22/11/22(火)23:06:53 「どっ... のスレッド詳細
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22/11/22(火)23:06:53 No.996205559
「どったの? ミラクルてんてー」 相談があるんだ、ヘリオス。君にしかできない話が。 神妙な顔付きでケイエスミラクルにそんなことを頼まれれば、ダイタクヘリオスに断るという選択肢は存在しない。 何よりもヘリオスの直感が告げている。この人気の少ない空き教室で、ほっぺを真っ赤に染めたミラクルの相談内容は絶対に。 「……うん。君に、聞きたくて。その……男の人を……トレーナーさんに喜んでもらうには、どうしたらいいかな」 ──キタ! やっぱりキタ! 恋バナキタ!恋バナキタ!恋バナキター! 「おけおけまるまる! ウチに任せてもろて!」
1 22/11/22(火)23:07:14 No.996205703
ヘリオスは己を恋バナのヒャクセンレンマであると自負している。 彼女自身に具体的な体験はないが、いつメンズッ友からの相談を受けあげぽよパーリナイでフェスらせた経験は確かな自信として胸に宿っている。 「……そっか、うん。やっぱり君に相談してよかったよ、ヘリオス」 ドーンと己が胸を叩き、ヘリオスはミラクルの次の言葉を待ち── 「これは、この前トレーナーさんと一緒にお風呂に入った時のことなんだけど……」 ──固まった。
2 22/11/22(火)23:07:27 No.996205777
「ほら。この前の雨の日。トレーナーさんとお出かけをしていたんだけど……車に泥水をかけられちゃって」 「おれはトレーナーさんが庇ってくれたから大丈夫だったけど……近くにちょうどホテルがあったから」 「運良く部屋も空いてたし、そこで休憩していくことにしたんだけど」 「……その、我慢できなくて。トレーナーさんの背中を流してあげるだけのつもりだったんだけど……」 「……本当はムードとか色々あると思うし、トレーナーさんは許してくれたけど……はは、やっぱり話してみると恥ずかしいな」 「ヘリオス、君は……ヘリオス?」
3 22/11/22(火)23:07:42 No.996205888
甘かった。 甘酸っぱい話を期待していた筈が、甘酸っぱいを通り越して発酵しきっていた。 もっとこう、どうやったら自然に仲良くなれるかとか、恋心に気付いてもらうにはどうしたらいいかとか、その手の微笑ましい話が来ると思っていた。 でも、どうやらミラクルは自分の想像の三段階は先に進んでいるようで── 「……そーゆーの、なんか違うじゃん……?」 「? 君も自分のトレーナーさんと付き合っているんだろう?」 「んマ゛っ!?」 思わぬ急所を突かれ、更にフリーズ。
4 22/11/22(火)23:07:59 No.996206026
「あー……えっとー……ウチとトレちんは、そーゆーのとは、こう違くて……?」 「? 君はトレーナーさんのことが好きだと思ってたんだけど……違うのかい?」 「……違わない……けど……あー! いやいやいや! まだちょっとありえんてぃーってか! きゃぱいってか!?」 「……ヘリオス。もしかして君、トレーナーさんに想いを伝えてな──」 「うぎゃーっ!!!!」 「あっ」 ──爆逃げ。 追い詰められたヘリオスの取れる選択肢はその一択のみだった。
5 22/11/22(火)23:08:11 No.996206111
違くない。 確かにヘリオスは自分のトレーナーのことが好きだ。トレちんとあげぽよパーリナイからのトレぴになって欲しいと言われれば確かにイエスだ。 でもまだそーゆーのとは違うというか、ズッ友BFFというか、何より今の関係がぐしゃぐしゃになるのは少し怖いというか、あんまり先のこと考えるのはキャパいというか── 「あ、ヘリオス」 「ぴぎゃっ!?」 そして、こういう時にこそ。 意中の相手と顔合わせしてしまうもので。
6 22/11/22(火)23:08:21 No.996206179
ちょうど廊下の曲がり角で減速したタイミングでトレーナーと鉢合わせ。 次のトレーニングについて話したいことがあったトレーナーからすればベストタイミングだが、ヘリオスからすれば今のタイミングはキャパい。とてもキャパい。 「ひゃ、あ……と、トレちん……」 「ん?」 「あ、あとは任せたーーーーーー!!!!」 「何を!?」 顔も合わせられず、一息吐くとまた爆逃げ。 自分の気持ちから逃げられなくなる日まではまだまだ遠かった──
7 22/11/22(火)23:08:37 No.996206278
みたいなね
8 22/11/22(火)23:08:58 No.996206413
ほうほう続けて?
9 22/11/22(火)23:09:45 No.996206740
みたいなじゃないが 早く続き置いてけ
10 22/11/22(火)23:10:12 No.996206912
(………………)
11 22/11/22(火)23:10:53 No.996207185
そのまま続けてね?
12 22/11/22(火)23:15:35 No.996209102
助けてズッ友とパーマーに縋り付くもパーマー既にメジロであり 助けてマイ天使!とお嬢に縋り付くもお嬢もお嬢でトレーナーを華麗ナル一族入りさせているのである
13 22/11/22(火)23:20:54 No.996211246
しかし助けを求めた相手がこの難問に答えられるほどの経験者だったらそれはそれでヘリオスが困惑しそう
14 22/11/22(火)23:21:20 No.996211429
続きは?
15 22/11/22(火)23:26:11 No.996213350
ケイエスの話の詳細をおねがいします
16 22/11/22(火)23:28:12 No.996214131
──数日後。 「うぁ゛ー……」 「あはは……それはまあ、災難だったね」 カフェテラスでショートしテーブルに突っ伏すヘリオスと苦笑いするメジロパーマー。 あれ以来、トレちんと顔を合わせるたびに心臓バクバク爆逃げヘリオスと化してしまいマトモに会話を続けられない。 ミラクルも── 『違わないだろう。ヘリオス』 『それはよくないよ。想いは伝えないと』 『トレーナーさんがライトハローさんやたづなさんとお出かけしている時の気持ち。それをそのまま伝えればいいんだ』 ──正論かましてマジありえんてぃー。 今だって逃げ出してパーマーに縋り付いてきたところなのだ。
17 22/11/22(火)23:28:33 No.996214257
「ま、ヘリオスの気持ちもわかるけどね」 「! でしょ! 流石ズッ友」 「私もそうだったし」 「……え?」 ──そうだ、ではなく、そうだった。進行形ではなく過去形。普段ならスルーしてバイブス上げていくところなのに、何故だかとても気になる。 「あ、いや。変な意味じゃないよ! 変な意味じゃ──」 あたふたと手を振るパーマーは怪しい。とえも怪しい。そう、よく見ればその首筋の赤い斑点。虫刺されの季節は遠く。ミラクルの首筋や鎖骨にあったものと酷く似ているそれは、つまり── 「──パマちんの裏切りものーーーーー!!!!」 「ちょ、ヘリオス!!!??」 ──ヘリオスの虫刺されの季節は、まだまだ遠い。
18 22/11/22(火)23:28:54 No.996214383
みたいな?
19 22/11/22(火)23:29:49 No.996214765
あつい
20 22/11/22(火)23:33:52 No.996216278
あいつ いいじゃん──
21 22/11/22(火)23:35:22 No.996216792
やるじゃん?
22 22/11/22(火)23:35:26 No.996216810
パマトレがケイエスと鉢合わせたら…流石に爛れた話はしないか …しないよね
23 22/11/22(火)23:38:06 No.996217741
パーマー→カーぴょい ミラクル→風呂ぴょい お嬢→
24 22/11/22(火)23:52:15 No.996222704
お嬢は空き教室でのバイオリン演奏後に一族の嗜みをトレーナーとしてるんだ
25 22/11/23(水)00:03:09 No.996226734
わりとマジな話すると政略結婚の予定のない金持ちほど有望な男は逃さず囲う そりゃもう一族総出で
26 22/11/23(水)00:07:46 No.996228616
お嬢は血を残すことを前提として育てられてるといいよね
27 22/11/23(水)00:13:36 No.996231057
いや…ちゃんとレースで勝つ使命も背負わされろ
28 22/11/23(水)00:15:50 No.996232045
だからこそレースで勝たせるお嬢のトレーナーは…ネ
29 22/11/23(水)00:19:59 No.996233869
ミラクル。パーマー。逃げ場を立て続けに封じられたヘリオスが行き着く先は、我が天使ことダイイチルビー── 「……それは、まあ。大変だったなぁ」 「うぉー……おじょトレまじ天使ぃ~……」 ──の、トレーナーだった。 具体的な内容は伏せたものの、どうやら恋バナで困っているということは理解したルビーのトレーナー。 最近の女子学生というのは進んでるものなんだなぁ、と一人頷きながらトレセンのベンチに腰掛けてお茶を啜る。 ヘリオスもようやく苦手な空気から逃れられたと、ほっと一息つく。 「トレーナーさま」 「あ、ルビー」 「お嬢!」
30 22/11/23(水)00:20:17 No.996233991
お嬢は癒し。おじょトレも癒し。ダブルで癒しとなればマイナスイオンが100万バ力。バイブス上げまくりのヘリオスは勢い良く手を突き上げ── 「申し上げた筈です。私の許可なく他の女性に声をかけてはならないと……それに時間も迫っています。さあ参りましょう。一族の下へ」 「え、いや。彼女は生徒で」 「例外はありません」 ──ぎゅっと指を絡ませ、連れ去られて行くトレーナーを前に、行き場を失った。 「それでは。ご機嫌よう」 逃げずとも時にはゴールの方から迫ってくることもある。そしてそのゴールからは逃げられない。 そんなことをダイイチルビーのトレーナーから学んだヘリオスにであった──
31 22/11/23(水)00:20:34 No.996234109
とか
32 22/11/23(水)00:21:01 No.996234369
独占力のヒントレベルが上がった!
33 22/11/23(水)00:21:05 No.996234400
ありがとう…
34 22/11/23(水)00:21:56 No.996234896
どうするヘリオス