虹裏img歴史資料館

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22/11/06(日)21:27:04 「よし... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1667737624164.png 22/11/06(日)21:27:04 No.990629293

「よしよし、いい子だなぁ?」 もふもふとした毛並みを持つ彼女は彼に撫でられて満足そう。 「しかしいやに懐いてるなぁ……こっちとしては嬉しいけど」 野良猫と呼ぶにはあまりに人懐っこい彼女は、いわゆる地域猫、学園の委員会によって保護されている子で、学園全体の飼い猫と言える存在だ。基本的には学園の敷地をうろうろとしていてるのだが、どういうわけか先月からこのトレーナー室に遊びに来るようになった。 「あ、ネイチャ。そろそろお昼休み終わっちゃうぞ。お弁当、食べたほうがいいんじゃないか」 「あぁ……うん。あんまり食欲湧かなくてさ…」 言えるわけないよね、猫に嫉妬しちゃってるなんてさ。孤独の味がする弁当を、これ以上食べる気にはならないなんて。 「体調が悪いのか?なら、今日のトレーニングを考え直さないとな……」 「いやいや、そういうわけじゃないんですけど……」 トレーナーさんがあの子を撫でるみたいにアタシのことも愛でてくれたら、今すぐに絶好調になるのに……なんて、言葉にできればいいんだけどな。

1 22/11/06(日)21:27:49 No.990629787

「焦れったいねぇ……正直に撫でてくださいって言えば済む話じゃないか」 「うぇっ!?誰!?」 声の主を探して部屋を見渡すが、アタシとトレーナーさんと猫以外はこの部屋には居ない。ということは…… 「あんたね、ここ一ヶ月くらいずっと恨めしそうにこっち見てるけどさぁ、ウジウジしてないで言っちまえばいいじゃないか。ウマ娘なんだし、腕っぷしだってこの男より強いんだろう?」 「いやいや、そういう簡単な話じゃないっていうか……ってか喋ってるのアンタなの!?」 「急にどうしたんだ、ネイチャ。やっぱりどこか悪いんじゃ……」 どうも、トレーナーさんには聞こえていないようだった。いや、もしかしたらアタシの嫉妬がアタシ自身をおかしくしてしまったのかもしれない。 「と、とにかく!時間だからアタシ戻るね!また後で!」 結局、アタシの気持ちも喋る猫のことも置き去りにして私は教室へと走り去っていった。

2 22/11/06(日)21:28:28 No.990630199

「おいっすー……ありゃ、留守でしたか」 授業を終えて、再びトレーナー室へ。トレーナーさんは用事があるのか不在だった。 「あんたのお目当ての男は居ないよ」 「うわぁ!?……やっぱり、喋った?」 「猫が喋っちゃいけないのかい。あんた達だって似たようなもんじゃないか」 あんた達、というのは多分ウマ娘のことだろう。まぁ、猫から見たら耳も尻尾も似てるし……っと、なんで自然に受け入れてるんだ、アタシ。 「あのー……猫さん、喋れるんですね」 「もしくはあんたがおかしくなったかだね。面倒だから黙っていようと思ってたんだけどさ、あんたがあんまりにも煮えきらないからこっちも我慢できなくなったよ」 うーむ、口を見る限りやっぱりこの子が喋っているのに違いがなくて、まぁ、この際いいや。なんだかアタシはこの子がトレーナーさんに隠している気持ちを理解してくれていることに安心感を感じていた。 「猫さんは気楽かもしれないですケド、こっちは色々大変なんですよ。そりゃ正面切って言えるならそれに越したことはないけどさ」 「なーに言ってんだい。あんたがヘタレなだけじゃないか。猫が喋るまでやきもきさせるなんて相当だよ」

3 22/11/06(日)21:29:10 No.990630618

「ヘタレ……って」 「だってそうだろう?しかしあの男もあの男だよ、全く……」 呆れるように吐き捨てる猫を見て少しムッとしてしまう。何様じゃ、いやまぁ、猫様なんだけども。 「トレーナーさんの悪口ってワケですか?」 「なんだい、好きな男の話になると臨戦態勢かい。まったく、そこまで惚れてるのにハグの1つも出来ないのかい…」 「そ、そんなことは関係ないじゃん!」 「ボヤボヤしてるとあの男が盗られちまうって助言してやろうっていうのにさ。あたしは普段から学園を回ってるからね。あんたが知らないトレーナーさんとやらの姿をたくさん見てるんだよ」 アタシが知らないトレーナーさんの姿……?一体、どんな姿なんだろう。 「あー……さっきまでの失礼は謝りますから猫さんや、その……トレーナーさんの事を教えてくださいませんか?」 「はいはい、まったくしょうがない子だねぇ……いいかい、あの男はね……」

4 22/11/06(日)21:29:35 No.990630878

そこからの話は、まぁ知らない情報ではあったんだけど、ものすごく納得もできる話で。困っている子を見つけたらすぐに駆けつけて、気ままな猫をも虜にしてしまうあの笑顔と優しさを振りまいて、色んな子の熱い視線を浴びていると、そういうわけで。つまり、本人にその気は全く無いだろうけど、アタシにとっては知らぬ間にライバルが続々と出現していると、そういうことらしい。 「だからうだうだやってないでとっとと自分のものにしとかないといつ他の女に取られるか分かんないよ。あの男は求愛されたら断る度胸ないだろうしねぇ」 「そんなこと!………あるかも、だけど……」 確かに、押しに弱い所はあるわけで。それじゃあ、いつの間にか他の子と……ってことも全然ありえちゃうじゃん。 「だからあんたが押すんだよ。猫に嫉妬してるくらいならね」 「うぐぅぅぅ……」 「心配することない。あの男だってあんたに惚れてるのは間違いないんだ。あとはあの甲斐性なしを押しきればいいんだよ」 そう言うと、猫はアタシに背を向けて扉へと向かっていく。なんだ、アタシにも少しくらいモフらせてくれてもいいじゃないか。

5 22/11/06(日)21:30:20 No.990631344

「それじゃね、あたしはあんたらのイチャつきを眺めるほど暇じゃないから、お暇させてもらうよ」 「イチャつきって、そんな……」 「そうそう、最後に言っておくとね、あたしはオスだよ。」 「ん?でも猫さん確か……」 そこまで言って、思い出す。地域猫とかって、増えないように手術してるんだった。 「まったくもう、忌々しいったらありゃしないよ。思い出すだけでも腹が立ってくる………まぁ、そういうわけであんたの嫉妬は的外れってこと。またいつか撫でられに来るから、その時はあたしの場所を空けといておくれよ。それじゃ」 猫特有の気まぐれな、それでいて素早い動きで彼女……いや、彼は廊下を駆けていった。しかし、猫に背中を押されるとは。しかし、アタシがトレーナーさんともっと近づきたいのも本当だし、こんな不思議なきっかけがあるなら、どうにか良い方向に行ける気もした。 そうこうしているうちに、扉の向こうから足音、トレーナーさんのだ。足音だけで分かってしまうようになってしまっている自分に、苦笑いが溢れてしまう。そこまで好きなんだったら、もう躊躇する理由なんてないじゃん。

6 22/11/06(日)21:30:58 No.990631755

「あれ?ネイチャ、来てたのか。……おや、珍しいな。今日は猫さん来てないのか」 「うーん……しばらくは来ないかもですよ?」 「え、どうして…」 「まぁ、猫さんは気まぐれですから。ところで、トレーナーさん。手元がちょーっと寂しいと思うんですけど………目の前に、撫でがいのあるモフモフが目に入りません?」 両手でツインテールをたわませて、ネイチャさん、一世一代の誘惑。こうなりゃヤケだ。猫にバカにされたままじゃ終われないし、トレーナーさんを他の子に渡したくもないんだから。 「どうしたんだ急に。今日はちょっと変だぞ、ネイチャ」 「いいから触んなさいって……!減るもんじゃないですから」 彼の腕をやや強引に掴んでアタシのモフモフヘアーに誘導。冬場ということもあってボリューミーになったその髪は、猫さんと比べても相違はないはずで。 「うわぁ……本当にモフモフしてるなぁ………」

7 22/11/06(日)21:31:27 No.990632071

一心不乱に私の髪の毛をこねくり回すトレーナーさん。私はというと、顔から湯気が吹き出すほど全身に熱が回っていた。まるで、直接脳みそを掴まれているかのよう。ぐちゃぐちゃ、もちゃもちゃ、こねこね。だけどそれは、今までの悩みを全部押し流してしまうほどの快感を私にもたらした。猫さんめ、今までこれを独り占めしていたなんて。 「ほれほれ、頭の方も耳も尻尾も、全部トレーナーさん専用ですよー?」 耳がピコピコ、尻尾もブンブン。全身の細胞がトレーナーさんの手の温もりを求めて待機中。嫉妬も被害妄想も、ぜんぶぜんぶ溶けていく。 「その………いいのか?触っちゃって」 「ここまで来て言いますか?ソレ。いいからいいから!気が済むまで触ってくださいな」 アンタじゃなくて、アタシの気が済むまで、だけど。その日は、一日中彼に撫でてもらった。多分、猫よりもぐーたらでわがままだった。その日から、彼に撫でてもらうことが日課の一つに加わった。今度猫さんに会ったらお礼言わないとな。

8 22/11/06(日)21:32:02 No.990632424

~~~ 「おや、猫さんですね」 「多分地域猫でしょ。トレセンで面倒見てるっていう。」 「おぉ~トレーナーさん、懐かれてますよ」 「そうか?まぁ、悪い気はしないな。よしよし」 「むー………」 「あんたも嫉妬かい。まったく、どいつもこいつも……」 「うぇっ!?」 「どうしたんだ、スカイ」

9 22/11/06(日)21:32:37 No.990632782

猫に嫉妬して猫になるネイチャの幻覚を見たので書きました。

10 22/11/06(日)21:33:41 No.990633417

恋愛世話焼き系猫

11 22/11/06(日)21:35:52 No.990634730

オネェ系世話焼きネコマタキャッツ!!!

12 22/11/06(日)21:46:16 No.990641113

もどかしいんぬ

13 22/11/06(日)21:46:31 No.990641265

報酬派ちゅーるがいいんぬ

14 22/11/06(日)21:47:42 No.990641959

もっとネイチャの夢出力するんぬ

15 22/11/06(日)21:47:54 No.990642078

気ぶりキャッツ!!

16 22/11/06(日)21:51:39 No.990644042

ラスボス 姉貴

17 22/11/06(日)21:54:41 No.990645852

ネイチャのおかずが増えた日

18 22/11/06(日)21:56:37 No.990646918

>ラスボス >姉貴 地面が割れるから近付きたくないんぬ

19 22/11/06(日)22:02:59 No.990650468

>「ほれほれ、頭の方も耳も尻尾も、全部トレーナーさん専用ですよー?」 こいつ…

20 22/11/06(日)22:05:28 No.990651700

このネイチャ 他人の耳を触るような間柄ってどういうのか忘れているのである

21 22/11/06(日)22:08:12 No.990653109

>オカマキャッツ!!

22 22/11/06(日)22:14:35 No.990656445

タイシンのところにも行け…

23 22/11/06(日)22:20:25 No.990659376

>せんキャッツ!!

24 22/11/06(日)22:21:11 No.990659728

>タイシンのところにも行け… ポエム聞かされるから嫌なんぬ

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