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19/01/06(日)00:30:12 第九話... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1546702212783.jpg 19/01/06(日)00:30:12 No.559957268

第九話『尊尚親愛のララバイSAGA』

1 19/01/06(日)00:30:26 No.559957337

 星川リリィは軽い荷物を抱えて、巽幸太郎の部屋に向かう。  既に準備は出来ている。  星川リリィにしかできない看病を、巽幸太郎に行うのだ。  そして……そこで、二人きりでしかできない話をしよう。  男同士の話を。  …改めて。  自分の性別が周知の事実となっていることに星川リリィは感謝した。 「やっほーたつみー。起きてるー?」 「お、おぅ…リリィか。起きとるわい」

2 19/01/06(日)00:30:37 No.559957392

 少々ビクついた様子で、扉を開ける星川リリィを見る巽幸太郎。  そんな様子に、あっこれはやったなゆぎりん、と事情を理解してジト目になる星川リリィ。  だいたい彼女たちがやりそうなことは察している。  それは、星川リリィが伝説の子役であり、芸能界に長くいることで培った、周囲の人間関係を把握するスキルの賜物だ。

3 19/01/06(日)00:30:47 No.559957438

 …多分さくらちゃんとたつみは生前の知り合いみたいだから、その話しちゃったかなー。  記憶が戻ってから、たつみの様子もさくらちゃんの様子もちょっと妙なところがあったもん。  サキちゃんはどうかなー、信頼はカンストしてそうだけど。乙女心の自覚はないって感じかも?  でも看病となったら献身的にやりそうだから、たつみから変なこと言ってなければいいけどなー。  愛ちゃんは流石にスキャンダルとかには敏感だからそこまで踏み込んでないと思うけど。自分の内心に気づいてないからなぁ。  まぁお肉を差し入れてるくらいだし、ドタバタしてたし。たつみが変なこと言ってなければ問題なさそう。  …純子ちゃんは完全に覚悟決まってたからなー。おかゆ作ってるときの真剣な表情見た?リリィは見た。  絶対に何かあっただろうなー。大丈夫かなぁスキャンダル。まぁリリィよくわからないけど。  ……で、ゆぎりんはのらりくらりだと思ってたんだけど。たつみの態度を見ると、なにかあったな絶対コレ。  部屋の中の匂いからして、流石に致してはいないようだけど。…うんリリィよくわかんない!

4 19/01/06(日)00:31:16 No.559957551

 ふぅ、と溜息を一つ。  星川リリィは、思考を中止して、看病をするという当初の目的を遂行することにした。 「元気?水分一杯とった?風邪の時はお水いっぱい飲まないとダメなんだよー?」 「飲んどるわい!…経口補水液だったか。美味しく感じるようなもんだとは思わなかった」 「あー、それ美味しいときは体調が悪いときなんだよ?バラエティ番組で教えてもらったの!…完調にはまだまだだね?」 「…だな。悪いな、迷惑かけとる」 「んーん?リリィ全然へーきだもん。…それでさ、たつみ。汗かいたでしょ?」  ぽす、と持ってきたバッグを床に置き、にこっと笑う星川リリィ。  そのバッグを見て、星川リリィの笑顔を見て、巽幸太郎は怪訝な表情を見せる。

5 19/01/06(日)00:31:21 No.559957583

天才子役すぎる…

6 19/01/06(日)00:31:26 No.559957599

「…おお、確かに汗はかいとぉが…拭くだけなら俺一人でも出来ると」 「違うよー、汗拭いてるだけじゃ臭くなっちゃうでしょ?たつみは生きてるんだから」  他の子たちに嫌われるよー?とにしし、という擬音の聞こえそうな笑顔を浮かべながら。  星川リリィは、巽幸太郎に自分だけができる看病の提案を出した。  バッグの中から、タオルと着替え一式を取り出しながら。 「だからさ、お風呂入ろうよ!リリィも一緒に入るから!背中流してあげるね!」 「────おう?」

7 19/01/06(日)00:31:44 No.559957689

 カポーン。  という音は実際には鳴らないが、現在巽幸太郎と星川リリィは風呂場にいた。  既に湯は張っている。星川リリィが先ほど沸かしたものだ。 「えへへー、リリィ準備いいでしょ?褒めていいんだよたつみー?」 「…ああ。実際助かるわい」  汗でへばりついた肌着を脱ぎ捨て、全裸で脱衣所から風呂場に向かう巽幸太郎と、星川リリィ。  二人とも手ぬぐいを片手に局所は隠しながら、ただし同性同士気楽な様子であった。  …風邪にお風呂は厳禁という生活の知恵もあるが、あれは上せてしまうほど湯船に浸かっているのが体に良くないだけで、実際汗を流してさっぱりすることは気分も切り替わり体温も上がるため効果的である。  ずっと横になっていると大変であろうと、星川リリィは気を利かせて、風呂にお湯を貯めておいたのだった。

8 19/01/06(日)00:32:01 No.559957767

 巽幸太郎は、低い位置にある星川リリィの頭を遠慮なく撫でる。  今日はお星さまも外して、水色の髪を下ろし、はた目には可憐な少女のようだ。  尤もその肌は青白いゾンビィの様相を表し、ハートは零れ、股間にはちんちくがついているのだが。 「偉いぞリリィ、お前は気遣いのできるアイドルじゃい」 「んふふ。…あれ。どうかなたつみー。リリィ、ゾンビィだからよくわからないけど、お風呂熱いー?」 「ん?どれ………む、若干熱いか」  撫でられながら、お湯に手を入れる星川リリィは、ゾンビィの手でありながらも感じ取る熱さが入浴には適さぬ温度になっているかと危惧した。  ちゃぷ、と次いで巽がお湯に手を入れ確かめれば、確かに少し熱いようだ。  躊躇いなく脚からざぶざぶと入りに行けるような熱さではない。  水を足さなければ、火傷してしまうかもしれない。  少なくとも風邪を引いている体で入れる温度ではなかった。

9 19/01/06(日)00:32:16 No.559957831

 慣れない風呂場のお湯張りで、星川リリィは温度調整を間違えたようだ。  …しかし、何。この程度では怒るはずもない。  何より気遣いがありがたいのだ。  特に星川リリィの気遣いは、男同士だからか小さい子供だからか、肩肘張らずに受け取れる。  冷水を湯船に足そうと巽幸太郎が蛇口に手を伸ばしたところで、 「よーし、じゃあリリィが冷ますねー。…どっぼーん!!」 「うおっ!?お前何やっとるんじゃーい!火傷しよっぞ!」  突然湯船に飛び込む星川リリィを見て、巽幸太郎は狼狽し心配の言葉をかける。  …が、よくよく考えれば星川リリィはゾンビである。  火に飛び込むならまだしも、若干熱い程度のお湯に飛び込んだところで火傷を負うはずもなかった。

10 19/01/06(日)00:32:29 No.559957876

 実際、飛び込んだ星川リリィは全く大丈夫といった様子だ。  ……そしてここでようやく、巽幸太郎も重い頭で星川リリィの考えに思い至った。 「へへー。リリィ、体が冷たいからこれでちょうどよくなるね!」 「………………成程。名案だ」  水に塗れ、しっとりと直毛になった水色の髪を滴らせながら、星川リリィは湯船から巽幸太郎へ笑顔を向ける。  彼は、ゾンビィであることの宿命である冷たい体を、先にお湯に浸すことで、温度を調節しようと考えたのだ。  星川リリィにはだいぶ広い浴槽の中で、小さい手足をわちゃわちゃと動かせば、すぐに熱すぎたお湯の水温が下がり。  風邪気味の巽幸太郎が入るにはちょうど良い暖かさの温度になった。

11 19/01/06(日)00:32:34 No.559957899

今回早いな!?

12 19/01/06(日)00:32:46 No.559957963

「はいたつみー、こっちにどうぞ。一緒に入ろ?」 「ああ。……すまんな、助かる」  星川リリィの健気な様子に、巽幸太郎は湯船に入る前だというのに心が温かくなる。  悪い気分ではない。  弟か、子供が出来たらこんな気持ちなのだろうか。  持ったことのないそれに思いを馳せながら、巽幸太郎もまた適温になった湯船に身を浸した。 「ふーーーぅ………あー、よか湯加減ばい」 「リリィも体あったまるー……お風呂なんていつぶりだろー…」  二人して、ふぃー、とおっさん臭いため息を零す。  特に巽幸太郎は、風邪で横になっていたための体のだるさが洗われる気持ちになり、心地よくまどろんだ。

13 19/01/06(日)00:32:58 No.559958023

 …星川リリィは、冷たい自分の体がじんわりと温まる感覚を味わいながら。  なぜ自分たちゾンビィが、常に外で水浴びを強制されており入浴を許されていないのかふと考えた。  ………別に、お湯を沸かすお金がないってわけでもないだろうし。  前にサキちゃんとさくらちゃん、純子ちゃんが入浴したけど体に異常は生じなかったはず。  首は取れたけど。  …だとすると、多分あれだな。  室内で皆が入浴して、万が一自分が着替えとかを見ちゃったらまずいとか、そういう青臭い理由だな。  たつみはそういうことする。  まったく子供だよねーそういうところ。 「……何じゃい。ジト目で見て。ホントに感謝しとるぞ」 「え?…んーん、別に?リリィよくわかんなーい」

14 19/01/06(日)00:33:15 No.559958097

 いつの間にか素が零れてジト目で巽幸太郎を見ていたらしい。  いかんばい、と豪正雄の素に星川リリィの皮を被せていつもの自分に戻る。  巽幸太郎のように、素の自分を隠すために仮面を被り隠すのではない。  自分はこの星川リリィを纏って、初めて自分という存在になる。  …フランシュシュのメンバーとしては、なおの事。 「気にしないのー。ほら、背中流してあげるよたつみ。体温まったでしょ?」 「…そうだな。お願いするか」  星川リリィが思案に暮れていた時間で、巽幸太郎もまた程よく体が温まった。  これなら湯船の外で髪や体を洗うのに寒気を感じることはないだろう。

15 19/01/06(日)00:33:36 No.559958180

 ざばぁ、と立ち上がり、洗い場の椅子に座って星川リリィに背中を向ける。  星川リリィもまた湯船から出て、アカスリにボディソープをかけてもこもこと泡立てる。  巽幸太郎は、自分で洗える髪はシャンプーで丹念に洗いつつ、背中は星川リリィに任せた。 「よーし、それじゃあ洗うね、たつみ。痒いところあったら言ってね」 「頼む」  わしわしわしわし。  ごしごしごしごし。

16 19/01/06(日)00:33:50 No.559958250

 星川リリィの思ったよりも力強い擦りに、巽幸太郎はうむ、と満足げにその奉仕を受けた。  よか力加減ばい。  細い体の星川リリィだが、やはり男子だ。この辺の力加減は違えない。  そして、星川リリィも楽しそうに、笑顔で巽幸太郎の広い背中を洗い上げる。  それは、どこか懐かしむような顔でもあった。 「……んふふー」 「…何じゃい。楽しそうにしよってからに」 「え?…んーとね、パピィの背中も、こうして洗ってあげてたな、って」 「───────そうか」

17 19/01/06(日)00:34:07 No.559958320

 巽幸太郎は、星川リリィのその答えに、どう返そうか悩んだ。  何か返事をしなければならないが、決して軽い言葉は吐けない。  吐けるはずもない。  そうして同意のみ絞り出せば、じわりと罪悪感が巽幸太郎の心に広がる。  …思えば、星川リリィにだけ、巽幸太郎は辛い思いをさせてしまっている。  それは、生前の親族と、邂逅してしまったこと。  最愛の父親の前で、己を偽る行為を強要してしまったこと。  それは12歳の少年にとって、どれだけ辛い思いをさせたことだろうか。

18 19/01/06(日)00:34:30 No.559958449

「────たつみ、ありがとね」  しかし次の言葉に悩んでいるうちに、星川リリィからなぜかお礼を言われてしまった。  首だけ振りむけば、サングラスの横から、星川リリィの表情が見えた。  ……それは、悲しみも、憂いも、すべて受け入れ乗り越えた男の顔。 「……何の話だ」 「リリィの我儘を聞いて、歌を作ってくれたこと。…パピィのための歌を、素敵な音色で紡いでくれたこと」 「…リリィ。それは……俺は、お前に───」 「───罪悪感でやった、とでも言いたいの?」  その言葉が。  星川リリィの口から零れたことの驚愕に、巽幸太郎の心臓はどくんと大きく跳ねた。

19 19/01/06(日)00:34:50 No.559958540

 同時にまた、星川リリィの口調が変わる。  …よく言えば天真爛漫、悪く言えば媚びたようないつもの口調ではなく。  偶に零す、男子小学生としての素の口調。 「巽。きっと巽は、そう思ってるんだろうなってリリィはわかってた」 「……俺は、お前をゾンビィにして…父親に正体を明かさせなかった男だ。リリィ、お前が俺を責めても俺は……」 「違うよ巽。そうじゃない。…リリィはね。感謝してるんだ。巽に」 「それは……なぜ…」 「…もう一度、リリィにパピィと会わせてくれる機会をくれたから」  背中を擦る手は止まっていた。  星川リリィは真剣な表情で、しかしそれは批難する色ではなく、信頼している男へ向ける顔で。  巽幸太郎もまた、12歳の少年のその言葉を、真摯に受け取る。

20 19/01/06(日)00:35:12 No.559958636

「やっぱりこういうのって、口にしないと伝わらないよね。あんまり二人きりになることもないし」 「……」 「…リリィが死んだのは、リリィのせい。悲しいけど…パピィを恨んでもいないし、パピィのせいじゃない」 「……」 「…でも、それをさ。パピィに伝えられないまま、死にっぱなしだったら…きっとリリィは、成仏できなかったんじゃないかな。マミィに会うこともできなかったよね」  まぁ今まさしく成仏していないんだけどね、と苦笑を零して。  その様子に、巽幸太郎は何も言えなくて。  それを見て、仕方ないんだから、と言う風にふっと微笑み、星川リリィが言の葉を重ねる。

21 19/01/06(日)00:35:31 No.559958721

「…だから、変な話だけど。リリィはパピィに会えてよかった、って思ってる。リリィの想いを、歌にして伝えられたから」 「…リリィ。俺は…」 「その歌を形にしてくれたのは巽。年を取らない、リリィにとって理想的な体にしてくれたのも巽。…リリィが、巽を恨む気持ちなんて、無いんだよ」 「…俺は………!」 「だからさ、巽。ありがとう。……これからも、頼りにしてるね?」 「っ……………!」  天使のような声色で、満面の笑顔で、そんなことを言われてしまえば。  風邪に浮かされた思考に、今日一日で色々ため込んできてメンバーの皆からの暖かい想いも重なって。  ……巽幸太郎は、涙腺を決壊させた。

22 19/01/06(日)00:35:52 No.559958810

「…リリィ。…俺は…」  涙ぐむ声を何とか抑えて、何とか言葉を紡ごうとする巽幸太郎。  しかしそれすらも、星川リリィは察して、その呟きだけで巽幸太郎の気持ちを読みとって。  それで十分とばかりに。改めて星川リリィの皮を被り、甘えた声で助け船を出す。 「…あっれー?たつみー、泣いてるの?はっずかしぃ~!男の子は泣いちゃダメなんだよ~?」 「なっ…ち、違わい!これはあれじゃい、その、シャンプーが目に入っただけじゃーい!」  星川リリィが普段通りの口調に戻れば、巽幸太郎はそれに合わせて努めて砕けた口調で返す。  …ああ、なるほど。  確かにこれは、伝説の子役だ。

23 19/01/06(日)00:36:07 No.559958875

 気遣いも、気配りもできる。思いやれる。  これこそが、星川リリィの強さであり、魅力なのだ。  巽幸太郎は、改めて看病に甘えさせてもらっている自分の境遇を思い出して。  星川リリィの気遣いに、乗らせてもらうことにした。 「ホントかなぁ?それじゃあお湯で泡流しちゃうからねー?そしたら泣き止んでるよねー?」 「もちろんじゃい!さっさと背中流さんかーい!」  シャワーを手に取り、適温のお湯が出るまでじょろじょろと自分の手に当て、微笑む星川リリィ。  これは急いで涙腺を絞らねばならん、と努めて冷静さを取り戻そうとする巽幸太郎。  …まいったな。  もしかすると俺は、フランシュシュのメンバー誰一人にも頭が上がらなくなるんじゃないか。  今回の看病で、改めて己の立場を心配する巽幸太郎であった。

24 19/01/06(日)00:36:22 No.559958945

 かぽーん。(幻聴) 「……ところでさー、たつみー」 「何じゃい」  すっかり泡も流し終え、すっきりとした体で再度湯船に浸かっている巽幸太郎と星川リリィ。  のぼせない程度に体を温めて、もうすぐ風呂を出ようかというあたりで、星川リリィから改めて質問が出る。  その内容は、多分に巽幸太郎をからかってやろうという意図の物であった。 「…誰が本命なの?」

25 19/01/06(日)00:36:38 No.559959016

「ブふッ!?」 「…ほんとーにわかりやすいよねー、たつみは。そんなんじゃドラマ出られないよー?」 「プロデューサーが出るわけないじゃろがい!…知らん知らん!よー知らん!」 「えへへー。…ま、たつみからー、っていうのはなんだか違う気もするけどねー」  でも結構大変そうだよね?と巽幸太郎を正面から見据えて星川リリィはいたずらっ子のような笑顔を見せる。  最初は何度か否定の言葉を紡ごうとしたが、無駄だと悟り、ふぅ、と巽幸太郎はため息をついた。  ……まぁいい。星川リリィは信頼できる。  少なくとも今日一日で、男同士の信頼が生まれたように巽幸太郎は感じていたから。

26 19/01/06(日)00:36:54 No.559959086

「…ある程度、嫌われるよう努力したつもりなんだがな」 「あ、それ全部逆効果だよー?だってたつみ、素の部分が真面目なんだもん。女の子ってそういうギャップに弱いの知らないの?」 「知らん!聞いたこともなか!……ただ、あくまであいつらはアイドルだ。その自覚が在れば、俺はもう何も言わん」 「…おー?リリィその答えは予想外。たつみ、だいぶやわらかくなった?」 「…かも知れん。俺にはあいつらの想いそのものを否定する権利もなか」  「………にしし。モテる男は大変だねー?」  まーリリィよくわかんないけど!と責任逃れのような一言で〆て、肩までちゃぽんと湯につかる。  ふぅ、とため息をつきながらも、これくらい気楽に話せるのであれば助かる、と巽幸太郎もまた奇妙な心地よさを味わっていた。  …体も温まったし、そろそろ出るか。

27 19/01/06(日)00:37:13 No.559959164

「よし。10数えたら出るぞ。そのまましっかり肩まで浸かっとけぃ」 「はーい」 「…1、2、…」  お決まりの台詞を吐いて、数字をカウントしだす巽幸太郎。  首までお湯に浸からせながら、見上げるような形の星川リリィは、最後に。  言い残しが無いように、独白のように零した。

28 19/01/06(日)00:37:37 No.559959246

「…ねぇ、巽」 「…3、4…」 「もしそういう話で困ったら、リリィでよければいつでも聞くからね」 「…5、6…」 「男同士でしかできない話なら、巽には零せそうな相手って少なそうだし」 「…7、8…」 「…リリィなら聞いてあげられるから。だから、体が治ったら──」 「……9……」 「────また、一緒にお風呂入ろうね?」 「────10」

29 19/01/06(日)00:37:50 No.559959303

 最後のカウントを数え終えた、巽幸太郎は。  ふんわり微笑む星川リリィの頭を、ぽん、と撫でて。  自分もまた笑顔を作り、湯船から共に上がるのだった。

30 19/01/06(日)00:38:04 No.559959372

リリィだよー! えへへ、なんだかたつみともっと仲良くなれた気がするー! たつみっていつも忙しそうにしてるから、なかなか二人で話す機会もないからちょうどよかった! リリィもだけど、きっと他のみんなも二人きりになったら話したいこといっぱいあるよね! たつみー、頑張りなよー?好感度調整失敗すると芸能界じゃ干されるよ? まぁリリィよくわかんないけど! …でも、相談くらいはいつでもしてね。リリィけっこう大人だもん! ………あ、そろそろ紅白始まっちゃう?急いで髪を乾かさないと! 次回!ゾンビランドサガ! 『落花流水のファンタジアSAGA!』 たえちゃん!ちょっとだけたつみのこと見てて!大丈夫、ぐっすり寝てるから!

31 19/01/06(日)00:38:41 No.559959545

よかったい…

32 19/01/06(日)00:39:15 No.559959708

いつまにか9話までいってる!

33 19/01/06(日)00:39:21 No.559959744

su2811324.txt これまでのまとめです リリィちゃんは時々毒舌になったりして男性的な部分を強く感じたのでこんな感じになりました 男同士の信頼いいよね…

34 19/01/06(日)00:39:38 No.559959804

はーいっちょんすき…

35 19/01/06(日)00:40:08 No.559959970

まあね…泣くよね…

36 19/01/06(日)00:40:35 No.559960073

気配りの効いた優しいヤツだよリリィは… 兄弟みたいで良いよね

37 19/01/06(日)00:41:14 No.559960220

大人ばい…

38 19/01/06(日)00:41:44 No.559960375

オアシスリリィ… 次はついにたえちゃんか

39 19/01/06(日)00:42:26 No.559960538

あれっ…これ巽からの信頼度一番高いのリリィなんじゃ…

40 19/01/06(日)00:42:50 No.559960627

>あれっ…これ巽からの信頼度一番高いのリリィなんじゃ… 佐賀

41 19/01/06(日)00:42:56 No.559960650

二時間前くらいに8話上げてたよね? 筆早すぎる…よか幸リリたい…

42 19/01/06(日)00:44:46 No.559961134

裸の付き合いはリリィの特権!

43 19/01/06(日)00:44:52 No.559961166

完全に相談相手として信頼しちゃってるじゃないか…

44 19/01/06(日)00:45:58 No.559961441

>たつみー、頑張りなよー?好感度調整失敗すると芸能界じゃ干されるよ? >まぁリリィよくわかんないけど! もう 遅い

45 19/01/06(日)00:46:13 No.559961510

よか…

46 19/01/06(日)00:48:05 No.559961955

>裸の付き合いはリリィの特権! え?わっちは構わないと思いんす

47 19/01/06(日)00:48:24 No.559962031

完全なハッピーエンドではないけどそれでも心残りはいくらかは晴らせただろうからね… まさおは多かれ少なかれ幸太郎には感謝してるかなぁとは確かに思う

48 19/01/06(日)00:49:28 No.559962301

落花流水 らっかりゅうすい 物事の衰えゆくことのたとえ。時がむなしく過ぎ去るたとえ。別離のたとえ。 また、男女の気持ちが互いに通じ合い、相思相愛の状態にあること。 ファンタジア 幻想曲

49 19/01/06(日)00:50:16 No.559962498

好感度メーター 1■■■■■■■■■■ 2■■■■■■■■■□ 3■■■■■■■■■□ 4■■■■■■■■■■■■ 5■■■■■■■■■■ 6■■■■■■■■■□ 0ヴァウ?

50 19/01/06(日)00:51:25 No.559962776

見事な好感度調整だと感心せざるを得ない

51 19/01/06(日)00:51:48 No.559962873

よか… もうすぐ終わっちゃうのか…

52 19/01/06(日)00:53:14 No.559963203

好感度調整は教えてくれる友人がいないと大変だからな…

53 19/01/06(日)00:54:06 No.559963429

>>裸の付き合いはリリィの特権! >え?わっちは構わないと思いんす 念レス成功ですね…。

54 19/01/06(日)00:55:49 No.559963811

髪を下ろしたリリィって凄い破壊力高そうだな…

55 19/01/06(日)00:56:13 No.559963908

>落花流水 らっかりゅうすい >物事の衰えゆくことのたとえ。時がむなしく過ぎ去るたとえ。別離のたとえ。 >また、男女の気持ちが互いに通じ合い、相思相愛の状態にあること。 >ファンタジア >幻想曲 順繰りで行けばたえちゃんなだけに読めんチョイスだ…

56 19/01/06(日)00:56:50 No.559964041

>髪を下ろしたリリィって凄い破壊力高そうだな… 髪下ろしたリリィ見たことないん? 本編で何回も披露してるよ

57 19/01/06(日)00:57:18 No.559964153

まさおの方からも色々相談するようになってくれてたりするといいなぁ…

58 19/01/06(日)00:59:38 No.559964679

>好感度メーター すごいな巽みごとに平等に取り扱ってうまく均してるな!

59 19/01/06(日)01:01:30 No.559965145

やはり好感度調整は完璧…

60 19/01/06(日)01:02:56 No.559965486

伝説の子役は格が違った

61 19/01/06(日)01:03:28 No.559965603

nice bird.になる未来しか見えない…

62 19/01/06(日)01:04:01 No.559965756

どうでもいいけど入浴禁止の理由が本当にリリィの推測通りならもしそれが知られたら間違いなく風呂解禁を要求されるだろうな…

63 19/01/06(日)01:04:18 No.559965815

>よか… >もうすぐ終わっちゃうのか… あと2話で完結する予定です 月曜から仕事だから日曜日のうちに仕上げたい…頑張ります

64 19/01/06(日)01:13:02 No.559967858

一歩間違えたら刺されそうで…

65 19/01/06(日)01:15:43 No.559968453

幸リリのお互いに一人の男と認め合って秘密を打ち明けあえるような関係ほんと好き

66 19/01/06(日)01:17:10 No.559968764

>一歩間違えたら刺されそうで… ないない フランシュシュはフランシュシュでちゃんと絆がある

67 19/01/06(日)01:19:17 No.559969264

だからこの火かき棒はきっと愛情なのよ

68 19/01/06(日)01:20:34 No.559969570

小休止的なポジションでありつつ濃密ないい話でよかね・・・

69 19/01/06(日)01:28:36 No.559971442

巽はさぁ……三枚目気取ろうとして二枚目半になっちゃう人?

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