虹裏img歴史資料館

画像ファイル名:1549429786405.jpg 19/02/06(水)14:09:46 No.567444692

著者は一八八六年フィンランドの知識階級の家に生まれて看護婦となる。すでに人妻となってから、非合法のフィンランド共産党創始者オットー・クーシネンを匿ったことから意気投合し、コミンテルン幹部となった彼とモスクワで駆け落ち同然の結婚。美人で聡明、数カ国語を自在に操るアイノはコミンテルンの対外工作部員として、アメリカや北欧諸国に派遣される。自分の意に染まないフィンランド人同志を冷酷にパージする、ソ連共産党に忠実すぎる夫に愛想が尽きたアイノは、赤軍第四本部ベルジン将軍の配下に移り、一九三四年からはスウェーデン人作家Ｅ・ハンソン女史になりすまして日本に滞在する。朝日新聞一面にインタビュー記事が載り、名士として上流階級の人々の中に後援者を得て諜報活動を展開。スウェーデン本国でヨイショ本『微笑む日本』を刊行して、日本で好評を得るという念のいれようだ。