「ふんふんふ～ん♪」
化粧台に向かうみらいちゃんは、ご機嫌な鼻歌を口ずさんでいた
鏡に映る自分の顔と睨めっこしながら、指先で、前髪を弄る
なかなか自分の思う形に整わないのか。みらいちゃんはかれこれ十数分ほど、その行動を繰り返し続けていた
そんなみらいちゃんの姿を、背後から見守る人物がいる
熊のぬいぐるみ、モフルンだ
モフルンはオシャレに勤しむみらいちゃんの姿を、先程からずっと、眺め続けていた
「ねぇ、モフルン。私の前髪、変じゃないかなぁ？」
その視線に気づいたのか。みらいちゃんがくるりと、モフルンの方へと振り返る
自分の方に向けられたみらいちゃんの顔を、モフルンはまじまじと見つめると、こくりと、大きく一つ頷いて見せる
「だいじょぶモフ。ち～っとも変じゃないモフ」
「本当？えへへ、よかった」
モフルンの答えに嬉しそうに微笑むと、みらいちゃんは再び鼻歌交じりに鏡に向かい、髪のセットの続きに取り掛かった
…みらいちゃんが、何故こんなにも、楽しげにしているのか
モフルンには、その理由が分かっていた
18/08/19(日)23:57:50
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