ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
22/11/29(火)23:38:30 No.998771789
パキンッ、私が踏んた枝の音が新緑眩しい山の川辺に響き、せせらぎに溶けてゆく… 春のある日、私は釣りにおまけを連れ立ってきていたのだ 私は、釣りの準備を始めながらモノローグのようなセリフを口から出す 「見事、トゥインクル・シリーズで 結果を残したセイウンスカイ。…
1 22/11/29(火)23:39:07 No.998772020
私のセリフにおまけこと、トレーナーさんは嫌な顔をし始める (あ、これ今日さぼって釣り三昧にすることを気づき始めたかな?) 釣りの準備を終え、私は梃子でも動かぬとアピールするように釣り糸を川辺に入れ… セリフの続きを言い始めた …念願かなって、の~んびり ご隠居生活を楽しむのでした。 めでたし、めでたし。 ちゃんちゃん♪」
2 22/11/29(火)23:39:33 No.998772158
「勝手に隠居しないでくれ!? 今日もトレーニングだぞ!」 私のセリフに、トレーナーさんは慌てて絶叫する 「しー、静かに。 魚が逃げちゃうでしょ。」 (残念でした、今日はもう釣り三昧でーす) そんな思いを込めトレーナーさんになだめるかのように私は言う
3 22/11/29(火)23:40:00 No.998772301
「トレーナーさんもさ、 ここまでついてきちゃったんだし、 観念して大人しく釣り糸を垂らしなって。 この三年間頑張ったんだし、 今日はてこでも動きませんよ~。」 「…」 そこまで言って、私は水面に集中する。 「ちょっとスマホチェックするな」 数拍おいて、トレーナーさんが<わざとらしく>スマホを取り出しながらそんなことをのたまう
4 22/11/29(火)23:40:36 No.998772510
「お好きにどうぞ~。 いーい天気だなぁ…___」 トレーナーさんのあがきに、私は天気が良い日に釣りをしないのはもったいないとばかりに返事し、空を見る __新緑から光が漏れている、うん、いい天気だ
5 22/11/29(火)23:41:11 No.998772687
「ウワァ!ナンダコレ!」 酷い大根役者がいたもんだ 「…ちょっと。 わざとらしすぎますよ。 気を引こうとしてるの、バレバレ。 セイちゃんはそんなのに釣られな_____」 あまりにも酷い演技に、私はあきれながら、トレーナーさんの方を見る 「『絶対王者!世紀末覇王誕生!』だって!」 私の視線にもかかわらずトレーナーは続ける
6 22/11/29(火)23:41:36 No.998772845
「…ほう? 絶対王者、とな。 …いやいや、 私はもう、そういうの関係ないんで。」 ___嘘、彼女が誰かも知ってるし、そして情報も仕入れている 「疲れることはしたくないしー、 作戦考えるのも飽きちゃってー。」 ___これも嘘、勝つための作戦の検討は既にやった
7 22/11/29(火)23:41:51 No.998772935
「これからは、釣りで生計たててこーかな、 とすら思ってるんですから___」 ___これは本当、将来的にできればいいなと思ってる 「『今年はこのウマ娘の天下か!?』だって!」 大根役者は、そう言うとスマホをポケットにしまった
8 22/11/29(火)23:42:03 No.998773009
「___天下。 …。」 私は、せせらぎに耳をやりながら目を閉じて考える、『彼女』の事を せせらぎから音が消え静寂が訪れる
9 22/11/29(火)23:42:19 No.998773081
既に情報を仕入れ、それを元に作戦を考えた …しかし、全盛期が過ぎかけた私に対し、向こうは全盛期いやもっと強く成りうる状況 ___つまり私の勝ち目はない でも、下バ評通り、『彼女』の天下になったらそれはそれ面白くない自分がいる
10 22/11/29(火)23:42:40 No.998773202
(まるで、あの時のようだなぁ…) そう、天皇賞秋前までのあの時だ、自身の限界を感じてたあの時と もがきもがきずっともがき続けててたあの時と (…でもあの時と明確に違うことがあるんだよね) 大根役者…トレーナーさんの存在だ 一緒なら、壁を乗り越えるいや壊していけるんじゃないかと私は思ってる 天皇賞秋の時もそうだった、今回だって… ___ならば
11 22/11/29(火)23:43:01 No.998773306
「…トレーナーさんって、 結構無茶な人ですよねぇ」 私は釣り道具をしまい始めながら、トレーナーさんの方を向く 「こんな全盛期すぎかけのウマ娘ちゃんに、 おっきい事をやらせようとするんだもんなぁ。」 さっきまでの言い訳とばかりは、私は言う
12 22/11/29(火)23:43:21 No.998773409
「天下とか言われたらさ~… ひっくり返したくなるじゃんねー。」 釣りはまた今度ねとばかりに、私は一回川の方を見る 「…よーし、 そろそろ移動しますかー。」 釣り道具をしまい終えた私は、立つ 「どこへ?」 私の言葉にトレーナーさんは待ってましたとばかりに言う
13 22/11/29(火)23:43:38 No.998773501
「ふはっ、ほーんと、 わざとらしいったらないや。」 あまりにもわざとらしい、トレーナーさんの言葉に私は思わず吹き出す 「いえね?ここはちょっと、 ポイントが悪かったぽくて。 どーにも釣れなさそうなんで、 場所を変えようかなーと。 全体的にはもーっと緑で、走りやすそうな いーいところがあるんですよ~。」 私は、釣り道具が入ったバッグを背負いトレーナーの横をわざとらしく通り歩き始める
14 22/11/29(火)23:43:55 No.998773600
「そこなら大物、釣れそうだな!」 トレーナーは慌てて立ち上がる 「もちろん!」 私は笑顔でトレーナーの方を見る
15 22/11/29(火)23:44:24 [めでたしめでたし] No.998773755
「さてさて、それではトレーナーさん。 次の大物を狙って___ 作戦会議始めましょっか♪」 そういうと私は、トレーナーと一緒にターフへ向けて歩き始めたのだった ___トレーナーと共に勝つために
16 22/11/29(火)23:44:55 [s 久しぶりに書いてみました] No.998773949
セイウンスカイ育成イベント「めでたしめでたし……?」より セイウンスカイの視点だとどう見えるか見てみたくなったので書いてみました
17 22/11/29(火)23:48:28 No.998775030
はーっはっはっは! ボクもかなりいいと思う!
18 22/11/29(火)23:49:10 No.998775269
なんかいいな…
19 22/11/29(火)23:52:29 No.998776259
セイちゃんのエンディングもう全盛期は終わっちゃったってちょっと悲しい感じでいいよね…
20 22/11/30(水)00:05:29 No.998780568
想像が膨らむいい話だ… ありがとう
21 22/11/30(水)00:13:48 No.998783633
良い… きっと他の黄金世代より先に本格化終わって寂しく隠居しちゃうスカイなんだ…
22 22/11/30(水)00:20:05 No.998786120
でもトレーナーが信じて支えてくれる限りは走り続けそうな感じがいいんだ
23 22/11/30(水)00:26:53 No.998788561
多分キングが走ってるのを見るたびこんにゃろって出てくるよ
24 22/11/30(水)00:59:25 No.998800724
キングがオペラオーと走ってるレースをスマホで見つづ 黙然とストレッチにいそしむセイちゃんとか期待していいのか