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22/10/16(日)01:48:08 ずっと... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1665852488999.png 22/10/16(日)01:48:08 No.982647501

ずっと、探している。 どこにあるかもわからない。いつ出逢えるのかもわからない。 ただ、ひとつだけ確かなことがある。 それは、その景色は例えようもなく綺麗だったということ。 ──人生を変えてしまうような、たった一度の鮮烈な出逢いのように。

1 22/10/16(日)01:48:45 No.982647716

一年のうちに雨が降る日は、いったい何日あるのだろうか。梅雨の頃なら珍しくもないかもしれないけれど、今日のような秋晴れに急に雨が降り出すことはそうないことだと思う。 なら、ままならないことに溜息をついて、ただ黙ってその後始末をするしかない日は、人生の中でどのくらいあるのだろうか。 別に、高望みをしていたわけじゃないと思う。憧れの世界に入ったからといってすぐに華々しい成果を挙げられるわけではないし、やりたいことができるのは長い下積みに耐えた人だけということもわかっていた。 中央トレセンのトレーナーと言っても、専属の担当を持てる者は限られている。スカウトに成功するか、稀にウマ娘側から指名される者もいるらしいが──そんな一部の人間しか専属トレーナーにはなれず、また専属トレーナーを得ることのできるウマ娘もごく一部だ。そうでない大部分のトレーナーは、大きなチームを率いるベテランのトレーナーの下で研修をしながら技術を磨き、独立できる日を待つ。

2 22/10/16(日)01:48:57 No.982647763

数年ばかりそんな暮らしをしていれば、上司もいれば後輩もできる。そうなればそこで起こる人間関係のしがらみも、普通の会社と何も変わらない。うちの『会社』は、どうも少しばかり風通しが悪いらしい。 きっと、よくあることなのだろう。上役の一人が最近どうも結果が芳しくなく、ミスがある度に下の者たちを叱責することも、最近できた後輩たちも、止せばいいのにはっきり聞こえるように彼の悪口を言ってみたり、彼は頼りにならないからといって粗雑なトレーニングメニューを勝手に組んで実行しようとしたりすることも。 それを未然にやめさせたのはよかったが、後始末のためにチームのウマ娘たちに説明に行ったら、自分が抗議されてしまったことも、きっとよくあることだ。もういい大人になったのだから、そのくらいのことは受け入れなければ生きていけない。 そのためにこうして遅い昼食のために外に出たら、通り雨に降られてしまったことも。 大したことじゃない。運が悪かっただけだ。 ただ、少し寒いだけ。雨が止むまで。

3 22/10/16(日)01:49:23 No.982647956

子供の頃は、雨が好きだった。その優しい音色を聴きながら、雨が上がったあとに何をしようか考えるときには、明日はきっといい日になると思えた。 いつからだろう。窓の外から眺める空に、何も感じなくなってしまったのは。 音を立てて地面を叩く雨の中でも、その影ははっきりと目に飛び込んできた。耳と尻尾を携えたそのシルエットは職業柄つい目で追ってしまうけれど、その影は自分が来た道を戻るでも、雨宿りの場所を探すでもなく、しっかりとした足取りで雨の中を進んでいた。 自分が来た方向──学園の方向に進むのではなく、その逆の方向に。雨に降られて慌てる様子もなく、むしろそれを楽しむかのように、軽やかに。 見なかったことにして雨宿りを続けることもできただろう。けれど単なる愚か者として片付けるには、その足取りはあまりにもしなやかで、美しかったのだ。 「…はぁ」 ストレスのせいで、些細なことを大袈裟に捉えてしまうようになっているのかもしれない。けれどたとえ自分の頭のせいだとしても、あれを黙殺して帰ったら後で後悔すると思えた。

4 22/10/16(日)01:49:47 No.982648117

「どこ行くんだ?こんな雨の中」 先を急がない彼女に追いつくのはそう難しいことではなかった。振り返った彼女は一瞬怪訝そうな顔をしたが、こちらの胸元を見ると得心したように微笑んだ。 「トレセンのトレーナーさんか…んー、強いて言うなら、散歩?」 今度はこちらが怪訝な顔をする番だった。その顔を見て彼女は、今度は少し困ったように形の良い眉尻を下げた。 「だめかな?校則違反じゃないと思うけど…」 「駄目じゃないが…風邪引くぞ?」 「じゃあ、ちょっと急ごうか。私はいいけど。 なんか、お説教じゃなくて心配して来てくれたみたいだし」 「え?」 不思議な子だと思ったが、彼女の仕草には目を離せない魅力があった。 「もうトレセンより、行きたいとこのほうが近いから。 だから、一緒に行こうよ」 それはきっと、彼女が見せる笑顔が本当に楽しそうだったからだと思う。

5 22/10/16(日)01:50:36 No.982648359

「最近、雨多いね」 「ああ…散歩してる最中に降られたのか?」 「うん。ていうか、雨が降り出したから行ったんだけど」 本当に不思議な子だと思う。普通なら何を考えているのかと訝られたり、馬鹿にされるようなことでも、彼女が語れば深い意味のあることのように思える。決して気取らないのに、いや、気取らないからこそ、そんなカリスマのようなものが彼女にはあった。 「なんで?」 「雨の日にわざわざ外に出る人なんて、めったにいないじゃん。 だからさ、もしそこに、すごくきれいなものがあったとしたら、それはまだ誰にも見つけられてないかもしれない」 今ここにはないなにかに想いを馳せるような彼女の語り口に、すっかり夢中になっている自分がいた。

6 22/10/16(日)01:50:52 No.982648416

「着いたね。屋根あるから入ろ」 そこは、少し小高い丘の上にある公園だった。街の景色が一望できて、週末は家族や恋人たちで賑わうスポットだが、今は誰もいない。皆、雨に降られて帰ってしまったのだろう。 「次は何しよっか。きみの話はまだ聞いてなかったから、よければ聞かせてほしいな」 「本当に楽しそうだな…愉快な話じゃないぞ」 「いいよ。きみと話すの面白いし」 できるだけ愚痴っぽくならないように話したつもりだったが、彼女は同情するようにこちらを見ていた。 「大人って、大変なんだね。他人事みたいだけど」 「他人事でいいんだよ。俺みたいなつまんない大人になるより、何でも楽しめる方が絶対いいって。 …年寄りくさいな、これ」 辛気臭い話を延々と続けて、それでも負い目を感じずにいられたのは、どんなときでも彼女が楽しそうにしているからだった。そのくらい、彼女の振舞いは心に潤いを与えてくれる。 「じゃあ、今からでも楽しいことしようよ」 彼女が楽しいと言えば、本当に何かわくわくすることがこれから起こるような気がするくらい。

7 22/10/16(日)01:51:02 No.982648469

「見て、すごいよ」 雨はいつの間にか小降りになっていて、地平線の向こうから夕焼けが覗いていた。顔を上げて辺りを見渡せば、一幅の絵画に起こしたかのような景色が広がっていた。 まだ少し残った雲の切れ間を通って、街に光の梯子が降りる。その隙間から覗く、いつも見ているはずの青い空がこんなにも綺麗に見えるのなら、冷たい雨も悪くないとさえ思えた。 さっきまで頭の上を憂鬱に覆っていた雲も、黄金色の光に包まれて空を美しく彩っている。舞い落ちる雨粒は、夕陽の刷毛で茜色のビーズになった。 掛け値なしに、美しいと言える景色だった。 「…本当だな。こんなの見たことないよ」 「行こ?ほら、はやく」 そう言うと、彼女は事も無げにこちらの手を取った。 「ちょっ、濡れるって…!」 「えー?いいじゃん。 ほら、こんなに綺麗なんだから、蹲ってるだけなんて勿体ないよ」

8 22/10/16(日)01:51:18 No.982648545

雨粒が顔に当たって、まだ濡れた体は寒いと訴えている。けれど心は、もうそんなことを気にしてなどいなかった。 さっきまでの躊躇いは、彼女とともに走り出すといつの間にか消え去っていた。冷たい雫さえも、これから待っている景色を思えば心地よく思える。 「つめたい…!でも、楽しい…! あはは…!」 「…はは、そうだな…!」 美しい絵の中に飛び込んだような、夢のような心地だった。溢れ出した色彩の中で、彼女は一身に光を浴びて踊っていた。 「ほら、ね? この景色は、きっと私たちが一番乗りだよ」

9 22/10/16(日)01:51:50 No.982648717

「へくちっ」 すっかり日も落ちた帰り道に、彼女の可愛らしいくしゃみが響いた。楽しすぎて忘れていたけれど、自分たちは足の先までずぶ濡れだったのだ。 「とりあえずこれ着たら?半乾きだけど君のよりは濡れてないから」 「ありがと。 きみも付き合いいいね。もうこんな時間なのに」 彼女と話していると、本当に時間を忘れてしまっていた。コートを脱いだ寒さも、この時間のためなら受け入れられると思えた。 「いいって。気にしないで。 本当に久しぶりに、楽しいなって思えたからさ」

10 22/10/16(日)01:52:07 No.982648788

「今更だけど、名前聞いてなかったな。 聞いていいか?レース出るときは観に行くよ」 学園の門の前に来て、彼女と別れる前に思い出した。同じ学園にいれば、また会える日がいつか来るかもしれない。 ターフの上で、彼女はどんなふうに走るのだろう。彼女との時間で、その瞬間が本当に楽しみになった。 「シービー。 ミスターシービーだよ。よろしくね」 透き通るような声で、彼女は自らの名を告げた。 今日は本当にいい日だった。昼間あった嫌なことなど、全て忘れてしまえるくらい。 「上着、洗って返すよ。またね、ミスター・トレーナー」 明日が来るのが楽しみだと、思えるようになったから。

11 22/10/16(日)01:52:27 No.982648867

あの日から数日経って、いつものように書類仕事をしていたとき。学園の廊下で、背中から見知った声がした。 「随分忙しそうだね、ミスター・トレーナー? ふふ、それじゃポストマンだよ」 封筒をいっぱいに抱えた手を見て、彼女はいつものように楽しげに微笑んだ。 「毎日こんな感じだよ。これをチェックするのが今日の俺の仕事」 「そっかー。何時くらいに終わる?」 「うーん。頑張れば昼過ぎには」 「じゃあ、終わったらグラウンドに来てくれる?この前の上着も返したいし」 「ああ…でも待ってなくていいぞ?別の仕事が入ったら伸びるかもしれないし。 上着のことなら急がなくて大丈夫。替えはあるから」 彼女を気遣って遠慮したつもりだったのだが、どうやら彼女のお気に召す答えではなかったらしい。 「えー?せっかく練習の休憩に時間合いそうなんだから、おやつ一緒に食べたかったのに。 それに見たくない?私の走るとこ」

12 22/10/16(日)01:52:51 No.982648970

何にせよ、仕事のモチベーションが上がるのはいいことだ。 「それを言われると弱いんだよなぁ… わかった。行くよ」 「いいね。じゃあ、待ってるよ」 終わった後の楽しみがあれば、退屈な作業にも張りが出る。 衝撃が大地を伝って、こちらの体まで揺らしてくるようだった。 「すごい加速だ…!それに、これだけ走ってもまだ息が上がってない」 そのくらい、彼女の走りは力強かった。 トレーナーとしてウマ娘を何人も見てきたし、その中にはG1の栄冠を掴んだ強い者もいた。彼女たちのような実力のある者の走りは、見ているだけで何か光るものを感じさせる。 その中にあってなお、彼女の走りは特別だった。強いだけではなく、特別だと思えた。

13 22/10/16(日)01:53:36 No.982649209

「おつかれ。それにしてもすごい走りだったな…!」 「よかった。仕事の気晴らしにはなれたかな?」 圧倒的な強さを感じるウマ娘は、片手で数えるほどでしかないが見たことはある。学園の生徒会長たるシンボリルドルフや、怪物と畏怖されるナリタブライアンの走りを見たときには、体中に戦慄が走ったのを覚えている。 けれど、彼女の走りはそれとははっきりと異なっていた。身体を強張らせる圧倒的な強さだけではない。この子はどこまで走るのか、どこまで届くのかと期待させてくれる、舞い上がるような高揚感は、他の強者たちには感じなかったものだった。 「ああ、もちろん。 それで、誰に担当してもらってるんだ?次はレース場でこの走りを見てみたいよ」 これだけ素晴らしい才能を持つウマ娘なら、きっともう専属トレーナーがいて、公式戦に向けてトレーニングをしているのだろう。そう思うのも当然と言える走りだった。 「ん? トレーナーはいないよ?アタシは一人」 そんな予想は、彼女の一言で裏切られた。

14 22/10/16(日)01:53:57 No.982649311

「なんでだ?多分、スカウトなんていくらでも来ただろ」 「うん。いっぱい来た。 レースも好きだよ。誰かと走ってるときにしか、感じられない風があるから。 そうやって、行けるところに、行きたいところに行っていたら、結局このグラウンドに戻ってくるんだ。ここにはアタシを楽しませてくれる人がたくさんいるから」 意外な答えだったけれど、それが彼女らしくもあった。名誉も栄光も求めず、競走というものをただ純粋に愛しているのなら、夢の舞台は必ずしも、華やかなレース場ではないのかもしれない。 「それにね── ううん、何でもない」 別れ際に彼女が呑み込んだ言葉は、彼女の鮮烈な走りとともに、脳裏に残り続けていた。

15 22/10/16(日)01:54:18 No.982649400

明くる日の夕方のことだった。 いつものように退屈な仕事を終えてふと窓を見やると、昨日と同じように彼女がグラウンドに立っていた。彼女と向き合うもう一つの人影とともに。 スラックスを身に付けたその影は、一目でトレーナーとわかった。 本当に、興味本位だった。彼はきっと彼女をスカウトしに来たのだろうが、彼女がそれにどう答えるのか気になったのだ。 けれど、階下に降りて彼女の姿を再び認める頃には、事態は思いもよらない方向に向かっていた。 「──きみの担当にはなれないよ」 「なぜだい。理由を聞かせてくれ」 「それも、さっきから言っている通りだよ。 きみが彼女たちの走りを否定したからさ」 そう話す彼女の声は、昨日と打って変わってひどく冷たかった。 「否定だなんて…僕はただ、君にはもっといい環境で走ってほしいだけなんだ。その才能をただ遊ばせておくなんて、浪費以外の何物でもないよ」 「評価してくれてありがとう。でも、きみの言う才能が私のものなら、それをどう使うかは私の自由じゃない? きみがそれをどう思うかも自由だけど、口に出して決めつけようとするなら話は別だよ」

16 22/10/16(日)01:54:55 No.982649588

彼女の声音には、はっきりと揺るがない拒絶の意志があった。それに向かい合っているトレーナーも、自分の言い分を頑として譲らない。 けれど、彼のそれは彼女のような確固たる信念というよりは、彼女にはっきりと否定を突きつけられたが故に意固地になっているように見えた。 「…僕のところなら、練習の相手ももっとレベルの高い走者を用意してあげられる。グラウンドだって、君が望むなら好きな時間に使えるようにできるよ。 悪い話じゃないと思うが」 「きみのところに行ったら、この子たちとはどうなるの?」 「君と彼女たちではレベルが違いすぎる。君にも彼女たちにも、不要な労力と時間をかけるだけだろう」

17 22/10/16(日)01:55:15 No.982649679

彼女はまず、後ろを見た。張り詰めた空気の中で怯えている、彼女の併走相手になるはずだった後輩たちがそこにいた。 その存在を確かめるように、彼女はゆっくりともう一度、トレーナーのほうに向き直った。 「この子たちは、みんなアタシと走りたいと言ってくれた。たとえ今は実力に隔たりがあったとしても、アタシにいつか追いつきたいから、一緒に走りたいからと言って、何度でも喰らいついてきた。 この子たちと一緒に走ったあとは、レースって素晴らしいなって、心から思える。この子たちは立派にアタシの力になってる。 きみはきみの正しいと思うことをすればいい。でも、そのすべてにアタシが従わなきゃいけない理由はない。 きみの正しさがこの子たちを置き去りにするのなら、アタシはきみの正しさに納得することはないよ」

18 22/10/16(日)01:55:46 No.982649828

彼女は最後まで、取り乱すことも狼狽えることもしなかった。ただ静かに、厳かに、自分の信じる道を示した。 「さあ、走ろう。レースが始まれば、もう誰も邪魔はできないよ。 ──お引取りを」 貶すことも、辱めることもない。 けれど、納得できないものには決して屈しない。 彼女の姿勢は、透き通っていた。淀みの中に差す、一筋の光のように。

19 22/10/16(日)01:56:25 No.982649991

「待て!ふざけるな!人が善意で話してやっているのに──」 「しつこいよ。きみとは──」 「すみません、ちょっとよろしいですか」 「何だ!あとにし──」 すっかり頭に血が上っていた様子の彼だったが、こちらの顔を見て言葉を呑んでくれた。 彼はよく知っているトレーナーだった。大規模な自分のチームを持っていて、こちらのチームともメンバーのやり取りをすることがあるのだが、強いウマ娘を育てるというよりは既に強いとわかっているウマ娘を集めるという方針から、一部のトレーナーからは眉を顰められている人物でもあった。 「君はたしかあそこの── 何かあったのかい」 「はい。例の移籍の件なんですが、うちのトレーナーは前向きに考えているので、すぐにでも話したいと」 その彼とこちらのトップとの間で、選手の移籍についての交渉が持ち上がっていた。自分はその折衝役を任されていたので、お互いの提示する条件が合わず中々話が進まないことに彼が悶々としていることも知っていた。

20 22/10/16(日)01:57:09 No.982650167

「本当かい?よし、今すぐ行こう」 「承知しました。私はこのあと別件があるので参れませんが、ご成功をお祈りしております」 さっきとは一転して楽しげに立ち去っていく彼を見送ると、シービーは安心したようにこちらに振り向いた。 「ありがと。また助けてもらったね」 「大人がきちんと大人の対応をしなくちゃな、ああいうときには」

21 22/10/16(日)01:57:28 No.982650255

後輩たちとの併走も終わり、グラウンドには彼女と自分のふたりだけが残された。 「ナイスアシストだったよ。アタシじゃあの人を諦めさせられなかったから」 「歳を取ると、嫌でもこんなふうに小賢しくなるさ。そんなつまらないことを覚えるために、君の今の楽しみを潰すことはない。それに── 君の『好き』を、守りたかったんだ」 納得できないことには、決して首を縦に振らない。自分の『好き』を、決して諦めない。 もう自分がなくしてしまったその強さが、彼女の中で燦然と輝いているのなら。 その煌めきを守りたかった。退屈だと思っていた世界が、彼女の瞳が拾い上げる美しさで色づいてゆくのを、ただ見守っていたかったのだ。 「アタシが好きなことは、きみの好きなことじゃないかもしれないよ?」 「気づいてないのか? シービーが楽しそうにしてると、みんな楽しいんだよ。だから俺も、勇気を出そうと思ったんだ」

22 22/10/16(日)01:57:54 No.982650355

「アタシにトレーナーがいない理由のもう一つは、ああいうこと。 いつもそうなんだ。おかしいって思ったら我慢できなくなる。もっといい方法とか、いくらでもあったはずなのに、真正面から対決せずにはいられないんだ。 …割り切れないんだ。わかってるのに。大人からしたら、きっと我儘なんだってわかっってはいるけど」 彼女は珍しく、悪戯がばれた子供のように、ばつが悪そうに微笑んだ。 「…心配にはなるけど。でも、俺はシービーのそういうところ、いいと思うよ。 …俺はずっと、やり過ごすことばかりしてきたから」 信じることを貫くことは、大人になるほど難しくなる。それによって損をすることや傷つくことを学んで、人は大人になるのだから。 だからこそ、彼女の透徹した在り方は、何よりも眩しく、美しく見えるのだろう。 「嫌か?そういう自分は」 「…ううん。 だって、きみが好きって言ってくれたからね」

23 22/10/16(日)01:58:13 No.982650425

彼女は純粋に、この世界の美しさを愛しているのだろう。それを守るために傷つくことも、決して厭わないほどに。 「ねえきみ、今担当の子とかいる?」 「ん?いないよ。チーム所属だからな」 「そっか。 じゃあ、アタシのトレーナーにならない?」 昨日までの自分なら、彼女に釣り合わないと尻込みしていたかもしれない。 でも、今は迷わない。こんな自分でも、自分にしかできないことがあるとわかったから。 「俺にできないことが、君にはたくさんできる。 だから、俺は君にできないことをするよ。 きみにできないやり方で、きみのしてほしいことを」

24 22/10/16(日)01:58:23 No.982650471

探しに行こう。君とならきっと見つけられる。 「…ありがとう。これからよろしくね。アタシのトレーナー」 「ああ。頑張るよ。君が行きたいところに行けるように。 だから、また俺に見せてくれ。君が見たい、最高の景色を」 まだ誰も知らない、美しい世界を。

25 22/10/16(日)01:59:11 No.982650654

おわり CB先輩実装の機運が高まってそうなので妄想ウマ娘ストーリーをひとつ

26 22/10/16(日)01:59:32 No.982650737

急に力作が来た?

27 22/10/16(日)02:00:10 No.982650876

来た!!

28 22/10/16(日)02:00:16 No.982650898

微妙

29 22/10/16(日)02:01:45 No.982651308

普通じゃないことはたくさんできるけど普通のことはできない顔のいい美人いいよね

30 22/10/16(日)02:06:55 No.982652732

本人が来るとしてカツラギエースも来るのかが問題だ

31 22/10/16(日)02:07:26 No.982652857

自由を誰よりも愛しているから自由にしか振る舞えないんだよね でもそんな姿が皆を引き付けるんだよね

32 22/10/16(日)02:07:50 No.982652958

スレッドを立てた人によって削除されました こちらを上げるためにクズみたいなトレーナー登場させて そいつとは違いますよって感じで相手の気持ちゲットするのはスカッとジャパンみあってな…

33 22/10/16(日)02:09:20 No.982653403

スレッドを立てた人によって削除されました 雑な悪者出すと話作るの楽だから仕方ない

34 22/10/16(日)02:10:55 No.982653808

スレッドを立てた人によって削除されました >こちらを上げるためにクズみたいなトレーナー登場させて >そいつとは違いますよって感じで相手の気持ちゲットするのはスカッとジャパンみあってな… そっちのトレーナーも極悪人ってわけじゃないし結果も出してるんだ ただ他人のやり方を受け入れられなかっただけなんだ

35 22/10/16(日)02:11:05 No.982653864

スレッドを立てた人によって削除されました 公式がそういうの既にやってるし今更

36 22/10/16(日)02:12:04 No.982654110

スレッドを立てた人によって削除されました >公式がそういうの既にやってるし今更 公式がやってるかやってないかとそれが見てて面白いかどうかは別だけどね

37 22/10/16(日)02:12:38 No.982654274

スレッドを立てた人によって削除されました >公式がそういうの既にやってるし今更 桐生院お出かけイベント以外でいたっけ

38 22/10/16(日)02:12:58 No.982654370

スレッドを立てた人によって削除されました 皇帝シナリオに出てくるかませトレーナーたちを一蹴して契約勝ち取るトレーナーかっこいいよな! とかはなったことないしな…

39 22/10/16(日)02:13:46 No.982654582

なんてこったミスターシービーキャラストが4話まで漏れちまってる

40 22/10/16(日)02:14:44 No.982654828

シチーはちょっと違うけど クリークの出会いストーリーそんな感じだったような気がしないでもない

41 22/10/16(日)02:15:29 No.982655015

綺麗なものばかりじゃないからな…

42 22/10/16(日)02:20:39 No.982656240

書き込みをした人によって削除されました

43 22/10/16(日)02:24:46 No.982657218

なんというか目が滑る

44 22/10/16(日)02:24:47 No.982657219

スレッドを立てた人によって削除されました 誰も不幸にならないとかでいうなら当て馬を登場させて恥かかせるより単純に登場人物絞ったりして少ない面子をしっかりやるといいかも 序盤のトレーナーとシービーの出会いがいい雰囲気だけに突然後半で変なトレーナーでてきてそいつがキレてるところを助けて急に契約みたいな流れが電車男みたいになっとるのでもっと良くできたんじゃないかと残念ではある

45 22/10/16(日)02:25:20 No.982657340

やりたいことはなんでもやろうとするけどやりたいことしかできない女

46 22/10/16(日)02:38:09 No.982659872

スレッドを立てた人によって削除されました >こちらを上げるためにクズみたいなトレーナー登場させて >そいつとは違いますよって感じで相手の気持ちゲットするのはスカッとジャパンみあってな… だってこういう人間げんじつにいるんだもん 君も鏡を見ればそこにいるよ

47 22/10/16(日)02:38:15 No.982659894

サポカといい1コマといいなにかと雨に縁のある女でもある

48 22/10/16(日)02:41:13 No.982660403

浮世離れした顔のいい女が嫌いな人はいないからな…

49 22/10/16(日)02:46:19 No.982661240

長いけどあんまり面白くなかった

50 22/10/16(日)02:46:21 No.982661243

片付けに無頓着だったり料理が雑だったりするけど好きなものをいっぱい集めた部屋の中でベッドに寝転がるシービーは画になると思うんだ

51 22/10/16(日)02:52:05 No.982662162

社畜生活を受入れそうになっちゃってるくらい心が弱ってるところにシービーと会ったら人生ひっくり返るのもさもありなん

52 22/10/16(日)02:56:42 No.982662980

すごい子ではあるけど決して完璧な人間ではないしそこが魅力でもあるから 強さは明らかだけど誰かを必要としてる子でもあると思う

53 22/10/16(日)03:01:54 No.982663772

原作を掘れば掘るほどエピソードが出てくるので本当に華のある馬だったんだよなぁ おまけに顔もいい

54 22/10/16(日)03:12:25 No.982665265

マルゼンさんにけっこう世話焼いてもらってたね 酔ったトレーナーを介抱したり本人も面倒見いいけど甘えていい相手にはけっこう甘えに来るタイプだといいと思います

55 22/10/16(日)03:28:43 No.982667235

雨に濡れたまま帰ってくることを厭わないから誰かが傘を差し出してあげなければいけない娘でもある

56 22/10/16(日)03:40:53 No.982668566

スレッドを立てた人によって削除されました 女帝トレはそんな感じだけどそれ以上にヒスいのが目に余る…

57 22/10/16(日)03:45:13 No.982668995

>>こちらを上げるためにクズみたいなトレーナー登場させて >>そいつとは違いますよって感じで相手の気持ちゲットするのはスカッとジャパンみあってな… >だってこういう人間げんじつにいるんだもん >君も鏡を見ればそこにいるよ 正直怪文書のスレで無意味に喧嘩腰なの即管理だと思うんだが これ管理しないのってそういう…ってなる

58 22/10/16(日)03:46:43 No.982669140

スレッドを立てた人によって削除されました つまんね

59 22/10/16(日)03:46:49 No.982669155

なんか知らんが火を付けたがってるように見えるぞ

60 22/10/16(日)03:51:35 No.982669616

雨の後なんだから湿気てるのさ 点きゃしない

61 <a href="mailto:s">22/10/16(日)03:52:23</a> [s] No.982669682

>>>こちらを上げるためにクズみたいなトレーナー登場させて >>>そいつとは違いますよって感じで相手の気持ちゲットするのはスカッとジャパンみあってな… >>だってこういう人間げんじつにいるんだもん >>君も鏡を見ればそこにいるよ >正直怪文書のスレで無意味に喧嘩腰なの即管理だと思うんだが >これ管理しないのってそういう…ってなる すみません 普通に寝落ちしてました…

62 22/10/16(日)03:53:14 No.982669754

指摘されたら起きるのか…

63 22/10/16(日)03:55:38 No.982669987

洒落臭いのは全部掃除したら ええ!

64 <a href="mailto:s">22/10/16(日)04:06:03</a> [s] No.982670909

敵対的なポジションの人物の扱いって難しいですね… 不快な思いをさせてしまって本当に申し訳ありません

65 22/10/16(日)04:06:56 No.982670985

色々あると思うけど俺は面白かったよ ありがとう

66 <a href="mailto:s">22/10/16(日)04:09:34</a> [s] No.982671220

>色々あると思うけど俺は面白かったよ >ありがとう ありがとうございます…精進します

67 22/10/16(日)04:09:36 No.982671222

スレッドを立てた人によって削除されました 別に屑じゃないし対立トレーナーだすのは公式もやってますけど…

68 22/10/16(日)04:12:02 No.982671441

ここのレスは間に受けんでよい

69 22/10/16(日)04:17:21 No.982671895

俺たちの三冠馬いいよね… 面白かったです

70 <a href="mailto:s">22/10/16(日)04:20:17</a> [s] No.982672155

対立トレーナー関係のレスは自分のものも含めてとりあえず平等に管理させていただきます… 全ては私の不手際の致すところです 本当に申し訳ありません…

71 22/10/16(日)04:24:14 No.982672497

もっと図太く行ったほうが楽だぞ

72 22/10/16(日)04:30:32 No.982672963

美しいものを見た

73 22/10/16(日)04:31:16 No.982673021

雨に濡れたシービーを拭くためにタオルを常備するトレーナーいいよね 皐月賞のときに泥まみれなのも厭わずにシービーを労いに行って自分も濡れちゃうんだよね

74 22/10/16(日)04:31:24 No.982673034

imgは展覧会じゃないし「」は批評家でも観客でもないんだ もっと気軽に落書きをサラサラしてもいいんだ

75 22/10/16(日)04:31:59 No.982673077

スレッドを立てた人によって削除されました 便乗してポンチしたがってるのならともかく >こちらを上げるためにクズみたいなトレーナー登場させて >そいつとは違いますよって感じで相手の気持ちゲットするのはスカッとジャパンみあってな… >桐生院お出かけイベント以外でいたっけ >皇帝シナリオに出てくるかませトレーナーたちを一蹴して契約勝ち取るトレーナーかっこいいよな! >とかはなったことないしな… >誰も不幸にならないとかでいうなら当て馬を登場させて恥かかせるより単純に登場人物絞ったりして少ない面子をしっかりやるといいかも >序盤のトレーナーとシービーの出会いがいい雰囲気だけに突然後半で変なトレーナーでてきてそいつがキレてるところを助けて急に契約みたいな流れが電車男みたいになっとるのでもっと良くできたんじゃないかと残念ではある ここら辺は普通に怪文書の中身で話してるし消すのは正鵠なレス見たくないだけになってると思うが…

76 22/10/16(日)04:33:00 No.982673143

スレッドを立てた人によって削除されました だからいちいち火を付けたいのかい

77 22/10/16(日)04:35:00 No.982673267

スレッドを立てた人によって削除されました >だからいちいち火を付けたいのかい むしろ管理すべきは怪文書の話してるレスにこういうカッカしてるのでは?

78 22/10/16(日)04:35:46 No.982673321

>No.982673077 内容に関しての批判は全く正当だと思うのですがそれを起点に荒れてしまった感じがあるので… 申し訳ありません

79 22/10/16(日)04:36:58 No.982673395

序盤よかったから後半電車男になっちゃったのが残念なのは本当 途中CBに担当いないのか話してる流れからCBの真意を汲み取った会話をしてCBから契約の話を持ち出すとかしたら まるまる途中のイヤなやつカット出来るからブラッシュアップ出来ると思う

80 22/10/16(日)04:37:34 No.982673434

スレッドを立てた人によって削除されました 便乗してポンチしたがってるのならともかく >こちらを上げるためにクズみたいなトレーナー登場させて >そいつとは違いますよって感じで相手の気持ちゲットするのはスカッとジャパンみあってな… >桐生院お出かけイベント以外でいたっけ >皇帝シナリオに出てくるかませトレーナーたちを一蹴して契約勝ち取るトレーナーかっこいいよな! >とかはなったことないしな… >誰も不幸にならないとかでいうなら当て馬を登場させて恥かかせるより単純に登場人物絞ったりして少ない面子をしっかりやるといいかも >序盤のトレーナーとシービーの出会いがいい雰囲気だけに突然後半で変なトレーナーでてきてそいつがキレてるところを助けて急に契約みたいな流れが電車男みたいになっとるのでもっと良くできたんじゃないかと残念ではある ここら辺は普通に怪文書の中身で話してるし消すのは正鵠なレス見たくないだけになってると思うが…

81 22/10/16(日)04:38:46 No.982673522

スレッドを立てた人によって削除されました 読んでないけど管理権剥げたら面白そうだからdelした

82 22/10/16(日)04:39:35 No.982673573

摩れてしまったトレーナーとシービーの出会いなんだからいいと思うが

83 22/10/16(日)04:39:48 No.982673590

スレッドを立てた人によって削除されました >スレッドを立てた人によって削除されました >こちらを上げるためにクズみたいなトレーナー登場させて >そいつとは違いますよって感じで相手の気持ちゲットするのはスカッとジャパンみあってな… これを消すのは違うと思う

84 22/10/16(日)04:40:25 No.982673631

一々触るのもあれだが管理に文句付けるのは大帝

85 22/10/16(日)04:41:05 No.982673679

なんか外訛りもきついしまずは半年書き込まずに様子見してみたら?とは思う なんなら他所に投下した方ウケるよこれ多分

86 22/10/16(日)04:41:25 No.982673702

スレッドを立てた人によって削除されました ヒロアカスレ民っぽいイチャモンだな

87 22/10/16(日)04:43:54 No.982673867

他の怪文書スレでもこんな鼻につく物言いしてる荒らし居たぞ…

88 22/10/16(日)04:57:57 No.982674747

雨上がりのようにスッキリ読めたし スレの管理なんて自分の為であり他の見ている人にとってノイズになるものを消す為のもなんだから好きにしたらいいんだ

89 22/10/16(日)05:01:25 No.982674974

sつけて返信とかせず黙って気に入らないやつ管理しとくのがいいよ

90 22/10/16(日)05:09:57 No.982675536

スレッドを立てた人によって削除されました ウマゲェジさあ…

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