虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

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22/11/14(月)00:57:13 「えっ... のスレッド詳細

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22/11/14(月)00:57:13 No.993174706

「えっ!?里子ちゃんなんだって…アメリカ!?」 俺ん家のリビングの据え置き電話が久々に鳴ったと思ったらかーちゃんが慌てて受話器を抱いてる その様子を早摘み九州みかんを食べながら俺と夏芽はぼんやりTVの液晶を見ていた。TVにはラリージャパンでクラッシュしのに半壊状態で走るレースカーが映る 「わかったわ・・こっちはまかせて頂戴…うん準備とかいろいろあるだろうから…切るね」 と言ってかーちゃん…靖子は受話器を置いた 「夏芽ちゃん、ちょっと話があるの、航祐はそのままでいいからとリビングに一人ぼっちにさせられる。かーちゃんと夏芽は仏間でなにかコソコソ話している。「え!?」っと言う夏芽の声が漏れた以外何も聞こえない。奇妙な瞬間であった――

1 22/11/14(月)00:57:26 No.993174778

後日わかった、事の顛末はこうだ、里子おばさんがアメリカに転勤になった。といっても永住権なんてないので数ヶ月から半年。夏芽曰く覚えがあるらしくて家事もゴミ出しもしないでずっとつたない英語でノートパソコンと会話してるのを見たことある。しかも3年前からやってたという事だ、これは用意周到なアメリカ出張らしい。  それで問題は夏芽だ、夏芽をアメリカに連れ出すのか否かでちょっとやねこい事になってるらしい「夏芽にアメリカを見せたい」と里子さんは言うが「厳しいこと言うけど、人一人育てられないのに、異国の地に放り投げるなんて無理よ里子ちゃん」と諭すかーちゃん。に組み伏せ。夏芽はいままで通り熊谷夏芽になる事となった。 夏芽に聞いてみた、「アメリカには言ってみたいけど…でも、私の家はここ、新しくても団地だから。ごめんねお母さん」と坦々と話した。ここと指差したのはやす爺の眠る仏間だった。

2 22/11/14(月)00:57:41 No.993174871

 後日、スーツケース姿の里子おばさんが夏芽を抱きしめた「お母さんいなくても」「うん私は大丈夫だよ…大丈夫」そう会話した後立ち上がって去っていった「お金はちゃんと振り込むから」「夏芽!元気でいるのよ!」と大手を振ってタクシーで成田へと向かっていった  それから、改めて夏芽の熊谷夏芽としての生活が始まった。普段と何も変わりのない生活が始まった。それだけだ 表札には熊谷 祐太        靖子        航祐        夏芽 の順番で記されている。ここは立派な夏芽の家だ

3 22/11/14(月)00:57:55 No.993174952

ところでアメリカってなんだ?アメリカに詳しい令依菜に聞いてみた「LAってドコだ?」 「LAも知らないの熊谷!?ロサンゼルスよロサンゼルス!」とノリノリで答えてくれた 「どのアタリだ?フロリダより遠いのか?」「西!とにかく西の方よ!アップルの本社があってみんなオシャレで健康志向よヴィーガンが市の1割を超えるのはここくらいなものよ」 あまり約に立たなさそうなので。適当に切り上げた。「ちょっと待ちなさいよ熊谷!」 と寄ってくるがどうせ本かなんかの知識だろう。

4 22/11/14(月)00:58:19 No.993175076

 熊谷家の暮らしはあまり変わらなかった。修学旅行のしおりつくりをしたりいつものようにご飯を食べて一緒にお風呂入って問題解けない夏芽に宿題見せてやって俺の部屋か仏間で一緒に寝る。それだけだ。  けど今月10月の24日、やすじいの命日はすきやきを食うのが我が家の習わしで今日も4人鍋を囲んですき焼きを食べた。夏芽の様子が違った。いつもならたくさん食べて俺の残したしいたけまで平らげるはずなのにほどほどに食べてごちそうさましてしまった。  そこで勘がするどいかーちゃんから夏芽の所へ行けとジェスチャーで指示が下る 「夏芽…何かへんだぞ?」と声をかけるのも変なのでいつものようにお風呂に入って。今日は宿題を投げ出して。「寝よう」と夏芽を誘って俺の部屋で寝た。夏芽のショートヘヤーからは俺と同じLAXの香りがする。 「おやすみなさい航祐」「おやすみ夏芽」 9時は寝るには早いけどスマホでも見てたら次第に眠くなるか…となんだか気落ちした夏芽と一緒に眠る。LINEにも動画にも飽きて。本格的に眠りが襲ってきた頃。

5 22/11/14(月)00:59:00 No.993175296

そのすすり泣く声が聞こえてきた、おばけじゃない。本当の声だ  うわ言のように「お母さん」「お母さん」とうわ言のようにつぶやく夏芽 その瞳には涙が見えていた。「お母さんいかないで…お母さん」と続ける。 俺の背中に顔を押し付け一生懸命訴える夏芽の姿は。いつもの繕い笑いじゃない本当の夏芽が見えてくる。 別れの時気丈に振る舞ってた夏芽。団地に残ると決めた時も複雑な心境だったんだろう 里子おばさんは夏芽を俺たち熊谷家に6年も預けてたちょっと変わったおかあさんだけど 夏芽にとっては唯一の肉親、唯一のお母さんだったんだ。それが手の届かない所に行ってしまうのはきっと悲しい。俺が夏芽のポジションだったらきっとかなしい。  たまらず、寝返りを打ち、夏芽と瞳をあわせた  夏芽は涙をぬぐい…こう言った「夏芽、いつかはおばさんは帰ってくる…だから…その短い間だけここを家だと思ってくれ、とーちゃんは悪くないしかーちゃんだって優しくしてくれる…だから―――」俺はいい切った。この言葉は禁断であるのは知っていた

6 <a href="mailto:おわり 熊谷家、いいですよね。">22/11/14(月)00:59:29</a> [おわり 熊谷家、いいですよね。] No.993175443

「熊谷夏芽で・・・しばらくいてほしいだ」それは告白に近い言葉だった 夏芽は、その言葉を受け止めてくれた。「ありがとう航祐」と一言囁いて俺を抱き返した。 そうやって眠る夜が何度もあった。季節な夏から秋、 その一夜から季節は秋から冬へと変わっていった 巡る季節と共に夏芽の「おかあさん」は少しづつ減って言ったが それは逆に言えば夏芽から里子おばさんの存在が消えているんじゃないかと思うと なんだかやるせない思いでいっぱいになった。 だから、大事に夏芽を守ってやらなきゃと硬く誓った 団地には銀杏の葉は落ち、実がそこらじゅうに茂る、帰り道。夏芽と二人で拾って持って帰ったのはつい最近の出来事

7 22/11/14(月)01:01:13 No.993175995

いい…

8 22/11/14(月)01:01:29 No.993176084

深夜の重力文書たすかる…

9 22/11/14(月)01:01:45 No.993176176

あいつ…

10 22/11/14(月)01:01:58 No.993176250

航夏怪文書助かる…

11 22/11/14(月)01:02:37 No.993176504

あいつ

12 22/11/14(月)01:03:02 No.993176628

あいつ…いいよな

13 22/11/14(月)01:04:10 No.993176983

>団地には銀杏の葉は落ち、実がそこらじゅうに茂る、帰り道。夏芽と二人で拾って持って帰ったのはつい最近の出来事 まで読んだ

14 22/11/14(月)01:04:43 No.993177159

どうあっても熊谷夏芽になるのいいよね

15 22/11/14(月)01:05:16 No.993177320

>家事もゴミ出しもしないでずっとつたない英語でノートパソコンと会話してるのを見たことある。 夏芽さんそういうところだと思うよ

16 22/11/14(月)01:07:27 No.993178050

里子さん帰ってくる頃には靖子さんのことも「おかあさん」って呼ぶようになってるんだよね……

17 22/11/14(月)01:09:33 No.993178656

もう熊谷家に馴染んでいく夏目ちゃんいいよね

18 22/11/14(月)01:13:27 No.993179764

じゃああれか!栃木のど田舎に里子さんと夏芽ちゃんが飛ばされて 文通でやりとりする航夏とか 真冬の東京の電車で栃木のど田舎まで会いにいく航祐がみたいのか!

19 22/11/14(月)01:14:58 No.993180201

>じゃああれか!栃木のど田舎に里子さんと夏芽ちゃんが飛ばされて >文通でやりとりする航夏とか >真冬の東京の電車で栃木のど田舎まで会いにいく航祐がみたいのか! 秒速団地も 団地の名はも 団地の子も 既に概念投下されているのだ…

20 22/11/14(月)01:19:37 No.993181478

>夏芽を誘って俺の部屋で寝た。 むっ

21 22/11/14(月)01:20:53 No.993181828

もうなんの恥じらいも躊躇いもなく同衾する航夏強いな…安じい家同棲生活してただけある

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