ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
22/08/23(火)20:00:01 No.963982262
夜8時といえば!!そう! フルートリズムのフルートひとくち講座ですね!! 16回目は、前回のネタに引っ掛けて 「タンポの固定方式」をお届けします! どうでも良さそうな事なんですが、ここの変化も実は結構大事でして・・・ では、どうぞ!!
1 22/08/23(火)20:00:22 No.963982399
まず、サックスやクラリネットなどの基本的な木管楽器は、タンポを固定する為に「セラック(ラック)」という接着剤を使います。 これは熱で溶けるホットボンドのようなモノですが、原料は「ラックカイガラムシ」という虫です。 この虫から採れる色を「えんじ(臙脂)色」と言い、 ラックカイガラムシから作られるセラックも、濃いえんじ色をしています。 ※虫なので検索注意!
2 22/08/23(火)20:01:13 No.963982771
それまでの木管フルートやベームさんが開発した当初のフルートは、全てのタンポをこのセラックで接着していました。 ですが、この方式では径の大きなタンポの微調整が難しいんです。
3 22/08/23(火)20:01:32 No.963982903
以前お話しした通り、フルートは音色の為に織りフェルトとフィッシュスキンを使ったタンポを使っています。 例えばサックスのタンポは動物の革をスキンとして巻いているので、多少精度が出ていなくてもゴムパッキンのように変形して塞がってくれますが、 フルートのタンポの場合はそこまで変形しないので、少しの狂いだけで音が出なくなります。 また、出来るだけキーを押さえる力を軽くしたいという理由もあります。 サックスの場合はキー自体が大きいので、キーを動かすバネも強くないと動いてくれないのですが、 フルートのサイズではバネが強いと指が動かしにくくなってしまいます。 更に、作曲家や奏者も「もっと速く!!限界まで!!」と、より速い指使いを要求するようになるのですが、 速い指使いでも安定して音を出す為には、タンポを非常に高い精度で合わせる必要があります。
4 22/08/23(火)20:01:53 No.963983071
そこで考えられたのが、 タンポをネジ止めして、カップとタンポの間に調整紙を挟む固定方法でした。 この方法であれば、セラック止めよりも繊細な微調整が可能になります。 ネジ止め方式は、ある程度以上の大きさのタンポ、 トリルキーや左人差し指のキーといった「豆タンポ」と呼ばれるタンポ以外に採用されました。 当初はカップにオネジをハンダ付けし、ネジ穴を切ったワッシャーを取り付けていました。 ただし、この方法だとワッシャーが非常に傾きやすいので、 現在はカップにメネジをハンダ付けし、ネジとワッシャーで固定する方式になりました。 ちなみに、リングキーの場合はワッシャーの代わりに 「スナップリング」と呼ばれる部品を圧入して固定しています。
5 22/08/23(火)20:03:31 No.963983779
今回はここまで! 明日と明後日は忙しいのでちょっと出来るか分からないですが、 また夜8時にお会いしましょう!! あ、ネタとか疑問・質問大募集中です! ではまたー!
6 22/08/23(火)20:10:55 No.963986787
ラックカイガラムシ…初手の画像が集団状態なのなんなんだよ!!!1!1!!
7 22/08/23(火)20:29:20 No.963994271
中々強烈な画像ですよね・・・ 塗料の「ラッカー」の語源も、このラックカイガラムシです。 天然の熱可塑性樹脂として、塗料や絶縁体など使われていました。 現在はガムやチョコレートの光沢材としても使われています。
8 22/08/23(火)20:30:15 No.963994626
>塗料の「ラッカー」の語源も、このラックカイガラムシです。 しらそん…カイガラムシって結構着色に使われてるよね…コチニールとか…