19/01/02(水)22:13:21 古びた... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1546434801320.jpg 19/01/02(水)22:13:21 No.559127066
古びた洋館の一室、ゆうぎりはソファの上から身動きが取れずにいた。いや、正確に言えば動こうと思えば動ける。しかしそれをする事はゆうぎりには躊躇われた。 「すぅ……すぅ…」 可愛らしい寝息をたてて自分の膝の上に頭を乗せて眠る昭和のアイドル。しかしステージ上での凛々しさは捨て去り年相応の油断しきった顔で眠りこけていた。 世間に合わせてフランシュシュも正月休みを貰えた。しかしゾンビィの正月は常人よりずっと暇である。娯楽も少ないので必然的にお喋りなどで暇を潰すか、こうして寝るかのどちらかになる。ソファの上で眠る順子を見たのは今から30分ほど前だったか。揺すっても起きる気配がないので、毛布を取ってきてかけてやり、こうして膝を枕にしてやった次第である。
1 19/01/02(水)22:13:43 No.559127187
(しかし…こうして純子はんの寝顔を見るなんて初めてでありんすなぁ) 猫を愛でるのと同じ感覚で髪を撫でてやる。ふわふわした感触が冷たい手に伝わり、それが心地よくてしばらくの間そうしていた。くすぐったそうに純子が身を捩り、「ん、んぅ……」と寝言を言うので起こしてしまったか、と手を止めるが、すぐにまた寝息を立て始めた。こんなに眠って夜は平気だろうか、などと心配していたが、自分も眠たくなってきた事に気づく。ショボショボと瞬きを二、三度し、欠伸を1つ。どうせ動けないのだから、少しだけ自分も寝よう。そう思いゆうぎりは目を閉じた。 眠っている間、ゆうぎりは人間の学生として純子と一緒に学校に通う夢を見た。
2 19/01/02(水)22:18:23 No.559128636
よか…
3 19/01/02(水)22:20:54 No.559129466
夢の内容を書きなんし!!
4 19/01/02(水)22:22:17 No.559129922
物静かなこの二人の絡みいいよね…
5 19/01/02(水)22:22:39 No.559130019
同い年コンビよかね
6 19/01/02(水)22:28:08 No.559131739
わっち!早く書きなんし!
7 19/01/02(水)22:30:45 No.559132610
穏やかな午睡よかよね・・・
8 19/01/02(水)22:31:40 No.559132867
寝るという行為自体が油断しきった行為でして普段見れないアーマーオフな姿はもう最高なわけですよ
9 19/01/02(水)22:33:36 No.559133486
この二人には他にない穏やかで優しい時間が流れてそうでいい…
10 19/01/02(水)22:37:31 No.559134770
よかったいよかったい
11 19/01/02(水)22:38:16 No.559134987
静かでありんすな…
12 19/01/02(水)22:41:26 No.559136085
こういう優しい怪文書をもっとくれ
13 19/01/02(水)22:45:06 No.559137220
まったりとした味わいでありんすなぁ
14 19/01/02(水)23:09:28 No.559144662
放課後、純子と一緒に帰ろうと思いゆうぎりは音楽室にやってきた。純子は放課後になれば大抵ここにいる事を知っていた。音楽室の前まで行くと、扉がわずかに開いており、そこから美しい旋律が流れてきた。そっと覗いてみると、案の定純子は音楽室を借りて1人ピアノを弾いていた。ピアノは昔から好きで弾いていたが、最近は勉学で中々趣味の時間を取れずにいるので、こうして先生に頼んで放課後の間だけピアノを弾かせてもらっている、と彼女は語っていた。一通り満足するまで弾き終えたようで、拍手を送りながら音楽室に入る。 「ゆ、ゆうぎりさん…聴いてたんですか?」 「お上手でありんすな、純子はん」 「あ、ありがとうございます…」
15 19/01/02(水)23:09:43 No.559144753
純子にもうすぐ下校時間である事を伝えると、共に音楽室を出て校門に向かう。 「そう言えば純子はん。この前貸してもらいんした本、とても良い物でありんしたよ」 「本当ですか?気に入ってもらえて良かったです…続編もあるんですが、良かったらどうですか?」 他愛もない雑談をしながら共に歩く。校庭に出ると夕焼けが純子の横顔を照らした。 「美しいでありんすな」 「確かに、綺麗な夕焼けですね」 クスクスと、2人並んで綺麗な光景に見とれながら帰路につく。こうして同じ時代に巡り会えた幸福を改めてゆうぎりは噛み締めたのだった。
16 19/01/02(水)23:10:07 No.559144872
ふと目が覚めた。 外はすっかり真っ暗で、月明かりが部屋を照らしていた。寝ぼけ眼で膝下を見ると、純子がいつのまにかゆうぎりの肩に寄りかかっていた。2人の肩には毛布がかかっており、どうやら一度起きた純子がゆうぎりが寒い思いをしないようにと毛布をかけて寄り添ってくれていたようである。 結局純子は寝足りなかったようでまたうつらうつら船を漕いでいるが。 「お気遣い、ありがとうございんす、純子はん」 そう呟くとまた睡魔が襲ってきた。どうせ明日も休みなのだし、ここで夜を過ごすのもいいかもしれないと思いつつ、また眠りの中に落ちていった。