18/07/10(火)01:26:40 SS「Gir... のスレッド詳細
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18/07/10(火)01:26:40 No.517690530
SS「Girls und Steins;Gate~世界像のインデターミニズム~」 前回まで su2484204.txt のあらすじ 秋葉原にやって来たエリカは、そこで岡部倫太郎ら未来ガジェット研究所の面々と出会う。彼らと交流を深めていくエリカ。だがその中で、エリカの世界線が本来は存在しなかった別の世界線だということを知る。狼狽するエリカだったが、ラボメン達との交流により立ち直り、彼女もまたラボメンになる。ラボメンになった後も倫太郎達と楽しくすごくエリカ。だが、突如倫太郎の様子がおかしくなる。その倫太郎の後をつけると、なんと倫太郎は紅莉栖にこう話していた。エリカの世界線を消さなければ、まゆりが死ぬと。その事実を聞いたエリカは、自分ごと世界を消せと言う。葛藤する倫太郎。だがエリカはその背中を押し、世界を消させる。そうしてSG世界線にたどり着いた倫太郎達。だが、その前に、なんと突如逸見エリカが現れ言った。世界の消滅を防ぐために一緒に来てほしいと……。
1 18/07/10(火)01:27:38 No.517690695
「エリカ、どうして……!?」 倫太郎は驚きを隠せなかった。 世界線ごと消してしまったと思っていた女性が今こうして成長した姿を見せて倫太郎達の前に現れたのである。それも当然であった。 「驚くのも無理はないわね。確かに私はあなたの前から一度消えたもの。でも安心して。私は正真正銘の、逸見エリカよ」 エリカは以前よりも豊満になっている胸に手を当てて言う。 そのエリカに驚いているのは倫太郎だけではなかった。紅莉栖もまた、驚きの色を表していた。 「え!? 一体、一体どういうこと!? あなたは……」 「ああ、さっきも言ったけどこっちでははじめましてね、紅莉栖。私は逸見エリカ、倫太郎から話は聞いてないかしら?」 「あなたが逸見さん!? 話に聞く分には私よりも年下だと聞いていたんだけど……」 「ええ、確かに私はあなたよりも年下だったわ。でも今は別。私が来た世界線では、もう二十六年もの時間が流れているもの」 「二十六年!? ということは、お前は、二〇三六年の未来から来たということか!?」 「一応、そういうことになるわね。でも安心して。この世界線とは直接関係ないから」
2 18/07/10(火)01:27:53 No.517690730
エリカは二人の前に片手を突き出して言う。だが、それが余計倫太郎達を困惑させた。 「この世界線とは直接関係ない……? 一体どういうことなんだ……」 「ええ、私も混乱してよく分からないわ。まずどういうことなのか、説明して欲しいわね」 二人のその言葉に、エリカは頷く。 「その感想はもっともね。それじゃあ、順を追って説明していくから、二人共よく聞いてね」 エリカそういいながら腕を組む。そうして、エリカは倫太郎達に説明を始めた。 「まず説明しなければいけないのは、あなた達の世界線とは別に私の世界線が存在しているということ。それぞれ異なった世界線が同時に存在しているの。わかりやすく言えば、平行世界ね」 「平行世界!? そんなものが本当に存在するなんて……!?」 「でも否定はできない。あなたならそう言うでしょ?」 衝撃を受ける紅莉栖にエリカが言う。一方、倫太郎は蒼白な顔をしていた。 「待ってくれ。もし平行世界が存在しているというのなら、俺がこの世界線にたどり着くために今までなかったことにしてきた世界線は……」
3 18/07/10(火)01:28:11 No.517690784
倫太郎の懸念はそこにあった。もし今までなかったことにしてきた世界線が存在するなら、その分苦しんだり悲しんだりするものがでてきたり、無駄になってしまう努力が出てくることになる。 だが、エリカは倫太郎の言葉に静かに頭を振る。 「大丈夫よ倫太郎。少なくとも私達の研究では、確固として存在する世界線は観測者が存在しかつダイバージェンスメーターで換算して十パーセント以上離れているか、極めて近くに隣接しているかの二つに分かれていて、そしてなおかつ隣接する世界線は大抵が何も存在しない無の世界線なの」 「っ……! R世界線……!」 紅莉栖がはっとしたように言う。エリカはそれに意外そうな顔をする。 「あら、その存在を知っているのね。なら話は早いわ。とにかく、倫太郎の心配しているようなことはないから安心しなさい。私達は便宜上、根幹となる世界線を『世界像』と呼んでいるわ」 「世界像……ハイデッガーね」 「ええ。そして本題はここからよ」 エリカが腕を組みながらもピンと指を立てる。
4 18/07/10(火)01:28:27 No.517690839
「本来私達の世界線とこの世界線はさっきも言ったようにダイバージェンスメーターが十パーセント以上離れた世界線だった。でも、恐らくDメールによる度重なる世界線の移動で世界線に大きなブレが生じたのか、本来交わることのない世界線が混じり合ってしまったの。それが私の世界線と、この世界線の混線。そしてその結果、世界線が不自然に絡み合い、このままいけば互いの世界線が消滅してしまう危険があるの。極めて離れた二本のロープを無理矢理絡ませて、それが引っ張りあって千切れそうになってる状況を想像してもらえればだいたい合ってるわ」 「世界線が消滅……!? そんな、大変じゃないの!」 「ええそうなの。このままでは大変なのよ。だから、あなた達に来てほしいの。私の世界線に来て、世界線分離装置を完成させるために」 驚嘆する紅莉栖の言葉にエリカは頷き、そして組んだ腕を解いて倫太郎達を見据えて言った。 そしてさらに紅莉栖はエリカの説明から湧いた疑問を口にする。 「世界線分離装置ですって?」 「ええそうよ紅莉栖。その名の通り、不自然に絡み合った世界線を分離するの」
5 18/07/10(火)01:28:50 No.517690902
「そのために、俺達が必要なのか?」 倫太郎の問いに、エリカはコクリと頷いた。 「そうよ。私達のほうで世界像移動装置は完成させた。それがこの戦車。でも、世界線分離装置だけはあなた達の協力が必要なの。複数の世界線を観てきた倫太郎と、脳科学の天才である紅莉栖の知識が。お願い、どうか私に力を借して」 エリカは真剣な目つきで倫太郎とエリカを見た。その視線からは、エリカの思いが伝わってくるように、倫太郎には思えた。 そして、倫太郎は一旦目を瞑ると、カッと目を開き、勢いよく独特なポーズを取った。 「……よぉし! よかろう! シルバーファングよ! この狂気のマッドサイエンティスト鳳凰院凶真が、世界の関連構造を破壊するその恐ろしき発明の手助けをしてやろう! 感謝するがよい! フゥーハッハッハハハハハ!」 「…………」 「……ふふっ」 高らかに笑う倫太郎を、紅莉栖はじっとりとした目で見る。一方のエリカは、一瞬驚いたがその後とても嬉しそうな顔をした。 「……なんだ紅莉栖、その目は」 「……いいえ、あんたらしいと思っただけよ」
6 18/07/10(火)01:29:06 No.517690938
「そうね、私からしたら久しぶりだけど、本当に倫太郎らしくて安心したわ」 紅莉栖の言葉にエリカが同意する。そのエリカの表情は、笑っていた。 「でも、ありがとう倫太郎。こんな無茶な提案を同意してくれて」 「当然だ。お前は大切な仲間だ。その仲間の頼みを断るはずがないだろう」 「倫太郎……」 エリカの呟きからは嬉しさが滲み出ていた。倫太郎は、そんなエリカに対し笑いかける。 その様子を見て、紅莉栖もまた腕を組みながら笑った。 「ま、世界の危機らしいしね。私も当然手伝うわよ。それに、岡部一人にしたら何するかわからないし」 「俺はいたずらっ子か何かか!?」 「ありがとう紅莉栖。……ふふっ、それにしても本当に懐かしいわね、このやり取り」 エリカは口元に指を当てながら笑う。その笑みは、言葉通り倫太郎と紅莉栖のやり取りを心から懐かしんでいるようだった。 「さ、そうと決まったらさっそく乗り込んで頂戴。大丈夫、狭いように見えて中は広いから」 そう言ってエリカは戦車もとい世界像移動装置の上へと登る。 そして、二人が登りやすいように上から手を差し伸べる。
7 18/07/10(火)01:29:23 No.517690974
倫太郎と紅莉栖は、その手に掴まり世界像移動装置の上に乗り、そしてそのままエリカに続いてハッチを開けてその中に入っていった。 「おお……本当に中は意外と広いな」 倫太郎が素直な感想を述べる。エリカはその言葉に「フフン」と鼻を鳴らし、胸を張る。 「まあね。戦車なのは見た目だけだし。中はちゃんと世界線分離装置としての構造を取ってるのよ?」 「らしいわね……色々興味深い中身だわ」 紅莉栖が中を見回しながら言う。そうやって見回しながらも、倫太郎と紅莉栖は世界像移動装置の中の座席に座り、エリカが運転席につく。 「それじゃあ稼働させるわよ。しっかりベルトをして、掴まっててね!」 「うおっ!」 「きゃっ!」 言われた通りベルトをした二人は急な振動に驚く。その振動と共に、世界像移動装置は屋上から消えた。 その中では、倫太郎と紅莉栖が向かい合って座っており、その二人の横の奥の操縦席にエリカが座っている。 完全に作動を確認したエリカは、椅子を回し二人に向き直った。 「ただいま世界像移動装置は順調に移動中よ。少し時間がかかるから、軽く話でもしましょう?」
8 18/07/10(火)01:29:41 No.517691022
エリカが軽く笑って提案する。その提案を、倫太郎と紅莉栖は軽く頷いて受け入れる。 「そうね。じゃあ最初に聞きたいんだけど、なんで見た目を戦車にしたの? 外見もそれらしい外見でいいじゃない?」 「ああ、もっともな質問ね。それはね……」 エリカはもったいつけるように溜める。その溜めに、倫太郎と紅莉栖は息を呑む。 そして、エリカは言った。 「私の趣味よ!」 その言葉に、倫太郎と紅莉栖は座りながらずっこけた。 「趣味ってお前……」 「あら、色々変な未来ガジェットを作ってきた倫太郎に言われたくないわね」 「変とはなんだ! 未来ガジェットは我がラボの大切な発明だぞ!」 「でも趣味に走ってる部分があるのは事実でしょ? これもそれと同じ。まあ一応戦車道用の戦車っていう偽装も兼ねてはいるんだけど、だいたいは趣味ね。というか、私はこれを未来ガジェットのつもりで作ったんだから」 「未来ガジェットのつもりで?」 倫太郎が聞き直す。エリカはそれに「もちろん」と答えた。 「私だってラボの一員ですもの。未来ガジェットを作ったっていいでしょ?」
9 18/07/10(火)01:29:59 No.517691075
「……ああ、そうだな。何も問題はない」 倫太郎が軽く笑いながら答える。それは、エリカが未だに自分のラボの一員でいてくれる嬉しさがあったからだった。 「よかった。実は向こうでの研究所を勝手に未来ガジェット研究所支部なんて名乗らせてもらってるけど、別にいいわよね!」 「なっ……! ま、まあ、別に咎めはしないが……」 そのエリカの楽しそうな発言に、倫太郎は少し言い淀んだが、事前に問題ないと言った手前、否定することはせずにエリカの言葉を肯定した。 「ふふっ、良かった」 「あらら」 その倫太郎の肯定にエリカは嬉しそうな顔をし、紅莉栖は呆れ顔をする。 その紅莉栖の呆れ顔に倫太郎はたらりと一筋汗をかく。 「と、ところで!」 そこで倫太郎は話を変えることにした。 それはそのままだとどうもバツが悪いというのもあったが、どうしても聞いておきたいことがあったからでもあった。 「お前は過去の世界線、つまり俺達と一緒に過ごしてきた時間を覚えているようだが、それはつまり……」
10 18/07/10(火)01:30:15 No.517691138
倫太郎は一つ思う所があった。それはエリカにも伝わったようで、エリカは頭を縦に振る。 「ええ、私も目覚めたの。リーディングシュタイナーに」 「やはり、か……」 倫太郎の考えは当たっていた。紅莉栖もまた、分かっていたように頷く。 エリカは話を続ける。 「あなた達が米軍の作戦を打ち消すDメールを送ったことにより、私は元の世界線に戻った。そのとき、私は目覚めたの。すでにリーディングシュタイナーを持っていたあなたの側にいたからか、それとも単なる偶然かは分からない。でも私はリーディングシュタイナーに目覚めた。それを私は運命だと思った。倫太郎風に言わせてもらえば『シュタインズ・ゲートの選択』ってやつね。だから私は、物理の道を取って、多くの人の協力を得ながら、世界像移動装置を開発したの」 「そうなのか……しかし、どうしてまた、世界像移動装置を作ろうと……」 「それは……あ、そろそろ着くみたいね」 エリカが振り向き運転席にある画面を見ながら言う。そして、その瞬間だった。 「うっ……!」 紅莉栖が急に頭を抱え苦痛の声を上げたのだ。 「紅莉栖っ!?」 「紅莉栖!?」
11 18/07/10(火)01:30:35 No.517691197
倫太郎が驚きベルトを外して立ち上がろうとする。エリカも驚き彼女の顔を見た。だが、それを紅莉栖が手を突き出して止めた。 「ま、待って岡部! 大丈夫、大丈夫だから……!」 「大丈夫ってお前、どう見てもそういう風には……」 「うっ……! いいから待って……! ……これは、この記憶は……。エ、エリカ……?」 紅莉栖は、片手で頭を抱えながらもエリカの顔を見ると、彼女の名を口にした。 「っ!? 紅莉栖、今私の名前……!?」 「……思い、出したわ……! あなたの、事……!」 紅莉栖が未だに辛そうな顔をしながらも笑ってエリカに言った。 倫太郎は何が起きたか分からなかった。だが、一方でエリカは何が起こったのかを瞬時に理解したようで、「……なるほど」と小さく呟いた。 「そう、そういうことね……」 「おい、一人で納得していないで俺にも何が起こったのか説明してくれ」
12 18/07/10(火)01:30:51 No.517691227
「ああ、ごめんなさい。世界像移動装置にリーディングシュタイナー持ちが乗ると、他の世界線の記憶が流れ込んでくる可能性があるの。私も最初に実験したときは別の世界線の記憶が流れ込んできて、結構大変だったわ。紅莉栖にも同じ現象が起きてるんだと思う。紅莉栖、あなたリーディングシュタイナーをいつの間にか発現させてたのね……」 「……ええ、ちょっと岡部絡みで色々あってね」 「そうなのか。俺には流れ込んできていないが」 「倫太郎は様々な世界線を観てきたからでしょうね。すでに記憶として持っているものを再びインプットされることはないから」 紅莉栖は大分頭の痛みが引いたのか、頭から手を離し顔も落ち着いたものになる。 そして、エリカを見て嬉しそうな顔をする。 「エリカ! 思い出せてよかったわ……! こうしてあなたとまた会えるなんて、驚きね!」 「ありがとう紅莉栖。私もあなたが記憶を取り戻してくれて、こうして話せることは嬉しいわ。あらためて久しぶり、紅莉栖」 「ええ、久しぶり、エリカ。……そして、岡部」 紅莉栖はエリカと笑顔で話した後、倫太郎の方に真面目な顔で向き直った。
13 18/07/10(火)01:31:18 No.517691301
「あんたが複数の世界線を越えて苦労してきた気持ち、少しだけど思い出したことで分かった気がする。……今更だけど、本当に頑張ったのね、あんた」 「……ああ、ありがとう。紅莉栖」 倫太郎と紅莉栖は言葉を交わして見つめ合う。 そんなとき、世界像移動装置はガコンと大きく揺れた。 「おわっ!?」 「きゃあっ!?」 不意の揺れに、倫太郎と紅莉栖は驚く。一方、エリカは平然としていた。 「さあ、着いたわよ。二人共、外に出るわよ」 そう言ったエリカはすばやくベルトを解き、ハッチを開けて外に出る。それに、倫太郎と紅莉栖も続く。 三人が外に出ると、どうやらそこは倉庫のようだった。 明かりで照らされた倉庫ではあったが、地下にあるのか窓がなく外からの明かりはないため人工の光だけの薄暗さを倫太郎は感じた。 周りを見回すと、様々な機材が置かれており、どうやらここで世界像移動装置が開発されたのが分かった。 一足早く床に降りたエリカが手を差し伸べたため、紅莉栖はそれに掴まり、倫太郎は一人で降りる。
14 18/07/10(火)01:31:39 No.517691353
そのときに、コツンと床に音が響き渡った。 「ようこそ。私の世界線、未来ガジェット研究所城南大学支部、地下開発室へ」 エリカはぱっと片手を広げて言う。 広々とした地下を見て、倫太郎と紅莉栖は口を開ける。 「おお……うちのラボよりずっと広いわね、支部なのに」 「うぐぐ……おのれシルバーファングよ! ラボメンの一人の分際で本部より大きな研究所を持つとは小生意気な!」 「別にいいでしょ。それに、上にある研究室はそこまで大きくないから安心しなさい」 そう言いながらエリカは歩き出す。二人はそれについていく。 エリカが階段を上り扉を開けると、外の光が二人の目に入ってきた。 外の太陽の光は強烈で、二人は少し目が眩む。 そして目が慣れて見てみると、そこには広大なキャンパスが広がっていた。 「あっ、エリカ!」 と、そこで地下から出てきたエリカを迎える四人の女性がいた。その女性達は皆一様に同じ色のつなぎを着ていた。 「もしかして、その人達が?」
15 18/07/10(火)01:31:55 No.517691395
「ええ、そうよ。紹介するわ。彼が岡部倫太郎、そして彼女が牧瀬紅莉栖。倫太郎、紅莉栖、紹介するわ。彼女達は世界像移動装置開発を手伝ってくれた城南レーシングチームのみんなよ」 「ナカジマです、よろしくー」 「スズキです、どうもー」 「ホシノだ、よろしく」 「ツチヤです、どもどもー」 「ん、どうも……って、レーシングチームが世界像移動装置の開発に携わっているのか!?」 倫太郎は驚嘆する。その分野はエリカの研究しているであろう分野とは大きくかけ離れていると思ったからだ。 「ま、そりゃ驚くわよね。でも彼女達、機械のことになるとものすごく優秀なの。彼女らとは昔戦車道やってた頃に知り合ってこの大学で再会したんだけど、ずっと昔からお世話になってるのよね」 「いやーお互い持ちつ持たれつでやってるよー」 「そうだね。速いマシンを作ることに関してはエリカに大分世話になってるし」 スズキとツチヤが笑って言う。倫太郎と紅莉栖は大分驚いているようだった。 「それでどうする? もしよかったらキャンパスを案内するけど」
16 18/07/10(火)01:32:17 No.517691460
「いや、いい。それよりも早くお前の言う未来ガジェット研究所支部の研究室とやらを見せてくれ」 倫太郎はエリカの提案をあえて受け入れず、すぐさま研究室に行きたいと言った。 それは、勝手に作られた支部がどんなものなのかを見てみたいと思ったからであった。 「あらそう。分かったわ、ついてきて」 エリカは大学の研究棟らしき建物に向かってキャンパスを横切り始める。 倫太郎と紅莉栖はそれについていく。構内には、多くの学生が歩いており、かなり大きな大学なのが見て取れた。 「なかなかの大学なのね。私のいたアメリカの大学もここまで人は多くなかったわ」 「そうね。あなた達の世界線と違って、まず学生の数がとっても多いから。何せ学園艦で数千人単位で育成されてる子の多くが大学に進学するのよ。そりゃ多くもなるわって感じよね」 「なるほどそう言った事情が……」 倫太郎と紅莉栖は納得しながらもエリカと会話を続け、研究所に向かう。 途中、すれ違った学生がエリカに対しみな頭を下げたり「おはようございます教授」と言ったりしたことから、エリカが教授であることが倫太郎達にも理解できた。
17 18/07/10(火)01:32:32 No.517691502
研究棟に入ると三人はエレベーターで四階に上がり、廊下をまっすぐ進み途中にある扉の前へと立つ。 扉の横にあるネームプレートに『逸見エリカ』と書かれており、扉にはホワイトボードが吊るされ、そこに『未来ガジェット研究所支部』と書かれていた。 「本当に勝手に支部を名乗っているのだな……」 「そう言ったでしょ。さあ、入って」 苦い顔をする倫太郎を無視し、扉を開けるエリカ。中は大学の研究室としては普通なくらいの広さの部屋だった。 中央に置かれた机にはいろいろと乱雑に機械が置いてあり、壁には鉄の骨組みでできた本棚に何冊もの本が置かれている。 「どう? これが未来ガジェット研究所支部、またの名を私の研究室よ」 「またの名と呼び名が逆な気がするのだが」 「細かいことは気にしない」 倫太郎のツッコミに笑いながら返す。 一方、紅莉栖は部屋のあちこちを見て回っていた。 「へぇ、未来の平行世界だけど、こちらとあまり本や機材は変わらないのね……あ、これは知らない本だわ。なになに、『平行世界論、ロザリンド・ルーテス』……」
18 18/07/10(火)01:32:48 No.517691544
「ああ、その本ね。それは私が世界像研究をする際にかなりお世話になった本よ。もう百年以上前の学者だけど、かなりの天才でね。もし今生まれていれば、数多くのノーベル賞と共に私よりも早く世界像移動装置を開発していたに違いないわ。いえ、もしかしたらすでに当時で作っていたのかもしれない、そう思わせるぐらいの人の本よ」 「ふむ、興味深いわね……」 「よかったらこっちにいる間に新しいの取り寄せてあげようかしら? 学生のためって言えば簡単に手に入るし」 「いいの!?」 「ええもちろん、あなたのためですもの」 紅莉栖とエリカは楽しげに話をすすめる。対して倫太郎は、彼もまた部屋を見回り始めていた。 彼の興味は主に部屋の隅に置かれている一見ガラクタに見える山に向けられてきた。 「なあシルバーファングよ。この山はもしかして……」 「あら気づいた? そう、それこそが我が支部の未来ガジェットよ」 「ほう……例えばこれは?」 「それは瞬間沸騰ポット。沸騰させすぎて中身が半分以上減っちゃうんだけどね」
19 18/07/10(火)01:33:04 No.517691578
「じゃあこれは?」 「それは自動バッティングマシン。どんな速球でも打ち返すように作った自動でバットを振るマシーンよ。ただバット振るたびにどっかにバットがすっぽ抜けちゃう危険性があるのが難点」 「……なんだかろくな発明がないな」 「学生にもよく言われるわ。でもあなたには言われたくないわよ」 エリカは苦笑しながら言う。 そうしてしばらくラボを見回った倫太郎と紅莉栖だったが、やがて二人はテーブルの横に置かれたソファーに座り、エリカと向かい合った。 「さて、それじゃああらかたラボ見物も終わったことですし、ここでの頼み事を二人に伝えるわね。まず紅莉栖、あなたにはあなたの脳科学の知識を使って、リーディングシュタイナーの記憶解析装置を作って欲しいの」 「記憶解析装置?」 「ええ。文字通り、記憶を読み取る装置よ。世界像を分離するには、リーディングシュタイナーで観てきた記憶を分析する必要があるの。あなたにはそれを作る手伝いをして欲しい。そして倫太郎、あなたには向こうの数々の世界線の記憶をそれで読み取らせて欲しい。世界像を分離するために、別の世界像の様々なデータが必要だから」
20 18/07/10(火)01:33:22 No.517691621
「なるほど……承知した」 「私も分かったわ。開発はどこで行うの? ここ? 地下?」 エリカの説明を倫太郎と紅莉栖は理解し、了承する。 そして、紅莉栖が場所についての質問をした。 「そうね、設計図というかある程度の仮説はすでにできてるから、まずこの研究室でそれの確認と訂正をお願い。そして、完全な設計図ができあがったら地下で開発、と言った感じね」 それに対し、エリカが答える。紅莉栖は「分かった」と言いと頷く。 「俺はその間何をすればいい?」 「うーん、待機で」 「待機って! それでいいのか!?」 倫太郎があまりにも軽く言うエリカに突っ込む。それに対し、エリカは半目を向ける。 「しょうがないでしょ。あなたに頼みたいことは記憶の読み取りだけなんだから。それまではあなたにできること、正直ないの」 「そ、そうか……」 倫太郎は少しうなだれる。何か重要な仕事を与えられるのではないかと、心のどこかで期待していた倫太郎がいた。
21 18/07/10(火)01:33:41 No.517691663
「さて、それじゃあさっそくお願いできるかしら。ああそうそう、宿は近くのホテルを取ってあるから安心してね。お金は私が出すし」 「ええ、分かったわ。それじゃあ資料お願いできる?」 エリカが立ち上がり、彼女の机から資料を取り出す。紅莉栖はそれを受け取り、早速読み始めた。 そうして、エリカと紅莉栖、倫太郎の世界像分離装置の開発が始まった。 まず紅莉栖は渡された資料をじっくりと一日かけて読み、内容を頭に叩き込んだ。 その後、地下でさっそく開発に携わった。エリカと紅莉栖は二人で色々と議論を交わしながらもリーディングシュタイナー読み取り装置の開発を行った。 倫太郎はそれを観ながらも、時折暇を潰すために大学の構内や近くを見て回った。 と言っても、平行世界とは言え学園艦や戦車道以外は殆ど倫太郎達の世界像とは変わらないため、未来の技術に驚くことはあっても、わりとすぐ飽きてしまった。 そうして一週間程が過ぎた頃だった。 「よし……これで完成よ!」 紅莉栖が満面の笑みで言った。目の前には、パソコンと大きな金属の筒のようなものに繋げられたヘッドセットが金属の机の上に置かれていた。
22 18/07/10(火)01:34:10 No.517691733
「おお、これがリーディングシュタイナー読み取り装置か!」 倫太郎が感心した様子で言う。 「……なんだか、タイムリープマシンそっくりだな」 そして、そんな素直な感想も漏らした。 「そりゃそうよ。記憶を読み取るんだから似ていておかしくないわ」 紅莉栖が言う。倫太郎は「そんなものか」と口元に手を置く。 「さあ、倫太郎。さっそくあなたの記憶を読み取らせて。一応、私でテストしてあるから失敗して何か脳に影響が出るなんてことはまずないわ」 エリカが倫太郎を促す。 「ああ、分かった」 倫太郎はそれに頷き、ヘッドセットを頭にはめる。 「それじゃあ……いくわよ!」 エリカがパソコンのキーボードに手をかけ、言う。そうして、エリカはパソコンを操作し、エンターボタンを押した。 「ううっ……!?」 倫太郎は大きな視界のゆらぎ、頭痛、足元のぐらつきを感じる。それはリーディングシュタイナーの発動のときの感覚と一緒であった。 だが、普段のリーディングシュタイナーと違うのは、それがずっと続くことである。
23 18/07/10(火)01:34:27 No.517691768
「ぐうっ……!」 倫太郎は吐き気に襲われながらも、なんとかその場に立ち続けた。 そうしてしばらくすると、やっとその感覚がなくなり、不快感が引く。 「お疲れ様、倫太郎」 「……こんな気持ち悪くなるなんて聞いてないぞ」 「あはは、ごめんなさい。リーディングシュタイナーを読み取るから、それと同じ感覚が襲ってくるの、いい忘れてたわ」 「まったく……」 倫太郎は苦い顔をしながらもヘッドセットを外す。 そして倫太郎がヘッドセットを置くと、エリカが少し二人から離れ、二人に頭を下げた。 「ありがとう、倫太郎、紅莉栖。これで世界は救われるわ。あなた達がいなかったらこうはならなかった。本当に感謝してるわ」 エリカのお礼の言葉に、倫太郎と紅莉栖は顔を見合わせる。そして、笑みを浮かべ言う。 「何を言う、ラボメンの頼みだ。それを断ることはできまい」 「そうよ。あなたは私達の大切な仲間なんですもの。これぐらい当然よ」 「二人共……」 エリカはその言葉にとても嬉しそうな顔をする。感極まっているのか、今にも涙を流しそうな雰囲気だ。
24 18/07/10(火)01:34:44 No.517691808
「……そうだ! この世界像を離れる前に、よかったら戦車道の試合を見ていかない? あなた達の世界像じゃ、まず見れない代物よ」 エリカはそれを隠すかのように、大げさな笑みをしながら提案する。その提案に、倫太郎と紅莉栖は笑顔で大きく頭を縦に振る。 「おお、それはいいな! せっかくだし見てみたいと思っていたんだ! 戦車道!」 「ええ、私も思っていたわ。せっかく平行世界に来たんだし、平行世界らしいものを見ておかないとね!」 「よかった! 実は明日私の試合があるの。ぜひ見て頂戴!」 「お前のか!? それは楽しみだ」 倫太郎の言葉に更に笑顔になるエリカ。三人はそうして、戦車道の試合の約束をしたのだった。 翌日。倫太郎と紅莉栖はエリカに大学のある町の近くにある観戦場へと連れられた。 大きなスクリーンがあり、そこに対戦する各チームの戦車と上空マップが映し出されている。
25 18/07/10(火)01:35:00 No.517691843
スクリーンの近くには地面にビニールシートを敷いて座っている客や、観客席に座って見ている人など、多くの人がいた。 倫太郎と紅莉栖はとりあえず観客席に座ることにした。 「凄い人ね……しかもかなり大規模」 「そうだな。しかし町中でやるなんて大丈夫なのか?」 「お二人共、戦車道の観戦は初めてかい?」 と、その二人の隣から声がかけられた。そこには、とても凛々しい女性が座っていた。 「あ、はい……逸見エリカさんの紹介で来て……」 「エリカの!? そうか、彼女が言っていたのはあなた達のことだったのか……それは良かった。今回はプロチームと社会人チームのエキシビションマッチなんだが実はエリカの試合相手は私の妹でね。すごく楽しみにしていたんだ」 紅莉栖の言葉にとても楽しげに答えるその女性。それだけで、その女性がとてもエリカと親しいのが分かった。 「そうなんですか! それは楽しみですね! えっと……」 「ああ、申し遅れた。私の名前は西住まほ。どうかよろしく」 そう言って、まほは紅莉栖と倫太郎の二人と握手をした。
26 18/07/10(火)01:35:18 No.517691893
そうしているうちに、試合が始まった。 スクリーンには重厚な戦車が町中を走っているのが見ることができた。それを見るだけで、倫太郎と紅莉栖は感動した。 「すごい……本物の戦車が動くの、初めて見た……」 「うむ……これはなかなかの迫力……」 紅莉栖と倫太郎は息を呑む。さらに、砲撃戦が始まると目を見開いてそれを見た。 「おお、凄い……! これが実際の砲撃戦か……!」 「ねぇこれ大丈夫なの!? 当たった戦車、大丈夫なの!?」 「安心するといい紅莉栖さん。戦車は特殊なカーボンで守られているから安全だよ」 「特殊なカーボン……一体どんなカーボンなの……」 さらに試合が動く。 その途中で倫太郎達が特に驚いたのが、どんどんと建物が破壊されていくことだ。 「な、なあ!? 建物が平然と破壊されているぞ!? 大丈夫なのか!?」 「うおーっ!? うちの店がーっ!? やったーこれで新築できるー!」 その答えは上の観客席の声から飛んできた。 「だ、大丈夫なようだな……」
27 18/07/10(火)01:36:01 No.517692041
そうしてどんどんと試合は佳境に入っていく。お互いの戦車の数はどんどんと減っていき、ついにはエリカが頭を出している戦車と、相手の隊長の車両――まほの妹が頭を出している戦車の一騎打ちとなった。 「…………」 「…………」 倫太郎と紅莉栖はそれを固唾を飲んで見守る。会場全体が、緊迫した雰囲気に包まれた。 ついにその戦車同士が一対一で戦う。 それぞれの戦車は接近戦で戦い、ついにはお互いにドリフトし隣接する距離で打ち合い、そして―― 「エリカが……」 「負けた……」 試合はまほの妹の勝利で終わった。 会場が一斉に沸く。倫太郎と紅莉栖はどっと疲れたように肩から力を抜いた。 「ふぅ……」 「どうだった。初めての戦車道の試合は」 「ええ、凄かったです! また見たいと思わせるぐらいに、衝撃的な試合でした!」 「ああ、こんなスポーツがあるのだな……感動した、正直」 紅莉栖と倫太郎がそれぞれ感想をまほに述べる。すると、まほは嬉しそうに笑った。
28 18/07/10(火)01:36:25 No.517692121
「そうか、よかった。是非、その感想をエリカにも伝えてやってほしい。お、噂をすれば……」 三人が話していると、黒く煤けたエリカが三人の元に歩いてきていた。横には相手チームの隊長もいる。 「やー負けたわー。ごめんなさいね、倫太郎、紅莉栖、どうせなら勝った姿を見せてあげたかったんだけど」 エリカが笑って頭をかきながら言う。それに対し、二人は頭を振った。 「いいえそんなことないわ! とても凄い試合だったわよ!」 「ああ、俺も正直見惚れてしまった」 「そう? なら良かったんだけど。あ、紹介するわね、こちら西住みほ。私の友達で、今戦った相手の隊長。みほ、紹介するわね、こちらは岡部倫太郎に牧瀬紅莉栖よ」 エリカがみほを紹介する。みほは慌てながら頭を下げる。 「どっ、どうも! あなた達がいつもエリカさんが言ってた倫太郎さんと紅莉栖さんですね! よろしくお願いします!」 「ああ、よろしく」 「よろしくお願いします」 こうして出会った五人は、その後沢山の話をした。というのも、倫太郎と紅莉栖が試合の後の打ち上げに呼ばれたからである。
29 18/07/10(火)01:36:42 No.517692188
主に戦車道の話をするまほと、エリカの話をするみほ。その話を二人はじっくりと聞き、驚いたり、笑ったり、感心したりなどした。エリカもまたその横で笑ったり話を補足したり恥ずかしがったりした。 そうしていくうちに夜は更け、パーティは解散となり、倫太郎、紅莉栖、エリカは帰路についた。 その途中であった。 「……星が綺麗ね」 エリカが歩きながら言った。倫太郎達もまた空を見上げる。 「……ええ」 「そうだな」 空には満天の星空が広がっている。その星空を見ながら、倫太郎は言った。 「別の世界でも、こうして星空は一緒なんだな」 「そうね。この星空を見ながら、私はずっとあなた達のことを今まで考えていた。……私が世界像移動装置を作ったのはね? 最初はあなた達に会いたいからだったのよ」 「俺達に?」 「ええ、どうにかしてもう一度あなた達に会いたかった。そのためにいっぱい勉強をした。そうして、世界消滅の危機を知ったりなんだりして、そんなこんなでついに世界像移動装置を作り上げた。……私はこんなおばさんになっちゃったけどね」
30 18/07/10(火)01:37:02 No.517692254
エリカが立ち止まる。 そして、空に手を伸ばし、呟く。 「まゆりがたまにこうしていたけど、今ならその気持ちも分かる気もする。だって、こうして伸ばすと掴めそうなんですもの。でも、掴めない。私にはそれが悔しかった。だから、その気持ちをバネにした。だから、世界像移動装置を作った」 「……俺達を返して、世界を分離したら、あれはどうするつもりなんだ」 「封印するわ」 エリカははっきりと言った。倫太郎も紅莉栖も、そのエリカの回答を予測していたようだった。 「世界像を渡る旅は魅力的よ。でも、それによって何か悪事を働こうとするやつも絶対いる。だから、公表しないで封印する。あれは、永久に大学の地下に壊れた戦車として置いておく」 「そうか……」
31 18/07/10(火)01:37:55 No.517692401
倫太郎はただ一言、そう言った。そして、エリカの横に並んで、同じく空を見ながら、言った。 「いいかエリカ。俺達はどんなに離れていても、どんなに時間が経ってもラボメンの仲間だ。それだけは、忘れないし、忘れるな」 「倫太郎……」 「そうよ。私も忘れないわ。逸見エリカなんてクソコテが、私の大切な仲間だったことをね。もちろん、あなたも忘れないでよ?」 「……当然よ! 私だって、あんたみたいなクソコテ、忘れるもんですか!」 そうして三人は誓いあった。決して忘れないと。一生、ラボメンであり続けると。 そう誓いあって、エリカは倫太郎と紅莉栖を元の世界像に返し、世界を分離させた。 ◇◆◇◆◇
32 18/07/10(火)01:38:13 No.517692465
「ねえオカリン、牧瀬氏」 いつかの日。とある場所で。 至は二人に聞いた。 「なんだダルよ」 「このラボメンバッチのイニシャルのIって誰ぞ? 欠番になってる〇〇九番と関係あるん?」 「それは大切な仲間の名前だ。言えるのは、それだけだ」 「ええ、決して忘れない、大切な仲間のね」 「なんだよー気になるじゃんかよー。教えてくれよー」 「ふふっ、いつかお前も思い出すといいな」 「そうね、いつか、きっと」 二人は星空を見ながら、そう言った。 ◇◆◇◆◇
33 18/07/10(火)01:38:33 No.517692534
「ねぇ、エリカさん」 いつかの日。いつかの場所で。 みほはエリカに聞いた。 「結局、あの人達はどこから来て、どんな人達だったの? エリカさんはいっつも、大切な仲間としか言わないけど」 「それはね……」 「それは?」 「秘密」 「ええっ!? ひどいよエリカさんー!」 「ふふっ、でも、一つだけ言えることがあるわ。これはね、シュタインズ・ゲートの選択なのよ」 「シュタ……何?」 「くすっ、何かしら」 エリカは星空を見ながら、そう言った。
34 18/07/10(火)01:38:50 No.517692593
異なる世界線、交わることのなかった世界で出会った三人。 その三人が再びめぐりあうことはないかもしれない。しかし、三人が固い絆で結ばれていることは、確かな事実である……。 おわり
35 18/07/10(火)01:40:54 No.517692931
出来たのか!て最終回かよ
36 18/07/10(火)01:42:29 No.517693147
読んでいただきありがとうございました su2484220.txt 過去作もよかったら ・シリーズもの su2484222.txt ・短編集 su2484223.txt
37 18/07/10(火)01:42:32 No.517693154
これから読む
38 18/07/10(火)01:44:10 No.517693392
>su2484220.txt ダーク「」だったの!?
39 18/07/10(火)01:46:04 No.517693685
>ああ、さっきも言ったけどこっちでははじめましてね、紅莉栖。私は逸見エリカ、倫太郎から話は聞いてないかしら? 初めての方ははじめまして そうでない方はお久しぶりです
40 18/07/10(火)01:52:27 No.517694710
若干ウザ見が入っているようなそうでないような
41 18/07/10(火)01:55:24 No.517695086
賢いやつ
42 18/07/10(火)01:58:22 [す] No.517695430
>ダーク「」だったの!? はい僭越ながら しかしクロスって大変だね!すごくエネルギー使う! でも書いてて楽しかったのでみんなやろう!クロスSS!
43 18/07/10(火)02:00:59 No.517695724
「エリカさん…これは?」 「世界像移動装置、さあスイッチを入れるわ」 / えりか!しゅくだいはおわったのかい? \ ドラえもんの偽最終回のやつを少しだけ思い出しました
44 18/07/10(火)02:02:07 No.517695870
お前かよ! 頑張ったじゃねえか
45 18/07/10(火)02:02:39 No.517695941
>でも書いてて楽しかったのでみんなやろう!クロスSS! 簡単に言うなや
46 18/07/10(火)02:05:59 No.517696339
ラストの余韻を考えると最後双方の会話のシーンはもう少し引っ張っても良かったかもしれない
47 18/07/10(火)02:06:08 No.517696355
カーボンにふれると世界線が崩壊する
48 18/07/10(火)02:08:11 No.517696584
少し西住Sあじを覚えてしまった SFいいよね…
49 18/07/10(火)02:08:24 No.517696611
>でも書いてて楽しかったのでみんなやろう!クロスSS! やりきった後の感覚いいよね…
50 18/07/10(火)02:10:23 No.517696846
カタログで正気を疑ったが面白いじゃねーか
51 18/07/10(火)02:10:27 No.517696853
てェことはガルパン世界とけいおんちゃん世界が交わる可能性もあるってことかしら
52 18/07/10(火)02:11:58 [す] No.517697041
>簡単に言うなや まあね めっちゃ脳みそフル活用するからね 長編クロスSS書ける人をマジ尊敬すると思いました >ラストの余韻を考えると最後双方の会話のシーンはもう少し引っ張っても良かったかもしれない かなー 長くすると冗長になるかなとも思ったんだけど まだまだ研究が必要だね >やりきった後の感覚いいよね… いい…… いろいろ苦労したからやりきった感結構ある
53 18/07/10(火)02:13:48 No.517697255
後10回位続きあるかと思っていた…
54 18/07/10(火)02:14:12 [す] No.517697303
>カタログで正気を疑ったが面白いじゃねーか ありがとう…… 元々は友人の「」からエリクリキテル!キテルって!って熱論されてこいつ狂って……!ってなりながらも書いたけど書いてみるとキテルかも……ってなるから書いてみないとわからないものだね >てェことはガルパン世界とけいおんちゃん世界が交わる可能性もあるってことかしら 今回の応用でうっかりみぽりん達がソ・ラ・ノ・ヲ・ト世界に飛んでもいいしソ・ラ・ノ・ヲ・ト世界で彼方ちゃん達が戦車道の痕跡を見つけるのも面白そうよね
55 18/07/10(火)02:15:33 [す] No.517697495
>後10回位続きあるかと思っていた… もっと長くできたかもしれないけど初クロスSSだったから体力とかプロットとかの関係上この文量になった もっと精進しないとね
56 18/07/10(火)02:16:52 No.517697653
>いつかの日。とある場所で。 >いつかの日。いつかの場所で。 ここ映画版日本沈没のラストみたいで好き
57 18/07/10(火)02:18:18 No.517697838
>元々は友人の「」からエリクリキテル!キテルって!って熱論されてこいつ狂って……!ってなりながらも書いたけど 前回もレスしたけど狂ってると思う
58 18/07/10(火)02:19:48 No.517698004
>今回の応用でうっかりみぽりん達がソ・ラ・ノ・ヲ・ト世界に飛んでもいいしソ・ラ・ノ・ヲ・ト世界で彼方ちゃん達が戦車道の痕跡を見つけるのも面白そうよね そういやけいおんちゃん本は…いやなんでもない
59 18/07/10(火)02:21:21 [す] No.517698194
>そういやけいおんちゃん本は…いやなんでもない 来年の学園祭で出そうかなーって考えてるよ ただ戦コレのGL本も出したいからそっちと悩んでるけど
60 18/07/10(火)02:22:42 No.517698328
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61 18/07/10(火)02:23:32 No.517698418
間口ひろげたジャンッ 俺も見習って精進します メモ帳0字だけどな!
62 18/07/10(火)02:26:32 No.517698730
シュタゲ見たことないけど楽しめたぜ
63 18/07/10(火)02:28:35 [す] No.517698979
>間口ひろげたジャンッ >俺も見習って精進します >メモ帳0字だけどな! ありがとう 頑張れ❤頑張れ❤ 軽く短編書いて投げるのもいいものよ >シュタゲ見たことないけど楽しめたぜ ありがとう シュタゲ面白いからオススメだよ アマプラで見放題だし 今期やってるのは本編知ってる前提だからちょっと入りづらいけど曇らせが丁寧でいいよ
64 18/07/10(火)02:30:09 No.517699178
やつには主役がよく似合う
65 18/07/10(火)02:32:47 No.517699458
>シュタゲ面白いからオススメだよ そうか >曇らせが丁寧でいいよ あんたらしいよ・・・
66 18/07/10(火)02:32:55 No.517699473
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67 18/07/10(火)02:35:51 No.517699832
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68 18/07/10(火)02:37:32 No.517700004
クトゥルフ物もそうだけどSF要素入ると読者を選ぶ所はあるかもしれない、でも好きな人はハマると思う クトゥルフ物書いてるイギリスのブライアン・ラムレイは誰かが面白かったよと言ってくれるから書くと言っていた それでいいんだよ
69 18/07/10(火)02:38:51 No.517700147
因みに俺はこの話好きよ
70 18/07/10(火)02:38:53 No.517700148
エリカ持ち上げるSSだけ書いていればいいんじゃないのかな個人的に言わせてもらえば