虹裏のログを数日分だけ閲覧できるサイト

私と燈は星を見にいくと言って高松家を出ました。
そのまま羽丘までいって、燈がプチ私を見つけた所まで案内して貰いました。
校舎の影の植え込みの所には――灯りに照らされてうじゃうじゃとプチ私が犇めいていました。
「なんですのこれ……」
虫サイズの自分が大挙して蠢いているのは恐怖でした。
けれど燈は自分事ではないのもあって、冷静にその私達の中に踏み込んでいきます。
「燈！　危なくないんですの！？」
「祥ちゃん達……準備できたみたい」
なんの……！？　考えても分からないので、私と燈は二人でプチ私の行列を踏まないように辿っていきました。
そこにあるのは一本の桜の樹……今は葉桜ですわ。
大量の‟私〟はその根元にある穴？　に群がっています。
「どうしよう……ここなんだけど」
「燈、下がっていなさい」
私はプチ私の群れをかき分け、樹の根元を確認しました。
月明かりに照らされて僅かに何かが見え、私は手が汚れるのも構わずに土を掘り返しました。

プチ私が群がっていた埋まっていた物は毎日見ているようで見ていない物……腐乱しかけた私でした。
「あった……」
私の後ろからそれを覗き込んだ燈が安心したように呟きました。
「何が起きているか分かりませんが、事件ですわね……燈、誰か呼びますわよ」
「ううん……これでいい」
「え？」
埋まっている私の前にしゃがみこんだ燈は目を閉じているもう一人の私の顔面をわしづかみにして、一気に引っ張り上げました。
月明かりに照らされる全裸の腐乱私とそれに群がるプチ私の群れ……気が狂いそうでした。
「私がここに埋めておいた祥ちゃんの亡骸……」
「え……お待ちになって燈。それなら今喋っている私はなんなんですの。いえこの小さい私もなんなんですの」
「え……」
私の問いかけに、燈は不思議そうな顔をして見つめ返してきました。
「祥ちゃん……まだ気づいてないの？」
その顔は生きた人間を見る顔にしては余りにも冷た過ぎて、私は不吉な予感を感じました。
「何に気づいていないんですの……？」

「私が、祥ちゃんを殺して埋めた事……」
その時、無数のプチ私が一斉にケラケラと笑い出しました。
記憶――記憶の混濁が起きました。
桜が咲いていた頃に燈に殺されて、ここに埋められて、精神体だけで生きていた……キーボードまで弾いていました。
その間に私の体はプチ私を生み続けて、それが新たな細胞となる――本能が理解しました。
「思い出しましたわ……燈が痴情のもつれから私を殺した事」
燈はくすりと微笑み、安堵の吐息を吐きました。
同時に私はプチ私に群がられ、死体の私の中に運び込まれました。
意識が遠のいていって、感じるのは全身を虫が這う感触と悪臭だけ……そして意識は途絶しました。
目が覚めると、私は月明かりの下、生まれたままの姿で燈と向かい合っていました。
「おかえり……祥ちゃん」
ああ、蘇ったんだな。心臓の鼓動で、私は自分の生命を実感しました。
「もう殺しちゃダメですわよ」
燈は気まずそうな顔をして「ごめん……」と謝り、私はその頬に小さく口付けました。
こうして蘇った私は燈と幸せな学園生活を送る事になったのです。

『怪』文書の封印解くね…

気軽にスレ開いたらホラーだった

祥子が楽しそうでよかった

蘇ってる…

君が咲く山って曲を思い出した！

祥子と燈があの頃に戻れてよかったよかった

なんですのこれは…

こわいよぉ！

ホラーか…
ホラーか？

心当たりがありすぎる痴情のもつれは何をやらかしたんだ

ファンタジーホラーの類かな

>精神体だけで生きていた……キーボードまで弾いていました。
精神体が強過ぎる…

風邪引いたときでもそうそう見れないタイプの悪夢だコレ！

プチ私はきっと満面の笑みが張り付いているんでしょうね

まあどんな形でも燈と一緒にいられるのはいいことですわ

夢オチ…じゃない！？

祥子の脚本オチかと思ったのに…

これで永久に燈と歩んでいけますわ

感涙しました

>感涙しました
海鈴……それでいいの？

プチ祥子のいい笑顔が容易く目に浮かぶ

この怪文書の祥子臭そう

ホラーなんだけど痴情のもつれというワードが果てしなく面白い

埋めるのは1人でやったのかそれとも愛音ちゃんが手伝ったりしたのかとか想像の余地があっていい

プチ祥子は死体に涌いてた蛆虫ってこと…？

>埋めるのは1人でやったのかそれとも愛音ちゃんが手伝ったりしたのかとか想像の余地があっていい
へぇ～にゃむちってレイバック乗ってるんだ～！
あれ？

祥は…アイドルゾンビィになる資格が…ある

こ、これは違うね…

祥子愛されてるじゃ～ん

昼間だったからトイレに行けた