虹裏img歴史資料館

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17/07/20(木)09:08:50 西住S... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1500509330597.jpg 17/07/20(木)09:08:50 No.440866204

西住S! 初めての人はこんにちは! そうでない人はお久しぶりです わたしは西住みほ。どこにでもいる高校二年生 ある日他の世界からいろんな西住みほがやってきた どこにでもあるベタなドタバタコメディ……と思ったら世界の危機まで訪れて わたしはこれからその仕掛け人、欠住と対話しようとしている わたしったらこれからいったいどうなっちゃうの?! su1944487.txt

1 17/07/20(木)09:09:09 No.440866230

『欠住――』  わたしは意識を集中する。額が熱くなる。  ――三次元アバター空間を想定する。それは怖いくらいスムーズに移行出来た。  いつもなら真っ暗な空間が目の前に広がるけれど、今日は違った。さっきまで目に見えていた荒野がそのままある。荒野はゆっくりと回転して炭化し、弾け、再びどこからか荒野が生えてくる。  異次元の万華鏡だ。  万華鏡を覗き込むと出てくる小さな輝きは、影住だった。 「アアアンアンアアアンアン」 「ミンナトセンシャドウデキテミンナトアエテホントウニヨカッタ」 「アノフタリニハアノフタリニハゼッタイゼッタイカナワナイ」  これは、わたしたちの欠片だ。  この脈絡の無い狂い方は、オリジナルとの情報伝達を断ち切られ、自分の手の中の情報だけを擦り切れるほど再生して壊れたESPAそのままだ。  彼らは何本もの首が生え足が生え手が生えて、内臓と皮膚が絶えず入れ替わっていた。  この影住は、その情報が情報を食い尽くした果てに生まれた燃えかすなのだ。

2 17/07/20(木)09:09:35 No.440866263

「ワタシノオオアライハイカンニナッチャッタ」 「ミンナシンジャッタ」 「ダメニナッチャッタ」 「アアアンアアアアンアンアンアン」 「綺麗な光だね」  誰かが呼びかけてきた。  光の粒子にくるまれた「わたし」の目の前に、欠住が立っていた。  現実世界では見えない、黒い根が全身を這い回っていた。 『欠住』 「なに?」  ESPの世界では欠住にも両腕がある。当たり前だ。遺伝子レベルで記録された情報はESPの世界に残っている。彼女はその手で髪をかき上げて見せた。 「βがいったい何の用かな」 『どうしてこんなことするの?』  しばらく沈黙が覆った。

3 17/07/20(木)09:10:03 No.440866299

「ここはオリジナルから欠け落ちた欠片の世界なんだ」  欠住にわたしは頷く。 「西住みほがいるから生まれた意識の残り香……」 「カスだよ」  欠住が吐き捨てる。 「何にもなれなかった西住みほの残りカスだ」 「それって、ネガティブな心ってこと?」 「ポジティブでも同じだよ。  幸せが約束されいても、彼女たちの時は動かない。書きかけの小説が放置されたみたいなものさ。  この世に要らないと言われた西住みほだ。オリジナルとの道も途切れている」  言葉にならない。  でもなんでそんなことが? 「もう西住みほの物語は終わっているからさ。  大洗女子学園を守ったことで、オリジナルの使命は果たされている。後は誰からも望まれていない。  終わっているから同じ場所をぐるぐるぐるぐる回るだけ。

4 17/07/20(木)09:10:20 No.440866321

 エンターエンターミッション」  歌うように欠住が言った。  つまりそういうのが嫌だってことなんだろうか。  この、オリジナルから抜け落ちた可能性の欠片が存在することが――。 「それを消したくて、この世界を消したいの?」  尋ねると彼女は目を伏せる。 「そう――とも言えるかな」 「あ! でももしかしたら欠住が考えてるほど酷いわけじゃないかもしれないじゃん! 続編決定! とか最終章開始! みたいにまだまだ未来が続いてたりさぁ」 「最終章って――終わってるじゃん」  欠住の突っ込みに頭を掻いた。そういえばそうだ。あはは。  って笑ってる場合じゃなくて!! 「ともかくわたしたちは実際生きてるわけだし、これからいろんなことがあるかもしれないじゃない!」 「無かったらどうする」  欠住が言った。 「影住は今のわたしたちから量産されていく」

5 17/07/20(木)09:10:38 No.440866347

「それは今の可能性だからじゃないの?」 「……そうだね。その可能性もある。ここで終わりというわけではないかもしれない」  欠住の口調が変わった! どこか希望の持てそうな優しい雰囲気。もしかしたらこれいけるかも!  わたしは最後の一押しをする。 「みんなだっているしさ。力を合わせていけばどんな困難もだいじょーV! みたいな!」 「あはは。そうだね。みんながいる」  ほっとした。つい口走る。 「よかった――。仲が悪かったらどうしようかと思ったよ」 「仲が悪いどころか、みんなよくしてくれる。大好きだよ」  欠住が笑った。 「無茶な作戦にも乗ってくれるし、すごく心配もしてくれる。わたしの気持ちを察して動いてくれる。  わたしはわたしの世界じゃ“軍神”なんて言われているけれど、みんながいてくれたから出来たんだし。  杏も――」  あ、欠住も会長好きなんだ。やっぱりこの世界で会長を頼ったのって、会長が好きだったからなんだな。  うんうん、とわたしは頭を振った。

6 17/07/20(木)09:10:58 No.440866381

「だから世界を滅ぼすなんて止めて」 「やめない」  きっぱりと欠住は言った。 「もう、あんな申し訳なさそうな顔でわたしを見るみんなに、耐えられないんだ」  ぽろりと、零れた、涙。 「ちょっと欠住」 「欠けているんだよ。足りないんだ! 腕が無いだけで! 腕が!!」  欠住が自分の腕を握ると、ぼろぼろと黒く砕けていく。止めようとしたところで急に引き戻されるような感覚に陥る。 「欠住!」  叫んだ声は、もう届かない。世界が全部一つに集約されていくのが見えて、一瞬、十字架に貼り付けにされたオリジナルが見えて。 「欠住っ!」  戻ってきた。  実際意識はこちらの世界にもあった。現実ではわたしは指示を出して、みんなと合流し、押し寄せる敵を倒しているところだった。汗がどっと出てきた。  さおりんにみんなの状況を確認して貰う。その間にわたしはすかさず意識を別のところへとつなぎ直した。  意識が切れる瞬間、わたしは欠住のなかから情報の欠片を手に入れている。欠住が次に狙うところは。

7 17/07/20(木)09:11:15 No.440866405

『お姉ちゃん!』 『どうした』  冷静な声が返ってきた。 『欠住が、そっちを狙う! 気をつけて』 『どうりで影の戦車が突然スーパーアンコウを狙い始めたわけだ。ありがとう』 『そんなこといわれなくたって、おねえちゃんはまけないんだからね!』  陽住が勝手にESPに割り込んできた。 『軍神だか単身だかなんだかしらないけど! わたしたちがそろったらあんしん! てきのたくらみなんかさんしんだよ!』 「みぽりん、if住さん達は目の前の敵が多すぎてまほさんの援軍には行けないって」 「麻子さん! これからわたしが指示する場所に急いで! レオポンさんとカバさんは続いて下さい。アリクイさんはうざ住と合流して、しかる後にわたしたちを追ってきて!」 「まったくみほは便利だな」  麻子が冷静に戦車を動かしながら言う。 「頭のなかに直接地図が出てくる」 「ちょっと麻子、大丈夫?」 「任せろ、わたしは天才だ」

8 17/07/20(木)09:11:33 No.440866431

 最前線は随分距離が離れている。地平線の向こうで、スーパーアンコウの攻撃だろうか、チカチカと光り輝くものを見ながらわたしの心ははやっていた。  お姉ちゃんがうちのお姉ちゃんと同じくらい出来るのなら、きっと欠住よりも能力は上なはずだ。  ただ、もしアレが無ければの話だけど。  その懸念を口にしたら現実になってしまいそうで怖くて、わたしは口に出せないでいる。  Ⅳ号が唸りを上げる。  校舎付近の戦いは、そろそろ決着がつきそうだった。

9 17/07/20(木)09:15:06 No.440866835

うう~~今日はほとんど進んでなくてゴメン でもこれで17章はおしまい 次回はいよいよ欠住との対決! お姉ちゃんは果たして欠住に勝てるのか 「勝つよ! あったりまえじゃん!」 わ! 陽住! 「うちのおねえちゃんはす~~っごくつよいんだもん欠住なんかにまけないぞ」 「たしかにお姉ちゃんは強い」 「なんだよ欠住! もんくあるの!?」 「いや。でもお姉ちゃんに隙が出来たらどうかな」 欠住の狙う策とは、そして戦いの行方は! 次回 軍神欠住 出来れば明日! お楽しみに!!

10 17/07/20(木)09:15:49 No.440866907

待ってた!

11 17/07/20(木)09:15:59 No.440866921

待ってた

12 17/07/20(木)09:22:06 No.440867472

>書きかけの小説が放置されたみたいなものさ 耳が痛いでございますわー!

13 17/07/20(木)09:28:33 No.440868019

生きている軍神…

14 17/07/20(木)09:33:11 No.440868437

>軍神だか単身だかなんだかしらないけど! わたしたちがそろったらあんしん! てきのたくらみなんかさんしんだよ! 私は…私は半身なんだ!腕が無いんだよ!

15 17/07/20(木)09:43:17 No.440869378

可能性を具現化した西住Sが可能性を証明するするスーパーアンコウ=古今西住に乗って可能性を否定する影住と戦ってるのね 次回が楽しみだ

16 17/07/20(木)10:03:44 No.440870597

西住Sやお姉ちゃんSがいる様にそれぞれの世界にダージリンSや安斎Sもいるんだろうね そのうち江戸っ子べらんめえ口調のペコさんとか出て来たりして

17 17/07/20(木)10:10:45 No.440870942

あんこう踊りbotがいる

18 17/07/20(木)10:30:09 No.440871865

次回も楽しみに待ってる

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