虹裏img歴史資料館

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22/09/03(土)00:15:01 「おは... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1662131701031.png 22/09/03(土)00:15:01 No.967616289

「おはよーございます!トレーナーさん、朝ごはん作りに来ました!」 今日も自分の担当、キタサンブラックの声で一日を迎える。なんで俺の家の合鍵を持っているんだとか、成人男性の家に女子学生を入れるのはどうなんだとか、そういったものは他ならぬ彼女に一蹴されてしまった。お世話になったトレーナーのお助けという目的に比べたら、そういったものは些細な問題らしい。彼女の明るい性格と、俺自身の押しの弱さが合わさって反論することも断ることもできず日常生活におけるキタサンブラックという存在はどんどん大きくなっていた。 「ハイ!トレーナーさん、あーんしてください」 「ありがとう………うん、今日も美味しいよ」 「本当ですか!?えへへ、頑張ってよかったです」 朝と昼の食事は基本キタサンに作ってもらうようになった。最近は夜泊まりに来ることも増えたので三食キタサンに任せっきりという日もある。自分でも作ろうとはするのだが、その度に彼女に止められてしまう。 キタサンに朝食を食べさせてもらったあとは朝の身支度だ。スーツとシャツは彼女が準備して持ってきてくれているため、自分は洗面所で顔を洗って歯を磨くだけだ。

1 22/09/03(土)00:15:26 No.967616466

「トレーナーさん、歯磨きのお手伝いしましょうか?」 「いや、流石にそれは………自分でやらせてくれないか」 「うぅん………ちょっとでもめんどくさいと思ったら、任せてくれてもいいんですよ?」 「もし本当に疲れてたらお願いするよ」 段々と彼女に自分の身の回りのことを委ねていくことに抵抗がなくなっていく自覚はあるが、人間の慣れというものは恐ろしいものでそのことに対して嫌悪だとか恐怖といった感情は一切ない。低きに流れるのが人の性とはいえ、年下の異性に依存していくのはどう考えてもよろしくはない。ただ、彼女自身が強くそれを望んでいるフシもあり、このままズブズブと彼女の献身という底なし沼に沈んでいくのだろうという諦観とも楽観とも取れる考えが靄のように頭にかかるだけで、それを拒もうとは思わない。いや、思うことが出来なくされてしまったというのが正しいのかもしれない。 「ちゃんと服は着れましたか?………うん、今日もかっこいいですよ!あっ!寝癖直しときますね」 「何から何までありがとう、キタサン」 「いえいえ、あたしがしたくてしてることですから!それじゃあ行きましょう」

2 22/09/03(土)00:15:57 No.967616656

こうして今日も学園での1日が始まる。唯一残されたアイデンティティと言ってもいいトレーナーとしての仕事も、最近は辛いことや疲れることばかり感じられるようになってしまった。キタサンの"お助け"によって社会人としても弱くなっていくのを痛感する。 「トレーナーさん、今後のことなんですけど……」 「今後って、レースの話かい?」 外も暗くなり帰り支度を始める頃、練習を終えたキタサンはいつものようにトレーナー室で作業をする俺と歓談していた。 「そっちじゃなくて。あたしが引退した後のことです」 「引退………?もしかして、脚に違和感でも!?」 「あぁ……いやいや、そんなことは全然ないんですけど、ただ、トレーナーさんはどうするのかなって」 「キタサンが引退したら………そうだなぁ。やっぱりトレーナーだし、次の子を育てないと」 「その………これはただの提案で、強制するつもりとかはないんですけど………あたしのお手伝いさんになってくれませんか?」 「お手伝いって………日常生活の色んなことを君に手伝ってもらってるのに?」

3 22/09/03(土)00:16:17 No.967616783

「はい!私にとってはトレーナーさんをお手伝いすることが何よりも息抜きになるし、嬉しいので!ですからそれがトレーナーさんのお手伝いです!」 それはヒモというやつでは………というか、介護と言ってもいいレベルまで来ているだろう。しかし困ったことに俺はこの提案を魅力的に感じてしまった。 「あたしはトレーナーさんよりもお金もありますし、力もありますし………もっと頼ってくれてもいいんですよ?」 やっぱり、彼女はまだまだ物足りないのだろう。俺は彼女にどこまで委ねればいいのだろう。 「まぁ……前向きに検討しておくよ」 「やった!もっともーっと頼ってもらえるよう、がんばります!」 結局、俺は彼女を拒むことなんて出来ないのだ。妖しく濁った目でこちらを見つめる彼女は、獲物を逃さんとする捕食者のようで。けれど自分はむしろ食べられることを望むように見つめ返す。

4 22/09/03(土)00:16:41 No.967616928

「えっと………急にはなるんですけど。今夜、トレーナーさんの家に泊まってもいいですか?トレーナーさんお疲れみたいですし、私が晩ごはんを作ってあげます!」 「いいよ。キタサンの料理、楽しみだなぁ」 おそらく彼女にとっての"料理"は俺自身で、もう間もなく下ごしらえが終わるのだろう。 「それと明日はお休みなので、トレーナーさんにはあたしの特別マッサージもしちゃいますね!一週間の疲れが忘れられるくらい、頑張りますから……」 その夜のことは語るまでもないだろう。実を言うと、俺自身の記憶も不確かなのだ。ただ、"ステイヤーってすごい"と、トレーナーとして最低な感想を抱いたことは覚えている。 翌年、俺は"キタサンブラックのお手伝い"に転職した。

5 22/09/03(土)00:17:25 No.967617204

つよつよウマ娘が好きなので書きました。 一晩で2作書いたのは初めてだけど楽しかったです。

6 22/09/03(土)00:29:18 No.967621322

男をダメにして一生尽くす玉藻前みたいになってる…

7 22/09/03(土)00:58:40 No.967630356

育てて太らせて食らう これが女の引き際だ

8 22/09/03(土)01:01:21 No.967631013

>育てて太らせて食らう >これが女の引き際だ めっちゃ攻めてる…

9 22/09/03(土)01:09:49 No.967633115

これはバクシン流桜餅ですね! 食べ頃になったら喰らってください!

10 22/09/03(土)02:07:21 No.967644989

絆されていって気づいた時にはもう後戻り出来ないくらい依存しちゃってるのいいよね…

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