22/12/01(木)01:05:04 「ほら... のスレッド詳細
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22/12/01(木)01:05:04 No.999140952
「ほら、トレーナーさん。抵抗しないんですか?セイちゃん、このままトレーナーさんのこと、食べちゃいますよ?」 あぁ、やっぱりヒトって弱いんだな。だってこんなにも呆気ない。つまらないくらいに。トレーナーさんは、驚いた顔のまま、固まってる。 もう、限界だった。色んなものにうんざりしていた。レースだとか、友達だとか、大人だとか、私を取り囲むそれらが、全部めんどくさい。みんな、私なんか見捨ててどっかいっちゃえばいいのに。それなのに、どうしてこんなにも暖かくしてくれるんだろう?優しくしてくれるんだろう?あなた達が期待するトリックスターなんて、もうどこにも居ないのに。 「スカイ、これは?」 「もっと腕に力を入れたらどうです?トレーナーさんは男の子でしょ?」 もう、やることは決まっている。私の初恋と一緒に、終わりにするのだ。動けない彼に、好き放題して、それで全部終わり。どうしようもない私なら、もう落ちるところまで行こうじゃないか。どんなに苦しくても、地獄に逃げた方がマシだと思った。
1 22/12/01(木)01:05:23 No.999141044
覚悟を決めた。最後に、サヨナラのつもりで、あなたの両手を掴んだまま、キスをした。辛くなって、数秒で離してしまった。それなのに、これでおしまいのつもりなのに、次が待ち遠しくて仕方なかった。 「どうしたんですか?トレーナーさん。セイちゃんのファーストキスの感想はどうです?」 叱ってほしかった。どうしようもない私を、一蹴してほしかった。否定してほしかった。拒絶してほしかった。それなら、すぐお別れできるから。簡単に逃げられるから。 「スカイ……俺は、逃がさないよ」 「………っ!」 頭に血が上った。焦りの一つも、失望の欠片も見せないトレーナーさんに苛立ちを覚えた。なんで、どうして。大人として、もっと言うことがあるはずでしょう?それなのに、どうして私を諦めないんですか。どうして離してくれないんですか。 「……本気で抵抗しないと、もっとすごいことしちゃいますよ」 「力で君に勝てるわけ無いだろ」 「だとしても!トレーナーさんの手………ぜんっぜん力こもってないじゃないですか!それに、止めたいなら他に言うこともあるでしょう!?」 「止めたくないのかもな」
2 22/12/01(木)01:05:47 No.999141168
あーあ。もう、いいや。どうせ終わりなんだ。そっちが余裕ぶるなら、私もやりたい放題やらせてもらいますよ。お別れの餞別にしては、期待していたより派手になるけど。 「そんなに言うなら………食べちゃいますね」 私だって年頃の乙女なのだ。知識はちゃんとある。こんな形になるのは不本意だけど、私にはちょうどいい初体験だろう。願わくば、一生引きずるくらいのトラウマになりますように。 ~~~ ぼやーっとした思考が、下腹部の痛みで醒めていく。多分、人生で一番最悪な目覚めだ。外はもう暗くなっていて、トレーナーさんの姿は見えなくなっていた。彼が片付けたのだろうか、トレーナー室は元の通りの姿になっていた。 私は、居ても立っても居られなくなって、トイレに駆け込んだ。洗い場で、何度も顔に水をかけた。鏡に映る私は、びっくりするほど醜く見えた。自分で決めたはずなのに、私はそれがたまらなく怖くなってしまった。汚れはとっくに落ちてるのに、何度も何度も何度も手を洗った。汚いのに、流れない。気持ち悪い。 トレーナー室に戻ると、トレーナーさんが椅子に座っていた。どうやら、ジュースを買いに行っていたみたいだ。
3 22/12/01(木)01:06:45 No.999141462
シワだらけのシャツで、まるでお酒みたいにジュースをちびちびと飲む姿がおかしかった。 「……事務室、行きましょっか」 「行ってどうすんのさ」 「犯罪じゃないですか、私のしたこと」 「俺は同意したつもりだけど」 「ふざけないでくださいよ。それでも大人ですか?」 「教え子に欲情するようなやつがまともな大人なわけないじゃないか」 そうやって、ヘラヘラ笑ってトレーナーさんはジュースを飲み干した。もしかして、私はさっきからこの人に馬鹿にされているんじゃないだろうか。 「罰を受けて、それで清算するつもりかい?この学園での生活も、友達も、俺も」 「もう嫌なんですよ。何もかも」 「逃がさないって言っただろ」 そうか。最初から彼は私を逃がす気がなかったんだ。私を逃さんとするためだけに、一緒に地獄までついてきたというのだろうか。 「あんまり大人を舐めないほうがいいぞ。いくらでも取れる手段はあるんだからな」 「嫌がる女の子を脅すんですか」 「未練たらたらの癖に逃げようとするからだ。せめてもう少し演技力を磨いてくれ」
4 22/12/01(木)01:07:22 No.999141617
「私は本気で……!」 「だったら黙って出ていけばよかったじゃないか。他者に理由を求める必要なんてなかっただろ」 完敗だった。私の退路は、とっくに私自身の手で絶たれていたのだ。すべてが茶番に思えてきた。あぁ!なんて私は幼稚なのだろう。結局、答えは私の中になんてなかったのだ。ただ、教えてほしいだけだったんだ。 「どうすればいいんですか………?逃げることもできない、私は」 「息を吸って吐いてるだけで十分じゃないか。あとは、大人に任せてくれよ」 「トレーナーさんに?不安になるようなこと言いますね」 「襲っておいてその言い草、傷つくぞ」 トレーナーさんは飲み終えたペットボトルをアンダースローでシュート。見事、黒いゴミ箱に小気味良い音を鳴らしてゴールした。 「まぁ、ぶっちゃけ俺も苦しいけどさ。諦めて前に進もうよ。逃げるよりも楽かもしれんぞ」 もしかしたら、案外似た者同士なのかもしれないと思った。トレーナーさんは、私と似ていた。どこかで、諦めて区切りをつけていた。私と違うのは、彼はそれでも前を目指したということだけだ。
5 22/12/01(木)01:08:09 No.999141825
「じゃあ……逃げるのは、一旦諦めてあげるので、代わりになにかごほーびくださいよ」 我ながら変わり身が早いと思う。だけど、もう既に逃げや破滅を望む気持ちは失せていた。というか、それを想像することにも疲れていた。 「……そうだな。今度、釣りに行くか。お金は出すよ」 「ま、そーいうのでいいんじゃないですか?」 「それと、そっちが嫌じゃなければだけど、付き合おう。本当なら卒業まで待つべきだけど、やることやっちゃったし」 トレーナーさんはこちらに手を差し伸べる。なんだか、都合が良すぎる気がした。それはつまり、私にとってだ。 「トレーナーさんはそれでいいんですか?」 「幸い、俺はスカイのこと好きだしな。それに、社会規範を守る気のない大人なもんでね。そっちのほうがスカイも逃げにくいだろうし」 「束縛するタイプは嫌われますよ?」 「本気で逃げたときは追わないさ」 「………なんだか、私が釣られたみたいじゃないですか」 「大人を出し抜けると思ってると痛い目にあうってことだ」
6 22/12/01(木)01:08:36 No.999141968
結局、私はトレーナーさんの手を取った。触れた部分が、きれいになっていく気がした。水なんかで流すより、こっちのほうがいいや。 「ふぅ…………よかったぁ。不安だったんだぞ、実は」 「あんなに余裕綽々って感じだったのにですか?」 「こっちが一歩間違えたらスカイが消えちゃうと思ってたからな。綱渡りしてる気分だったよ。それに腕力に物言わせてきたし」 「あー………それは、本当にごめんなさい」 「俺が抵抗もしなかったのは事実だから、共犯だよ」 そうか。私は共犯者を得たのか。すべてを終わらせようと意気込んだ割に、得られた結果はあまりにも明るくて、もったいないような気がした。でも、彼の言う通り、それでも行くしかないのだろう。 「もう遅いし、晩ごはん食べに行くか」 「……そうですね。なんだかお肉でも食べたい気分です」 月明かりがトレーナー室に射していた。今夜は、月がよく見える。つまり、快晴だった。もし、逃げていたら。青空が嫌いになっていただろうなぁ。
7 22/12/01(木)01:09:08 No.999142137
「ところで、在学中はどこまでセーフだって考えてます?私としては、もう付き合ってるんだし、自由でいいんじゃないかなぁって考えてますが。まさかキスまでとか言わないですよね?」 「そういうこと言うもんじゃないよ、もう」 そうそう!その顔が見たかったんだ。不意をくらって驚いた無防備な顔。今日のところは、そのお顔だけで大大大満足です。 「外、寒そうですね」 「手、握っていく?」 「お!トレーナーさんも乙女心、分かるんですねぇ」 「あんまりからかわないでくれよ」 本当は辛いことも嫌なことも山積みだけど。とりあえずは、あなたの言う事を信じてみようかな。諦めでもあるけど、それでも行くしかない。あなたも道連れに、前に進んでいこうじゃないか。
8 22/12/01(木)01:10:13 No.999142445
ぴょいするセイちゃんを書きたかったので書きましたが、なんかシリアスになっちゃいました。 それはそれとしてテクニシャンセイちゃんにリードされたい。
9 22/12/01(木)01:11:38 No.999142867
ひっどい初体験で曇るセイちゃん好き!
10 22/12/01(木)01:13:51 No.999143456
>「ところで、在学中はどこまでセーフだって考えてます?私としては、もう付き合ってるんだし、自由でいいんじゃないかなぁって考えてますが。まさかキスまでとか言わないですよね?」 本人はからかったつもりなんだろうけどがっつく童貞みたいなセイチャンカワイイ
11 22/12/01(木)01:15:45 No.999143967
セイちゃんは曇らせぴょいが似合うからしゃーない
12 22/12/01(木)01:26:50 No.999146963
繰り返していくことによって初体験の思い出が薄れていくのもいいし何度やっても無意識的に初体験と比較しちゃうセイちゃんも想像できるし未来に余地があっていいね まあそういうのはおいといて二人とも興奮はしまくってるんだろうな…
13 22/12/01(木)01:33:22 No.999148762
ぴょんな事から黄金世代に初体験逆レイプの事知られていじられてほしい 哀れみの目を向けるキング
14 22/12/01(木)01:37:18 No.999149810
多分ヤってる最中は超ノリノリなんだろうな こんなに興奮してる❤︎みたいなかんじで
15 22/12/01(木)01:38:34 No.999150160
ヤってる時の文も読みたくなってきたんだが
16 22/12/01(木)01:41:03 No.999150828
正直言って黄金世代で一番逆ぴょい適性高いのセイちゃんだと思う それも割とダントツで
17 22/12/01(木)01:43:53 No.999151567
泣きながら逆ぴょいしろ~!