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19/02/18(月)01:05:25 朝から... のスレッド詳細

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19/02/18(月)01:05:25 No.570313141

朝から少しイライラしてしまっている。宜しくない。 理由はただ一つ。この巽幸太郎の待つ朝ミーティングに未だ一人のゾンビィも姿を見せないからだ。 毎回毎回趣向を凝らして飽きないような創造的な場を演出しているのに、それを蔑ろにしようとは。 この所ちょっと売れ始めたからって弛みが出始めているのではなかろうか。 後先を考えれば勝手な行動を許すわけにはいかない。たまにはバシッと厳しく叱ってやるとしよう。 「さっさとラジオ体操始めんかーいねぼすけゾンビィーーー!!」 叫びながら寝所としている部屋のドアを蹴り開ける。 しかしゾンビィ達は誰もいなかった。布団も片付けられていない。 どこかに隠れているような気配はない。 変に几帳面なヤツも多いから布団をそのままにしているのも不自然だ。 これは異常事態であろう。屋敷を見回ってみることにする。

1 19/02/18(月)01:05:56 No.570313229

「これは…!」 調理室付近に落ちていたのは、純子の左腕だった。このツギハギは見間違いようもない。 見つかったのは腕のみ。他の部位はどこにも無く、腕が動く気配もない。 それから屋敷中をくまなく捜索すると、それぞれのゾンビィ達の一部のみが見つかった。 玄関付近にサキの右腕。レッスン室に愛の右脚。物置付近にたえの左脚。 屋根裏部屋ではリリィの頭…いや頭髪のみ。 最後に浴室でさくらの手足首の無い身体が発見された。ちなみに全裸である。色々と心臓に悪い。 これ以外の部位は完全に屋敷から失われたようだ。各部、全く動く気配はない。

2 19/02/18(月)01:06:23 No.570313301

地下室にそれらを運び、状況を思案する。 まあこんなことができるのはあの人だけであろう。動機もある。 この前店に行った時にたまには夕霧貸してくれよーと頼まれたのだがスケジュールの都合で断った。 おそらくはあれを根に持っているのだろう。 夕霧の身体だけが見つかっていないのもそういうことだ。 もっともそれだけではなく、最近何だかんだで順調に進んでいるのを見て、 そろそろ師として何か試練でも与えてやんねぇとなぁとでも考えていたに違いない。 本当にそういう所大人気ない。 それならそれで受けて立とうではないか。 希代のネクロマンサーとしての確かな実力、その目に刻み付けてやろう。 さっそく作業に取り掛かろう。久しぶりでちょっとワクワクする。

3 19/02/18(月)01:06:45 No.570313373

「さてできた…が」 目の前に横たわるのは首なし女ゾンビィである。 さくらのボディをベースにサキと純子の腕、愛とたえの脚を取り付けたものだ。 長さが揃わないのがちょっと気に入らないが、これはなかなかいい。 サキの腕力、純子の器用さ、愛の足運び、たえの健脚を併せ持つスーパーゾンビィである。 もちろん扇情的とも言えるさくらのボディスタイルも色を添える。 久々にいい仕事が出来たが、肝心の頭が欠落していては動かしようがない。どうしたものか。 そこへロメロが欠伸をしながら地下室にやってきた。腹が空いたのか。 ゲソを与えて大人しくなった所を撫でてやるが、そこでいい考えが閃いた。 「すまんロメロ、ちょっと協力してくれるか」

4 19/02/18(月)01:07:03 No.570313428

頭部にロメロヘッドを取り付ける。さあどうだ。 するとゾンビィはすぐに稼働し始めた。 我ながらいい按配だ。しかしいかんせんロメロヘッドである。 普段どおりに四つんばいで動こうとして慣れない身体で失敗し転げまわる。 ようやく姿勢を整えたかと思えば全裸のまま部屋中を全力で駆け回り始める。 バランスが悪いのか時々派手に転倒する。 「ああこら、服くらい着させろ。でっかいのとか色々みっともない」 ようやく落ち着かせ服を着せる。できるだけ着せやすいのが良かったのだが、 ここは美学を追求して苦労してさくらの制服を着せてやる。 最初は嫌がっていたロメロ顔ゾンビィもしばらくすると大人しくなり、ぺたりと座り込んだ。 「そうそう忘れていた」 頭にリリィヘアーを取り付けてやる。星飾りもセットだ。 「よーし完成だ。お前はゾンビィ7号ということになる」 元々いたおなじみの非戦闘メンバーが加入戦士という熱い展開だ。完璧じゃないか。 自分自身にナイスゾンビィの言葉を送ろう。

5 19/02/18(月)01:07:26 No.570313504

さてこれからどうするか。 おそらくゾンビィで試練を乗り越えてみろということだろうが、具体的には何をすれば良いのか。 とりあえず店に行ってみるべきか。 そう思案していると、愛の脚で顔を掻いていたゾンビィ7号が急に歩き出し、しきりに辺りの匂いを嗅ぎ始めた。 やがて地下室のある一角で止まり、その場で吠え立て始めた。何かがあるに違いない。 スコップを持ってきてその一角を叩いてみる。すると床が崩れ落ち、梯子の掛かった穴が現れた。 こんな場所が屋敷にあるなど全く把握していない。 そして穴や梯子の状態からかなり新しいものであることが分かる。 これはと思った矢先、梯子に小さな紙切れがくっついてるのが見えた。床を崩した時の衝撃で今にも外れそうだ。 慌ててゾンビィ7号に紙切れの回収を命じる。 7号は四つんばいながらも素早い体さばきであっという間にそいつを咥え込み、こちらに差し出した。 偉い。素晴らしい。手もちゃんと使えればもっといい。 7号を撫でながら紙切れを見ると、中々の達筆で「小僧、一丁もんでやる。ついてきな」的な事が書かれてあった。

6 19/02/18(月)01:07:54 No.570313596

紙片には固まった米の欠片がついていた。今時ご飯つぶでくっつけるのやめて欲しい。 しかしこれは話が早い。思わずニヤリと笑みを浮かべる。 「望むところですよ!ゾンビィ7号ついて来い!」 いささかの躊躇もなく穴に飛び込んだ。その後にゾンビィ7号が続く。 穴の中は全くの暗闇だが、暗黒道に足を踏み入れた自分にとっては何の問題でもない。 ゾンビィさえ傍にいてくれれば巽幸太郎は無敵なのだ。 やーらしかゾンビィの姫達を助けるためならば、何肌だって脱いでやろうではないか。 --- この後、巽幸太郎は暗闇の中で数多くの困難に遭遇する。 ネクロマンサーとは言え、ただの人間の青年である彼が果たして無事それらを乗り越えられたのか… それはまた、別の話である。

7 19/02/18(月)01:09:41 No.570313952

おしまい それにしてもコミカライズは予想も付かない展開で参るでありんす…

8 19/02/18(月)01:14:35 No.570314828

ロメロ器用だな…

9 19/02/18(月)01:15:22 No.570314990

こわい…

10 19/02/18(月)01:17:19 No.570315398

身体を勝手にし過ぎてる…

11 19/02/18(月)01:21:09 No.570316220

ひぇっ…

12 19/02/18(月)01:21:35 No.570316305

サイコこの師弟

13 19/02/18(月)01:22:13 No.570316420

続きが気になるでありんす!

14 19/02/18(月)01:26:24 No.570317286

マッドネクロマンサーすぎるだろ!

15 19/02/18(月)01:28:24 No.570317723

>それにしてもコミカライズは予想も付かない展開で参るでありんす… まさかグルメ路線から舵を切って…これは…何路線…?

16 19/02/18(月)01:38:54 No.570319818

ええ…この師弟こわ…

17 19/02/18(月)01:54:24 No.570322703

終わった後徐福ともどもゾンビィ一同にこってり絞られるのはわかる

18 19/02/18(月)01:55:50 No.570322932

風呂場にさくらのどやんすが落ちてたのはジョフクの気遣いかな…

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