ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
22/10/23(日)23:17:37 No.985550304
「だ、駄目だぁ………」 ヘナヘナとグラウンドで倒れ込むのは俺の担当ウマ娘、ツルマルツヨシ。やる気は人一倍あるし、中央で戦えるほどの素質もあるのだが、体質が虚弱気味なのが悩みだ。 「やっぱりまだ本番と同じレース形式は厳しいか。休憩にしよう、ツヨシ」 「で、でも………ゼェ……やれます……!…ケホっ」 「契約するときに約束したろ。絶対に無理はさせないって」 「うぅ………分かりました…」 オレンジ色に灯った太陽がグラウンドを照らしていた。その向かいの薄い三日月は、季節の移り変わりで随分と早くなった夜の訪れを告げている。ここ最近の急激な気温変化は彼女に良くない影響を与えているだろう。夜の練習は控えて今日は作戦やスケジュールの調整に時間を割くべきだろう。 「すいません…私、また……」 トレーナー室に戻って開口一番、もはや彼女の口癖のようになっていた謝罪だった。 「何度も言うようだけど、君の体調の管理も含めて俺の仕事だからさ。そう気にすることないよ」 「でも、もしトレーナーさんが私じゃなくて他の子の担当だったなら今頃もっと実績を……」
1 22/10/23(日)23:18:18 No.985550574
「ツヨシ!君にそんなことを言って欲しくはないな。確かに実績は欲しい。だけどそれは君とじゃなきゃ意味がないんだ。俺は君と一緒にレースを駆け抜けたいんだよ」 ツヨシは胸に手を当てたまま、申し訳無さそうに俯いている。どうにか、謝罪の言葉を探しているようだった。彼女に謝る必要がないことを伝える、それがトレーナーである俺の役目だろう。 「ツヨシ、俺が君に惚れたのはだな……」 「ふぇっ!?ほ、惚れ………?」 「そうだな、一目惚れだったと言っていい。それはもちろん、君の走る姿でもあるんだが、それ以上に君の決して諦めない闘志、どんな困難があっても、どんなに悔しくても、それを自分の力に変えていこうとする君の横顔に惹かれたんだ」 「一目惚れ………トレーナーさんが……一目惚れ…」 どうにか、彼女の心に言葉を届けることができたようだ。もう彼女の顔に哀しい色はない。俺の言葉を少しずつ噛み砕くように、彼女は視線を窓の外の空に移していた。
2 22/10/23(日)23:18:45 No.985550744
「だからさ、君の体質だって……語弊を生むかもしれないけれど、俺にとっては魅力のひとつなんだ。それを乗り越えようとする君が、という意味だけれどね。気に病む必要はないよ。そんな君だからこそ、支えたいって思ってるから」 「ちょちょちょ、急にそんなに畳み掛けられると……こう…」 顔を真っ赤にしてコミカルにブンブンと腕を振る彼女を見て、自分が少し熱くなりすぎてしまったことに気がつく。いけない、もう少し冷静に話すべきだったか…… 「トレーナーさんの思いは伝わって、すっごく嬉しいです!……でも、やっぱり同期のみんなと比べちゃって」 「確かに、君のライバルたちは素晴らしい子ばかりだ。黄金世代と呼ばれるのも納得なほどね。だけど、負ける気はないんだろう?」 「それはもちろんです!」 「それなら、俺は君を全力で支えるだけだよ。他の子達は、超えるべき壁ってだけだ。最初から、俺は君しか見てないよ」 ようやく俺たちは、お互いに進む道を共有できたようだった。体質や、ライバル、それらすべてを乗り越えて進んでいく。まだ彼女のトゥインクルシリーズは始まったばかりだ。 「さぁ、早速作戦会議といこうか」
3 22/10/23(日)23:19:12 No.985550923
~~~ 一目惚れ……私の頭の中で、ずっと反響している。絶対絶対、そんな意味はないはずなのに。トレーナーさんはただ私を信頼して励ましてくれたっていうのに、私の心は色めき立っちゃって。だって、全部私を肯定してくれる言葉だったから。結果がなかなか出せなくて、同期の子たちはどんどん先に行って。だけど、トレーナーさんは私のことを認めてくれた。支えたいとまで言ってくれた。 一目惚れ……もし本当に本当なら、私と一緒だ。スペちゃんたちが上位を独占していた模擬レースで、トレーナーさんは私を見つめていた。ほとんどのトレーナーがレースで良い成績を残した彼女たちを追う中、彼だけが私をじっと見ていた。そんな彼を見て、"レースで活躍するウマ娘"ではなくて純粋に"ツルマルツヨシ"を見つめる彼に私は惹かれていた。なんとも都合のいいお話だけれど、現実なのだからしょうがない。 「一目惚れかぁ………えへへぇ……私だけを見てるかぁ………ふひっ」 きっときっと、この先色々とあるだろう。楽しいことも、辛いことも。それでも、出会えたのがあなたで良かった。それだけは間違いなく言えそうで。
4 22/10/23(日)23:19:48 No.985551194
「一応、予習もしておかないとね。万が一ってこともあるし」 取り出したのはウマ娘とトレーナーの恋愛小説。最近、クラスのみんなの間で話題になっていたものだ。いわゆるテンプレ的な設定と展開で、色んな人が昔から繰り返してきた妄想をごった煮にして詰め込んだようなものだったから、流し読み程度で済ませていたけど、読み直すとなんだかリアリティを感じてしまって。 「へぇ……尻尾にそんな使い方が………あ、このトレーニングとか、頼めばトレーナーさんもやってくれそう……うわぁ!?」 真面目なトレーナーさんに対して邪なことを考えていた罰か、鼻血が私の手を汚していく。慌ててティッシュを鼻に当てて止血。まるで自分の想いが血になってそのまま溢れたみたいだった。いつか、こんなことも出来ちゃったらいいなぁ………なんて。まずはレースで頑張ることが第一だけどね。 そんなことを思っておきながら、私は翌日の授業中に3回も鼻血を出したのであった。私が考えているより、この想いは強いみたいだ。その日、私は図書館で新しい本を借りた。ちょうど同じような本を手に持った同期のみんなと目が合ったけど、言葉は交わさずに解散した。
5 22/10/23(日)23:20:09 No.985551347
……………この中だと、ツヨシ、スタイルに自信アリ……なんちゃって。 その日は珍しく息切れすることもなく練習を終えることができた。……あながちこの想いも、勝利への近道だったりして。そうだったら、素敵だな。
6 22/10/23(日)23:21:18 No.985551866
ツルちゃんが可愛かったので書きました。 やはり公式からの供給は助かる。
7 22/10/23(日)23:22:26 No.985552344
素敵だね
8 22/10/23(日)23:23:36 No.985552827
気の持ちようが肉体に強く作用するならそういう興奮は体力に直結する!!!!
9 22/10/23(日)23:31:24 No.985555959
むっ!
10 22/10/23(日)23:41:06 No.985559879
ツルちゃんのおっぱいに迫られたら即座に射精してしまう
11 22/10/23(日)23:58:40 No.985566714
ツヨシがかわいすぎましてね
12 22/10/24(月)00:02:20 No.985568085
ツヨシがやらかすのも時間の問題だな
13 22/10/24(月)00:02:58 No.985568307
>気の持ちようが肉体に強く作用するならそういう興奮は体力に直結する!!!! 鼻血出まくるのは体力減らない?
14 22/10/24(月)00:17:43 No.985573397
>>気の持ちようが肉体に強く作用するならそういう興奮は体力に直結する!!!! >鼻血出まくるのは体力減らない? 血が減って軽くなった!加速!!
15 22/10/24(月)00:31:07 No.985577696
病弱が治ったら嬉しいけどこんなにトレーナーさんが大切にしてくれることもなくなるのかなと思うとちょっと寂しいツヨシ ツヨシのこともっと好きになるから大丈夫だよってトレーナーさんに言われてまた鼻血が出るツヨシ
16 22/10/24(月)00:32:55 No.985578301
ほうれん草ともやしのおひたしを食べな…