ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
22/11/22(火)22:09:42 No.996183704
嗚呼、今日のトレーニングも疲れた。そう思いながらエフフォーリアは鞄に諸々のトレーニンググッズを詰め込み、帰り支度をしていた。 空はもうとっぷりとオレンジ色。何処かで烏がカーカーと鳴いている。今日の晩ご飯は何だろうと思いながら立ち上がったその時だった。 「余ーっ余っ余っ余っ。エフフォーリア! 余だ余ーっ!」 元気に満ち満ちた声が背中から聞こえたかと思うと、エフフォーリアの背中にぼふっ、ムニュンッとした感覚が伝わってきた。 「シャフリヤール」 「今日も一日、大義である! 得る物はあったかね? エフフォーリアよ」 「嗚呼、うん。踏み込みが上手くなった気がするよ」 「それは何より! 時にエフフォーリアよ。放課後に予定はあるかね?」 シャフリヤールからの問い掛けに思考を巡らせて、特に何も無い筈だと結論付けた彼女は「何も無い」とシンプルに答えた。 「宜しい! ではシャワーを浴びたら校門前に集合だ余! 青春する余!」
1 22/11/22(火)22:10:47 No.996184178
. ──◇■◇ チ ク タ ク ◇■◇── さてはて、集った2人はと言うとシャフリヤールが先導し、トレセン学園の城下町へと足を運んだ。行き先は学園でもトップクラスの人気を誇るバーガー店、メジロマック。 店内はトレセン学生に留まらず、老若男女、ヒトウマ問わず賑わっていた。エフフォーリアはシャフリヤールに席を取っているように促され、窓辺の見晴らしの良いテーブルを選んだ。 ややして、上機嫌のシャフリヤールが現れ、エフフォーリアの対面に腰掛けた。 「よい席を選んだな。エフフォーリアよ。重畳である」 「それにしても何で急に?」 エフフォーリアは小さく首を傾げながら、目の前の小さな王様を見つめた。彼女はたわわな胸をテーブルに乗せながら答えた。 「理由なんて無い余! 強いて言えば、エフフォーリア、お主と一緒にこう言う事がしたかった。ソレに尽きる余!」
2 22/11/22(火)22:11:04 No.996184335
余ーっ余っ余っ余っ。と上機嫌に笑うシャフリヤールに釣られて、エフフォーリアも微笑んだ。その時だった。ウマ娘の店員がこんもりと盛り付けられたフライドポテトをプレートに乗せてやってきた。 「お待ち遠様です。ご注文のフライドポテト、山盛りポテパスペシャルです」 「いよっ、待ってたよ!」 「どうぞごゆっくり」 どーん、と盛られたフライドポテトを前にぽややんと呆けているエフフォーリアは、ケチャップを塗り口の中に放り込むシャフリヤールの言葉でハッとする。 「んんーっ。トレーニングの後は塩っぱい物が美味しい余っ」 「シャフリヤール…」 「ほれ、エフフォーリア。お主も食べるがよいぞ?」 ケチャップを塗られたポテトを差し出され、エフフォーリアはおずおずとシャフリヤールの手から食べた。
3 22/11/22(火)22:11:29 No.996184527
ホクホクのジャガイモに、ケチャップの塩っぱさと心地良い酸味が美味しい。身に浸みる美味しさだった。 「悩んではおらぬか?」 シャフリヤールがぱくり、とまたポテトを口にし、モグモグと咀嚼する。 「学友やトレーナーに相談出来ておるか? エフフォーリアよ。そなたの走り、少しブレて居る余」 シャフリヤールの指摘にエフフォーリアは黙り込む。パクパクとポテトを食べるシャフリヤールを前に、少女は口を開いた。 「この前の伏せで、調子を引き出せなかった。追い越せる筈の背中が、遠かった。それが多分、ショックだったんだと思う」 「無理もない余」 シャフリヤールはずいっ、とポテトをエフフォーリアに差し出した。
4 22/11/22(火)22:11:53 No.996184720
「アスリートの性能は精神状態に強く左右される余。精神状態が良ければ身体スペック以上のスコアを叩き出す事も不可能で無ければ、同時に落ち込んでいるだけで普段の5割もスコアを出せない。なんて事は侭ある事だ余」 そう言うとシャフリヤールはエフフォーリアの口の中にポテトをそっと押し込んだ。 「悩める少女よ、無理に肩の力を抜けとは言わない余。だが、せめてこうして余の前に居る時は、その大きな肩に載せられた期待や重責を降ろしても罰は当たらんと思う余」 優しく微笑みかける小さな王様を前に、エフフォーリアは口の中のポテトを咀嚼すると、ゴクッと飲み干した。 「…ありがとう、シャフリヤール」 「お礼なんていい余! お礼をしたいなら今度の週末、余と遊びに出掛けて欲しい余!」 「うん、遊びに行こう。私も、見に行きたい物があるから」
5 22/11/22(火)22:12:14 No.996184880
「その意気だ余っ! 余はトレーナーのウマ娘と学生のウマ娘の禁断の恋を描いた映画を見に行きたい余っ!」 「私もそれは原作の小説を読んだことがあるから、気になる」 ポテトを摘まみながら、少女達は他愛もない会話に花を咲かせる。タイムリミットは夕日が街の向こうに沈むまで。 優しい多幸感に包まれて、エフフォーリアは自然に笑顔を浮かべた エフシャフほのぼの百合です ポテパ(ポテトパーティー)と言う単語を聞いて、こんな事してる2人が居たら良いなと思って書きました
6 22/11/22(火)22:21:21 No.996188609
青春だ…むにゅむにゅしている…
7 22/11/22(火)22:30:00 No.996191872
一心同体割りがありそうな店だ…
8 22/11/22(火)22:31:38 No.996192478
>「その意気だ余っ! 余はトレーナーのウマ娘と学生のウマ娘の禁断の恋を描いた映画を見に行きたい余っ!」 ポテトが急にしなびた余
9 22/11/22(火)22:33:11 No.996193102
>>「その意気だ余っ! 余はトレーナーのウマ娘と学生のウマ娘の禁断の恋を描いた映画を見に行きたい余っ!」 >ポテトが急にしなびた余 一心同体は同性愛にも寛大だ余
10 22/11/22(火)23:05:48 No.996205146
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
11 22/11/22(火)23:06:54 No.996205565
>No.996205146 おっぱいでいっぱいだ余! お手描きありがとうございます!
12 22/11/22(火)23:07:34 No.996205825
うぉ…でっか…
13 22/11/22(火)23:15:54 No.996209244
うお…
14 22/11/22(火)23:18:16 No.996210176
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
15 22/11/22(火)23:19:05 No.996210492
>No.996210176 絵「」ャスタ、お手描きありがとうございます!