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18/01/09(火)00:01:31 SS ... のスレッド詳細

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18/01/09(火)00:01:31 No.477496734

SS 最終章ネタばれ アリクイさんVSサメさん三本勝負 ◆■◆ 「ねこにゃー先輩~!助けてくださぁ~い!」 それは練習終りの白昼のこと、ねこにゃーは格納庫で大勢の一年生達に囲まれた。 ヒナ鳥のようにぴいぴいと口々に言葉を発するのは大洗ウサギさんチーム。大洗中最も成長性があり、そして最もイマドキ女子の集まるチームである。 オタクが最も苦手とするイマドキ女子であるが、今のねこにゃーには戦車道で培ったコミュ力がある。 多少なりとも友人と呼べる人が増えた彼女はかろうじて硬直せず、一年生達を見渡すとやがてゆっくりと尋ねた。 「え、えっと…どうしたの? 何か、あったか…にゃー」 「新チームの人たち、私たちに意地悪するんです~!」 宇津木優季が勢いよく指し示す先を見ると、そこには無限軌道杯から参戦した新チームの五人(特に三人)がこちらを見てにんまりと笑っていた。 あまり品のある笑い方とも言えず、ねこにゃーは思わず一歩後ずさる。 オタクはイマドキ女子も苦手だが、ヤンキーはもっと苦手だった。

1 18/01/09(火)00:04:22 No.477497525

大洗サメさんチームは船舶科の荒くれ者からスカウトされており、その雰囲気は今までのどのチームとも違うアウトローさを持っている。 元々あまり他チームと関わりたがる方でもなかったが、特にウサギさんチームとの相性は悪く、 桂里奈、あや、あゆみらが余計な事を言っては、フリントやムラカミにシメられるという関係を最初の頃からずっと続けていたのだった。 「また怖いことされましたー!」 「サメの餌にするって言われました!」 「いや、私たちも悪い噂してたし…まず謝ろうよ……」 「何されちゃうのかわかんなくてぇ、怖いです~」 「たすけてください!」 「……」 あれこれとねこにゃーを囲むうさぎ六羽、梓の正論は風に流されてしまう。 さて──後輩に囲まれながらねこにゃーは思う。今までの自分であれば、何かうまいこと理由をつけて逃げていただろうと。 しかし今のねこにゃーは戦車道履修生で、そしてうさぎさんの誰よりも先輩の高校二年生である。 「よ、ようし……! ぼ、ぼぼボクが、しっかり言ってやる……にゃあ……」 今まで人に頼られることが少なかったということもあり、彼女はうさぎさんチームのお願いをあっさり聞いてしまった。

2 18/01/09(火)00:06:13 No.477497986

「うまく乗せられてるぴよ」 「ねこにゃー氏……これ私たちもやる流れモモ?」 そしてゲームをやりつつ後ろで聞いていたぴよたん、ももがーの二人組が、仕方ないなという風に肩をすくめるのだった。 「あ、あああああの! サメさん、チームぅ…」 「声が掠れてるナリ」 「引き受けた割に逃げ腰だっちゃ」 ぷるぷる震える指を突きつけながらねこにゃーは声を絞り上げる。 傍では、頭の後ろで手を組んだももがーとどこか冷やかな目のぴよたんが半歩距離を置いてそれを眺めていた。 「あ゛あ゛!?」 「今なんつった~?」 「随分調子こいた声が聞こえたけど……聞き間違いかねえ?」 それにノリノリで答えるのはムラカミ、ラム、フリントの三人。一歩踏み出して凄まれるとねこにゃーはひっと身を引く。 ごめんなさい、が喉の手前まで出かけたがそこは戦車道で鍛えた精神力と先輩力である。 自らを頼る一年生たちの顔を思い出すと、ぐっと歯の根を噛んで再び顔を向けた。

3 18/01/09(火)00:06:44 No.477498109

「う、ウサギさんチームのみんなを脅かすのは、止めてほしい……にゃあ」 「ん~? 何のことかね~?」 「何でアンタに言われなくちゃならねえんだ、あ?」 ラムとムラカミがどこか楽しげに悪い顔をして詰め寄るが、頼れる先輩としてで覚悟を固めたねこにゃーは顔を引きつらせつつも、退かない。 後ろから見ていたお銀は、そんなねこにゃーの様子に人知れず爽やかな笑みを浮かべ一歩前に出た。 「まあ待ちなムラカミ。アタシらもそこの猫耳も、今は同じチームの一員だ。そう邪険にするもんじゃないよ……」 そうして黒いマントをはためかすと、精悍な眼差しをアリクイさんチームの三人に向ける。 瓶底眼鏡、眼帯、そばかす。どん底の輩とはまるで違うタイプの風体に内心苦笑いしつつも彼女は続けた。 「とはいえ人の言うことをはいそうですかと聞いてちゃ、船底育ちの沽券に関わる。  ここは一丁、勝負と行こうじゃないか。  アンタらに合わせてこっちから三人。勝負の方法はそっちに任せる。  そっちが勝ったなら、矢鱈に脅かすような真似はしないと約束しよう」 「しょ、勝負……」

4 18/01/09(火)00:07:01 No.477498176

「ま、そんな度胸があればだけどね~」 「ヘタレ」 「とっとと帰ってミルクでも飲んでればあ?」 ラム、カトラス、フリントの三人に煽られ、ねこにゃーは珍しく逆上せ上がる。 「や、やぁってやるとも!…にゃあ」 「やっぱりこうなったっちゃ」 「まあ親友が頑張ってるっぴ。応援するぴよ」 勇ましく拳を握るねこにゃーに、友達ふたりは満更でもない顔で笑うのだった。

5 18/01/09(火)00:07:34 No.477498311

「さて……最初はもちろん、アンタが出るんだろう?」 「え、ボク?」 「ねこにゃー先輩、頑張って~♪」 「ぶったおせー!」 いつの間にかやってきていたウサギさんがアリクイさんチームの後ろできゃっきゃと声をかける。 「え、ええと……じゃあ、勝負の内容は……」 ここでねこにゃーは大いに迷った。 勝負の方法と聞いて真っ先に思い浮かんだのは戦車ゲームだが、それでは明らかに自分に有利過ぎる。 わざわざ決める権利を譲ってもらっているのに、それは流石にその、大人げない気がするのだ。 とはいえケンカはとても無理。戦車道対決は一人ではできないし、じゃんけんやあっちむいてホイじゃ簡単すぎる。 痛い思いをせず、自分と相手がそこそこ平等で、勝負になりそうなこと……と考えて、ねこにゃーの頭にひとつ浮かび上がるものがあった。 「か……カラオケ対決」 「乗った!!」 手元のマイクをくるくる回し、“大波”のフリントが即座に応えた。

6 18/01/09(火)00:08:14 No.477498456

「よぉ~~~ほ~をあ~げ~ろ~うみをいぃけ~~♪」 「フリントさん、歌うまーい!」 「それによく見たら、すっごく綺麗な人かも~?」 ロングスカートと長髪をなびかせ、十八番の「大洗の海賊のうた」を熱唱するフリント。 サメさんチームにしてみれば聞き慣れた声ではあるが他チームにとっては物珍しく、 またいつもうさぎさんチームを脅かしている一人とは思えない熱唱ぶりに、当のうさぎさんチームすら聞き入っていた。 「なな~つのうみを~こえて~くぞ~♪」 同じくマイクを持ったねこにゃーがスイとフリントの前に出て続きを歌う。 「……ねこにゃー氏、なんで歌えるモモ?」 「あの曲、昔やってたローカルアニメの挿入歌らしいっちゃ」 声の張りはやや劣るものの、アニソンカラオケで鍛えた精緻な音感で美声を響かせるねこにゃー。 フリントはその歌声に不敵に笑みを浮かべ、並び立つように一歩前へ。 「かぁ~~~ぜぇうけてどんとこ~い♪」 「さ~るがっそーもこわく~~ない~~♪」

7 18/01/09(火)00:08:46 No.477498591

フリント、ねこにゃーは二人とも高身長のモデル体型。 同じロングヘアーで美人顔の二人が並び歌う姿は、それはもう一枚の絵画のように様になっていた。 「こいで~♪ こいでこいで」 「食って~♪ 食って食って」 フリントは挑発的な眼差しをねこにゃーに向ける。 ねこにゃーは美しい切れ長の瞳を向けられてどこか気恥ずかしいものを感じつつ、しかし負けないぞという思いを込めて視線を返す。 見目麗しい二人が至近距離で見つめ合い歌う姿に、一部の多感な観客から黄色い声が上がった。 「呑んで~♪ 呑んで呑んで」 「吐いて吐いて~♪」 声が重なりあい、ぴったりと息の合ったコーラスとなって歌いあげる。 その後ギャラリーの盛り上がりとともに2番、3番と歌いあげ、終わるころには。 「……アンタ、なかなかやるね」 「キミも…にゃー」 二人はがっしりと手を組み合い、今度一緒にカラオケに行く事を約束するのだった。

8 18/01/09(火)00:09:04 No.477498667

「この場合、勝敗どうなるんだモモ?」 「引き分けでいいんじゃない~?勝ち負け決めるって雰囲気でもないし~」 歌声に酔ったラムがふらふらとそんな事をいうので、そういう事になった。 「……じゃ、じゃあ次……どうする、にゃー」 「……私が行くぴよ」 「私が最後モモ!?」 スクラムを組んで作戦会議の結果、次鋒ぴよたんが前に出る。 先んじられた!と悲鳴を上げる大将ももがーをよそに、サメさんチームはまだ少しナメた視線を向けていた。 「次はアンタか。勝負の方法は?」 ここでぴよたんは大いに迷った。が、先程のねこにゃーとほぼ同じ事を考えているので省略する。 やがて彼女は目を開き、ねこにゃーよりかは堂々とした態度で指を突きつけ挑戦した。 「腕相撲で勝負っちゃ!」 「乗った!!」 即座に応えたのは、“サルガッソー”のムラカミ。 誇示するように力こぶを作り、ひときわ不敵に笑うのだった。

9 18/01/09(火)00:09:21 No.477498730

どこから取り出したか木製の丸テーブルの上に両者は肘をつけ、中央でぐっと右手を組む。 「腕相撲勝負たあ、私らに勝たせてくれるのかい? 悪いね」 ムラカミが嫌らしい笑みを浮かべれば、ぴよたんは。 「甘く見てると、痛い目見るぴよ」 と返す。ムラカミは余裕のある答えが気に食わず眉根に皺を寄せ、握る力をより強める。ぴよたんの顔が鈍い痛みに歪んだ。 「ぴよたん先輩、大丈夫かな……」 「しんじゃいそう……」 心配する一年生ズ。しかし傍らで眺めるねこにゃー、ももがーの二人はただ無言を貫く。その心のうちは読めない。 やがて審判のカトラスが二人の手を握り、そして。 「レディ……ゴー」 離した瞬間、一帯に隕石が衝突したような衝撃波が襲った。 「ぐっ……!?」 ムラカミの顔が驚愕で満ちる。少し遊んでやろうと思っていた余力は吹っ飛び、 ただ万力のような力で決めに掛かるぴよたんの上腕二等筋に抵抗する事に全力を傾けた。

10 18/01/09(火)00:09:40 No.477498820

既にムラカミの拳はテーブルから二、三ミリの所まで追い詰められていたのである。これにはお銀ですら目を見開いて驚いた。 「うほっ!? マジかよ!」 「ぴよたん先輩つえー!」 「やっちまえー!」 一年生ズが両手を叩き応援する。ぴよたんは一気に決めようとさらに力を込めるが。 「……な、めんなぁぁっ!」 ムラカミは更に力こぶを隆起させ、腕に青筋を走らせて一気に持ち直す。二人の豊満なバストがぶるんと揺れ、腕は初期位置まで持ち直した。 「くっ……! さすがに、やる、ぴよ…!」 「その語尾……力が、抜けんだよォ…!」 そう言いつつも口元に笑みを浮かべ、身体を震わせてムラカミは引き倒しにかかる。 しかしぴよたんも負けてはいない。謎の筋トレで異様についた筋肉をフル活用し耐え忍んだ。 二人とも体中の筋肉が打ちふるえ、戦車道チームでも一、二を争う巨乳がたわわに震えていた。腕相撲は前傾姿勢になるので余計目立つのである。

11 18/01/09(火)00:10:34 No.477499078

そして、審判のカトラスはその立ち位置ゆえにもっともその迫力を直に受ける。 ふと自分の胸を見る。どこまでもゆるやかな起伏でしかないそれに、内心溜息。 おまけに先ほどのフリントとねこにゃーの高身長二人が頭に浮かぶ。 比べる相手が悪いとはいえ、身長然りバスト然り同世代としてここまで差がつくものか……と思わずにはいられない。 見れば相手チームの三人目、桃の眼帯をつけた冗談みたいな見た目の少女と眼があった。その胸は自分と同じくらい平坦である。 しかし彼女は視線の意図を察したのか、他の面々が勝負に夢中になってる隙に、己の双丘を強調するように胸を反る。 そしてカトラスの胸に視線を向けると、小さく勝ち誇った笑みを浮かべる。 「……ふっ」 「……あ゛?」 ぴしり、と青筋が走った。

12 18/01/09(火)00:10:56 No.477499174

「くっ……どぉーらぁ!」 「ぴぃ…よ…たんっ!」 人知れずもう一つの戦いが勃発する中、本筋の戦いもいよいよ決着を迎えようとしていた。 組み合った両手はがっしりと握られ白くなり、反対に顔は力の込めすぎで赤くなる。 丸テーブルにヒビが入った。互いに終わりが近い事を感じ、呼吸が止まる。 「……っちゃァーッ!!」 「……っらァーッ!!」 瞬間、再び衝撃と土煙が舞う。 拳を打ちつける勢いで風が渦巻き、あまりの衝撃に観客は足に力を込め地を踏む。しかし体重が足らず桂里奈ちゃんが吹っ飛ばされた。 「きゃー!?」 「あいー!?」 「ムラカミ!」 「ぴよたん氏、無事にゃ!?」 もうもうと立ち込める土煙が晴れる。粉砕された丸テーブルの破片の中、倒れ込む二人。 中央に握った手。相手を組み敷いて上に立ったのは、ぴよたんの拳だった。

13 18/01/09(火)00:11:37 No.477499367

「……勝者、アリクイさんチーム」 カトラスが淡々と告げると、敵味方問わずギャラリーが喝采を上げる。 「やったにゃー!」 「ぴよたん先輩、すごいです!」 「あーらら……こりゃ完敗だね」 「ぐ……!」 呻きながら身体を起こすムラカミ。 ぴよたんが手を差し伸べるが、彼女は水兵帽を深く被り直すとその手を無視して立ち上がった。 「……フン!」 歯噛みしながらお銀らのもとに戻る広い背中を見つめ、ぴよたんは苦笑しつつ腕を高く上げた。 「勝利っちゃ!」 これでアリクイさんチームの一勝一分け。リードを果たしたぴよたんに賞賛の視線が注がれる。 ただカトラスだけは、違う人物に視線を向け次の勝負を待ち構えていた。

14 18/01/09(火)00:11:53 No.477499432

「さて、次の勝負は……」 お銀がももがーに目を向ける。しかし声は隣の“生しらす丼”カトラスから上がった。 「プロポーション勝負」 「え、いやカトラス」 「プロポーション勝負。私がそこの眼帯と、やる」 「乗ったモモ!」 どこから取り出したかカニスプーンをももがーに突きつけ、カトラスは顎を引いてももがーに鋭い視線を送る。 ももがーは視線を受けつつ、どんと胸を叩き自信満々に笑う。 さして体型も変わらないくせに「お前になら勝てる」と言われているようで更にカトラスを苛立たせた。 「……潰す!」 「やってみろナリ!」 三試合中一番害のない、しかし三試合中一番アツい戦いが始まった。

15 18/01/09(火)00:12:23 No.477499576

「しっかし、最後がこんな勝負になるたぁね……」 ムラカミがぶつくさと文句を垂れながらメジャーでカトラスのトップバストを計測する。 「平和でいいっちゃ。さっきはちょっと熱くなりすぎたぴよ」 ぴよたんもバンザイをしているももがーの胸に巻き尺を当てる。 その様子がいかにも大人しくて、競争とは無縁の顔つきなものだから……ムラカミは内心嘆息した。 「ったく……どっちが本当のアンタなんだ」 「ぴ?」 「……ンでもねえよ」 のんきな顔を向けるぴよたんからふいと視線を逸らしつつ、ムラカミは初めて知ったどん底仲間の3サイズを書き入れていくのだった。

16 18/01/09(火)00:12:46 No.477499701

「結果発表~」 「どんどんぱちぱち」 二人の計測結果を手にしたラムがだらりとした声で呼びかける。 あやがはやし立てるとラムは気分を良くしたようで、瓶をマイクに見立ててノリ良く声を上げた。 「まずカトラス~。バスト75ぉ~」 「まけた!」 「負けた~」 「勝った!」 「あ?」 「ごめんなさい!」 うさぎさんチームが結果を受け、勝った負けたと騒ぎ立てる。 負けたと騒ぐ分にはよかったが、勝ったと騒ぐ山郷あゆみにはもれなくカトラスのガンが飛んだ。 「んで次、桃眼帯~。バスト……73!」 「ももんがッ!?」 「っし!!」

17 18/01/09(火)00:13:32 No.477499934

驚愕に仰け反るももがー。一方のカトラスは普段見ないほど感情をむき出しにし拳を握ると高く掲げた。 しかしすぐにはっとして拳をゆっくり下ろすと、どこか自慢げにももがーを見下す。 「……ふふ、負け犬」 「日の光に騙されたもも…陰影で実際より小さく見えたナリ…」 「ももがーさん、しっかり!」 「大丈夫!私達まだ成長途中だし、だいたいカトラスさんだって平均と比べれば全然──」 「そこの二つ結び、眼鏡割られたい?」 「ごめんなさい!」 地に手をつき色々な意味で打ちひしがれるももがー。一年生は再び余計な事を言いカトラスに首根っこをつかまれるのだった。

18 18/01/09(火)00:14:01 No.477500056

「……一勝一敗一分け。まさか引き分けになるとはね。さて、どうしたものかな」 三試合が終わりお銀が呟く。 元々、うさぎさんチームへの対応を賭けた戦いである。 どう始末をつけたものかと思案していると、ラムがいつの間にか横に立ちにっこりと笑った。 「もう、戦う必要もないんじゃないかな~?」 そう言って辺りを指差す。そこにはサメさんチームの面々……。 そして、それを囲んで質問攻めにするウサギさんチームとアリクイさんチームがいた。 「ちょ、アンタたち……気安く近づくなって……」 「他にどんな歌歌えるんですか!?」 「ウルトラメンの歌歌えますか!?」 「あはは……大人気、にゃー」 「ちょっと! 助けてよ猫!」

19 18/01/09(火)00:14:27 No.477500187

「何してたらそんなに強くなるんですか!?」 「どうやったらおっぱいおっきくなりますか!」 「あーっうるせぇっ! 近寄るなガキどもッ!」 「まあまあ、同じチームっちゃ。ちょっとくらい聞いてあげるぴよ」 「ぐ……っ」 「大丈夫ですよ、まだ未来があります!」 「一緒にバストアップ用品試しましょう!」 「……」 「……眼帯。こいつらサメの餌にしていい?」 「体型で勝負したのはそっちモモ。我慢するナリ」 その光景を表すなら、和気藹藹。まだ態度は尖っているもののとても拒絶しているようにも見えず、 またウサギさんチームからも恐れる心がすっかり消え失せてしまっている。

20 18/01/09(火)00:15:00 No.477500346

「この状態で、もう意地悪は出来ないでしょ~」 「……はは。まあね」 雨降って地固まる──とでも言うべきだろうか。 もともと船底のろくでなしだらけの環境を生きてきたサメさんチームにとって、他チームと打ち解けることは簡単じゃない。 だが簡単じゃないだけで、不可能ではないのだ。 現にこの対決騒ぎが功を奏し、少なくともウサギさんチームはすっかり馴染んでしまっていた。 「あいつらには、感謝すべきかな」 「いや~、いいですよぉ。どうせ狙ったわけでもないですしょうし~」 ラムがへらへらと言う。見れば、ねこにゃーが一年生に囲まれるフリントの傍らでこちらをそっと向き、ちょいちょいと手招きする。 輪から外れている二人を見て、彼女なりに気を使ってくれたのだろう。ふっと笑いマントをたなびかせ、お銀は輪の中へ。

21 18/01/09(火)00:15:52 No.477500598

「ま、どん底育ちが陸に出たんだ。アタシらも少しずつ、変わっていかなきゃね」 「う~ぃ。さぁて、私のノンアルコール酒の味が分かるやつは……いるかな?」 瓶を片手にふらふらと歩くラムと、何か新しいものを期待するように颯爽と歩くお銀。 こうしてどん底のならず者達は少しずつ、大洗戦車道チームの一員へとその在り方を変えていくのだった。

22 18/01/09(火)00:19:35 No.477501667

終わり!サメさんチームいいよね! 3サイズとか海賊の歌とかいろいろ空想で書いてるから気を付けろ! てきすと! su2185193.txt

23 18/01/09(火)00:22:22 No.477502466

いい… ねこにゃーとフリントさんのコンビ流行らないかな…

24 18/01/09(火)00:23:52 No.477502871

組み合わせの妙とほのぼのとした雰囲気がいい… アリクイさんって意外とエミュしにくいのに皆こういうこと言いそうですごい

25 18/01/09(火)00:39:54 No.477507246

ぴよムラっぱいいい…

26 18/01/09(火)00:44:55 No.477508877

そうそう!こういう話が読みたかった!

27 18/01/09(火)00:46:44 No.477509434

サメさんは色んな組み合わせの可能性を秘めてるよね…

28 18/01/09(火)00:48:17 No.477509949

実際ウサギさんはサメさんに懐きそうである サメさんは面倒見良さそうである

29 18/01/09(火)00:57:19 No.477512451

>どうやったらおっぱいおっきくなりますか! 無理だと思うよかりなちゃん…

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