22/08/28(日)00:25:34 「この... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1661613934578.png 22/08/28(日)00:25:34 No.965500393
「この先でいいのか?」 「うむ!!見た限りこの先に行って右側にあるはずだ余!!」 久しぶりの完全オフ。その昼下がりに、シャフリヤールと肩を並べて商店街を歩く 日焼け防止のためにと黒いインナーの上にシャツを羽織ったシャフリヤールはどうにもその王冠もあって人眼を集めてしまうが、こればっかりは自分も含めて仕方のないことかもしれない ただその、薄手のインナーでボディラインが強調されるのは少々、目の毒、ではあるが
1 22/08/28(日)00:25:44 No.965500469
「長老が言うにはとびきりの美味だそうだ余!!!今から楽しみで仕方ない余!!」 「……その呼び方、本人の前ではやめておけよ。割と気にしているらしいからな」 とある競争バからもたらされた情報が今日この外遊のきっかけだった なんでもそのサトノの令嬢にやたら懐かれているという長老……いや競争バ曰く、商店街の端にある和菓子屋のたい焼き。これがとびっきりの美味だという 数に限りがあるためあまり多数の持ち帰りは遠慮したとのことだったが、その味の感想を語る口は軽やかで何とも楽しそうで それを聞いてしまったシャフリヤールが、『余も是非食べたい!!!』と騒ぎ始め……流されるかのように、同行することとなってしまった
2 22/08/28(日)00:25:54 No.965500547
「しかし、たい焼きか。思えば全然食べていないな」 「ふむ、言われてみれば。こういう時でもないと意識して食べぬからな」 情報源である本人もサトノの令嬢に引っ張りまわされている時に偶然立ち寄ったのが元だという 特にトレセン学園だとカフェテリアの使い勝手が良すぎることもあって、あまり外に出て……という事をしない生徒も多い こうして商店街の雑踏を歩くのだって実際に久しぶりだし、少し気を付けねば出不精になってしまうかもしれない 「白玉あんこの大たい焼き……うーむ!!想像するだけでよだれが出てくる余!!」 「はしたないぞ……今は特に、その………女の子なのだから」
3 22/08/28(日)00:26:04 No.965500626
未だに意識して言葉にするのは抵抗があるが、事実なので仕方ない 上機嫌で歩くシャフリヤールの足は軽く、夏の暑さも忘れたかのようで そんな姿を見せられてはこっちだって断れはしない。もとより、断るつもりも無かったが 「そういえば先ほど思い出したんだがな。この商店街にもう一つ、おススメされた店があった」 「お?それは如何なる処だ?」 「ニンジンパフェが人気らしい。今回行く店とは正反対の方角だがな」 ぷぼんじゅ~る、とか言ってるあるウマ娘がそんなことを言っていた。先輩に連れていかれて、凄く美味しかったと そんなことを漏らしたら、シャフリヤールはむぅ~っと、頭を抱え込んでしまった
4 22/08/28(日)00:26:17 No.965500705
「に、ニンジンパフェ!!!しかし、今回はたい焼きが……!!!」 「一緒にはやめておけ。確実にカロリー計算オーバーになるぞ」 「な、何故今そのような!!!迷いが生まれてしまったではないか!!うーむ、しかし今回は……」 まぁ、正直な事を言えば俺も行けるものであれば両方行きたいくらいではあるが。確実に後に響いてくるのでその一歩は踏み出してはいけないだろう すっかり思考の沼にハマってしまったシャフリヤールを見かねて、言いだした責任もあっての提案を出しておく 「……また後日くればいいだろう。その時また付き合うさ」 「………余?」 「何だ、その顔は。俺はそんなに付き合いが悪いわけではないぞ」
5 22/08/28(日)00:26:29 No.965500777
きょとんとして固まってしまったシャフリヤールだが、俺はそんなに人付き合いが悪く思われていたのか そんな風に考えていたら、にたぁと笑うその顔 まるで悪戯っ子のような、おねだりに成功した子供のような、そんな顔を浮かべて 「………ん!!!それならばよしだ余!!!次の予定を帰りながらにでもしっかり決めるとする余!!!」 「もうか?随分気が早いことだ」 「いいのだ!!エフフォーリアが自分からそのように言ってくれるのは珍しいからな!!しっかり楽しみにさせてもらう余!!!」 ……そうか。そんなに、楽しみにしてくれるのか それはこっちとしても………その。悪い気は、しない
6 22/08/28(日)00:26:41 No.965500871
「それよりも周りをしっかり見ておけ。少し注目を集めすぎだ」 「……余余?」 気付けば、周囲には明らかにこちらを注視している人だかり メモ帳やペンを持った学生らしき人影も多い。これは、少し時間を食いそうだ 「数に限りがあるとは言っていたが……これも務めみたいなものだろう」 「むぅ。売り切れなければよいが……致し方ない余」 こっちが自分たちを認識したと判断したのか、寄ってくる人の波 次はもう少し変装なりなんなりするべきだろうか。突発的に始まってしまったファンとの交流に、しばしの間もみくちゃにされることとなってしまった
7 22/08/28(日)00:26:53 No.965500965
● 「………んー!!!!これはまさに絶品だ余!!!」 既に一つ、ものすごい勢いで食べてしまってなおその顔は華咲く満面の笑みであった 目的の和菓子屋に到着し、聞けばギリギリセーフで一人2つなら用意できるとのこと 早速注文し、こうして食べ歩くこととなった 少し行儀は悪いかもしれないが、買い食いと言うのはこういうのもまた醍醐味なのかもしれない それにこの笑顔を見て誰が咎められようか 「ん、美味いなこれは。白玉が思った以上にいい仕事をしている」 「うむ!!もっちりした食感が甘味の強い餡を際立たせて受け止めておる!!!これほどのものだったとは!!!」
8 22/08/28(日)00:27:06 No.965501057
シャフリヤールの言う通り、餡はあえて甘さ強めのものになっていて恐らくそのままではくどい仕上がりになっていただろう それを白玉が受け止めていることで程よい仕上がりとなり、生地の香ばしさも際立っている これは事前の大絶賛も納得の出来だ。今後も足を運ぼうと思えるほどには気にいってしまった 「売り切れ御免も納得だな」 「これでは確かに売り切れもしよう余。今後定期的に早めに買いに来るとするか!!!」 恐らく、つき合わされるのだろうな。などと考えても口には出さず 夕焼けに日が傾きかけてきた商店街の中でそんなシャフリヤールを見ていると、わざわざ今日足を運んだ甲斐もあると思える 後日のニンジンパフェの時もこうして振り回されるのだろうか。それもまぁ、悪くはない
9 22/08/28(日)00:27:17 No.965501138
「む、エフフォーリア。お主、口元に餡がついたままであるぞ」 「なに?すまない、はしたなか ちょん、と 唇に、その細い指先が振れた
10 22/08/28(日)00:27:28 No.965501222
「あむっ」 「 」 今振れた細い指先は、誰のものだったろうか 少なくとも、自分のものではない。では誰だ? 目の目にいるのは、その たった一人で 自分の指をくわえて満足そうにしている、一人だけで 「ん、とれた余♪」 じゃあ、今 俺の唇に触れて それをなめとったのは
11 22/08/28(日)00:27:39 No.965501329
「ん?エフフォーリア………?エフフォーリア!?」 くらぁっと、頭に血が上った時特有の意識の揺らぎ 「な、なにを興奮しておるのかお主!!!だ、誰かー!!!!!!!」 倒れかけた自分の体を支えるぷよんとした柔らかい感触をトドメとして 意識の糸は、ぷっつりと切れた
12 22/08/28(日)00:28:29 No.965501713
おわり 久々にエフ余したくなったけど途中で力尽きた
13 22/08/28(日)00:30:08 No.965502411
何だかんだいつも一緒な二人いいね…
14 22/08/28(日)00:30:18 No.965502481
余はこういうことする
15 22/08/28(日)00:31:55 No.965503207
>途中で力尽きた 力尽きたのエフ君じゃないですか!
16 22/08/28(日)00:34:38 No.965504491
サトノの令嬢に懐かれてる長老…
17 22/08/28(日)00:39:01 No.965506445
いつもながらエフフが紙装甲すぎる
18 22/08/28(日)00:39:10 No.965506513
えっ!今日は2余していいのか!
19 22/08/28(日)00:40:46 No.965507193
余はいくらしてもいい
20 22/08/28(日)00:42:02 No.965507739
マカヒキおじいさんになってしまった