虹裏img歴史資料館

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17/06/20(火)01:37:05  ダー... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1497890225350.jpg 17/06/20(火)01:37:05 No.434617737

 ダージリンは激怒した。必ずかの邪知暴虐な文科省を倒さねばならないと決意した。ダージリンに国政はわからない。学園艦という国の中のほんの一部で戦車を走らせて生きてきた。けれども大洗の友達を助けるためにGi6を野に放ち自身も集められるだけ情報を集め、一矢報いる策を練った。

1 17/06/20(火)01:37:36 No.434617800

2  真っ白いユニホームに藍色の帽子と靴下でそろえた聖グロリアーナ野球部のメンバーが勢いよく出てくる。その中でサードにはダージリン、セカンドにはルクリリが助っ人として守備に就いた。  「初耳でした。野球をやっていたなんて。」 「小学生の時は野球チームに入っていたそうよ。万年補欠だったそうだけど…」  最近は増えてきたとはいえ、小学生ぐらいの子供たちが入るジュニアリーグでも女子選手が試合に出るのは珍しいことだった。そして、その才能に恵まれなかったダージリンもジュニアリーグでは試合に出たことがなかった。

2 17/06/20(火)01:37:58 No.434617856

 主審がプレイボールを宣告して試合が始まった。一回の表は相手である聖グロリアーナ学園艦の草野球チーム。この日の試合は今試合が行われているこのグラウンドを優先的に使用できる権利をかけた試合だ。 「アッサム様はダージリン様の野球をやっていた時の姿を見たことあるのですか?」 「私たちが知り合ったときはダージリンはもう野球から足を洗っていたわ。でも何度かキャッチボールをしている姿を持たことならあるわね。」

3 17/06/20(火)01:38:14 No.434617904

 初回の草野球チームの攻撃はグロリアーナ野球部のエースで四番であるミシェル・ラミレスの好投で三者凡退に終わった。チームとしては幸先のいい立ち上がりだった。 「あのピッチャーダージリンと同じ小学校だったの。野球に対して真摯ででもとてもお茶目でユーモラスな人。」 「それで今日の助っ人に名乗りを上げたのですね。」 「ええ、それもそうだけど…きっとダージリンなら…そうじゃなくても手を差し伸べたわ。そう、あの時のようにね。」  野球部の攻撃が三人で終わっていくのを見ながらオレンジペコは大洗のために戦った日々を思い出していた。

4 17/06/20(火)01:38:42 No.434617975

「それが聖グロリアーナの戦車道だから?」 「いいえ。それがダージリンだからよ。」  相手チームはランナーが出るも5、4,3のダブルプレーで攻撃を終わらせる。 「ダージリン様もルクリリ様もお上手ですね。」  その声を聴いていたのか、話しているスタンドに手を振りながらネクストバッターズサークルに向かった。そこで素振りを数回すると打席が巡ってきて、三球で三振した。

5 17/06/20(火)01:39:08 No.434618029

3  聖グロリアーナ戦車道隊長室には二人の」OGが訪ねてきていた。 「本当は伝えたくなかったけど…伝えなかったら私のこと一生恨むでしょ?」  笑いながらそう言ったアールグレイは大学選抜に急きょ伝わった試合の話をしていた。 「本当は外部には漏らしてはいけないのだが…」  神妙な面持ちで隣に座るベルガモットが車両の編成表を差し出す。普段、二人が並ぶとその美しい金色の髪に目を奪われるのだがこの日は二人ともその姿を隠すような静かな服を着ていた。

6 17/06/20(火)01:39:25 No.434618060

「お二人とも危険を冒してまでこの情報をありがとうございます。大事に使わせていただきますわ。」 二人をまっすぐに見つめたダージリンはそう言ってほほ笑むと渡された数枚の手書きの資料をそっと机の引き出しにしまった。 「しかし、コピー機も使えないなんてよほどの重大な機密なのね。」 「茶化すなダージリン。アールグレイが身を危険にさらしてまで得た情報だ。お前の笑顔のために。」

7 17/06/20(火)01:39:41 No.434618096

「わかってますわベルガモット様。ですが事の重大さから、あいにく笑顔はしばらくお預けかと。」 「いいのよダージリン。それとベルガモット、ありがとう。私はこんなふざけたことで学園艦が廃校になる。この不条理を許せなかったの。でも自分にできるのはここまで。」 「私がその跡を継ぎますわ。」 「私の隊長職を継いだから?」 「ええ。隊長職とあなたの魂を継いだから。」

8 17/06/20(火)01:39:59 No.434618139

4  打者は二巡目に入り、相手のチームの攻撃はさすが大人といったところで怪しい球はファールで粘り、甘く入った球をフェアゾーンへと運ぶ攻撃で、早くも先発投手は多くの球数を投げさせられていた。 「まずいわね。玉数が多すぎる…これがただの草野球ならいいけど、今日は負けた時の対価が大きすぎるわ。」 「でもエースがこれでは選手層が薄すぎるグロリアーナ野球部は出す投手がいない…」  ここでセカンドに入っている助っ人のルクリリがタイムをかける。一斉に集まる内野を守る選手たち。マウンドでの短い話し合いの末ルクリリが声を出す。 「ピッチャー交代。ピッチャー私!」

9 17/06/20(火)01:40:15 No.434618174

 相手ベンチから失笑が漏れる中ルクリリはアンダースローで投球練習を始めた。  セカンドにさっきまで投げていたラミレスが入り、球審が試合が再開を宣言する。 「ルクリリはソフトボールを少ししてたそうよ。たまに軟式の助っ人で投げてたともいってたわね。」 「だから下から投げてるんですか?」  膝元のシンカーと大きく逃げていくカーブで残りの打者を見事ピッチャーゴロに打ち取って見せて無事にこのイニングを終わらせた。

10 17/06/20(火)01:40:38 No.434618218

5  その日、聖グロリアーナ戦車道チーム隊長は教会の懺悔室にいた。そして神に向かい、己のわがままを懺悔していた。 「神よ。懺悔します。私は己のわがままのため、皆の人生を左右する決断を迫ろうとしています。でも私はどうしても友を助けに行きたい!何としてもその暴挙を止めたい。」 「神はお許しになるわ。」  その言葉とともに懺悔室の相手の扉が開く音がする。ダージリンはこれでシスタールクリリがOG会に連絡してくれると踏んでいた。そうすればOG会が動く。現役の私より古参OGであるシスターが騒げば、だんまりを決め込んでいた省庁に入ったOG達が黙っていない。コレで少しでも状況がよくなればと思いながら部屋を出た。

11 17/06/20(火)01:40:57 No.434618265

「え…シスター?それは?」 「あら?ダーちゃんよく教会の敷地でキャッチボールしてたじゃない。私じゃ役不足?」 「そんなことありませんわ。ですがシスター、聞き及ぶところによりますとかなり個性的な軌道の球を投げるとか。」 「そうね、私下手だから近い距離でゆっくりね。」 こうして二人の奇妙なキャッチボールが始まった。 「ねえダーちゃん?どこまで知ってる?」  弓なりの軌道でシスターがボールを放る。

12 17/06/20(火)01:41:13 No.434618302

ラミちゃんです

13 17/06/20(火)01:41:16 No.434618307

 パシッと言う音を立てながらダージリンのグローブに吸い込まれる。 「近いうちに大洗が無残に潰されると。」  パシッ 「じゃあもう学園艦を奪われ、戦車を一時的にサンダースに預けたのは?」 パシッ 「戦車が彼女たちに帰ってきたことと、北海道での試合のことまでは知っています。」 「なら、動き出すべきね。戦車道があるすべての学園艦に連絡をするべきよ。」 キャッチボールは終わり、シスターが近寄ってくる。ダージリンは自分のグローブに入っているボールを眺めていた。

14 17/06/20(火)01:41:34 No.434618346

>ラミちゃんです ゲッツ!!

15 17/06/20(火)01:42:27 No.434618463

6 「練習試合には出ていたそうだけど、お世辞にもうまいとは言えなかったそうよ。」 「運動音痴だったのですか?」 「それよりも目が悪かったの、動体視力のほうがね。だからボールを打つのがまるでダメだったそうよ。」  打席では変化球に体を崩され崩れながら三振をするダージリンがいた。

16 17/06/20(火)01:42:49 No.434618517

7  ダージリンは紅茶の園に戻るとアッサム達にほかの学園艦へ援軍のお願いをだした。無論極秘中の極秘で、表向きは優雅に紅茶を嗜んでいる。そしてその水面下では、慌ただしく動き回っていた。 「ダージリン様いらっしゃりますか!納得いきません。説明を求めます。」 「あら?どうかしたかしら?ルクリリ。貴方には残る者達への指導をお願いしたはず。」 「だからそのまま留守番ですか!私は必要が無いと!?」  烈火のごとく怒るルクリリを軽く受け流しながらダージリンは着席を促す。 「future」 「はい?」 「ルクリリ。貴方にはフューチャー。未来を任せたいの。この試合の後、私たちはどうなるかわからない。だからお願い、私たちの後の歴史を紡いで。」 「それはつまり…」 「私たちが北海道に発った後の聖グロリアーナを任せたわ。今から貴方を隊長代理とします。」

17 17/06/20(火)01:43:04 No.434618547

 ルクリリは驚いたかをを作るとすぐにまた深刻な顔に戻る。 「ふざけないでください。私はついて行きますよ!何なら隊長代理の権限を使ってでも良い!聖グロリアーナはいかなる時も優雅!だがしかし、友のために危険も顧みない貴方が作った歴史!コレを守るというのなら隊長の代理である私もその歴史を尊重して、継いで、体現するためにお供します。」 「むちゃくちゃね。でもいいわ、ルクリリマチルダを整備しておいて戴ける?」  ルクリリは片膝を立てダージリンをまっすぐに見つめる。 「はい。我が主。このルクリリ、貴方の盾となりチャーチルに、そして大洗に降りかかる厄災を払いのけることを誓います。」 「貴方の勇敢な戦い期待しているわ。」  その言葉を受けたルクリリはダージリンの手の甲にキスをすると、胸に拳をつけ、音がするように踵をそろえると部屋から出て行った。

18 17/06/20(火)01:43:32 No.434618597

8  両チーム無得点出来た試合は八回に動いた。リリーフをしたルクリリの球になれた相手チームはヒット二本で一三塁となり、この日二度目のエースの登板となった。この後ゲッツーの間に三塁走者が生還し不気味なほど静かに進んだ試合がここで動いた。この回はなんとか一点にしのいだが、その裏の攻撃は三者凡退となり、九回が始まった。 「この回0点に抑えたいわね。」 「しかし再びマウンドに上がったミシェルさんも限界が近いみたいです。」  二人の予想に対し後ろから反論が来る。 「そんな時だからこそ私たちが応援しなくでどうするんですか。」  後ろにはランチバケットを持ったニルギリとローズヒップがいた。 「遅くなりましたわ!アッサム様。すぐにバニラ達がランチを持ってきますわ。」 「味見と言ってローズヒップさんたらバケットにサンドイッチ詰めてすぐ行こうって…」 「ニルギリさんこそルクリリ様が気になってどうもしようがないと言った様子でしたわ。」 観客席が少しだけ騒がしくなったとき、グラウンドでは二死満塁の絶体絶命のピンチだった。

19 17/06/20(火)01:44:20 No.434618712

 相手打者は初球、インコースのストレートを詰まらせて三塁ベンチの手前に低いファールを打ち上げた。ベンチのすぐ手前で柵もあり、打球も低い。そこに猛然と走り込んだダージリンはベンチの中に転がり込みながら捕球する。  その瞬間その場にいた皆の時間が止まる。静寂に支配される。  その静寂に支配されたボールパークを解放したのは勇気ある者の左手だった。ダージリンの掲げたグローブの中には白球が入っていた。それを確認した審判は大きな声でアウトを宣告する。そして最後の攻撃に移った。 「流れ来てるわね。」 「あのダージリン様のプレーですわ!野球の神様は気まぐれで残酷だけど、決して真剣に取り組む者を笑ったりしないのですわ!」

20 17/06/20(火)01:44:50 No.434618776

 興奮をするローズヒップをよそに打席に入るルクリリをニルギリが黄色い声で声援を送る。それを背中越しに右手を挙げて答えると、二回素振りをして打席に立った。  結果から言うとルクリリはヒットを打った。公式記録は内野安打。三塁線上に強い打球を打ったルクリリは相手が打球処理を手間取る間に一塁に駆け抜けた。次の打者がバントでルクリリを二塁に送り一死二塁同点のランナーが得点圏に進んだ。ここで打者はダージリン。今までに打席三振に終わっている彼女だがその前の守備の印象か相手投手は投げずらそうだった。  スリーボールワンストライク。逆転のランナーを出したくないと思ったのかストライクゾーンに甘く入った球をダージリンは強くたたいた。球はバウンドし勢いよくショートを襲う。このとき打ったとともに次の塁へ走り出していたルクリリが打球と交差するショートは打球をよけるルクリリのせいか弾いてしまう。

21 17/06/20(火)01:45:06 No.434618812

打球が強かったおかげで大きくそれた打球は三塁と左翼の間を転がる三塁手は走者ルクリリのおかげでベースにつきっきりだったのでダージリンは悠々と二塁に到達する。そこでショートが何を焦ったのかルクリリの向かっていたホームに送球をする。ホームにボールが行ったのを見るやダージリンは全力で三塁に向かう。ルクリリが帰って同点、ダージリンの三塁を陥れた状態で相手キャッチャーがボールを後逸する。本来キャッチャーの後ろにいてそらした打球を処理するはずのファーストがなぜかこのとき自分の仕事を放棄して一塁ベーズ付近にいた。同じくピッチャーも三塁と本塁の間にいてボールが転がる間にサヨナラのランナーであるダージリンは本塁に到達した。

22 17/06/20(火)01:45:23 No.434618865

書き込みをした人によって削除されました

23 17/06/20(火)01:47:21 No.434619088

長いな…

24 17/06/20(火)01:47:27 No.434619094

 グラウンドに歓喜の輪が咲いた。 「ダージリン泥だらけね。」 「髪も乱れてしまってますわ!」 「もみくちゃにされちゃってます。」 「優雅では無いですね。」 「でも、美しい。」  ランチを持ってバニラ達が到着する。そう茶の園の住人達が集まる。その集団に歩き出すダージリンはすっかいりいつもの優雅なダージリンに戻っていた。

25 17/06/20(火)01:50:55 No.434619533

>長いな… ごめんねテキストで上げるので読みづらかったらこちらでも ss293558.txt お納めください

26 17/06/20(火)01:55:16 No.434620048

おつ 全部投げ終わったみたいだし読むかな…

27 17/06/20(火)01:58:19 No.434620449

相手側もわかってらっしゃる

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