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18/01/20(土)23:27:22 SS「羊... のスレッド詳細

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18/01/20(土)23:27:22 No.480012202

SS「羊質虎皮のソリチュード」 前回までのあらすじ 逸見エリカは虚勢癖のある少女だった。内心では涙を流しながらも表では強気に生きていた。そんなエリカは黒森峰女学園に戦車道をやるために入学するが、そこで西住みほと出会う。 はたしてエリカは黒森峰で戦車道をやっていくことができるのか…… su2205722.txt

1 18/01/20(土)23:27:53 No.480012347

 それから一時間後、エリカ達新一年生は戦車を格納庫に戻し、疲れきった様子で戦車から降りて再び整列した。  黒森峰生として最初に行われた訓練は、エリカ達新一年生にとって大きな衝撃だった。  それまで小学校レベルの戦車道しか知らなかった新一年生に対し、名門校の洗礼が行われたのである。  それまで味わってきたどんな指示よりも困難な指示が出され、かつそれが休む間もなく連続して出される。  具体的には、非常に精密な位置での発進、停車を求められる移動。  困難な状況からの正確な射撃を求められる射撃訓練。  初めての間柄でありながらも求められる密な連携、などである。  殆どの生徒の結果は悲惨なものであった。  出された指示をうまく遂行できず、失敗していった車両が殆どだった。  特に車長の責任は大きかった。各員の練度は均等になるよう振り分けられており、そこで響いてくるのが車長としての指揮能力であったからだ。  多くの車長がその責任の重さと指揮伝達の難しさから不甲斐ない姿を見せていった。  だがそんな中でも、結果を出していく生徒達もいた。

2 18/01/20(土)23:28:15 No.480012433

「それでは、初日における成績優秀者を発表したいと思う。……まずは、逸見エリカ!」 「はい!」  その中に、エリカはいた。  エリカは他の生徒達と比べるとかなりの好成績を残していた。  意思伝達がはっきりとされ、その内容も正確。状況判断も正しく、他の車両よりもはるかに良い成績を出していた。  それは、エリカの虚勢癖が珍しく良い方向に影響した結果だった。  エリカの虚勢癖は、他人との意思疎通において自らの弱い本性を隠し、より強い自分を見せようとするものである。  それは、結果として語気が強まっていくことに繋がった。そしてそれは、車長として必要とされる才に必要なものであったのだ。 「逸見エリカ、前へ」  エリカは整列している新一年生の中から一歩前に出る。  ――な、何なのかしら一体……。  エリカは前に出つつも心の中は不安で溢れていた。  外面は厳しい表情を湛えながら、である。  連続して強い自分を偽ることには慣れているが、戦車の中で正確な指揮を出すことを頭で計算しながらの虚勢は、ずっと己を偽ってきたエリカにとっても大きな負担であった。

3 18/01/20(土)23:28:42 No.480012556

 そして、自分が多くの一年生の中でも注目の的になっていることもその負担に加わっていた。  それが、エリカの今の不安へと繋がっていた。  そうしてエリカが不安に襲われている中、もう一人の名前が呼ばれる。 「次、西住みほ!」 「は、はい!」  みほは恐る恐るといった様子で前に出た。  みほもまた、最初の訓練において好成績を残した一人だった。しかも、単なる好成績ではなく、まさしく、“非常”という言葉がふさわしいほどのものだった。  みほは普通に見たらかなりの好成績を残しているエリカですら大きく離すほどの成績を残していた。  みほに割り当てられた生徒もあくまで平均的な水準であるはずなのに、まるでみな新入生の中でもトップクラスの生徒であるかのような実力を発揮していた。  みほと同じ戦車に乗った搭乗員は、まるで魔法にかけられたようだったと、降りてすぐ他の生徒に話したほどだった。  とにかく、みほの指揮はそれだけずば抜けていたのだ。  エリカとみほが前に並ぶと、まほはそれぞれ二人を一瞥し、そしてまた視線を全体に戻して言った。

4 18/01/20(土)23:29:13 No.480012705

「この両名は最初の訓練においてトップの成績を残した。よって、この二人には一年生の中でも特別な役割を与える。まずは、逸見エリカ」 「はい!」 「エリカ。お前には一年生をまとめる分隊長の役割を担ってもらう」  ――ぶ、分隊長!? この私が!? そ、そんな……!  エリカはまったく表情に出さず、内心狼狽した。  一年生を束ねる役割をいきなり任されたのである。それも無理のないことであった。  しかもエリカは、本来はそういったことからは逃げたいと思っていた。  責任ある立場は、気弱なエリカにとって負担でしかないのだ。  一車長程度ならまだいい。  だが、一年生をまとめる分隊長となれば話は別なのである。 「はい! 謹んでお受けいたします!」  だがエリカの口は、そんなエリカの内面の感情とは正反対のことを口にした。  ここで否定することは、エリカの虚勢癖が許さなかったのだ。  ――嫌よ、分隊長なんてやりたくない……。  そのため、エリカは表に出すことなく、心の中でぐちぐちと泣き言を言うしかできなかった。

5 18/01/20(土)23:29:37 No.480012826

「次に、西住みほ」 「は、はいっ!」  エリカがそうやって心のなかでうじうじとしている間に、今度はみほの名が呼ばれた。  ――私が分隊長なら、みほは……?  エリカはそんな疑問を持つ。  だが次の言葉で、エリカだけでなく新一年生の全員が驚くこととなった。 「みほには我が隊の副隊長をやってもらう。いいな、みほ」 「え、ええっ!?」  みほが驚きの声を出す。それはみほだけでなく、新一年生にも伝播した。  新しく入った一年生が初日に副隊長に任命されたのである。驚くなと言うほうが無理な話であった。  だが不思議なことに、二年生、および三年生は「やはりな」と言ったような顔をしていた。  さらに、エリカは次のみほの言葉でまたも驚くこととなる。 「お、お姉ちゃん。いきなり私に副隊長だなんて……」  ――お姉ちゃん!? みほが、隊長の妹!?  エリカは今度ばかりは驚きを表情に出してしまった。

6 18/01/20(土)23:30:00 No.480012931

 エリカはみほの性格から、てっきりみほは西住の親戚筋にあたる人間だと思っていた。  しかし違った。  みほはまさしく本流、西住家そのものの人間であったのである。  本家の人間でありながら西住しほや西住まほとはまったくかけ離れたその姿。  それは完全にエリカの予想から外れた、驚きの結果だった。 「今は隊長と呼べ、みほ」 「は、はい隊長……」  まほに言われ口調を正すみほ。  その表情にははっきりと驚きと狼狽の色が浮かんでいた。 「いいか。お前は入学試験で私に並ぶ過去最高の結果を出し、そして今回の初訓練でも現副隊長を遥かに凌ぐほどの成績を出した。それは、上級生も全員理解している。黒森峰は実力主義だ。二年である私が隊長をしているように、そこには上級生も下級生もない。お前は副隊長に足り得る結果を出したのだ。それを受け止めろ、みほ」 「は……はい……」  まほに言われ、みほはゆっくりと頷く。  まほには副隊長の任を否定させない凄みがあった。  そのことは人の顔色に敏感に生きてきたエリカにはすぐ分かったし、きっと性格が似ているみほにもすぐ分かったのだろうとエリカは思った。

7 18/01/20(土)23:30:28 No.480013125

「これにて最初の訓練を終える。逸見エリカ、西住みほの両名は後で詳しい説明をするため作戦会議室に来るように。以上、解散!」  その場にいた生徒達が皆ぞろぞろと教室に戻り始める。  そんな中、エリカとみほはまだ驚きが抜けずにその場に立ち尽くしていた。 「あ、あの、エリカさん……」  そんな中みほが怖ず怖ずとエリカに話しかける。 「……何よ」  エリカはぶっきらぼうに返す。今のエリカには、それが精一杯であった。 「その……お互い、大変な立場になったけど、一緒に頑張りましょうね!」  みほが笑顔でエリカに手を差し伸べてきた。  エリカは、少し間を置いて、その手を握り返す。 「……ええ、よろしく」  エリカは笑顔でみほに応えた。  ――私に分隊長なんて、務まるのかしら……。  そんな心の声を上げながらも。

8 18/01/20(土)23:30:47 No.480013226

  ◇◆◇◆◇     「一年生、全車前進! パンツァーフォー!」  エリカの透き通った声が無線越しから各車に響き渡る。  エリカが分隊長に選ばれてからはや二ヶ月がたった。  この日も、エリカは分隊長として一年生を指揮していた。指揮するといっても、隊長および副隊長である西住姉妹の命令を伝達し、それを遵守させるのが主な役割であるが。  エリカの号令に従い、黒森峰の演習場に整列していた戦車が一斉に動き出す。  その動きは、ほぼ乱れなく横一列に並んでいる。 「全車、停止!」  エリカの声が再び響く。  その声に合わせて、戦車の横隊はピタリと静止した。 「目標、八〇〇メートル前方のパンター! 各車、撃てぇ!」  演習場に揃った轟音が鳴り響く。  砲弾の光が平原の上にある煤けたパンターに向かっていく。

9 18/01/20(土)23:31:15 No.480013366

 着弾と共に響く爆音、上がる黒煙。  パンターは煙に包まれ、その姿をはっきりと確認することはできない。  少しの間。  やがて黒煙が風に流されると、現れたのはカーボンで守られているとはいえ複数の弾着によりすっかりボロボロになったパンター。  それを確認すると、エリカは再び号令を掛ける。 「全車、後退!」  一年生の戦車横隊は再び乱れのない動きで後退を始める。  そして元の位置に戻ると、戦車から一年生達が降りていく。  そして、すぐ側で見ていた上級生の前で整列する。最前列の中央には、エリカが立っていた。 「一年生諸君、ご苦労」  上級生の中央に立ち、首から双眼鏡をぶら下げたまほが一年生達に言った。 「静止標的に対する射撃に関してはほぼ問題はなくなってきた。だが、全体の動きにまだ多少の乱れがある。特に一―三号車に遅れが目立っていた。また一―五号車は逆に速すぎだ。他にも僅かではあるがズレのある車両が見受けられる。各員、注意すること!」 「「「はい!」」」 「それでは、これにて今日の訓練を終了とする。各自、解散!」

10 18/01/20(土)23:31:36 No.480013444

「「「ありがとうございました!」」」  まほの言葉に頭を下げ、礼を言う一年生達。  そして、頭を上げると一気に張り詰めた空気が解け、みな演習場からそれぞれバラバラに帰り始めた。  エリカもまた、その中に混じって帰ろうとする。 「エリカ」  と、そこでエリカに声をかけるものがいた。  まほだった。 「はっ、隊長。なんでしょうか」 「まあそう固くなるな。今日の訓練、ご苦労だった」 「はい。ありがとうございます」  エリカは依然硬い態度を崩さないまままほに応えた。  まほはそんなエリカを見て苦笑いを浮かべる。 「ふっ、まあいい。それよりも、この二ヶ月、分隊長としてよく頑張っているじゃないか」 「いえ、そんなことは……」 「何謙遜する必要はない。お前のお陰で今年の一年生は仕上がりが早い。今日の訓練もこの時期にしてはいい動きをしている。これからも、その調子で頑張ってくれ。期待しているぞ」

11 18/01/20(土)23:31:57 No.480013542

「はい! ありがとうございます!」  エリカはまほに向かい頭を下げ礼を言った。  まほはそんなエリカの肩をポンポンと叩き、ふっと笑いかけてそのままエリカに背を向けた。  エリカが頭を上げると、まほは既に帰り道を辿る他の生徒の中へと消えていた。 「エリカさん!」  その姿を見ていたエリカに、またも声を掛けるものがいた。  今度の声の主は、みほだった。 「みほ」 「お姉ちゃんと何話してたの?」 「いえ、最近よく頑張っているなと、褒めて下さったのよ」  エリカがそう言うと、みほは目と口を大きく開いた。 「本当!? 凄いなぁエリカさん。お姉ちゃんってあんまりそうやって人を褒めたりしないんだよ。つまり、それだけエリカさんが凄いってことだよ!」  みほは自分の事のように嬉しそうな声色で言った。  エリカはそんなみほに笑いかける。 「凄いって言ったって、あなたほどじゃないわ、副隊長」

12 18/01/20(土)23:32:18 No.480013627

「むっ、そういう意地悪なこと言わないでよー」 「ふふっ、ごめんなさい。でも私は本当にあなたのほうが凄いと思っているのよ。一年生がこなす訓練のほうにではなく、上級生の訓練に参加しているなんて凄いじゃないの」  エリカのその言葉をどう受け取ったのか、みほは少し不機嫌そうな顔をした。 「……でも、私は同級生の皆と同じ訓練を受けたかったなぁ……」 「そんなこと言わないの。私もあなたも責任ある立場なんだから、それ相応の役割をこなさないと、でしょ?」 「それはそうだけど……やっぱりエリカさんは凄いよ。私はまだそうやって切り替えれないや」 「急ぐ必要はないわ。ゆっくり切り替えていけばいいのよ」  みほはエリカの言葉を飲み込むように、「うん……」と言いながらゆっくりと頷く。  そして、少し陰っていた表情をすぐさま笑顔に戻すと、そっとエリカの手を握ってきた。 「ありがと、エリカさん……ね、一緒に戻ろ?」 「ええそうね、一緒に帰りましょう」  こうしてエリカとみほは、帰路につく生徒の中に、二人手を繋いで戻っていくのであった。

13 18/01/20(土)23:32:39 No.480013732

  ◇◆◇◆◇     「ぷはぁっ……!」  エリカはまるでそれまで息を止めていたかのように、大きく息を吸って吐きながら自室のベッドの上にうつ伏せに倒れ込んだ。  学園艦――学園を中心とした一つの街を乗せた船舶の上で生活しているエリカは、その街の中の寮の一部屋を借りて生活していた。  寮と言っても学園艦の上にあるため便宜上寮と呼ばれているだけで、実際はアパートである。  とにかく、今この部屋にいるのはエリカ一人だけであった。 「今日も……疲れた……」  エリカはベッドに体を沈めながら言う。そして、帰ってくる前にまほに言われた言葉を思い出していた。 「頑張っているな、か……そりゃそうよ。ついていくには、頑張らないと駄目に決まってるじゃない」  愚痴るようにエリカはその言葉を吐き出した。  入学してから二ヶ月。  エリカは分隊長に選ばれてからと言うもの、必死にその職務を全うするために努力してきた。

14 18/01/20(土)23:33:04 No.480013866

 分隊長として恥ずかしくない実力を身に付けるため陰ながら必死に訓練を重ねた。  また、完璧な指揮を実現するために、座学にも人一倍取り組んだ。それは、エリカの机の上に何冊も積み上がっている戦車道の教本がエリカの努力を表している。  しかし、エリカはあくまでその努力を隠していた。何故なら、エリカは周りから天才肌の選手だと思われていたからであった。 「私はそんなんじゃないのに……」  エリカは自分に対する評価を思い出す。  “逸見分隊長は天才だ。”  “エリカは将来有望な選手だ。”  “逸見さんがいるなら、黒森峰も将来安泰だ。”  そんな無責任とも言える羨望、信頼、期待がエリカに伸し掛かっていた。  ――やめて、私はそんなんじゃない。黒森峰のレベルについていくので精一杯なの。お願いやめて。私にそんな言葉をかけないで。  エリカはその周囲からの目に苦しんでいた。  いっそそれらを否定して本当の自分を曝け出せていれば楽だっただろう。  しかし、できなかった。  エリカの虚勢癖が、それを許さなかった。  エリカは周囲の気持ちを裏切ることができるほど、気が強くなかった。

15 18/01/20(土)23:33:35 No.480013984

「嫌……怖い……」  それは、恐怖だった。  自分がいつか周囲の期待を裏切ってしまうのではないかという、恐怖だった。  エリカは常にその恐怖に取り憑かれていた。  ――周囲の期待を裏切ってしまったら、どうなってしまうのだろう? 私は、周りからどんな目で見られてしまうのだろう?  エリカは思い出す。まほの言葉を。 『期待しているぞ』  たったその一言が、エリカを縛り付ける。  ――隊長だって私に期待を向けている。やめて、やめてください隊長。私はそんな期待されるような人間じゃないんです。  エリカは自らを過小に評価していた。  彼女が黒森峰のレベルについていけ、なおかつ分隊長をやれているのはエリカの才能あってのものと言ってもよい。  だが、エリカはそれを自分の才能とは思わず、偶然の代物だと考えている節があった。  その後ろ向きな考え方は、エリカ元来の性格のものであり、どうしようもなかった。 「……うう」  エリカは呻き声を上げながら縮こまる。まほの言葉に続き、またもエリカは思い出していた。今度はみほの言葉を。

16 18/01/20(土)23:34:19 No.480014186

『やっぱりエリカさんは凄いよ。私はまだそうやって切り替えれないや』 「違うの、切り替えられてなんかいない。本当は、分隊長なんかやりたくない。みほの言うように、皆と同じレベルで訓練したい。できることなら、分隊長なんて辞めたいのよ、私は……」  エリカは呟く。決してみほには届かないその言葉を。 「……ふぅ」  そうして思いの丈を呟いてしばらくした後、エリカは静かに嘆息すると、縮こまっていた体を伸ばして、急に体を起こし机に向かっていった。 「明日の宿題をやらないと……あっそのまえに晩御飯を……」  エリカがこうして後ろ向きな考えになるのは、よくあることだった。  こうして、誰にも見られずに日々の愚痴を吐き出すことが、エリカなりのストレス解消法だった。  一定以上吐き出すと、今のように目の前にある問題に向かって、憂鬱な現実から逃避するのだ。 「えっと……カップラーメンでいいかしら別に……今日は疲れたし……」  そう言ってエリカは机に向かっていった体を台所に向きを変え、棚にしまってあるカップラーメンを取り出した。  これが、黒森峰女学園中等部一年、逸見エリカの日常であった。

17 18/01/20(土)23:34:41 No.480014320

 現実に向かって現実から逃げる、それが彼女の今の生き方であった。       ◇◆◇◆◇      それから数週間後、一年生に初めての実戦の舞台が与えられた。  試合の相手は黒森峰と交流が深い九州の学校だった。  中学戦車道の水準としては中堅ほどである。  黒森峰にとってはよほどのことがない限り負けることのない相手である。  とはいえ、黒森峰は相手が中堅校だからといって手を抜くような学校ではない。  一年生のための実戦の機会であるため、部隊は一年生を中心に編成されているが、隊全体の指揮を取るのは隊長であるまほである。  一年生中心ということ自体が相手を舐めているようにも思えるかもしれないが、相手校も一年生中心で部隊を編成しているため条件は対等である。  これは、両校における新一年生のための伝統的な試合であるのだ。

18 18/01/20(土)23:35:11 No.480014514

 そのため、過去においては黒森峰が黒星になることも多々あった。  そのため、決して気の抜けない試合である。  試合は九州にある戦車道用に整備された盆地で行われた。  盆地といっても小さなもので、周囲は森に囲まれているため地形を有用に使う戦略が試される場所であった。  試合はその日の早朝に開始された。敵のフラッグ車を叩けば勝利となるフラッグ戦をルールとした試合は序盤から、黒森峰は優勢を取った。  黒森峰得意の電撃戦により、素早く相手陣形を崩し集中砲火を浴びせる。  これにより相手は撤退を余儀なくされ、黒森峰はそれを追う形となった。  相手校の戦車は盆地を一気に駆け抜け、山の斜面へと繋がる森林地帯へと逃げ込んでいく。  形式としては、まるで狩りのようだと、分隊長として一年生に指揮を飛ばしていたエリカは思った。  一方的な戦い。  その結果、初めての試合とはいえ勝利が見えてきたことにより、一年生の中で余裕を持った雰囲気が広がり始めていた。  それは、エリカも例外ではなかった。  ――私達はここまでやれる! 黒森峰でここまで力を発揮できるんだ!

19 18/01/20(土)23:35:51 No.480014728

 だが、その余裕が油断に繋がることを、エリカ達一年生は分かっていなかった。  エリカ達一年生は、森の中に相手戦車を追撃すべく侵入していった。  その案を提案したのはエリカであった。  作戦全体の指揮をとっていたのはまほであったが、今回は一年生に実戦経験を積ませる目的から、要所要所の判断を一年生に託す場面が何度かあった。  そして、今回の森への追撃は、エリカ自身がまほに進言したのだ。 「隊長! 敵は及び腰です! このまま勢いに乗り追撃することを具申します!」 『……よし、ここはエリカ達一年生の部隊に任せる』  “任せる。”  普段なら重荷に感じていたはずのその無線越しからの言葉も、戦場の高揚からか今回は嬉しく感じているエリカがいた。  ――西住隊長から任せられた! が、頑張らないと……!  エリカは珍しく、心の中でまほからの言葉を後ろ向きにではなく前向きに捉えることができた。  戦車道の試合の高揚がエリカにそうさせたのかもしれない。

20 18/01/20(土)23:36:14 No.480014888

 実際、小学校の頃も試合のときは普段より幾分か前向きになって戦うことができたし、さらに言えば、それ以前の姉の身代わりや所属していたグループの代表として喧嘩をするときにも、そのときだけは演じている強気な自分につられて心の中でも僅かながらに強気になることができた。  このときのエリカは、そんな数えるほどの本心からの強気な姿勢の中でも、一番強気になれたときだった。  エリカの率いる部隊が森へと進軍していく。  敵は木陰に隠れながらどんどんと奥へ入っていく。だが、様々な状況を想定して訓練してきたエリカ達である。  森での追撃もさほど苦労したものではなかった。  そうしてどんどんと奥に侵入していく。  そのときだった。 『八号車、撃破されました!』 「なんですって!?」  突然、最後尾を進んでいた戦車から大破の連絡が飛んできたのだ。  そのときエリカは気づいた。  ――やられた!  と。  いつの間にかエリカたちは狭い森の中で隊列が伸び切ってしまい、その伸び切った隊列を相手に囲まれてしまっていたのだ。そこでエリカは、まんまと誘い込まれてしまったのだ。

21 18/01/20(土)23:36:39 No.480015026

『四号車、やられました!』 『こちら六号車、すみません大破です!』  次々と仲間がやられていく無線が入ってくる。  エリカはその音声を聞きながら、険しい表情で親指を噛んだ。  ――私のせいで負ける……私のせいで……!  そして、先程までの威勢もすっかり消え去り、元の弱気な性格ですっかり混乱してしまっていた。  ――せっかく任されたのに……どうすれば……どうすれば……!  窮地に追い込まれ、必死に頭を働かせるエリカ。だが、一度ぐちゃぐちゃになった思考ではいい考えが出て来ることもなく、もはやこれまでかとエリカはついに諦める直前になる。  だが、そのとき、 『エリカさんっ!』  無線越しから、聞き覚えのある声が飛んできた。  それは、みほの声だった。  直後に、複数の轟音が鳴り響く。相手戦車が三両ほど、大破する音だった。 「みほ……!」  エリカはキューポラから体を出して状況を確認する。

22 18/01/20(土)23:37:04 No.480015161

 そこには、伸び切った隊列の後ろから、エリカと同じくキューポラから体を出したみほが四台の戦車――上級生で構成された戦車隊――を率いて敵車両を撃破していく姿があった。 『残った車両はすべて私の二号車を中心に集結してください! 木々を挟みながらも密集陣形を取ります!』  みほが普段の気弱な姿からは想像もできないほどの凛々しい声を上げて言った。 「き、聞いたわね! 全車、集結!」  エリカはそれに少し遅れながらも、同じ指揮をそこにいる一年生達に出した。  それぞれの車両がみほの車両へと集まっていく。  みほの率いる戦車隊はその援護として依然エリカ達を取り囲んでいる戦車に砲撃をしてく。  そのおかげあって、エリカ達は欠けることなくみほを中心に密集陣形を形成することができた。 『全車、集まったな』  そこにみほとは別の透き通った声が無線で届く。まほだった。 『敵は縦に伸びる隊列を囲むための陣形を組んでいる。だが、それは先程の攻撃により崩された。この隙を逃すな。全車、それぞれ無線で連携しつつ目前の敵車両を各々の判断で攻撃せよ。諸君らならこの木々の間からでも当てられるはずだ。全車、フォイア!』

23 18/01/20(土)23:37:35 No.480015340

 まほの号令とともに、各車両が次々と砲撃していく。そして、相手車両は次々と沈黙してく。  その中で一台、なんとかして後退していく敵車両の姿があった。その上には、風にはためくフラッグ―― 『みほ!』 『うん!』  西住姉妹はたった一言だけ言葉を交わした。  だがそれだけで、西住姉妹には十分だった。  みほの車両が火を噴く。  それは、まっすぐと敵フラッグ車へと飛んでき―― 『そこまで! 黒森峰女学園の勝利!』  審判の声が高らかに響く。  エリカ達は、中学初めての試合を勝利で飾った。     「すいませんでしたっ!」  試合後、自分達の陣地に戻り戦車から降りた隊員達の中で、エリカは西住姉妹に頭を下げた。

24 18/01/20(土)23:37:56 No.480015435

「私が……私があのときあのような判断を下さなければ、ピンチに陥ることもなく勝利することができたのに……本当に申し訳ありませんでした!」  エリカは悔いていた。  己の判断を。  黒森峰を危うく敗北させるかもしれなかった自分の行いを。  エリカはプルプルと震えながら、頭を下げ続けていた。腰を直角に曲げ、視線は地面を見つめ続けている。  一体どんな言葉が飛んでくるか分からない。  どれほどの怒りを買ったか分からない。  だが、どんな叱責でも甘んじて受けようと、エリカは考えていた。 「……本当に、反省しているのか」  まほが言う。 「は、はい!」  声を震わせながら言うエリカ。  そんなエリカに、まほは―― 「ならいい。今後気をつけることだ」  と言って、ぽんぽんとエリカの肩を叩いた。

25 18/01/20(土)23:38:27 No.480015574

「え……?」  エリカは鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしながら、頭を上げた。  そこには、柔和な笑みを浮かべるまほとみほの姿があった。 「いいかエリカ。これは練習試合だ。そこでの失敗は、お前のこれからの糧となる。私は、お前が失敗するのを分かっててあえてお前の案を受け入れたんだ」 「そ、そんな……盤石な勝利を捨ててまで……?」 「確かに私達が間違いを正せば勝利は確実だっただろう。だが、今回はあくまでお前たち一年生が主軸になって戦う試合だ。それで敗北することになったとしても、それはお前たちの判断の結果だ。私達が関与することじゃない。今回も、みほに言われなければ私達上級生は手を出さないつもりだった」 「み……副隊長に……?」  エリカはみほのほうを見る。  みほは、苦笑いをエリカに向けた。 「ははは……その、ね。私も最初は止められてたんだ。でも、私だって一年生だから、一緒に戦ってもおかしくないよねってお姉ちゃんに言ったら、お姉ちゃ……隊長も納得してくれて……」 「副隊長……」

26 18/01/20(土)23:39:12 No.480015821

 エリカは目から涙が溢れそうになるのを必死で我慢した。  その涙の理由は二つ。  一つは嬉しさだった。  まほとみほが、そこまで自分達のことを考えてくれていたことに。  もう一つは、惨めさだった。一人舞い上がって、少し強気になった結果がこれである。普段通り冷静になれていればという、後悔を含んでいる惨めさだった。  エリカはその涙を必死で止める。  人前で泣くなど、エリカの虚勢癖が許さなかった。 「お二方とも……ありがとうございます!」  エリカは再び頭を下げた。  それに続いて、周りにいた一年生達も頭を下げた。  それをまほは無表情で、みほは困りながら受け止めた。  まほが後ろ姿を見せ去っていく。  みほが慌てながらそれについていき、頭を下げていた一年生達も頭を上げ歩き出す。  エリカはそんな中、一人ずっと頭を下げながら、この姉妹からあらゆることを学んでいこうと、心に決めるのであった。  まほは心から尊敬できる戦車乗りとして。

27 18/01/20(土)23:39:37 No.480015974

 みほは共に競い合うライバルとして。  エリカは、戦車道における何かを、西住姉妹に見た気がした。       ◇◆◇◆◇      エリカはそれからの中学校の戦車道生活において、様々なことを西住姉妹から吸収していった。  まほからは西住流における戦略、戦術とその心構えを。  みほからは彼女の自由な発想から来る普通の黒森峰の戦い方からは思いつかないような戦い方を。  そうしてエリカは、元々高かった能力を黒森峰でどんどんと開花させた。  それは、エリカを黒森峰の中核の一人とするほどのものであった。  一年の分隊長に選抜されたエリカは、そのまま二年になっても二年の分隊長を任された。まほとみほは引き続き隊長、副隊長を務めた。

28 18/01/20(土)23:40:04 No.480016179

 そのエリカ二年時の黒森峰は、中学戦車道において完全に頂点に君臨していたと言えよう。  撃てば必中、守りは固く、進む姿は乱れ無し、鉄の掟、鋼の心――その姿はまさしく西住流を表す言葉そのままだった。  当然、その年の全国戦車道中学生大会は優勝した。  エリカは西住姉妹の指揮の元、中学にして西住流の体現者となった。  また、エリカの西住姉妹との交わりは戦車道だけではなかった。私生活においても、彼女はまほとみほ、二人と深く繋がっていった。  みほは当然、同級生としてである。同じクラスの友人として、エリカとみほはとても親しい間柄の友人になっていった。 「みほ」 「エリカさん」  出会ったときからそのまま、お互いに気軽に名前を呼び合いながら笑い合う仲であり、よく休日一緒に遊ぶことが多かった。  そして、エリカが遊ぶ相手はみほ一人ではなかった。 「エリカ、今日はよろしく頼むわ」 「はい! 隊長!」 「ふふ、今日はオフなんだから隊長じゃないでしょ」 「……は、はい! まほさん!」

29 18/01/20(土)23:40:39 No.480016390

 エリカはみほを通じて、プライベートでもまほと付き合うようになった。  プライベートでのまほは、戦車道をしているときとは違って女の子らしい口調で話した。  そのことに最初エリカは驚いたが、すぐに打ち解けまほと同じく友人としての付き合いを始めた。まほは口調だけでなく、普段の生活においても女の子らしく、エリカとしても付き合いやすかった。  そうして西住姉妹と公私において交流して絆を深めていくうちに、西住姉妹はエリカにとって戦車道だけでなく、私的にも尊敬できる人間になっていった。  公私でまるで別人のように姿を変えるも、その芯はしっかりと通っており、凛々しい女性像の体現といったまほは、エリカの憧れとなった。  己の気弱な性分を隠すことなく、しかし戦車道では苛烈に戦うみほは、エリカのそうありたいという姿を現していた。 「もうやだエリカったら」 「ふふ、エリカさん面白いね」 「そ、そうですかね。ははは……」  西住姉妹と笑い合っている間だけは、本当の自分に近づけている気がした。いつも自分の身の回りを固めている嘘の姿から、少しだけ解放されている気がした。

30 18/01/20(土)23:41:18 No.480016631

 だが、やはりエリカは完全には本当の自分を曝け出すことができなかった。  今更それほど負担ではないとはいえ、落ち着けるのは一人のときだけであった。  虚勢の仮面はエリカの顔にすっかり張り付いており、その仮面を剥がすことはできなくなっていたのだ。  周囲からは今までの人生通り、『逸見エリカは強気な女性である』という認識が当然のものとなっていた。  それに加え、もう一つエリカにとって悩ましいことがあった。 「逸見ってやっぱり天才だよなー」 「うん、やっぱエリカちゃんて一つ頭抜けてるっていうかさー」 「あー私も逸見先輩みたいに才能があったらなぁ」  それは、エリカが周囲から天才と見なされていることだった。  エリカは確かに他人より少し戦車道の才はあるだろう。だが、それはあくまで少しであり、才能自体は天才というほどはなく、凡人の域に留まるにすぎない。そんなエリカが黒森峰の中核となれたのは、エリカが人の何倍も努力している成果だった。  エリカは言うなれば努力の天才と言ったところだった。

31 18/01/20(土)23:41:45 No.480016788

 それは、エリカが虚勢を保つためにしてきた術の結実であった。虚勢を張るには、それに見合った実力がなければすぐに虚勢がバレてしまう。そのため、影で努力し虚勢による虚像を実像にする必要があったのだ。  エリカは小学校の頃からずっと人に隠れて努力してきた。例えば、学校のテストで優秀な成績を取るために、遊ぶことなく必死に勉強に取り組み、しかし周囲にはまったく勉強をしていないように振る舞う。なぜなら、エリカは頭がいいと見られていたから。その周囲からの目を裏切るのが怖く、エリカは必死にテスト勉強をして、学年上位を保ち続けていた。  それは、戦車道においても変わらなかった。  最初はただ熱中していた故の努力であった。  しかし、周囲の目が『エリカは才能がある』という見方になってきてから、エリカの努力の仕方は変わった。  エリカはなるべく人のいない時間に訓練を行った。一人でできる訓練には限りがあるも、それでもエリカはできるだけのことをやってきた。そして、それを隠す努力も、である。  その結果が、エリカが天才と言われる所以となったのである。

32 18/01/20(土)23:42:08 No.480016927

 小学校までそのようにしてきたものだから、エリカは中学校でも同じようにした。それが例え自分を苦しめることになると分かっていても、やめられなかった。人間はそう簡単には生き方を変えられないのである。  もちろん、理解している人間もいた。まほやみほなどは、エリカが努力型であることを訓練を見ずとも見抜いている部分があった。  だがエリカはそのことを、自分のことを知ってくれている喜びではなく、知られている恐怖として捉えていた。  自分の虚勢の仮面をいつ引き剥がすかもしれないというその恐怖は、余計エリカに偽りのための努力を加速させた。  そうしていくうちに、エリカは三年生になった。  まほは一足先に高等部に入学し、中等部の戦車隊はみほが隊長、エリカが副隊長として率いることになった。  その年の黒森峰女学園中等部の戦車隊もまた、無類の強さを見せた。さすがにまほがいる年と比べると劣る部分があったが、それでも黒森峰は強かった。  黒森峰女学園中等部戦車隊は、その年も、前年と同じように全国大会で優勝を果たした。

33 18/01/20(土)23:42:26 No.480017031

 みほと一緒に優勝旗を持った嬉しさはエリカに無上の喜びを与えた。そのときは、虚勢も何もかも忘れて、みほと勝利を喜びあった。  ただ、その優勝もあいまって、エリカは後輩たちに羨望の目で見られる対象となり、そのことがなおのこと負担となったのだが。  みほもまた羨望の目で見られていたが、そのことを素直にエリカに「大変だよぉ」と打ち明けられる素直さに、エリカは嫉妬することもあった。  兎にも角にも、エリカにとって中学三年間は彼女の戦車道人生にとって大きな礎になったことは間違いない。  特に、西住姉妹との交流は彼女にとっての根幹をなす部分を形成するほどだった。  虚勢癖がより悪化していったという点に関しても、彼女の大部分を占める箇所を形成したことになる。  そうして、戦車道の腕、西住姉妹への信頼、そして虚勢癖をそれぞれ大きく膨らませつつ、エリカはついに黒森峰女学園高等部へと進学した。  つづく

34 18/01/20(土)23:43:26 No.480017352

第2話きたな…

35 18/01/20(土)23:44:28 No.480017643

これエリカ沈没ルートだとヤバいな…

36 18/01/20(土)23:44:40 No.480017723

お姉ちゃんの純粋な好意がやつを追い詰めていく…

37 18/01/20(土)23:46:44 No.480018287

大作すぎる…

38 18/01/20(土)23:48:38 No.480018849

あいつ

39 18/01/20(土)23:57:41 No.480021677

一気に暗黒面に墜ちる前に少しずつ少しずつやつの心が削られ蝕まれていくのが恐ろしい しかも原因が西住姉妹の好意と信頼だってのが更にヤバイ これって崩壊の時が来たら再起不能になるんじゃねえか

40 18/01/20(土)23:57:44 No.480021691

オイオイオイこいつ破裂して死ぬわ

41 18/01/21(日)00:01:35 No.480022739

>みほと同じ戦車に乗った搭乗員は、まるで魔法にかけられたようだったと、降りてすぐ他の生徒に話したほどだった 妹様がまさかあれほどの実力者であるとは思いませんでしたこれからも妹様の操縦手は自分が勤めますよ隊長それから新海先輩は近付かないで下さいここは私のポジションなんですけどー

42 18/01/21(日)00:02:44 No.480023064

斑鳩帰れや!

43 18/01/21(日)00:05:07 No.480023723

数年後のある日、カレースナックゴンに痩衰え銀髪が白髪に変貌した女性が来店する その変貌ぶりにお姉ちゃんさえやつだとは気付かない

44 18/01/21(日)00:05:55 No.480023950

浅見もいるんですけお!!

45 18/01/21(日)00:08:04 No.480024502

虚勢癖さえ無ければ みほが隊長なら副隊長は私に決まってるじゃない!の世界線もありえたのに…

46 18/01/21(日)00:09:01 No.480024734

これはもしかしてダークサイド「」なのかい?

47 18/01/21(日)00:10:19 No.480025049

2話の時点でこの状態なのがやば過ぎる

48 18/01/21(日)00:11:29 No.480025333

いつもダークサイド書いてフォースのバランス保ってる人だよね?

49 18/01/21(日)00:12:43 No.480025630

>周囲の目が『エリカは才能がある』という見方になってきてから、エリカの努力の仕方は変わった 地獄だ

50 18/01/21(日)00:12:51 No.480025668

>いつもダークサイド書いてフォースのバランス保ってる人だよね? 大丈夫?ライトサイド弱くない?ダークサイドに傾きすぎてない?

51 18/01/21(日)00:13:43 No.480025880

この先はずぶずぶコースか…

52 18/01/21(日)00:15:37 No.480026377

>この先はずぶずぶコースか… 一度優勝して頂点極めたから後は落ちて行くだけ

53 18/01/21(日)00:16:18 [す] No.480026534

>これはもしかしてダークサイド「」なのかい? はい メモ住でも以前言ったけど以前本にした作品を「」に還元している形になってます だから明日も明後日もこれぐらいの時間に投げようと思ってます よかったら付き合ってくれると嬉しいです

54 18/01/21(日)00:17:12 No.480026793

ごめんねエリちゃん…私が私が気弱だったばっかりに 許して許して許して許して許して………

55 18/01/21(日)00:18:13 No.480027072

>よかったら付き合ってくれると嬉しいです 勿論だ

56 18/01/21(日)00:20:15 No.480027626

楽しみなような恐いような…

57 18/01/21(日)00:21:08 No.480027872

この精神がガリガリ削られて行く感覚 「」ーク…暗黒面は素晴らしいぞぉ

58 18/01/21(日)00:22:21 No.480028228

まさか最後に銀の鍵を手に入れたりしないでしょうねえ

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