虹裏img歴史資料館

1 22/08/26(金)00:18:17 No.964770798

グランドライブの大成功から１ヶ月ほど経った頃だろうか、仕事のことで相談したいことがあると彼女からメッセージを受け取ったのがきっかけだった。相談内容は言ってはなんだがあまり特別なものではなかった。上司とうまくいかないだとか、自分の考えをどう伝えるべきか分からないだとか。しかし、だからこそ自分も共感できたし意見を述べることもできた。ライトハローは真面目なウマ娘だ。必要以上に物事を考えたり、自分を責めてしまうことが少なくない。そんな彼女を少しでも支えたいと思ったし、彼女自身も俺の葛藤を聞いた上でアドバイスをし、背中を押してくれる。そんな関係がありがたいと思ったし、彼女と話をすることで自分の仕事にも新たな考えを持つことが出来る。彼女の毎週末は二人で飲もうという誘いを断る理由はなかった。 「ほらほら、トレーナーさんも飲んで飲んでー」 「俺はお酒弱いので……これくらいで十分ですよ」 「もーそれじゃ私だけいっぱい飲んで変じゃないですかー。パーッとやっちゃいましょう！」 「いつも以上に飲んでますね………何かあったんですか？」 「おぉ！聞いちゃいますかー？実はスポンサーのお偉いさんがですねー………」

2 22/08/26(金)00:18:34 No.964770879

どうやら今夜は長くなりそうだ。これだけ酔っているとなると、帰りも駅まで付き添ったほうが良さそうだ。 「………それで、『だったら君が踊ればいいんじゃないか』って………ニヤニヤしながらそう言ったんですよ！セクハラですよセクハラ！私だってねぇ………ピチピチのウマ娘でぇ…………あーもううまぴょいします！フルで歌いますからね！現役ピチピチウマ娘のウイニングライブやりまーす！」 「いや、辞めておいたほうが………」 「止めないでください！やーってやりますよぉ……ウマ娘なんですからぁ！」 うーーーー(うまだっち) うーーー(うまぴょい うまぴょい) うーー(すきだっち) うーー(うまぽい) うまうまうみゃうにゃ 3 2 1 Fight!! 「ぜぇ…………ぜぇ…………この状況……既視感…………ｳｯﾌﾟ…」 「だから言ったじゃないですか………」 この後も彼女の愚痴を聞きつつカラオケも楽しみ、気づくと終電を心配するような時間になっていた。

3 22/08/26(金)00:18:51 No.964770965

「だいぶ遅くなってきましたね。そろそろお開きにしないと電車マズイんじゃないですか？」 「それなんですけどねぇ………確かトレーナーさん、この近くに住んでましたよね………？」 「確かにトレーナー寮はこの近くですよ。歩いて帰れないことも無い距離です」 「自分で言うのもなんですけど………私ベロベロでして………ちょっと一人で帰るのは怖いなー………なんて…」 「えーっと、つまり……」 「トレーナーさんのお家にお邪魔しちゃいたいなって………明日はお休みですし♪」 「うーん………まぁ遅くなっちゃいましたしそうしましょうか」 「やったー♪………ふふっ」

4 22/08/26(金)00:19:16 No.964771127

よし、お酒の力を借りたとはいえ勇気を出してよくやったぞ！私！……なんて考えながら、トレーナーさんに肩を貸してもらう。思えば私の実家には上げたことがあるのだから、私が彼の家に行っても変ではないはずだ………多分。本当はトレーナーさんを抱っこして駆け出してしまいたいくらいだが、ここはじっと我慢。家に上げてくれるということは彼もそういうつもりだろうし…………今週も頑張った甲斐があった。このまま一緒に………ずっと二人で走れるようになったら………取らぬ狸の皮算用というやつかもしれないけど、アルコールの作用もあり妄想が止まらない。そうこうしているとあっという間にトレーナー寮だ。誰かに見られちゃったら、噂になっちゃったりして………えへへ。 「ただいまー。遅くなっちゃった」 「トレーナーさん………まずはシャワー浴びませんか？お外、暑かったですし………」 「その通りだよ、トレーナー君。シャワーを浴びて汗を落とすといい」 「そうだね、ルドルフ、僕がシャワーを浴びてる間にライトハローさんにお水を飲ませてあげて」 んー？？？あれれ…………？？

5 22/08/26(金)00:19:52 No.964771336

「その必要はないと思うよ。もう彼女の酔いは醒めているようだ」 「そう？まぁ、とにかくシャワーを浴びてくるよ………ライトハローさんも、落ち着いたらシャワーを貸しますよ」 えっと…シンボリルドルフさん、彼の担当の娘……… ってことはまさか………？困惑する私をよそに、彼はお風呂に向かって消えていく。 「申し訳ない、驚いたでしょう。いや、がっかりしたと言うほうが正しいかもしれませんね。私もお気持ちは分かります………痛いほど」 「えー………あなたとトレーナーさんは一体……どのようなご関係で………？」 「あなたが想像してるようなものではありませんよ。今夜は少し環境を変えてみて作業に集中したいと………そんな言い訳を使ってここに来ただけです。トレーナー君があなたに会いに行くと言って家を出たときは驚きましたよ」 「あっ……お付き合いしているという訳ではないんですね」 「残念ながら、その通りです。しかしトレーナー君もいささか配慮不足というか、鈍すぎるというか……テレビであれだけ情熱的なアプローチをした女性を他の女性と一緒に家に上げるなんて。彼からしたら、私はまだ子供なのかもしれませんが」

6 22/08/26(金)00:20:48 No.964771677

「それを言うならルドルフさんも、雑誌でかなり直接的にトレーナーさんへの想いを述べてたと思いますよ」 「ふふふっ……こうなってしまっては仕方がないですね。あなたも不本意だとは思いますが、どうでしょう、今夜は彼の話でもして時間を潰すというのは」 なんだか状況はよくわからないけど、とにかく私が思い描いていた筋書き通りにはいかないみたいだ。とほほ………。 肝心のトレーナーさんはというと、シャワーを浴び終えたあと、フラフラと私達の元へ来ると一言、「ごめんなさい、寝ます」と言うとソファーで横になってしまった。 「トレーナー君も疲れてるんです、許してあげてください」 「私達、彼に全く意識されてないんでしょうか………？」 「さっきも言ったように、ただひたすら鈍感なだけだと思いますよ。私もこの3年間で思い知りました。あなたも心当たりがあるのでは？」 ………そういえば、私の実家に来たときも特に抵抗や緊張している様子は無かったな………お母さんなんかは完全に彼氏と思って接してたんだけど。今思うとあれはなんにも気づいていなかっただけなのかもしれない。

7 22/08/26(金)00:21:19 No.964771832

「それにしてもグラウンドライブ以来ですね。このような形で再会するとは思いませんでした。それまでも彼から貴女の話は聞いていましたが」 「私の話…………？」 「二人で夜空を見たり、マッサージをしてもらったり………正直、羨ましく思いましたよ」 「あぅ……すみません……」 「申し訳ない、責めるつもりは無かったのですが………ただ、彼と近い距離で接することのできる貴女が羨ましいと思ったのは事実です」 「それを言うなら私だって………もう二度とない青春をトレーナーさんと駆け抜けていくあなたが羨ましいです」 「………どうも、奇妙な感じですね。当の本人は眠ってしまっているというのに」 「彼が寝ているからこそ、こういう話ができる。私はそう思います。もしこの機会が無かったら、ルドルフさんは私のことを恨んでいたかもしれませんね」 「それは、宣戦布告と受け取ってもよろしいでしょうか？」 「きっと彼と出会う前の私だったら身を引いていたと思います。だけど、彼と一緒に3年間、グランドライブに関わったことで私も変われたんです。彼と一緒に肩を並べて走りたい。この思いを諦めるつもりはありません」

8 22/08/26(金)00:21:32 No.964771911

絵がすでに不穏だ…

9 22/08/26(金)00:21:42 No.964771961

「それは私も同じです。彼には何度も支えられましたし、時には彼に寄りかかることも教わりました。手放すつもりはない、傲慢かもしれませんがそれが私の思いです」 「これからは勝負………ですね」 「またまた、もうとっくにあなたは仕掛けていたでしょう？」 言葉も表情も穏やか、でも、その裏に炎が燃えているのは明らかだった。久しぶりだな、この感覚。以前の私だったら怖気づいて逃げてたかも。でも私はあの人のおかげで変わった。譲れないワガママ、それを突き通すことが決して悪いことではないと知れたから。 「今日のところは遅いですし、とりあえずトレーナーさんをベッドまで動かしましょう」 「私達はどこで寝ましょうか。ここのベッドは3人くらいまでなら寝ることができると思いますが」

10 22/08/26(金)00:22:13 No.964772115

うーん………頭痛い…………最近、ほとんど寝てなかったからなぁ………ルドルフとライトハローさんには悪いことしちゃったな。 …………なんかやけに温かいな。というか、ソファーで寝ていたハズでは…… 「おはようございます！トレーナーさん」 「おはよう、トレーナー君」 「うわぁ！？二人ともどうしてベッドに………」 「私達二人とも君が家に招いたんじゃないか。それに、3人ともベッドで眠れるなら、そのほうがいいだろう？」 「とりあえず、私達で朝ごはんを用意するのでトレーナーさんはもう少し寝ていてもいいですよ♪」 慌ててスマホで日付を確認する。良かった、ちゃんと休日だ。しかし、今更だけどウマ娘を二人家に上げるなんてかなりマズいのでは………… まぁ、考えすぎか。 「早速お料理勝負ですね！負けませんよー」 「トレーナー君の好みは私のほうが把握しています。負けませんよ」 「二人とも、いつの間にか仲良くなってたんだね」

11 22/08/26(金)00:22:39 No.964772271

やはり考えすぎだったみたいだ。それどころか二人とも以前会ったときよりも親密になっている気がする。すべてのウマ娘の幸福を掲げるルドルフと、すべてのウマ娘の輝きを願うライトハロー。二人が手を取って話し合えば、きっとウマ娘たちの未来もより明るく照らされることは間違いないだろう。二人が紡いでいくであろう未来が楽しみだ。 「…………今度、二人で愚痴を言い合いませんか？勝負抜きで」 「トレーナー君は相も変わらず…………もちろん、喜んで」

12 22/08/26(金)00:23:26 No.964772516

ライトハローさんが思いの外刺さったので書きました。 敬語で話す会長の違和感が凄い………

13 22/08/26(金)00:26:10 No.964773415

私はいいと思う

14 22/08/26(金)00:30:33 No.964774714

私もとてもいいと思います！

15 22/08/26(金)00:35:37 No.964776196

クソボケがーっ！！！

16 22/08/26(金)00:38:18 No.964776993

いい

17 22/08/26(金)00:38:33 No.964777081

「「よくない！」」

18 22/08/26(金)00:40:11 No.964777580

なんだい今夜はやけにライトハローの怪文書を見かけるが…

19 22/08/26(金)00:41:33 No.964778000

とりあえず両方食っとけ それがおそらく一番生傷が少なくて済む

20 22/08/26(金)00:43:23 No.964778493

>とりあえず両方食っとけ >それがおそらく一番生傷が少なくて済む 「「この人がそんな事するかァ～！」」

21 22/08/26(金)00:48:36 No.964779965

>「「この人がそんな事するかァ～！」」 （だから拗れるんだな…）

22 22/08/26(金)00:51:53 No.964780930

少なくともルドルフに手を出すのはないかな…

23 22/08/26(金)00:52:55 No.964781217

普通はベッドに担当バ（未成年）と付き合ってない女性が寝てたら事件モンだよな…

24 22/08/26(金)01:07:29 No.964784964

トレーナーを巡って勝負しているうちに仲良くなるやつだこれ！ それはそれとしてトレーナーはクソボケ

25 22/08/26(金)01:07:45 No.964785028

>なんだい今夜はやけにライトハローの怪文書を見かけるが… キャラが良すぎるのが良くない

26 22/08/26(金)01:16:35 No.964787041

スタイルも良い

27 22/08/26(金)01:33:23 No.964790566

生徒会相対的貧乳の会長よりデカイ相手が増えた…

28 22/08/26(金)01:51:12 No.964793949

もういいだろ2人で共有しちゃえよ