虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

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22/09/03(土)01:45:49 「ふぁ... のスレッド詳細

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22/09/03(土)01:45:49 No.967641111

「ふぁー」 鏡の前には肩まで伸びた艷やかな芦毛のウマ娘の姿があった。 洗面台の上に所狭しと並ぶ化粧道具の数々。どれもこれも自身の給金なら、絶対に手に取らない高級感溢れる代物であった。 「しかし、いつになったら元の体に戻れるんだか……」 手慣れた仕草で 髪を整えつつ、俺は溜息をつく。 ウマ娘の身体になってから早二ヶ月が過ぎた。最初は戸惑っていた環境にも今ではすっかり順応している自分がいる。 「おっと、そろそろ時間だな」 自身の左耳に担当マックイーンから貰ったお揃いの耳飾りを身に着けた。

1 22/09/03(土)01:47:00 No.967641345

「よしっ!」 鏡の前で気合を入れ直し、玄関へと向かう。 ガチャリ ドアを開けるとそこには品のいい白いワンピースに身を包んだ少女がいた。彼女は俺を見るなり笑顔を浮かべるとこちらへと駆け寄ってきた。 「おはようございます、トレーナーさん」 手入れが行き届いた長い芦毛色の髪を揺らしながら、目の前の少女メジロマックイーンが言う。 「あぁ、おはよう」 彼女の顔には満面の笑みが浮かんでいる。 「今日もいい天気ですね」 「そうだな」 「トレーナーさん、せっかくのお出かけ日和なのにそんな格好でいいんですか?」 明らかに残念そうな顔をする彼女。 チラリと自身の身体を見下ろす。女性物の無地の白シャツに、短めのデニムパンツという出で立ちである。

2 22/09/03(土)01:47:13 No.967641384

「仕方ないだろ。スカートは流石に恥ずかしいし……」 「もうっ、トレーナーさんたら可愛い服着るのが嫌なんて贅沢ですわ」 「でもな……」 いくら見た目がウマ娘とはいえ中身は男なのだ。流石にスカートを履いて街を歩く勇気はない。 「ほらっ、今日は私が選んであげますから」 強引に腕を引っ張られ、そのまま部屋へと連れていかれる。 「ちょっ!?待ってくれよ!!」 そう言って半ば強引に部屋に押し込まれた。

3 22/09/03(土)01:47:31 No.967641451

数分後── 「トレーナーさん、お似合いです」 マックイーンの眼の前には、淡いライムグリーンのワンピースを着た可愛らしいウマ娘。 いや、この場合ウマ娘になった俺がいる。 「……やっぱり恥ずかしいな」 正直かなり可愛いと思う。だがそれ以上に羞恥心の方が勝ってしまうのだ。 「何を言っているんですか。こんなに似合っているのに勿体無いですわ」 「……まぁ、いっか」 ここまで来た以上諦めるしかない。そう思いながら鏡に映った自分の姿を眺める。 すると突然背後から抱きつかれた。 柔らかい髪が背中に当たり、甘い匂いが鼻腔をくすぐる。 振り返るとそこには、悪戯っぽい表情をした彼女がいた。 「さっ、早く行きましょうトレーナーさん♪」 彼女に手を引かれながら、ゆっくりとした足取りで家を出た。

4 22/09/03(土)01:47:46 No.967641497

「ご注文はメロンパフェをお一つ、人参パンケーキをお一つ、紅茶をお2つでよろしかったでしょうか」 「はい」 休日ということもありカフェの店内はかなり混み合っていた。席に着くだけでも一苦労だったほどだ。 「それにしても結構混んでますね」 「今日は休日だからな。いつもよりは少ない方だと思うぞ」 テラス席の椅子に腰掛けるがスカートを履いてるせいだろうか、少し座りづらいし、気分がソワソワしてしまう。 「お待たせしましたこちらメロンパフェと人参パンケーキになります」 テーブルの上には瑞々しいメロンが乗せられたパフェにバターのいい香りが漂うパンケーキが鎮座していた。

5 22/09/03(土)01:48:41 No.967641654

それを見た瞬間、思わずゴクリと喉を鳴らす。すると隣に座っていたマックイーンがクスリと笑みをこぼす。 この身体になってから、無性に甘いものが恋しくてたまらない。きっとこれもウマ娘の本能的な何かなんだろう。 「ではいただきましょう」 「ああ、そうだな」 早速フォークを手に取る。まずはこの黄金色のパンケーキを一口……。 「ん……美味しい……」 口の中でハチミツの甘さと人参の香りが絶妙なハーモニーを奏でている。 「どうですか?トレーナーさん」 「凄くおいしいよ」 「ふふっ、それは良かったですわ」 嬉しそうな顔で笑う彼女。その姿に少しドキッとする。 「よろしければ私のも食べてくださいまし」 「えっ、いいのか?」 「もちろんです。遠慮なさらずに」 「ありがとう」

6 22/09/03(土)01:49:21 No.967641772

差し出されたメロンパフェを口に運ぶ。 「うん、こっちもすごく美味いな」 「でしょう?」 得意げな笑みを浮かべるマックイーン。 その後もスイーツ談義をしながら楽しく食事を楽しんだ。 「ふう、食べた食べた」 「はい、とても満足です」 食後のティータイムを終え、会計を済ませる。 外に出ると日が傾き始めていた。 慣れないスカートのせいで今日は一日、足元がスース―して落ち着かなかいかったが、それも今は気にならなくなっていた。 「そろそろ帰るか」 「そうですね」 二人並んで帰路につく。元の体より低くなった身長のせいか視界が前よりも低くなり、見える景色もまた違って見えた。 何気なく隣のマックイーンを横目で見る。

7 22/09/03(土)01:49:45 No.967641849

「どうかされました?」 「いや、何でもないよ」 不思議そうな顔をする彼女。その仕草が可愛らしく思えた。 「あっ……」 石畳の窪みに足を取られバランスを崩す。咄嵯にマックイーンが手を掴むとそのまま引き寄せられるように抱きしめられた。 彼女の柔らかな感触と体温を感じる。 そして耳元にかかる吐息がくすぐったい。 「大丈夫ですかトレーナーさん?」 心配そうに見つめてくる瞳を見返すことができず、俺はただ俯いていた。 「あぁ……ありが──ッ!?」 礼を言おうとしたその時、突然唇を奪われた。 柔らかく温かい舌が口内に侵入し蹂躙される。頭がボーっとしてきたところでようやく解放された。

8 22/09/03(土)01:49:58 No.967641891

「いきなり何を……」 「申し訳ありません。我慢できなくてつい……」 頬を赤らめ、上目遣いで見上げてくるマックイーン。そんな姿に不覚にもドキドキしてしまったのだった。 「あの……トレーナーさん」 「ん?」 「今日はお部屋にお邪魔してもよろしいでしょうか…」 「えっ」 「ダメ……ですか?」 潤んだ瞳で懇願してくる彼女。断ることなどできるはずもなく、結局部屋まで連れてきてしまった。

9 22/09/03(土)01:50:50 No.967642061

部屋の中に入ると彼女はすぐにベッドに飛び込みうつ伏せになった。 そのまま俺の方を見ると、おもむろに手招きをし始める。 誘われるように近づくと突然腕を引っ張られ、ベッドの上へと引きずり込まれた。 柔らかいシーツの感触と共に甘い匂いに包まれる。 そして目の前には目を細めたマックイーンの顔があった。 再びキスをされる。今度は先程よりも激しいものだった。 口の中に広がる蜜の味。それがどちらのものなのかはもう分からない。 長い時間を経てようやく解放されると、互いに肩で呼吸をしていた。

10 22/09/03(土)01:51:54 No.967642249

マックイーンは仰向けになると両手を広げて言った。 おいで、と。 吸い寄せられるように近づくと優しく抱き寄せられた。互いの鼓動が伝わってくるほど密着し合う。 マックイーンの胸に顔を埋めると頭を撫でてくれた。まるで母親にあやされているような感覚だ。 しばらくすると、彼女がポツリと呟いた。 お慕いしております、と。 それを聞いた瞬間、胸の奥に熱が灯るのを感じた。 ああ、やっぱりこの子は……。 その後、俺たちは夜が更けるまでずっと愛を語らった

11 22/09/03(土)01:52:06 No.967642287

一心同体

12 22/09/03(土)02:01:28 No.967643956

パクパクですわー!!

13 22/09/03(土)02:32:40 No.967648918

積極的なマックイーンすき……

14 22/09/03(土)03:28:38 No.967654753

マックイーンとこんな関係にあるとなったらあの青鹿毛様…黙ってませんね…

15 22/09/03(土)07:46:23 No.967671003

TS一心同体

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