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18/12/13(木)20:06:44 赤い柄... のスレッド詳細

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18/12/13(木)20:06:44 No.554233320

赤い柄の衣装が目について咄嗟に声を掛けると、花飾りをつけた黒髪の少女は振り向いた。 驚きと、ほんの少し苦味を感じたような、なんとも言えない表情。 遠目ではそっくりだと思ったのに、近くで見てみると意外とそうでもない。メイクのせいだろうか? そもそも会ったことのない…もう会えるはずのない人なのだから、他人の空似に決まっているのだけど。

1 18/12/13(木)20:08:01 No.554233676

大盛況のもと幕を閉じた佐賀ロックのステージ裏で。 スタッフと器材を避けて少女のもとまで歩み寄り、結った後ろ髪を揺らしつつ頭を下げる。 「今日はお疲れ様でした! えっと、フランシュシュの…三郷さん?」 「え…えぇ。お疲れ様でした」 狼狽えながらも挨拶を返す三郷に、顔を上げるや否やまくしたてる。 「雨、大変だったね。風邪引いてない? でもすごかった! 途中から覗いただけなんだけど。あんなパフォーマンス見たことない!」 「あー、うん」 「仕掛けどうなってるの? プロジェクションマッピング? 雷も? あー言えるわけないか。ライバルだもんね私たち」 「え?」 きょとんとする三郷。 気付けば鼻息荒く間近に迫ってしまっていたようで、少し距離を置く。そういえばこちらは名乗ってすらいなかった。 「あはは、ごめん…えっと。私、詩織。知ってるかな…」 「…アイアンフリルのセンター。調べたから、よく知ってる」

2 18/12/13(木)20:12:50 No.554235005

「よかった。私らもまだまだ捨てたもんじゃねぇなー、なんて。一人? 他のみんなは?」 軽く見渡すも辺りにはいないらしい。やけに個性の尖った7人に見えたので、いればすぐさまわかりそうなものだが。 三郷が言いづらそうに頬を掻く。 「ちょっと…ね。はぐれたメンバーを探してるんだけど」 「え、嘘。大変。手伝うよ。スタッフさんにも声かけようか?」 「だ、大丈夫…噛まれたら危な、いえ…構わないで。奔放な子だからすぐ戻ってくると思うし」 「そっか…? 見つかるといいね」

3 18/12/13(木)20:13:24 No.554235144

初対面なのだから当然とはいえ。なんとなく彼女との間に距離を感じて、詩織はどうにか話題を絞り出した。 「ご当地アイドルって大変? 新人の頃は周りがちやほやしてくれるけど、知名度上げるのってなかなか厳しいよね」 「そこはまぁ…誰もが通る道だから。地道に活動していくうちに、いつの間にか実感湧いてるもの…だと思う」 言葉尻を濁しつつも、三郷の口数が増えたのに気を良くして詩織も相槌を打つ。 「わかる。私も加入したての頃は地味でさ。それにうちってなんだかんだ長いから、ぶっちゃけ黄金期に比べたら伸びもアレで」 「安定してきたってことでしょ。あとはその維持と、それこそ地道な上昇に全力で努めるしかない。他のグループの追い上げもあるし」 「うん、うん! それはそれで負けねぇぞって感じでやり甲斐あるんだよね!」

4 18/12/13(木)20:14:34 No.554235441

相手の一言一言に胸の意を汲まれて、つい舞い上がってしまって。 自分でも本気か冗談か判別のつかないことを、詩織はつい口走っていた。 「三郷さんいい! なんか前から一緒にいたみたい! ねぇ、うち来ない? アイアンフリルの6番手!」 三郷は、間を置かず答えた。 「ありがと。でも私、フランシュシュの3号だから」 「…そっか。そりゃそうだ」 彼女の穏やかな微笑にあてられ、詩織は気を落ち着けて言う。この子の前だと、なんだか心が浮き沈みして忙しい。 「あのさ。呼び止めたのは、聞きたいことがあったからで。三郷さんは、私たちのステージ見てくれたのかなって」 「えぇ。見た。凄かった…十年の歩みって、凄い」 「ほんと? やりぃ。お墨つき頂いちゃったっ」 「あのねぇ…」 その場で小さく跳ねて喜びを表す詩織に、三郷が肩をすくめていると。 彼女と同じ衣装を着た人影が遠くから現れ、こちらへと手を振ってきた。

5 18/12/13(木)20:15:39 No.554235748

「3号ちゃーん! 0号ちゃんおったよー! なんか不審者捕まえたとってー」 「…どこで何やってたの…ごめん。私いかなきゃ」 「うん。見つかってよかった…ね? それじゃ…」 仲間の呼ぶ方へと足を伸ばそうとしたところで、三郷はふとこちらに向き直った。 「…こんな僻地のご当地アイドルなんてライバル扱いしてないで、もっと上を目指してよね。でないとすぐに追い抜くから」 その挑戦的な眼差しを真っ向から受け止めて、詩織も不敵に笑みを返す。 「相手が誰だろうと、同業者は全員ライバル…だから。それがアイアンフリルの…」 うっかり余計なことまで漏らしそうになって口をつぐむ。と、 「…あぁ、鉄の掟。まだ言ってるんだ…」 なにやら得心のいった様子でひとりごちると、今度こそ三郷は走り去っていった。 フランシュシュ二人の後ろ姿を見送ってから、詩織もまた自身の仲間たちのもとへ戻ろうと駆け出していく。 ただなんとなく…頭の片隅にささいな疑問をよぎらせながら。 アイアンフリルの内輪だけに伝わる使い古された標語なのに…彼女、どこで聞いたんだろう?

6 18/12/13(木)20:21:43 No.554237361

心が汚れてるからまた「」が殺人未遂犯そうとしたのかと思って申し訳なく思ってる

7 18/12/13(木)20:23:57 No.554237970

雷「」か…

8 18/12/13(木)20:24:34 No.554238172

良か… なるほどメイクのせいで微妙に似てないって感じにもなるのか

9 18/12/13(木)20:28:43 No.554239762

メイクってめっちゃ印象変わるよね… 昔成人式で久しぶりに近所の女の子と会った時みんな同じ感じのメイクしてて見分けつかなくて怖かった

10 18/12/13(木)20:33:49 No.554241474

いい…愛ちゃんの心中はどんな感じなんだろう…

11 18/12/13(木)20:34:56 No.554241849

たえちゃんが捕まえた不審者ってこれ…

12 18/12/13(木)20:35:29 No.554242090

国民的アイドルのセンターがご当地アイドル3号の言葉に何かを感じるの良か…

13 18/12/13(木)20:38:53 No.554243222

記憶のどこかによぎる影よかよね…

14 18/12/13(木)20:39:38 No.554243446

サキちゃんと総長でも分からないし絶妙なんだろう

15 18/12/13(木)20:49:02 No.554246648

こういうのもいいもんだ

16 18/12/13(木)20:54:01 No.554248275

いい…

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