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22/09/19(月)23:35:38 「まる... のスレッド詳細

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22/09/19(月)23:35:38 No.973573231

「まるで──魔法にかけられたみたいだった!」 まるで、子どものように。彼は、顔を綻ばせた。

1 <a href="mailto:スイープシナリオ4話あたりの時系列">22/09/19(月)23:36:51</a> [スイープシナリオ4話あたりの時系列] No.973573635

──スイープトウショウに振り回された数日間は、喧嘩から始まったフリースタイルレースとドクダミ茶の臭気、そして幼い抱擁で一端の区切りを迎えた。 「……何か、掴んでくれてるといいんだけど」 いまだにドクダミ茶の味が残る口内に顔を顰めながら、部屋へと戻っていったスイープトウショウの顔を思い出す。 俺が意識を失う直前、確かに何かに気付いて楽しそうに笑っていた彼女の顔を。 ……指導者への不信感が募っていた彼女に、何か新しい気づきがあれば良いのだが。 「納得の行く答えが見つけられるといいんだけど──ん?」 彼女の今後について考えていると、来客を告げるインターホンの音。こんな時間に誰だろうと、限界へ向かうと── 「あ、デュランダル。どうした?」 俺の、担当ウマ娘が立っていた。

2 22/09/19(月)23:38:05 No.973574058

「あ、そうだ。明日のトレーニングは──がっ!?」 声をかけようとした瞬間、先程のスイープの比ではない圧力が俺の背骨を襲った。 上半身がミシミシと軋む錯覚を覚えさせるデュランダルの両腕。ガッチリと俺の腰に回されたそれが織りなす抱擁は、先程まで頭の中を埋めていたスイープのことを吹き飛ばすのに十分過ぎた。 何度か彼女の肩を叩くことで、ようやく力を緩めてくれたが──腕が、離されることはなく。 「あなたが、倒れたと。聞きました」 俺の胸に顔を埋めたまま、デュランダルが口を開く。その表情は伺えないが、声は微かに震えているような気がした。 「……ごめん」

3 22/09/19(月)23:39:15 No.973574450

それから数分間。 胸にデュランダルの体温が宿った頃に、彼女は両腕を離した。玄関先での立ち話で済ませるものでもないため、彼女を部屋に招いて座らせる。 「体調は。問題ないのですか」 「あ、ああ……ちょっと疲れてただけだと思うから。少し休めば」 「そう……ですか」 デュランダルは目を閉じる。きっと言いたい事がたくさんあるのだろう。その表情は変わらないが、耳と尻尾は落ち着きなく揺れている。 「……あなたは」 そわそわと忙しなく揺れ動くそれらが落ち着くのと同時に、彼女は瞼を開けた。 「あなたは、私の鞘になると。そう言いましたね」

4 22/09/19(月)23:40:37 No.973574942

「ああ」 「……あなたに。あなたに、何かあれば……私は、どうすれば良いのですか……」 「……ごめん」 ただ、謝る他にない。 確かにスイープトウショウの才能は素晴らしいものだが、それで己の体調管理を怠り、あまつさえデュランダルへ心配をかけてしまった。 「……わかっています。あなたは、私だけの鞘ではありません。ですが、あなたは一人しかいないのです。忘れないで、ください」 「わかってる……本当にごめん、気を付けるよ」 鋭い眼差しが俺を差し貫く。 沈黙が部屋に満ちて、時計の針が何周かして──先に口を開いたのは、デュランダルだった。 「……理解したのであれば。私から言うことは、何もありません」 「……ごめん。ありがとう」

5 22/09/19(月)23:42:11 No.973575523

もう二度と、デュランダルに心配はかけないようにしよう。 声に出さず胸に誓うと、デュランダルは溜息を一つ吐いて。 「それで。彼女は……スイープトウショウは。あなたの目から見て、どうなのですか」 ここ数日間、スイープトウショウに付き合っている間、デュランダルには黙って見守ってくれるようにお願いしていた。 ただでさえ指導者への不信感が募っていたスイープトウショウに、先輩といえどデュランダルが声をかけるのは逆効果となってしまう可能性があったからだ。 「……何度か、己を抑えるのに自信がなくなりました。成果は、あったのですか。あなたが、そこまで身を削るのに値するものは──」 「あったよ」 その問いには即答できる。 間違いなく、スイープトウショウは才能の塊だ。

6 22/09/19(月)23:43:11 No.973575859

「彼女は、間違いなく天才だ。将来的にはG1だって夢じゃないと思う」 「……それ程までに?」 「ああ……まるで」 目を閉じて、スイープトウショウの走りを思い出す。抜群の切れ味で芝生を駆け抜けていく彼女の姿。 小さい身体ながら、後方からウマ娘達を最終直線で追い抜いていく、その目が瞬きすらも許さない末脚は── 「まるで──魔法にかけられたみたいだった!」 デビュー前の、マトモな指導も受けていない状態であの走り。 もしスイープトウショウが俺のチームに入ってくれるのなら、成長した彼女の走りを間近で見る事ができる。 その為なら、この身をいくら削っても惜しくはない……デュランダルに心配をかけない範囲内で、だが。

7 22/09/19(月)23:44:44 No.973576427

「……わかりました。であれば。私からの言葉はこれ以上は不要でしょう」 「きっと、デュランダルの良いライバルにもなってくれると思う」 全てはスイープの答え次第だが、フリーレースの終わり側に見せてくれたあの笑顔を思えば悪い感触は無いと思う。 今のうちに本格的に彼女と契約を結ぶ準備をしても悪くはないだろう。 「……楽しみにしておきます。ですが。正式にチームとして彼女を迎えるのであれば……私は、容赦はしませんよ」 「……お手柔らかに頼むよ」 ……しかし。 素直だが我が強いデュランダルと、ワガママなスイープトウショウ。 打ち解けるまで、何度かぶつかることになるだろうと思うと── 「……これからが、本当に大変だなぁ……」

8 22/09/19(月)23:45:09 No.973576560

「あ、デュランダル。お詫びにこのペットボトルのお茶を」 「いりません」

9 22/09/19(月)23:46:43 No.973577147

聖剣先輩育成シナリオを投下してから一年くらい経ったので今までの流れを汲んでスイープ編を書こうと思ったけど スイープを引けていなかったことを思い出して泣いた 今までの聖剣先輩 fu1457213.txt

10 22/09/19(月)23:47:44 No.973577527

聖剣怪文書久しぶりに見た

11 22/09/19(月)23:48:46 No.973577954

久しぶりのCV川澄先輩

12 22/09/19(月)23:51:42 No.973579033

>久しぶりのCV川澄先輩 ならウチは門脇舞以っスね

13 22/09/19(月)23:52:01 No.973579136

カエルはこれ読んでどう思う?

14 22/09/19(月)23:54:15 No.973579945

>カエルはこれ読んでどう思う? スイープトウショウとトレーナーの絆の尊さは言うまでもないが 我々にトレーナーの原点とも言えるデュランダルとの絆を思い出させてくれるスイープトウショウの存在はやはり何者にも代えられないものであると再認識させてくれた

15 22/09/19(月)23:54:56 No.973580158

>カエルはこれ読んでどう思う? でも正妻はスイープトウショウだと思うゲコ

16 22/09/19(月)23:55:40 No.973580424

優駿。

17 22/09/19(月)23:56:09 No.973580599

そういやikzeがスイーピーガチャ引いてたけど天井ギリギリまで来なかったな…

18 22/09/19(月)23:57:14 No.973580975

>そういやikzeがスイーピーガチャ引いてたけど天井ギリギリまで来なかったな… ヤダヤダヤダー!

19 22/09/19(月)23:57:48 No.973581180

良い…

20 22/09/19(月)23:58:15 No.973581328

>>久しぶりのCV川澄先輩 >ならウチは門脇舞以っスね 自惚れるなよ愚妹

21 22/09/19(月)23:59:33 No.973581797

聖剣先輩をヒロインとして書き過ぎて他の子を書くのが難しくなってきたという弊害が

22 22/09/20(火)00:01:12 No.973582450

>聖剣先輩をヒロインとして書き過ぎて他の子を書くのが難しくなってきたという弊害が ルート毎に分ければいい

23 22/09/20(火)00:01:24 No.973582521

>>そういやikzeがスイーピーガチャ引いてたけど天井ギリギリまで来なかったな… >ヤダヤダヤダー! 尊い…

24 22/09/20(火)00:02:01 No.973582770

聖剣のヒロインちからはそりゃ高い どのエピソードも強すぎる

25 22/09/20(火)00:03:20 No.973583229

>>>そういやikzeがスイーピーガチャ引いてたけど天井ギリギリまで来なかったな… >>ヤダヤダヤダー! >尊い… 良いよね「簡単には出てやらないんだから!」ってぷんぷんしてたけど天井ギリギリまで行って「そ、そこまで呼ぶなら仕方ないわね……」って出て来るの

26 22/09/20(火)00:04:31 No.973583635

このikz……トレーナーと聖剣先輩は出会いストーリーの時点でお互い脳破壊してるからな

27 22/09/20(火)00:06:33 No.973584298

スイープでこの様相ならドリジャになったらどうなるんだと思ったら激おこだった

28 22/09/20(火)00:12:38 No.973586377

オルフェーヴルは果たしてどうなるのか

29 22/09/20(火)00:20:41 No.973588969

こんなこと言ってるけど雪の日のエピソードとかもちゃんと手を出さずに見守ってくれるのが聖剣先輩

30 22/09/20(火)00:22:41 No.973589607

存外スイープは聖剣先輩になつきそう

31 22/09/20(火)00:22:46 No.973589636

デュランダルが川澄ならオルフェーヴルは関あたりだろ

32 22/09/20(火)00:23:35 No.973589912

>こんなこと言ってるけど雪の日のエピソードとかもちゃんと手を出さずに見守ってくれるのが聖剣先輩 少し離れたところで剣を突き立てたポーズで雪積もってそう

33 22/09/20(火)00:24:46 No.973590313

>デュランダルが川澄ならオルフェーヴルは関あたりだろ cv関智一オルフェは新規軸だな…

34 22/09/20(火)00:30:41 No.973592033

こうしてみるとカレンチャンは優等生過ぎるな……

35 22/09/20(火)00:33:02 No.973592716

>>こんなこと言ってるけど雪の日のエピソードとかもちゃんと手を出さずに見守ってくれるのが聖剣先輩 >少し離れたところで剣を突き立てたポーズで雪積もってそう

36 22/09/20(火)00:37:49 No.973594173

ブルブル震えてるのプリティー過ぎる…

37 22/09/20(火)00:40:06 No.973594841

ぷるぷる先輩カワイイ… はよお風呂に入って温まって…

38 22/09/20(火)00:40:53 No.973595076

⚔️手に雪が積もって…寒いです……

39 22/09/20(火)00:43:53 No.973596013

「私は彼の刃。そして彼は私の鞘。であれば、彼がいるこここそが私の立つべき場所。彼がスイープトウショウを待つというのであれば──くしゅんっ」

40 22/09/20(火)00:47:02 No.973596982

カワイイおてがきでありがたい……

41 22/09/20(火)00:55:38 No.973599506

多分こんな感じでトレーナーを見守るデュランダルの構図がサブトレになっても続いてるんだろうな……って思わせられるいいお手書き

42 22/09/20(火)00:58:23 No.973600209

例の菊花賞の時もトレーナーに肩貸してそうなサブトレーナー

43 22/09/20(火)01:00:43 No.973600795

>聖剣先輩育成シナリオを投下してから一年くらい経ったので今までの流れを汲んでスイープ編を書こうと思ったけど >スイープを引けていなかったことを思い出して泣いた > >今までの聖剣先輩 >fu1457213.txt ありがとう 良いシナリオです 実装まだ?

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