ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
18/11/26(月)02:41:14 No.550305742
「純子ォ~!純子チャァ~ン!?どこにおりますかぁ~!?」 いつものふざけた調子で叫ぶ声に私は「はーい」とだけ応えて声がした応接間に向かった。 ドアを開け、「何かご用でしょうか、巽さん…」と私が尋ねると彼は、 「このカメラを見て分かるやろがい!お前のブロマイド撮影じゃい!」と間髪いれずに捲し立ててきて、余りに予想通りで少し笑ってしまった。 正直、何故私を呼び出したのかは判っていたけれど、彼の声がもっと聴きたくてつい、いらぬ事を聞いてしまったのだ。 そして始まった撮影会、いつもは皆の事を平等に、真剣に考えている巽さんだけれど、この時間だけは、彼が私だけを見てくれて、私の事だけを考えてくれている。 そんな優越感と罪悪感がないまぜになった様な感覚が私を満たしている。 「oh…yes……nicebromide…yeah…nicezombie……」 …とも知らずに、巽さんは上擦った声で英語を喋りながら奇妙な体勢でシャッターを押している。 自分勝手とは思いつつ、余りにも無頓着な彼に腹がたって、少しだけ普段のおかえしをしてみることにした。
1 18/11/26(月)02:42:37 No.550305881
これ見たかったやつかも…
2 18/11/26(月)02:43:00 No.550305915
「あの、巽さん、すこし提案があるんですが…」 「あん?なんじゃい」 「私は、他の皆さんと違ってチェキ会には参加していませんが、私もファンの方々を気に掛けている、という事が分かるような構図の写真が必要だと思うんです。」 「おう、具体的にはなんかあるんかい?」 「その…握手をしているような…とか……どうでしょうか?」 「………偉いネェ~~純子チュワンはァ~~!考えとるんやねェ~~!」 「も、もうやめてください!それで、撮っていただけるんですか?」 「あ~分かった分かった、ホラ撮ってやるから手ぇカメラの方に伸ばせぇ」 やった。 私は言われた通り、手を伸ばしーそして、彼の手を握った。
3 18/11/26(月)02:43:03 No.550305921
またきたのか!?
4 18/11/26(月)02:43:11 No.550305931
むっ
5 18/11/26(月)02:44:23 No.550306027
勝利者!?
6 18/11/26(月)02:44:39 No.550306056
卑しい…
7 18/11/26(月)02:45:51 No.550306143
やったか!?
8 18/11/26(月)02:46:10 No.550306163
やってやりましたよ!!
9 18/11/26(月)02:46:27 No.550306189
いやまだだ!
10 18/11/26(月)02:46:57 No.550306224
「ちょっ、おい、じゅ、純子ぉ!何すんじゃい!」 「この方が画に真実味が出ますし、ファンの皆さんも喜ぶと思います。手首から先は編集でどうにでもなりますよね?駄目ですか?」 「えっ、あっ、おう……駄目…駄目とは言っとらん…」 渋々承知した彼をよそに、私はずっと彼の手に意識を集中させていた。 温かい手。この手で私達の歌を作り、この手でひどい色の私達を鮮やかにしてくれる。 彼の手から、彼の鼓動と温度が伝わってくる。だけれど、私は、ゾンビの私からは、何も、何も返す事ができない。 あの日、彼が私を諌めてくれた日よりももっと前から私は沢山のものを貰っているのに。私は何を返すことができるのだろう。 「純子!いつまで手ぇ握っとるんじゃいこのボケゾンビィー!!」 手を痛いくらい強く握られ、はっと彼の顔を見ると、どうやらもう撮影は終わったようだった。 「あ、すみません!あの、いたいです…!」 ぱっ、と手を離した彼はフンと鼻を鳴らしながら部屋を出ていく。 彼が握っていた手を、そっと頬に当ててみた。 彼の温かさと、残してくれた痛みが伝わってくる。 ああ――痛い、いたい ずっと、ずっと。彼の側に、いたい。
11 18/11/26(月)02:48:13 No.550306310
ビターな甘み…いい…
12 18/11/26(月)02:48:40 No.550306339
よか…
13 18/11/26(月)02:50:23 No.550306481
よか…
14 18/11/26(月)02:50:56 No.550306513
よか……
15 18/11/26(月)02:51:18 No.550306546
よかよね……
16 18/11/26(月)02:51:43 No.550306588
よかったい
17 18/11/26(月)02:51:53 No.550306604
おわり このアニメではじめてこんなの書いたから形式もオチもよく分かんなくなったし恥ずかしくなってきたのでもう寝る!
18 18/11/26(月)02:52:45 No.550306680
アイツ よかよね……
19 18/11/26(月)02:55:55 No.550306908
よか…
20 18/11/26(月)02:58:07 No.550307085
チッ…こんなの全然よくなかったわよ…
21 18/11/26(月)02:58:42 No.550307134
痛いと居たいを掛けてあるのがあんじぇらはん?いうユニットのいい感じの歌みたいでありんすな!
22 18/11/26(月)02:59:07 No.550307166
純子ちゃんは卑しか娘ばい…
23 18/11/26(月)02:59:23 No.550307189
よかね…
24 18/11/26(月)03:00:48 No.550307293
よかったい
25 18/11/26(月)03:02:32 No.550307421
>チッ…こんなの全然よくなかったわよ… なんっですか!?とてもよっかたともいます!!!!!
26 18/11/26(月)03:04:41 No.550307605
よかばい……
27 18/11/26(月)03:05:56 No.550307699
やーらしか! いーやしか!
28 18/11/26(月)03:06:37 No.550307746
幸太郎はすっかり童貞ムーブが板について…
29 18/11/26(月)03:10:03 No.550308010
攻めに転じた昭和には誰も敵わんのだ…
30 18/11/26(月)03:11:34 No.550308121
童貞ムーブを解消するにはきっちりと姐さんに絡まないとな…
31 18/11/26(月)03:14:16 No.550308318
さくらはん!!
32 18/11/26(月)03:19:48 No.550308725
>えっ、あっ、おう そういうところだぞ巽
33 18/11/26(月)03:24:37 No.550309049
よか…
34 18/11/26(月)03:25:53 No.550309120
霧が発生するぐらい湿度が高いな
35 18/11/26(月)03:26:51 No.550309172
実際どんなテンションでブロマイド撮ってんだろあいつ…
36 18/11/26(月)03:30:48 No.550309416
チッ…私も撮影会しなさいよ…
37 18/11/26(月)03:33:28 No.550309556
姐さんと会話一度もしてないってやばいよね…
38 18/11/26(月)03:36:16 No.550309696
流石に担当回ではネタ振りするでしょ…
39 18/11/26(月)03:38:50 No.550309853
あいたいあいあいあいあいのにー
40 18/11/26(月)03:44:01 No.550310149
もっと言葉でもっとその手で 私を深く傷つけて 痛みに必ず思い出を 車のフロントは忘れました
41 18/11/26(月)03:44:37 No.550310190
このキノコまた歌ってる…
42 18/11/26(月)03:52:13 No.550310623
よか…
43 18/11/26(月)04:25:53 No.550312170
巽エミュが上手すぎてちゃんと宮野の声で脳内再生される…
44 18/11/26(月)04:35:40 No.550312448
巽の焦り方って可愛すぎるよね
45 18/11/26(月)05:07:03 No.550313243
うっさいんじゃこのボケェーーー!
46 18/11/26(月)05:07:40 No.550313259
は?巽さんとよ?
47 18/11/26(月)05:46:38 No.550314268
ナイスよかったい…
48 18/11/26(月)05:55:19 No.550314476
「すみません。巽さん、ライブの曲順について、少しお話が……」 こんこん、と控え目なノックを二回。そこからの展開はいつも決まっている。鍵が回される軽快な金属音が響き、それからすっかり見慣れたグラサン姿が出てくるのだが、今日は違っていた。鍵の回る音もしなければ、グラサン姿が出てくることもなく、扉は音を立てて、あっけなく開いていった。 扉の先に、男の姿はなかった。 「……巽さん?」 目前に広がる暗闇へと、純子は問いかけるように声を投げかける。しかし、男の返事が返ってくることはなかった。ぞぞぞ、と背筋に嫌な感覚が走り抜けた。焦る気持ちを抑えて、以前訪れた際に覚えた部屋の構造を思い出しながら、電灯のスイッチを手探る。しばらくしてから返ってきた硬質な感触に、とうとういても立ってもいられなくなり、半ば押し潰すようにしてスイッチをいれた。 数度点滅を繰り返した後に生じた柔らかな光が、こびりついた黒を取り払っていく。 その先で待ち受けていた光景に、純子は危うく失神しかけた。 ――巽幸太郎が、床で仰向けに伏していた。
49 18/11/26(月)05:57:52 No.550314551
おい!?
50 18/11/26(月)05:58:07 No.550314561
何か来たココ!
51 18/11/26(月)06:00:15 No.550314617
「――え」 視界がぐらりと歪み、手足が際限なく震え始めた。脳が熱い。とうに動きを止めたはずの心臓が、どくどくと激しく脈打っている。自分と周囲の境界があやふやになっていく。 「――た、つみ、さん?」 純子は酩酊者のようにふらついた足取りのまま、ゆっくりと幸太郎の元へ向かった。ゾンビィゆえに生気のない顔つきはどす黒く染まり、その様子は物言わぬ死体へと一歩ずつ戻っているようにも見えた。 「――」 嘘だと言ってほしかった。たちの悪い冗談だと、誰でもいいからそう囁いてほしかった。頭の中を駆け巡るのは、あの記憶――サガロック前日に投げかけられた、僅かな夕焼けの逢瀬の記憶。何よりも大切なことを思い出せた。思い出させてもらった。 ゾンビィであること、アイドルであること――そして自分は他の誰でもない、「紺野純子」なのだということを。どれほど救われたか、どれほど報われたか。
52 18/11/26(月)06:01:52 No.550314659
「い、やです――こんな、だって。わたし、まだなにも」 あなたに、何も返せてない。いやいやと首を振る。これで終わりだなんて、そんなことが許されるわけがない。 「――あなたと、もっと」 縋りつくように、男の身体に抱き着いた。ほんの少しだけ残された温もりは、少しも慰みになってはくれない。それでも無いよりましだと、純子は横たわる幸太郎の身体を強く強く抱きしめた。 「一緒に―――」 とうとう溢れ出そうになった涙を、止める気は起きなかった。たちまち濡れていく頬をそのまま、湧き出す感情のままに男の横顔に手をやって、 そして、 ぐうううううう、と。 「―――へ」 男の口から、大きないびきが零れ出た。 「……」 無言のまま、男の体をひっくり返す。 そこには、涎どころか鼻提灯まで用意された、この世で最も暢気な寝顔があった。
53 18/11/26(月)06:03:19 No.550314700
生きてんじゃねーか! 良かった…
54 18/11/26(月)06:03:28 No.550314705
膝の上で眠りこける幸太郎の横顔を見ていると、純子はわけもなく鏡の前で自分の髪を整えたくなった。 あの後、自分がとんだ勘違いをして、そのままひとりで盛り上がっていただけと知った純子は今すぐ記憶をなくしてしまいたいと壮絶なまでに思った。穴があったら埋めてほしい。猛烈な羞恥に全身を苛まれながらも、床で眠る幸太郎をそのままにしておくわけにもいかず。かといって成人男性ひとりを持ち上げる膂力など到底あるわけがない純子は、やむを得ず毛布を引っ張り出してくると、その勢いのまま何のためらいもなく幸太郎の頭を自分の膝に乗せた。まったくの無意識だった。
55 18/11/26(月)06:06:05 No.550314756
卑しい!
56 18/11/26(月)06:06:10 No.550314757
「……ふふ」 膝をくすぐる髪の感触に、純子は思わず笑みを零した。すやすやと規則正しく寝息を立てている幸太郎の姿は、起きているときとはまるで全く違う人間のように思える。彼のこんな顔を見たのは、きっと自分だけに違いない。そう考えると、ちょっとした優越感のようなものさえ覚えた。 「巽さん、いつもありがとうございます。わたし達のために、寝る間も惜しんで頑張ってくれて。……でも、あんまり無理はしないでください。もっと、自分を大事にしてください。あなたが倒れたら、みんな――どうしたらいいか、わからなくなっちゃうかもしれませんから」 それでも分かってはくれないんだろうなと考えると、なんだか無性に腹立たしくなって、純子はつんと人差し指で男の頬をつついた。むずがるようにいやいやをする男の姿に、純子はだんだん楽しくなってきた。 ――今だけは、わたしだけの、巽さん。 ――ずっとこの時間が、続けばいいのに。 無意識に湧き出たそれについぞ気づかぬまま、紺野純子はこれ以上にないほどの笑顔を浮かべていた。 おわり
57 18/11/26(月)06:07:49 No.550314798
エミュうまく出来てなかったら寝起きテンションの産物だと思って許してほしいんじゃい・・・
58 18/11/26(月)06:08:17 No.550314815
これ目が覚めた時大変なことになるやつや… いや目覚める前に誰か来るかもしれんな…
59 18/11/26(月)06:08:30 No.550314821
こういうの好きよ…
60 18/11/26(月)06:08:49 No.550314825
こっちは寝る前なのに何ちゅうもん見せつけてくれるんじゃこのボケェー!
61 18/11/26(月)06:09:05 No.550314831
よか・・・
62 18/11/26(月)06:09:46 No.550314854
よかよかよかーったいよかよかよかーったいよかーったーい
63 18/11/26(月)06:12:14 No.550314932
よか…
64 18/11/26(月)06:17:08 No.550315082
よかね……
65 18/11/26(月)06:17:45 No.550315107
よかたい…
66 18/11/26(月)06:18:24 No.550315132
こんな時間になんてむず痒い…
67 18/11/26(月)06:19:55 No.550315179
寝顔に手が届くとね ほっぺたつんつんしたりね 唇ぷるぷるするよね
68 18/11/26(月)06:22:10 No.550315256
チッ…どうせここまで頑張ったなら無理やりにでもツーショットすればいいのよ…
69 18/11/26(月)06:23:45 No.550315319
チューショット…
70 18/11/26(月)06:25:14 No.550315365
この湿度の高さが心地よい…
71 18/11/26(月)06:30:28 No.550315527
朝からいいものを見た
72 18/11/26(月)06:39:24 No.550315871
愛ちゃんは純子ちゃんが巽と仲良くしてるとチッあいつなんなのよデレデレして…って言っててくれないと困るし…
73 18/11/26(月)06:41:06 No.550315930
さくらはんが家政婦してどやややんす~!?してる所まで想像した
74 18/11/26(月)07:09:43 No.550317153
なぜ早朝に怪文書が多いのか これ論文になりませんか