(水)01:10:00 No.570775665
アパートに着くと幸太郎はたえを一度降ろし部屋の鍵を探す 仮にも女性であるたえの全身を弄り了解も得ず鞄の中身を確認しても乾幸太郎に罪悪感はない 既に背中にゲロを流し込まれているからだ
13 19/02/20(水)01:12:38 No.570776250
よか…