虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

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  • 泥性 のスレッド詳細

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    22/10/31(月)23:50:25 No.988462039

    泥性

    1 22/10/31(月)23:50:45 No.988462171

    泥性の魔

    2 22/10/31(月)23:53:48 No.988463277

    いろはは団体行動が苦手だった。同い年の子たちの輪に溶け込むのが難しかった。 だって仕方ないのだ。いろははそこにいるだけで"人と違う"のだ。 みんなより遥かに高い身長。いろはより背の高い子なんていない。先生さえ何人かはいろはより背が低い。 男の子は意地悪だし、女の子は遠慮がないし、うまくみんなと呼吸が合わない。 だから遠足みたいな行事があってもいろはは自由行動の間いつもぽつんとひとりでいた。 公園のベンチに腰掛けて、母の作ってくれたお弁当を開ける。いろははたくさん食べるからと三段積みの大きな箱。 出勤前に母が手早く作ったものにしては色とりどりで気遣いを感じさせる献立だった。 ひとりぼっちは慣れている。箸入れから箸を出し、いただきますと手を合わせ、おかずを摘もうとしたその瞬間に後ろから声がして危うく箸を落としそうになった。 「わぁっ!いろはちゃん、いっぱい食べるんだね!」 「め、明瀬さん」 「ねぇねぇいろはちゃん、隣座っていい?私もどこでお弁当食べるか迷ってたんだ~」 「う、うん。いいよ、明瀬さんなら」 やったー、と歓声をあげながらハルがベンチの裏から表に回ってきて遠慮なくいろはの隣に座る。

    3 22/10/31(月)23:54:01 [〆] No.988463354

    びっくりしたが、同時にじわりと嬉しさが胸中に広がった。 ───ハルちゃんが来てくれた。他にも仲の良いクラスメイト、いっぱいいるのに。わざわざいろはのところに。 いろはにとっては一番の友人。そしてハルにはきっとたくさんいる友人の中のひとり。 それでも自分を選んでくれたことにいろはは高揚した。心なしかお弁当もさっきより美味しそうに見える。 「ここ、風が吹いて気持ちがいいね!いろはちゃん来たことあるの?」 「ううん。偶然だよ。どこで食べようかなと思って探したの。明瀬さんと一緒」 「そっかー。でもいろはちゃん、勘がいいからなぁ。最初からいろはちゃんについていくのが正解だったか~」 お喋りなハルは朗らかに喋りながら自分の弁当の包みを広げていく。 ハルといるのは好きだ。ハルはいろはの人と違うところを特別視するが異物としては扱わない。 幸せな気持ちになりながら改めて食べ始めようとしたところでハルの弁当を見て手が止まった。 「な、なんか凄いお弁当だね…?お母さんが作ってくれたの?」 「んーん、パパ」 「えっ」 恐ろしく精巧な作りのキャラ弁とハルのパパ(188cm)が結びつかず、いろははぱちぱちと瞬きした。

    4 22/10/31(月)23:56:23 No.988464186

    筋肉モリモリマッチョパパが作ったとは思えない繊細な弁当...

    5 22/10/31(月)23:57:42 No.988464652

    女の子と女の子のやつで重くないやつした

    6 22/10/31(月)23:59:48 No.988465378

    軽…いややっぱりところどころ重い だいぶ重い

    7 22/11/01(火)00:12:26 No.988470666

    まだ何か書くができそう

    8 22/11/01(火)00:18:28 No.988473253

    くるるるの魔術指南とか

    9 22/11/01(火)00:19:34 No.988473796

    >くるるるの魔術指南とか fm

    10 22/11/01(火)00:19:41 No.988473838

    クッキング・マッチョパパ 企画を問わぬ大惨事 授業 入浴シーン 席替え 原作サーヴァントについて語る泥サーヴァント(例を挙げると泥アルゴノーツがイアソンについて話すように) アスラウグ続報来たから北欧神話サーヴァント同士の絡み 月かモザイク市辺りで巨大な人外と少女の絡み

    11 22/11/01(火)00:25:45 No.988476273

    >アスラウグ続報来たから北欧神話サーヴァント同士の絡み うーn ひとりおきにのビッグネームを持ってるんだけどimgの子じゃないんだよなぁ とりあえず上の指南で一本

    12 22/11/01(火)00:38:27 No.988480671

    北欧神話でビッグネームは出尽くしたと思ってたけどまだあるんだな…

    13 22/11/01(火)00:51:29 No.988485002

    「───なんでわざわざここで魔術の修練しなきゃいけないの」 薬草の鉢植えに水をやっていた楡が胡乱げに言った。 視線の先では六花が魔術を行使していた。絹糸を宙空に漂わせそれらを指先で操っている。 が、うまくはいっていないようだった。飛び交う糸の動きはてんでばらばら。魔術よりもそれらを制御することで手一杯という様子だった。 「だってここ、私の家より設備が整ってて…。あ、あれ?あれっ?お、おかしいですね…こんなはずじゃ…」 「他人の魔術師の工房で無防備に秘伝の魔術を使うなんて、全てを解析されて秘奥を暴かれても仕方ないことよ。その自覚ある?」 「でも、ニレさんはそんなことしないですよね」 「…」 楡が黙る番だった。六花は特別なことを言ったつもりはないのだろう。手元への集中を続けている。 これ以上文句を言っても仕方ない、とばかりに楡は溜め息をついてブリキのじょうろを元あった所に置いた。 工房の椅子に腰掛けて本を開く。字面を視線で追いつつ、ぼんやりとあまり興味なさそうに聞いた。 「ランサーのやつはどうしたのよ」 「彼、私の家の魔術については何も口出さないんです。教えてくれるのはルーンのことだけで」

    14 22/11/01(火)00:51:41 [〆] No.988485055

    「あっそう」 賢明ね、と楡は口の中で呟く。ルーン魔術の太祖の言葉だ。下手なアドバイスは秘伝の魔術を歪ませかねない。 楡は薬草についての古書に読み耽る…ようでいて、ちらちらと視線を六花へと送っていた。その間も六花は不器用な失敗を繰り返す。 だが楡には分かった。不器用なんじゃない。器用すぎるのだ。 我慢しきれずとうとう口を開いたのは六花が絹糸をがんじがらめに結んでしまい解くのを諦めた時だった。 「お利口すぎるのよ」 「えっ?」 「教科書通りすぎるの。でもドントシンク、フィール、みたいな漠然とした話でもない。  三重属性の化け物がちまちま初級の入門書を書いてあるままにやっても『効率が良すぎて』失敗するのよ。  教科書を書き換えなさい。あなたがルールよ。あなたが世界を統べ、あなたが理を捻じ曲げるの。支配し、掌握し、作り変えなさい。  ───あなたの家の魔術は、あなたの手で更新するのよ」 「でも私、まだ未熟者で…」 言いかけた六花が口をつむぐ。代わりに違う返事を返した。 「はい!やってみます!」 目の色を変えて再び魔術へと取り組みだす。とうとう古書を閉じた楡は何をやっているんだ私はと天を仰いだ。

    15 22/11/01(火)00:55:46 No.988486514

    >北欧神話でビッグネームは出尽くしたと思ってたけどまだあるんだな… こっちでも5年前に登録されてるサーヴァントだよ